ひとりで出来る自主制作映画

その2 それでもフィルムで撮りたいんだ!

映像作品を制作する上で、最初に考えなければならないのは、映像メディアの選択でしょう。

いまさら何言ってるんだ、ビデオに決まってるだろ!ビデオに!!
と思った方は、今回は読み飛ばして下さい。

おそらく、自主制作映画を志す人の多くは、なんと言ってもフィルムで映像作品を制作したいのではないでしょうか。
事実、わたしも出来ることならば、一生に一本くらいは35mmフィルムで映画を撮ってみたいと考えています。
しかし、35mmフィルムで映画を自主制作する、というのはあまりにも実際的ではないと思いますし、自主制作に限定した場合、制作が技術的に可能なフィルム・メディアは8mmフィルム、もしくは16mmフィルムだと考えるのが一般的です。

そこで、当コンテンツ「ひとりで出来る自主制作映画」では、まず最初に、8mmフィルムでの自主制作映画について考えていくことにします。
当コンテンツ「ひとりで出来る自主制作映画」では、最終的にDVmini規格に則った自主制作映画を提案していくことになるのですが、先ずは前段として8mmフィルムでの自主制作映画の於かれている現状を明確にしていきたいと思います。

それでは、8mmフィルムでの自主制作映画の制作工程について考えてみましょう。

0.事前準備

映像メディアが異なっても、事前準備でやらなければならないことには、差が無いので詳細は割愛します。

1.撮影

撮影には、撮影機材として、当然8mmカメラが必要です。
8mmカメラには、現在中古市場に流通しているもので、シングル8(フジフィルム系)というフィルムを使用するものと、スーパー8(コダック系)というフィルムを使用するものがあり、カメラ本体の実売価格は、中古のもので3〜30万円程度のようです。
因みに、シングル8を使用するカメラの方が一般的に技術的高度な撮影を行うことが出来、価格的にも高いようです。

撮影には勿論、フィルムも必要です。
シングル8、スーパー8ともに、日本国内で細々と流通はしているようですが、DVmini等のビデオテープと比較すると圧倒的に、入手が困難となっていますし高価です。
また、フィルムはご承知のように現像が必要ですので、現像サービスを行っている業者を見つけることが重要です。
撮影のランニング・コストとしては、3分20秒のフィルムの場合、現像代込みで2〜3,000円程度のようです。
なお、シングル8はフジフィルムが日本国内で現像を行っていますが、スーパー8の現像は原則的に海外での現像のようです。

因みにその3分20秒のフィルムの中で実際本編に使えるのは、どれくらいの割合になるのかは、スタッフやキャストの質に左右されることになりますが、わたしの経験では、15〜20分くらいの作品を作る場合、3分20秒のフィルムを7〜12本くらい使用することになります。

2.編集

編集には、フィルムを切ったり繋げたりするためのスプライサーという機材と、フィルムを小さなスクリーンに投影し、カットの繋ぎを確認するためのビュワーエディターという機材が必要です。実売価格は両方合わせて4〜5万円程度のようです。
別途、フィルムを繋げるためにスプライシング・テープやフィルムをまとめるためのリール等が必要です。

3.録音

録音には、録音機能付の映写機があれば基本的になんとかなります。
但し、8mmフィルムには、サウンドトラックが2chしかありませんので、ステレオで音楽を入れて、その上でセリフをかぶせたい、とか、音楽とセリフと物音を同時に収録したい、というような希望がある場合は、4ch程度のミキサーや、場合によってはマルチトラック・レコーダー等が必要になります。
(まあ、この辺は努力とアイディアで何とかなると思いますが、念の為。)
映写機の実売価格としては、8〜15万円位のようです。
また、フィルムによっては、最初は磁気がついていないものもありますが、この磁気なしフィルムを磁気録音できるように、マグネコーティングという工程を行う必要があります。
費用は、3分20秒で、4,000円程度です。

4.映写

映写のためには、映写機とスクリーンが必要ですが、映写機は前項の通りです。
スクリーンはとりあえずはシーツでも何でもOKです。

それでは、コストを計算してみましょう。

イニシャル・コスト
200,000円 カメラ
50,000円 スプライサーとビュワーエディター
150,000円 映写機
400,000円 合計

ランニング・コスト (15分のショート・フィルム制作費用として)
30,000円 フィルム及び現像代10本分
12,000円 マグネコーティング
10,000円 リール、スプライシング・テープ等雑費
52,000円 合計

とりあえず、初期投資として400,000円あれば、映画の自主制作は可能ですが、15分の作品を制作する度に、5〜10万円程度のコストがかかることになりますね。

ひとりで出来る自主制作映画 その3
http://diarynote.jp/d/29346/20030812.html

ひとりで出来る自主制作映画 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20030806.html

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ひとりで出来る自主制作映画

その1 はじめに

世の中には、自主制作映画(ビデオ作品含む)の制作を志す人達がたくさん居ると思います。
インターネット上においても、自主制作映画への熱い思いを語るサイトを時折見かけることがありますし、掲示板では、自主制作映画のスタッフやキャスト募集の書込みを見る事が頻繁にあります。

事実、監督として、無から映像作品の自主制作をはじめようとする人達にとって、最大の問題点のひとつは、スタッフとキャストをいかにして集めるか、だと思います。

勿論、大学の映画制作サークルや、地元の映画制作グループに入れば、スタッフやキャスト集めの問題は簡単にクリア出来るのですが、自主制作を志す人達の最大の目的は、おそらく自分で監督をやりたい。ということだと思います。

仮に、そういった映画制作サークルに入ったとしても、監督になれるのか、という大きな問題があなたを待ち構えているでしょう。
なぜなら、そういったサークルでは、既に監督が存在し、その監督が自分のビジョンを実現するために、スタッフやキャストを求めているのですから。

従ってそういったサークルに入った場合、結果的には、スタッフの一員からスタートすることになり、自ら監督をやりたい、という理想と現実に、切歯扼腕してしまう姿が容易に想像できてしまうのだ。

しかし、自主制作に懸ける数年がかりの長期的な展望を持っているのであれば、映画制作サークルに入り、映画制作を一から勉強することは、非常に有意義なことだと思います。

何しろ、監督志望の何も知らないあなたが、スタッフやキャストを集めたとしても、何をして良いのかわからずに、シナリオばっかり書いて、後は理想や映画の批判ばかりして、酒を飲んでいても仕方がないですからね。
(事実、こんな感じで空中分解してしまう自主制作サークルは多いようです。)

そこで、徒然雑草では、「でも、僕はなんにも知らないけど、最初から監督をやりたいんだ!」という方を対象に、「ひとりで出来る自主制作映画」と題して、とりあえずひとりで出来ることをやって見ることをオススメしたいと思います。

不定期連載だけどね。

ひとりで出来る自主制作映画 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20030807.html
 
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さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その7です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

まず映画です。

#047 「ロード・オブ・ザ・リング」新文芸坐 2003/07/21
#048 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」新文芸坐 2003/07/21
#049 「茄子/アンダルシアの夏」丸の内シャンゼリゼ 2003/07/29


続いて、DVDやCATVです。

#109 「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」2003/07/02 CATV
#110 「ブレードランナー最終版」2003/07/02 DVD
#111 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」2003/07/03 DVD
#112 「モンスターズ・インク」2003/07/05 DVD
#113 「ファンタジア2000」2003/07/05 DVD
#114 「七人の侍」2003/07/07 CATV
#115 「ザ・セル」2003/07/08 CATV
#116 「CUBE」2003/07/09 CATV
#117 「ELEVATED」(短編)2003/07/09 CATV
#118 「転校生」2003/07/10 CATV
#119 「グレート・ウォリアーズ/欲望の剣」2003/07/12 VTR
#120 「チャイナ・シンドローム」2003/07/12 CATV
#121 「ザ・フォッグ」2003/07/12 CATV
#122 「ミザリー」2003/07/13 DVD
#123 「一番美しく」2003/07/14 CATV
#124 「キングコングの逆襲」2003/07/23 CATV
#125 「天国からきたチャンピオン 2002」2003/07/26 CATV
#126 「うっかり博士の大発明/フラバァ」2003/07/26 CATV
#127 「ビッグ」2003/07/26 CATV
#128 「雲の中で散歩」2003/07/26 CATV
#129 「スパイキッズ」2003/07/27 CATV
#130 「シャイニング」2003/07/28 DVD
#131 「スタンド・バイ・ミー」2003/07/30 HDD
#132 「博士の異常な愛情」2003/07/31 DVD
 
1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて27本(累計178本)でした。

さて、本の方は、
#029 「七瀬ふたたび」筒井康隆著 新潮文庫 2003/07/03
#030 「天狗風 霊験お初捕物控[ニ]」宮部みゆき著 講談社文庫 2003/07/11
#031 「まんぞく まんぞく」池波正太郎著 新潮文庫 2003/07/15
#032 「夏の庭」湯本香樹実著 新潮文庫 2003/07/20
#033 「エディプスの恋人」筒井康隆著 新潮文庫 2003/07/28
#034 「死神」清水義範著 角川文庫 2003/07/29

読書は6冊(累計34冊)でした。

状況として、7月は仕事がとても忙しく、非常に厳しい状況になってきています。いつもおんなじです。

映画は結果月27本(累計178本)ですので、このままのペースだと、305本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月3本(累計49本)、このままのペースだと、年間84本になります。

読書の方は、月6冊(累計34冊)で、このままのペースで58冊となります。

映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は非常に厳しい状況です。
8月は仕事が若干すくと思います。(毎月言ってますが、全然すかないです。)
今月も頑張りま〜す。
わたしは自転車をやっています。
ということもあり、「茄子 アンダルシアの夏」には非常に期待していました。
また一方では、自転車をやっているなりの一抹の不安を感じていたのも事実です。

物語は、兄とかつての恋人との結婚式の日、地元を通る世界3大レースのひとつ「ブエルタ・ア・エスパーニャ」にチームのアシスト選手として参戦する主人公ペペの熱い夏の物語なのだ。

まず気になったのは、本作はご存知のようにアニメーションである。しかも短編47分である。
ついでになんとスタンダードなのである。ということ。
スタンダード47分というのが、なんともいやらしいが(TVサイズ、60分枠)、そんなことは結果的には問題なしなのだ。

第一印象的感想としては、主人公ペペの自転車人生が十分なキャラクターの描き込みで見事にコンパクトにまとまっており、アクション・シークエンスでは、思わず握りこぶしを作りつつ、また小粋なカットやセリフにやられちゃう感じの傑作なのだ。

画的には、背景は太陽の色すら感じられるクリアーな爽快感を醸し出してるし(空の色が凄い!)、自転車のアクションシークエンスは、はっきり言って素晴らしい。自転車乗りが言うんだから、これは間違いありません。「メッセンジャー」なんてめじゃありませんね。

特に広角レンズでの移動の疾走感が凄く、背景(路面等)が広角を維持しつつ、ハイスピードで動くのは凄いです。従来のセル・アニメーションじゃ無理でしょうね。実際の自転車レース(マラソンやサッカーの移動カメラ等も)等の撮影も広角レンズを使用しているので、リアリティの付与に高い効果を付与しています。
また、ゲートのCGワーク(広角レンズでのゆがみ)もツボを抑えて臨場感を高めている。
ラスト近辺の鬼気迫る劇画タッチもキテルぞ。
全般的な印象として、やはり宮崎駿の系譜を感じる作風になっていますね。

ドラマ自体も非常にドラマチックで、ペペと兄アントンの生き様と確執、自転車に対する愛情が感じられ、泣かせるシークエンスやカット、小粋なセリフが泣かせるぜ。
また、彼らの父親が車椅子に乗っているのも、過去にいわくがありそうで、良い印象を受けます。(「ドリブン」のバート・レイノルズ的な。)

また、登場人物らのペペを見る目が素晴らしいです。愛情と期待、羨望の眼差し。
何も語らなくて良いのです。その目の表情だけで全てを語っています。

また、自転車レースの中継を意識した画面構成と、実況なんかも好印象です。

とは言っても全く問題点が無いわけではなく、やはり最初に言ったようにスタンダードサイズというのがいただけない。勿論将来のTV放映や、CGワーク等の問題はあるのだろうが、せめてビスタで観たかった。
あとは、日本語が浮いている印象を受けた。日本語字幕でも良かったんじゃないかな。

とにかく、続編等の大作ぞろいの夏の映画のオススメの一本ではあります。是非お勧めなのだ。
短いしね。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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ご参考
http://village.infoweb.ne.jp/~tkr/tsr.htm

梅雨の罠

2003年7月28日
わたしの駐車場は、マンション敷地内にある立体型駐車場で、一台分のスペースに3台駐車できる、という優れものであり、わたしの車は一番下(地下2階相当)に格納されているのだ。


第一の罠

わたしの車は、常にB2F相当の地下に格納されており、専用キーが無いと地上に上げることが出来ない。そのため車場荒し等に対するセキュリティ対策は万全なのである。

しかしながら、車は通常、視認できない地下に格納されているため、半ドアによる車内灯やスモールライトが点いた状態で地下に格納してしまっても、状態が確認できず、近所の人も誰も気づかないため、すぐバッテリーが過放電してしまい、バッテリー自体がお釈迦になってしまう可能性を秘めているのだ。

事実、わたしの車も、おそらく半ドア車内灯点灯状態でB2Fに格納してしまったらしく、6月中旬にバッテリーが死んでいる状態で発見されたのだ。

第二の罠

バッテリーが死んでしまっている以上、車を引き上げても仕方が無いので、わたしは1ケ月程B2Fに車を放置していた訳であるが、先日友人の力を借り、バッテリーを交換すべく、車をB2Fからサルベージしてみたのである。

で、わたしたちが発見した車は、フロント・ウィンドウ越しに見るかぎり、ダッシュボードが、うっすらとした白色斑点模様に覆われていたのだ。

賢明な読者諸氏は既にお気づきのことと思われるが、関東地方の今年の梅雨は思いのほか長く、かつ湿度も高かったようである。
わたしの車のダッシュボードはなんと、黴に覆われていたのである。
おっとろしー。

これは凄い体験なのだ。

状況を確認すると、エアインテーク(?)を「外気」にした状態で地下に車を格納している人は、ご注意なのだ。
地下に溜まった湿度が車内に忍び込み、時々地上に引き上げないと、ダッシュボードが黴てしまうぞ。

ところで、わたし的に不思議だったのは、シートやカーペットのような一般的に考えて黴やすいものは無事で、ダッシュボードのような樹脂製のパーツに一様に黴がはえていたことなのである。何でだろう。

で、ぼくらは車内外を見事に洗車・洗浄し、新車同様の良い感じの車に仕上げたのである。
エアコン内、シートやカーペット、ダッシュボード、ボディ等々の大掃除だったのだ。
ついでに、布の匂いとりや、乾燥剤的なものを車内常駐させたことは言うまでも無いだろう。

そんなこんなで、その黴車は早いところ、売っぱらって、新車を購入したい今日この頃なのだ。

脾肉の嘆

2003年7月22日
先日「シマノ八ヶ岳バイカーズフェスティバル」というMTB(マウンテンバイクです。)の大会に行ってきました。
シマノのMTBの大会は、日本国内で最大級のMTBのイベントのひとつで、わたしたちはほぼ毎年参加している大会のひとつです。

ところで、わたしはMTBのレース活動を始めて7〜8年位経つ訳ですが、今年は記録的に自転車に乗れていません。
と言うのも、あまりにも本業が忙しく、自転車に乗る時間がなかなか取れないのです。
勿論、時間は作るものなので、自転車に乗れないのはわたしの責任なのですがね。

今回のレースも、仕事のため行けるかどうかわからなかったので、レース自体にはエントリーせず、チームのサポート・メンバーとして参加しました。

まあレース自体は霧雨の中だったので路面はドロドロ状態で、大の大人がドロンコ遊びをする、という感じだったのですが、帰りの車の中で気づいたことがありました。

なんと、わたしは、ここしばらく自転車に乗っていないため(短パンをはいていない)、足が全く日焼けしていなかったのです。
わたしは、まるでご老人のような真っ白な自分の腿を見て愕然としました。
こりゃいかんと。

正に「脾肉の嘆」だった訳です。(違うか。)
ワイヤーアクションの発祥と進化を考える場合、まず考えなければならないのは、東洋と西洋の文化の違いです。

文化的に考えて、西洋人が空を飛ぶためには、物理的な道具、−−例えば翼のようなもの−− が必要です。これは神話の世界でもそうですよね。「イカルスの翼」とか。これ神話にしては科学的ですよね。
またスーパーマン等のアメコミにいたっても、空を飛ぶ事由が明確に定義されています。

しかし、東洋人が空を飛ぶためには、物理的な道具は何も必要ないのです。精神の力で空を飛ぶことが出来る民族なのですね。東洋人は。

また、ちょっと方向は違うけれども、西洋の空を飛ぶ馬は、背中に大きな翼を持っています。(ペガサスのような感じですね。)
しかし、東洋の空を飛ぶ馬には、何もありませんし、あるとしても、足に小さな翼がはえているだけです。(これは麒麟なんかもそうですよね。)

ですから、そういった文化圏である東洋では、道具立ての必要なしに空を飛ぶ、という文化的お膳立てが既に存在しているわけです。

「マトリックス」やなんかで、ネオが空を飛んだりするのは、西洋の文化圏では基本的に受け入れられないことだと思いますが、「マトリックス」では、まず、

1.東洋の文化的テイストを取り入れているため、飛んでも東洋の神秘の力が説得力を持ってくる。
2.ネオが飛ぶ直前のカットからわかるように、ネオは飛んでいるのではなく、跳ねているのである。(スーパーマンも実は、跳ねているわけですから。)

という手法をとっていますよね。

ですから、もともと東洋には、道具無しで空を飛ぶ文化的根拠があるわけですから、ただ単に身体だけで空を飛んだり、自分が投げた剣に乗って空を飛んだりしてもぜんぜん問題ないのです。

こういった環境の中で、ワイヤーアクションが生まれ、育っていったのは当たり前のことだったのかもしれません。

多分、もともとのワイヤーアクションは、カンフー系で、殴られたり、蹴られたりした人が後ろに吹っ飛ぶ際、引っ張られたものですよね。

多分、現在のような形のワイヤーアクションで人間が空を飛びはじめたのは、香港映画「天空の剣」あたりでしょうか。
これなんとも荒削りで、飛んでいる最中でカットが変わりまくりで、こまったちゃんなんですが、ワイヤーアクションの方向性と可能性を明示したという、凄い意味を持った作品だと思います。
その後「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」あたりで、技術的な落ち着きを見せ、現在に至っているんじゃないでしょうか。

西洋のワイヤーアクションは「スーパーマン」に代表されるもので、原則的に方向転換が出来ないのですが、東洋のワイヤーアクションは空中で自由自在に方向転換が出来る、という特色を持っていますが、これも文化的な背景があるのかもしれませんね。
長くて、支離滅裂系ですね。

讃岐うどんの罠

2003年7月15日
近年、東京都内でも、安価な讃岐風うどんを食べられる環境になってきた。

そんな中、会社の近くに出来た讃岐うどんの店に行ってきたのである。

ところで、わたしは通称「かまたま」といううどんが大好きで、自宅でも時々「かまたま」風うどんを食べたりする。
「かまたま」とは何の事はない、ゆでたうどんを、生たまごを割り入れ生醤油をたらしたどんぶりに突っ込み、かつおを散らし、混ぜ合わせたものである。たまごの半熟感と生醤油とかつおの取り合わせが絶妙なのだ。

話は戻るが、その店でわたしは例によって「かまたま」を頼むことにしたのであるが、そこでは、なんでも130円からうどんが食べられる、ということで昼間は行列だったりするのだ。

その店のシステムは、多くの讃岐風うどん屋と同様に、先ずトッピング(コロッケとかてんぷらとか)を自ら皿に取り、その後うどんの種類とサイズを注文、うどんがあがったところでお勘定というものだ。
つまり、キャフェテリア方式というヤツである。

わたしは「かまたま」の中を頼んだので、結局380円くらいだったのだが、私の前に並んでいた学生風二人連れのお勘定は、それぞれ1,200円を超えていた。うどんに1,200円である。130円からの店で1,200円なのである。

金額を聞いた瞬間、周りの連中も笑っていたが、その中でひときわ大きな声で大爆笑していたのは、なんと1,200円ずつを払うことになった学生風2人連れだった。

良い社会勉強になったようだ。

上手い話には裏がある。ということだね。
例によって新文芸坐のオールナイト企画で「風雲 ストームライダーズ」を見た。

マンガの映画化で、なんと世界にはばたくソニー・チバ(千葉真一ね)が主役級で出ているのだ。
なんとも格好いいぞ。

で、「風雲 ストームライダーズ」だが、人間関係ドロドロのワイヤー・カンフー・アクションで傾向は「ドラゴンボール」系だった。

「ドラゴンボール」といえば、FOXで実写版の企画が進んでいるようだが、「風雲 ストームライダーズ」あたりを見ると、キャラクター造型はともかく、アクションは実現可能という感じですわね。

さぷら〜いず

2003年7月9日
お誕生日おめでとうございます。


折角ですからね。
さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その6です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

まず映画です。

#038 「マトリックス・リローデッド :The IMAX Experience」メルシャン品川アイマックスシアター 2003/06/20
#039 「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」新文芸坐 2003/06/21
#040 「AKIRA」新文芸坐 2003/06/21
#041 「MEMORIES」新文芸坐 2003/06/21
#042 「迷宮物語」新文芸坐 2003/06/21
#043 「グリーン・デスティニー」新文芸坐 2003/06/28
#044 「ブラック・マスク<黒侠>」新文芸坐 2003/06/28
#045 「風雲 ストームライダーズ」新文芸坐 2003/06/28
#046 「少林サッカー/インターナショナルバージョン」新文芸坐 2003/06/28


続いて、DVDやCATVです。

#093 「秘密」2003/06/01 CATV
#094 「マタンゴ」2003/06/04 CATV
#095 「クリープショー」2003/06/07 DVD
#096 「デッドゾーン」2003/06/07 DVD
#097 「エイリアン」2003/06/08 DVD
#098 「ブレードランナー」2003/06/10 DVD
#099 「グラディエーター」2003/06/12 DVD
#100 「どん底」2003/06/16 CATV
#101 「キリング・ミー・ソフトリー」2003/06/17 DVD
#102 「新世紀エヴァンゲリオン/DEATH(TRUE)2」2003/06/17 DVD
#103 「新世紀エヴァンゲリオン/REBIRTH」2003/06/18 DVD
#104 「虎の尾を踏む男たち」2003/06/23 CATV
#105 「クロスファイア」2003/06/27 HDD
#106 「ラブ&ポップ」2003/06/27 HDD
#107 「目下の恋人」2003/06/29 HDD
#108 「どん底」2003/06/30 CATV


1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて25本(累計151本)でした。

さて、本の方は、
#025 「高い窓」レイモンド・チャンドラー著 清水俊二訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2003/06/02
#026 「赤い収穫」ダシール・ハメット著 小鷹信光訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2003/06/11
#027 「影なき男」ダシール・ハメット著 小鷹信光訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2003/06/25
#028 「家族八景」筒井康隆著 新潮文庫 2003/06/30

読書は4冊(累計28冊)でした。

状況として、6月は仕事がとても忙しく、非常に厳しい状況になってきています。

映画は、仕事が忙しく疲労がたまっており、あまり外出をしなかったのですが、オールナイトでなんとか本数をキープしました。

結果月25本(累計151本)ですので、このままのペースだと、302本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月9本(累計46本)、このままのペースだと、年間92本になります。

読書の方は、月4冊(累計28冊)で、このままのペースで56冊となります。

映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は非常に厳しい状況です。
7月は仕事が若干すくと思います。(毎月言ってますが、全然すかないです。)
今月も頑張りま〜す。
今頃何言っているのだ、という感じだが、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を観た。

何故そんなものを観たのかと言うと、またこれが例によって池袋新文芸坐の企画ものオールナイト「マトリックスへの道1」に行ってきたのであった。

この「マトリックスへの道」と言う企画は、「マトリックス」に影響を与えたというジャパニメーションとワイヤーアクションの特集オールナイトで、「マトリックスへの道1」はシャパニメーションの特集オールナイト。

気になる上映作品は、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」、「AKIRA」、「MEMORIES」、「迷宮物語」の4本。

なんだか、大友傾倒の作品選択だったが、それはそれですわね。
なにしろ「スチーム・ボーイ」もようやく公開するらしいしね。

で、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」ですが、やっぱ、これは劇場で観る作品だと、実感しました。
クオリティが劇場向けに、出来てますね。まあ当たり前のことなんですけど。
テレビ・サイズで見たときは、それほど感じなかったのですが、やはりでかい画面で見るべき映画だと思いました。

以前も感想書きましたので、特に言いたい事は、ありませんが、世界観と、音楽が非常に良かったです。
インターナショナル・バージョンの感想
http://diary.note.ne.jp/29346/20030102
通常版の感想
http://diary.note.ne.jp/29346/20030108

因みに「マトリックスへの道2」はワイヤーアクションの特集なのですが、そのラインナップは「グリーン・ディスティニー」や「少林サッカー」など、時系列的に「マトリックス」に影響を与えることなど不可能な作品が入っているのが、興味深いのだ。
折角のIMAXでの上映、メルシャン品川アイマックスシアターで「マトリックス・リローデッド :The IMAX Experience」を観た。

当日はちょっと縦幅が小さ目の眼鏡にしたので、スクリーンの上下が見えるかどうか心配だったのですが、IMAXフォーマットとはいえ、アスペクトは通常の劇場版と概ね同じだった(と思います)ので大丈夫でした。

しかし、画面のクオリティは凄い。さすがIMAX。
視界のおそらく80%以上はスクリーンという環境では、オープニング・クレジットだけでもトリップ感満点でした。
これは多分「タイタニック」の船首のシークエンスを実際に体験したり、「ギャラクシー・クエスト」のシネスコになる瞬間を実際に体験するくらいの体験かもね。
あとは、俳優の皮膚感が再現されすぎで、昔から言われていたようにキアヌ・リーブスのヒゲが濃いのがわかるし、ローレンス・フィッシュバーンの顔の凹凸、キャリー・アン・モスのしわなんかが、非常に気になりました。

さて、肝心の本編の内容ですが、残念ながらわたし的には満足がいくものではありませんでした。

話題のアクション・シークエンスは確かに凄いのですが、あまりにも冗長で飽きてしまいます。まるで「キング・ソロモンの秘宝」みたいな感じで、大金持ちの学生映画のような見せ場ばかりで実が無い映画のような感じがしました。

一般論として、アクション・シーンは、通常「もうちょっと見たいな。」と思う腹八分目程度がシーンの長さとしてちょうど良いと思うのですが、本作では、そんな一般の感覚の3倍程、ひとつのアクション・シークエンスが続きます。特に前半部分のネオとスミスの戦いは退屈です。

確かにやっていることは技術的には凄いと思いますが、わたしは新技術の研究発表を見ているのではないのです。もう少しシークエンスをシェイプ・アップした方が良いのではないかな。と思うのです。

で肝心のストーリーは(一般の大衆に対しては)複雑でわかりづらく説明的なセリフの山で、一般の大作映画しか見ない人には、ただの凄いアクション映画でしたか無いのではないでしょうかね。

製作サイドとしては、前作を再構築し、否定し、やる気は感じられるのですが、その方向性が間違っているような気がしましたね。

あとはラスト。事前情報から「あそこで終わるのかよ!」という話をいろいろ聞いていたので、どんなクリフハンガーで終わるのかを非常に期待していたのですが、全然良いところではありませんでした。
どうせなら、「動のシーン」で終わって欲しかったですね。今回のような「静のシーン」で終わっても仕方がないでしょう。

例えば、折角オープニングで、トリニティの落下のシークエンスを使っているんですから、窓から落ち、ネオが向かっているところで終わるとか(ネオが飛んでいるカットがフリーズして終わって欲しかったね。)、またはネオが光のドアを開け、沢山のモニターに囲まれたネオのカットで終わるとか、しかし、本作の終わりの部分へつなげるのならば、ローランドの船が来る前に終わって欲しかったですね。
例えば「バック・トゥー・ザ・フューチャー2」とか「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」の終わり方とかが良かったですね。

今回良かったのはキーマスターと、アーキテクチャー(神)と預言者の秘書かな。ああいった脇のキャラクターが描かれているのは良かったです。
主人公キャラ達より、ある意味血が通っていましたよね。

機会があれば是非IMAXでも観て欲しいですね。
「マトリックス・リローデッド」。
あとは画面に集中したい映画は日本語吹替えもオススメですよ。
世の中には、怪しげな宗教法人が沢山ある。
謎の花器を売る、謎の宝飾品を売る、多大の寄附を要求する、謎の行為を行う。

しかしながら、傍目から見て、いかにもだまされているように見える信者であっても、本人が救われている、という感覚を得ているのならば、それはそれで良い宗教なのだ。

で、「アバウト・シュミット」であるが、シュミットにとって、子供を救うために、わずかな寄附を行い、読まれるかどうかわからない手紙に心情を吐露し、見返りに心の平安と浄化が得られるのならば、これはシュミットにとっての宗教といえるのではないだろうか。
彼にとっての里親制度は、懺悔に他ならないのである。

またこの映画、黒澤の「生きる」である。という観点もあるのだが、「生きる」は最後に何かを成し遂げた男の物語であり、この「アバウト・シュミット」は何も残せなかった数多くの人々の映画なのである。
凡百の大衆の「生きる」なのである。

ジャック・ニコルソンといえば、わたしにとっては「イージー・ライダー」と「シャイニング」であるが、今回の「アバウト・シュッミト」は、「シャイニング」のニコルソンを髣髴とさせるシーンの目白押しだったりするのである。
さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その5です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

まず映画です。

#031 「ネメシス S.T.X」日比谷映画 2003/05/01
#032 「ドリームキャッチャー」丸の内ルーブル 2003/05/02
#033 「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」(短編)丸の内ルーブル 2003/05/02
#034 「惑星ソラリス」新文芸坐 2003/05/26
#035 「ノスタルジア」新文芸坐 2003/05/26
#036 「シカゴ」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/05/30
#037 「アバウト・シュミッツ」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/05/30

続いて、DVDやCATVです。

#063 「アルプスの若大将」2003/05/05 HDD
#064 「てなもんや幽霊道中」2003/05/08 CATV
#065 「十代最後の日」(短編)2003/05/08 CATV
#066 「セコい誘拐」(短編)2003/05/08 CATV
#067 「行きずりの殺意」(短編)2003/05/08 CATV
#068 「キス・オブ・ザ・ドラゴン」2003/05/10 CATV
#069 「第四の核」2003/05/10 CATV
#070 「カンバセーション‥盗聴‥」2003/05/11 CATV
#071 「タクシー・ドライバー」2003/05/11 CATV
#072 「めし」2003/05/13 CATV
#073 「KOROSHI 殺し」2003/05/13 CATV
#074 「glowing growing グローウィン グローウィン」2003/05/13 CATV
#075 「ザ・ハッカー」2003/05/13 CATV
#076 「さよならジュピター」2003/05/14 CATV
#077 「引き裂かれたカーテン」2003/05/17 CATV
#078 「ファンタジア2000」2003/05/20 DVD
#079 「プカドン交響楽」(短編)2003/05/20 DVD
#080 「妖星ゴラス」2003/05/21 CATV
#081 「赤い鼻緒の下駄」(短編)2003/05/24 CATV
#082 「命日」(短編)2003/05/24 CATV
#083 「幽霊屋敷」(短編)2003/05/24 CATV
#084 「弟切草」2003/05/24 CATV
#085 「玩具修理者」(短編)2003/05/25 CATV
#086 「いきすだま 生霊」2003/05/25 CATV
#087 「再生」(短編)2003/05/25 CATV
#088 「ささやき」(短編)2003/05/25 CATV
#089 「無限暗界」(短編)2003/05/25 CATV
#090 「ブラック・レイン」2003/05/28 CATV
#091 「クリープショー」2003/05/28 DVD
#092 「イグジステンズ」2003/05/31 HDD

1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて37本(累計126本)でした。

さて、本の方は、
#021 「ラブ&ポップ −トパーズ?−」村上龍著 幻冬舎文庫 2003/05/05
#022 「夢の10セント銀貨」ジャック・フィニィ著 山田順子訳 ハヤカワ文庫 2003/05/09
#023 「猟奇的な彼女」キム・ホシク著 根本理恵訳 日本テレビ 2003/05/12
#024 「巨匠の選択」ローレンス・ブロック編 田口俊樹・他訳 ハヤカワミステリ 2003/05/21

読書は4冊(累計24冊)でした。

状況として、5月は仕事がとても忙しく、非常に厳しい状況になってきています。

映画は、仕事が忙しく疲労がたまっており、あまり外出をしなかったため、家でDVD等を見る機会が多く、また短編映画を結構見たので本数を稼ぐことができました。

結果月37本(累計126本)ですので、このままのペースだと、302本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月7本(累計37本)、このままのペースだと、年間89本になります。

読書の方は、月4冊(累計24冊)で、このままのペースで58冊となります。

映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
6月は仕事が若干すくと思います。
今月も頑張りま〜す。

「シカゴ」

2003年5月31日
5月30日は、ワーナー・マイカル・シネマズ板橋の3周年記念だそうで、1本1,000円だったので、「シカゴ」と「アバウト・シュミット」を観た。

で、まずは「シカゴ」。

この映画を見て最初に感じたのは、役者の目の色が違う、ということ。観客に対して、正に挑むような、挑戦的な野獣の目を感じました。これだけを見てもこの映画のプライドというか気概というか、確固たる孤高なスタンスを感じることが出来たのだ。
多分下手するとはじめての経験かもしれません。わたし的には。

また、細かいカット割と、その細かいカットにクローズアップショットが多用されている点が印象的でした。
特に振り付けのアクセントとなる動きのクローズアップが格好良いのだ。

あとは、ラスト直前の「パットン大戦車軍団」のスピーチみたいなステージでの広角でのドーリーは凄いぞ。正に鳥肌ものの映像でした。
(このカットはTVCFでもつかわれてます。)

しつこいけど、振付の細かいカットが、何しろ格好良いですね。
ロングで撮ってて、振り付けのアクセント部分だけ、例えば足元だとか、指先だとかをクローズアップで撮る。これは舞台だと絶対に出来ないことですからね。それでいて、ライヴ感を醸し出す、素晴らしい演出と編集ですね。

あとは映画自体の構成が見事でした。勿論この構成には「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という良いお手本があったのだと思いますが、複数の舞台の同じ演技を編集で繋いでいく手法は見事なのだ。

役者については、なんといっても、レニー・ゼルウィガーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズに尽きます。わたし的にはレニー・ゼルウィガーが非常に良かったです。
最初の登場シークエンス(ヴェルマの舞台)では、ただの野暮ったい田舎娘だったんですが、刑務所あたりから、非常に輝いてきてますよね。
これは勿論ゼタ=ジョーンズとの対比なのですが、正に術中にはまった感がありました。

印象に残ったミュージカル・シーンは、記者会見のマリオネットです。振付・演出は勿論、それを体現する動きが素晴らしいです。人形の動き再現する訳ですから(人間に出来ない動きをする訳ですから)、物理的に一番危険なシークエンスですよね。

あとミスター・セロファンも良かったですね。
ジョン・C・ライリーは最近出番多いですよね。
こないだの「ギャング・オブ・ニューヨーク」同様良い味だしてます。

ところで、ラストとロキシーのオーディションでかかる"Nowadays"は、「また会いましょう」にコード進行とメロディラインがそっくりですが、同じ曲とは思えないのですが、どうなんでしょう。とても気になります。

※「また会いましょう」"We’ll Meet Again"
映画では「博士の異常な愛情」のラストで使われた曲。第二次世界大戦時にヒットしたヴェラ・リンのスタンダード・ナンバー。

余談ですが、コルム・フィオーレって表記が変わったんですかね。以前はコルム・フィオールでしたよね。
因みに彼、テレビ・ムービー「ストーム・オブ・センチュリー」(「スティーヴン・キングの悪魔の嵐」)のアンドレ・リノージュさんです。


「シカゴ」
"CHICAGO"
ミラマックス・フィルムズ提供
プロデャーサーサークルCO、制作
ゼイダン/メロン制作
2002年/アメリカ映画/カラー/ビスタサイズ/SRD、SDDS/上映時間:1時間53分
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、クイーン・ラティファ、ジョン・C・ライリー、ルーシー・リュー、テイ・ディッグズ、コルム・フィオーレ、ドミニク・ウェスト、クリスティン・バランスキー
池袋新文芸坐で、タルコフスキー特集をやっていたので観に行った。

「惑星ソラリス」は、最近リメイクされ、日本国内でも予告編はかかっているのだが、北米本国ではコケたらしい。
この映画は「2001年宇宙の旅」とともにSF映画の金字塔と呼ばれているらしいが、ご多分に漏れず、爆睡指数は高いのだ。以前観た際も爆睡に近い経験をしたのだが、今回も睡魔との闘いたでったのだ。
しかし、この映画、爆睡しても筋がわかる。という凄い映画なのだ。
タルコフスキー映画で寝るのも、これまた楽しいのだがね。

「ノスタルジア」は、これも以前観た時は爆睡だった。
テンポというものが感じられないような、凄いシークエンスがあるのだが、タルコフスキー未経験者にとっては、怒りすら感じてしまうような、丁寧さを堪能できる一本なのだ。

しかるに、タルコフスキーの2本立ては辛いのだ。

余談だが、わたしの経験上最高の爆睡映画は、なぜか「聖なる酔っぱらいの伝説」なのだ。
「ドリームキャッチャー」と限定同時上映の短編「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」を観た。

巷では、「マトリックス/リローデッド」の序章とも言うべき作品であるようだ。

さて、「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」の製作はスクウェアが行っているのだが、映画「ファイナル・ファンタジー」の頃と比較すると技術的には数段の進歩を感じた。
素人目には、下手すると実写だと言ってもだまされるんじゃないでしょうかね。

また、オープニング近辺の演舞的なシークエンスでは、だんだん着物が脱げて行くところに、クリエイターのプライドというか達成感というか、「どうだ!」という気概が感じられました。

言ってることが、よくわからない方へ・・・
別にあれ、ファンサービスのために脱がしている訳ではなく、「うちの技術は凄いぞ!」ということをアピールすることを、ひとつの目的としてあえて着物を徐々に脱がしているのですね。無機質より有機質の描写は難しいし、人間は違和感を発見しやすいからね。

そして、中盤の暗い船内での戦闘シーンは、ライヴ。アクションだと言っても誰も気づかないんじゃないかな。と思うほどでした。
背景が実写じゃない分、ゴラムなんかより違和感ないですよね。

あと、気になったのは、あのエピソードは、「マトリックス/リローデッド」につながるシークエンスだと広告されているようですが、ポストに入れたのは、キアヌ宛の携帯電話でしょ。多分。だとするとこれは「マトリックス・ゼロ」にあたるシークエンスだと思うんだけどね。わたし的には。
池袋「新文芸坐」で、『魅惑のシネマクラシックス3「コロムビア映画名作選」』の一貫として「「未知との遭遇<特別編>」を観た。と言っても、4月22日のことだが。

まず、スクリーンで「未知との遭遇」を観ることが出来ることが嬉しい。
フィルムはズタボロで、冒頭の砂漠のシーンでは、フィルムのスクラッチのため、砂嵐は倍増するし、フィルムの巻が変わるパンチ付近では緑の物体が乱舞するが、なんて言っても、前述のように「未知との遭遇」をスクリーンだ体験できることが嬉しいのだ。

内容については今更語るつもりはないが、後年スティーヴン・スピルバーグが「家族を捨てて宇宙へ旅立ってしまう映画は今では作れない」と言ったように、ロイ・ニアリーの生き様は賛否両論だろうが、傑作は傑作なのだ。

あと、冒頭付近の「バリー少年の笑顔」は映画史に残る名演技だろう。

世間的には、スピルバーグは傑作を量産していることになっているが訳だが、なんといっても、未だ「ジョーズ」と「未知との遭遇」以上の作品を撮っていない、というのがなんとも感慨深い。

「未知との遭遇<特別編>」
"CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND: THE SPECIAL EDITION"
1980年/アメリカ作品/コロムビア映画/132分/スコープサイズ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス、フランソワ・トリフォー、テリー・ガー、メリンダ・ディロン、ボブ・バラバン
さて、スティーヴン・キング ファンの中では賛否両論の映画「ドリームキャッチャー」ですが、わたし的には、いくつか問題点はあるものの、非常によく出来た娯楽作品に仕上がっていると思いました。
一番残念だったのはモーガン・フリーマンの扱いが少し小さかった、という点です。

脚本も概ねよく出来ていたし、撮影も良かった、クリーチャーのデザインもOK、勿論演出も良かったと思います。
緊迫感を生むタメの演出が非常に印象的でした。
はっきり言って、演出「上手い」です。
また、監督のビジョンを明確に実現するVFXも評価できると思います。

ただ、やはり問題点としては、キングの原作が長大過ぎた。と言う点があげられます。
しかしながら、あの原作をこれくらいの尺に見事にまとめたローレンス・カスダンの手腕は賞賛すべきものだと思います。
また主要キャラクターの描き分けについても、本編だけではなくエンディング・クレジットをうまく使っている点が、好感を持てるのは勿論、観客の記憶に訴えかける素晴らしい効果を与えていました。

というわけで、本作はキング作品の映画化の中では傑作の部類に入ると思いますし、一般の映画としても十分佳作と評価して良い作品だと思います。

おそらくB級スピリッツあふれる作品を配給会社が大作として、広告してしまったのだと思っていたのですが、B級テイストはほぼ皆無で、
十分その辺の大作映画と肩を並べられる映画だと思いました。

ローレンス・カスダンのオススメは、「再会の時」、「シルバラード」というところでしょうか。
本作にも「シルバラード」や「再会の時」を髣髴とさせるシーンがありました。

「ドリームキャッチャー」
"DREAMCATCHER"
2003年/アメリカ映画/キャッスルロック・エンターテインメント作品/ワーナー・ブラザーズ映画配給/2時間15分/3699m/シネマスコープサイズ/SRD SDDS DTS/字幕翻訳:石田泰子
監督:ローレンス・カスダン
出演:トーマス・ジェーン、ジェイソン・リー、ダミアン・ルイス、ティモシー・オリファント、モーガン・フリーマン、トム・サイズモア、ドニー・ウォールバーグ

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