「コレクター」
2003年5月2日池袋「新文芸坐」で、『魅惑のシネマクラシックス3「コロムビア映画名作選」』の一貫として「コレクター」を観た。と言っても、4月22日のことだが。
はっきり言って傑作だった。
「コロムビア映画名作選」の名に恥じない作品なのだ。
物語は、蝶のコレクターである銀行員(テレンス・スタンプ)が、サッカーくじで大金を手に入れ、人里はなれた一軒家を購入し、若く美しい女性(ミランダ・エッガー)を拉致・監禁するサイコ・ホラーなのだ。
巨匠ウィリアム・ワイラーが選んだ題材もセンセーショナルで、何故ワイラーがこの題材を選んだのかは謎だが、凡百の監禁モノと一線を画す、歴史に残る1965年の作品である。監禁モノの最初(?)の作品にして決定版と言っても差し支えないだろう。
この映画の端倪すべからない点はやはりなんと言っても、テレンス・スタンプ演じる銀行員がSEXを強要しない点であろう。
勿論1965年という時代的な描写の限界もあったのだろうが、凡百の監禁映画がSEXを描いてしまい、観客の関心がSEXの描写に行ってしまって、肝心の物語がおろそかになってしまう訳だが、この作品はそうさせないばかりでなく、その銀行員の目的が明確にならない分、ホラー映画としても機能しているのだ。
そして音楽である。
これも歴史に残るモーリス・ジャールの大傑作なのだ。アカデミー賞をどんどん貰っていた時代のあぷらの乗り切った頃の傑作なのだ。
それにつけてもテレンス・スタンプの怪演は素晴らしいのだ、勿論「サイコ」のノーマン・ベイツという偉大なキャラクターの影響下にあることは否めないが、そのプレッシャーをも感じさせないキャラクターが生き生きと表現されている。
こんな素晴らしい映画をスクリーンで観ることが出来る幸せを感じてしまうのだ。
「コレクター」
"THE COLLECTOR"
1965/アメリカ/119分/カラー/モノラル/コロムビア映画
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:テレンス・スタンプ、サマンサ・エッガー、 モーリス・バリモア、モナ・ウォッシュボーン
はっきり言って傑作だった。
「コロムビア映画名作選」の名に恥じない作品なのだ。
物語は、蝶のコレクターである銀行員(テレンス・スタンプ)が、サッカーくじで大金を手に入れ、人里はなれた一軒家を購入し、若く美しい女性(ミランダ・エッガー)を拉致・監禁するサイコ・ホラーなのだ。
巨匠ウィリアム・ワイラーが選んだ題材もセンセーショナルで、何故ワイラーがこの題材を選んだのかは謎だが、凡百の監禁モノと一線を画す、歴史に残る1965年の作品である。監禁モノの最初(?)の作品にして決定版と言っても差し支えないだろう。
この映画の端倪すべからない点はやはりなんと言っても、テレンス・スタンプ演じる銀行員がSEXを強要しない点であろう。
勿論1965年という時代的な描写の限界もあったのだろうが、凡百の監禁映画がSEXを描いてしまい、観客の関心がSEXの描写に行ってしまって、肝心の物語がおろそかになってしまう訳だが、この作品はそうさせないばかりでなく、その銀行員の目的が明確にならない分、ホラー映画としても機能しているのだ。
そして音楽である。
これも歴史に残るモーリス・ジャールの大傑作なのだ。アカデミー賞をどんどん貰っていた時代のあぷらの乗り切った頃の傑作なのだ。
それにつけてもテレンス・スタンプの怪演は素晴らしいのだ、勿論「サイコ」のノーマン・ベイツという偉大なキャラクターの影響下にあることは否めないが、そのプレッシャーをも感じさせないキャラクターが生き生きと表現されている。
こんな素晴らしい映画をスクリーンで観ることが出来る幸せを感じてしまうのだ。
「コレクター」
"THE COLLECTOR"
1965/アメリカ/119分/カラー/モノラル/コロムビア映画
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:テレンス・スタンプ、サマンサ・エッガー、 モーリス・バリモア、モナ・ウォッシュボーン
2003年の目標!! 中間報告その4
2003年5月1日さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その4です。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#024 「アイリス」新文芸坐 2003/04/05
#025 「至福のとき」新文芸坐 2003/04/05
#026 「ダイ アナザー デイ」丸の内ルーブル 2003/04/13
#027 「イージー・ライダー」新文芸坐 2003/04/22
#028 「コレクター」新文芸坐 2003/04/22
#029 「博士の異常な愛情」新文芸坐 2003/04/24
#030 「未知との遭遇<特別編>」新文芸坐 2003/04/24
続いて、DVDやCATVです。
#053 「スター・トレック/叛乱」2003/04/01 CATV
#054 「ラブ&ポップ」2003/04/01 CATV
#055 「ピエロ・ル・フ」2003/04/06 HDD
#056 「デッド・カーム/戦慄の航海」2003/04/06 CATV
#057 「クワイエット・ルーム」2003/04/09 CATV
#058 「どら平太」2003/04/09 CATV
#059 「ダンジョン&ドラゴン」2003/04/10 CATV
#060 「秘密」2003/04/12 CATV
#061 「アザーズ」2003/04/29 DVD
#062 「ムーラン・ルージュ」2003/04/29 DVD
1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 17本(累計89本)でした。
さて、本の方は、
#016 「あなたに似た人」ロアルド・ダール著 田村隆一訳 ハヤカワ文庫 2003/04/04
#017 「たのしいムーミン一家」トーベ・ヤンソン著 山室静訳 講談社文庫 2003/04/10
#018 「探偵物語」小鷹信光著 幻冬舎文庫 2003/04/13
#019 「ふりだしに戻る(下)」ジャック・フィニィ著 福島正実訳 角川文庫 2003/04/23
#020 「四億ドルの身代金」ロバート・ラドラム著 山本光伸訳 新潮文庫 2003/04/30
状況として、4月は仕事がとても忙しく、非常に厳しい状況になってきています。
映画は、新文芸坐に結構行ったので、なんとか本数を稼いでいますが、結果月17本(累計89本)ですので、このままのペースだと、267本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月7本(累計30本)、このままのペースだと、年間90本になります。
読書の方は、月5冊(累計29冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
5月は仕事が若干すくと思います。
今月も頑張りま〜す。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#024 「アイリス」新文芸坐 2003/04/05
#025 「至福のとき」新文芸坐 2003/04/05
#026 「ダイ アナザー デイ」丸の内ルーブル 2003/04/13
#027 「イージー・ライダー」新文芸坐 2003/04/22
#028 「コレクター」新文芸坐 2003/04/22
#029 「博士の異常な愛情」新文芸坐 2003/04/24
#030 「未知との遭遇<特別編>」新文芸坐 2003/04/24
続いて、DVDやCATVです。
#053 「スター・トレック/叛乱」2003/04/01 CATV
#054 「ラブ&ポップ」2003/04/01 CATV
#055 「ピエロ・ル・フ」2003/04/06 HDD
#056 「デッド・カーム/戦慄の航海」2003/04/06 CATV
#057 「クワイエット・ルーム」2003/04/09 CATV
#058 「どら平太」2003/04/09 CATV
#059 「ダンジョン&ドラゴン」2003/04/10 CATV
#060 「秘密」2003/04/12 CATV
#061 「アザーズ」2003/04/29 DVD
#062 「ムーラン・ルージュ」2003/04/29 DVD
1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 17本(累計89本)でした。
さて、本の方は、
#016 「あなたに似た人」ロアルド・ダール著 田村隆一訳 ハヤカワ文庫 2003/04/04
#017 「たのしいムーミン一家」トーベ・ヤンソン著 山室静訳 講談社文庫 2003/04/10
#018 「探偵物語」小鷹信光著 幻冬舎文庫 2003/04/13
#019 「ふりだしに戻る(下)」ジャック・フィニィ著 福島正実訳 角川文庫 2003/04/23
#020 「四億ドルの身代金」ロバート・ラドラム著 山本光伸訳 新潮文庫 2003/04/30
状況として、4月は仕事がとても忙しく、非常に厳しい状況になってきています。
映画は、新文芸坐に結構行ったので、なんとか本数を稼いでいますが、結果月17本(累計89本)ですので、このままのペースだと、267本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月7本(累計30本)、このままのペースだと、年間90本になります。
読書の方は、月5冊(累計29冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
5月は仕事が若干すくと思います。
今月も頑張りま〜す。
「イージー・ライダー」
2003年4月25日池袋「新文芸坐」で、『魅惑のシネマクラシックス3「コロムビア映画名作選」』の一貫として「イージー・ライダー」を観た。
いまさら感想というのもなんですので、1999年に新宿「シアターアプル」において開催された「コロムビア映画75周年記念映画祭」で「イージー・ライダー」を観た際の感想を再書き込みします。
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
アメリカン・ニューシネマの金字塔、永遠の名作「イージー・ライダー」を見た。妙にズームの多いホーム・ムービー風のカメラ、変に細かいカット割り。若く、稚拙に感じられるようなところもあるが、そんな事は全くどうでも良いのである。良い映画は、絶対的に良い映画なのである。本当に素晴らしい映画である。
シークエンスをジャンプする際の細かいカットの編集や、モーターバイクが走る細かいカット割り。趣のある、動的なそれでいて美しい、良い編集をしている。曲の使い方も素晴らしい。モーターバイクにピーター・フォンダにデニス・ホッパー。そして音楽。それだけで、生き生きとした、感動的な美しいシークエンスの出来上がりなのである。
ピュアな心ピーター・フォンダ。久しぶりに映画を見て本当に涙がこぼれた。良い映画は本当に存在するのである。
「イージー・ライダー」
"EASY RIDER"
監督:デニス・ホッパー
出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン
1969 / アメリカ / コロムビア
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
余談ですが、わたし、この「イージー・ライダー」は、1968年のイギリス・フランス映画「あの胸にもういちど」に着想を得ているような気がします。
いまさら感想というのもなんですので、1999年に新宿「シアターアプル」において開催された「コロムビア映画75周年記念映画祭」で「イージー・ライダー」を観た際の感想を再書き込みします。
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アメリカン・ニューシネマの金字塔、永遠の名作「イージー・ライダー」を見た。妙にズームの多いホーム・ムービー風のカメラ、変に細かいカット割り。若く、稚拙に感じられるようなところもあるが、そんな事は全くどうでも良いのである。良い映画は、絶対的に良い映画なのである。本当に素晴らしい映画である。
シークエンスをジャンプする際の細かいカットの編集や、モーターバイクが走る細かいカット割り。趣のある、動的なそれでいて美しい、良い編集をしている。曲の使い方も素晴らしい。モーターバイクにピーター・フォンダにデニス・ホッパー。そして音楽。それだけで、生き生きとした、感動的な美しいシークエンスの出来上がりなのである。
ピュアな心ピーター・フォンダ。久しぶりに映画を見て本当に涙がこぼれた。良い映画は本当に存在するのである。
「イージー・ライダー」
"EASY RIDER"
監督:デニス・ホッパー
出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン
1969 / アメリカ / コロムビア
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余談ですが、わたし、この「イージー・ライダー」は、1968年のイギリス・フランス映画「あの胸にもういちど」に着想を得ているような気がします。
「至福のとき」
2003年4月12日先日、池袋新文芸坐で「アイリス」を観たのであるが、その同時上映はチャン・イーモウの《しあわせの三部作》の三作目「至福のとき」だった。
「あの子を探して」「初恋のきた道」とともに巨匠チャン・イーモウの《しあわせの三部作》とも呼ばれる作品群の最終章。純な盲目の少女と、金も仕事もない中年男の、心洗われる物語。(「新文芸坐しねういーくりい」2003年◆第7号◆通巻65号より引用)
前評判から、号泣映画だと期待して観に行ったわけですが、この作品「至福のとき」は、残念ながら号泣映画ではなかった。勿論わたし的には、ですけどね。
ところで、私見的には、これら《しあわせの三部作》の号泣指数的は、「初恋のきた道」>「至福のとき」>「あの子を探して」です。
しかしながら、号泣できないからと言って、ダメな映画というわけではなく、結構良い映画だったことも事実である。
しかし、物語は現代の寓話とも言うべきもので、リアリティが比較的希薄で、脚本やシチュエーションもとってつけたようなものだったような気がする。
また、役名が俳優の本名と同一てだあるところなどを見ると(「あの子を探して」などはほとんど素人を本名のまま演技させている。)、果たしてチャン・イーモウはきちんと演出して映画をつくっているのか、疑問を感じてしまうのだ。
もしかすると映画のコンセプトを決め、あとはシチュエーション毎に役者に勝手に演技させているのではないかな、と勘ぐってしまったりするのだ。
勿論本作「至福のとき」は、「あの子を探して」のような訳にもいかず、脚本があり、演出してこの作品になっていると思うが、役名と俳優の名が一緒だと、なんだか途端に冷めてしまうのだ。
ファンタジー映画にとって、それは致命的な気がする。
あと、印象に残ったのはこの映画の配給をFOXがやっている。ということである。
しかし、この映画のラストはハリウッドでは決して受け入れられないものだろう。
完全なハリウッド資本で本作が製作されたとしたら、この映画のようなラストは決して許されなかっただろう。
救いのない、尻切れトンボ的なラスト。良く言えば「希望」が全てを支配しているのかも知れないが、ハリウッド・メジャーでは許されない作品だろだろう。
寓話的、ファンタジックな映画のラストはリアリティに溢れ、本編とラストの乖離が否めないのだ。
「至福のとき」
『幸福時光』
"HAPPY TIMES"
2002年/中国作品/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/1時間37分/字幕翻訳:水野衛子、太田直子/配給:20世紀フォックス映画会社/協賛:華泰茶荘
監督:チャン・イーモウ
出演:チャオ・ベンシャン、ドン・ジエ、フー・ピアオ、リー・シュエチエン、ニウ・ベン、ドン・リーファン
「あの子を探して」「初恋のきた道」とともに巨匠チャン・イーモウの《しあわせの三部作》とも呼ばれる作品群の最終章。純な盲目の少女と、金も仕事もない中年男の、心洗われる物語。(「新文芸坐しねういーくりい」2003年◆第7号◆通巻65号より引用)
前評判から、号泣映画だと期待して観に行ったわけですが、この作品「至福のとき」は、残念ながら号泣映画ではなかった。勿論わたし的には、ですけどね。
ところで、私見的には、これら《しあわせの三部作》の号泣指数的は、「初恋のきた道」>「至福のとき」>「あの子を探して」です。
しかしながら、号泣できないからと言って、ダメな映画というわけではなく、結構良い映画だったことも事実である。
しかし、物語は現代の寓話とも言うべきもので、リアリティが比較的希薄で、脚本やシチュエーションもとってつけたようなものだったような気がする。
また、役名が俳優の本名と同一てだあるところなどを見ると(「あの子を探して」などはほとんど素人を本名のまま演技させている。)、果たしてチャン・イーモウはきちんと演出して映画をつくっているのか、疑問を感じてしまうのだ。
もしかすると映画のコンセプトを決め、あとはシチュエーション毎に役者に勝手に演技させているのではないかな、と勘ぐってしまったりするのだ。
勿論本作「至福のとき」は、「あの子を探して」のような訳にもいかず、脚本があり、演出してこの作品になっていると思うが、役名と俳優の名が一緒だと、なんだか途端に冷めてしまうのだ。
ファンタジー映画にとって、それは致命的な気がする。
あと、印象に残ったのはこの映画の配給をFOXがやっている。ということである。
しかし、この映画のラストはハリウッドでは決して受け入れられないものだろう。
完全なハリウッド資本で本作が製作されたとしたら、この映画のようなラストは決して許されなかっただろう。
救いのない、尻切れトンボ的なラスト。良く言えば「希望」が全てを支配しているのかも知れないが、ハリウッド・メジャーでは許されない作品だろだろう。
寓話的、ファンタジックな映画のラストはリアリティに溢れ、本編とラストの乖離が否めないのだ。
「至福のとき」
『幸福時光』
"HAPPY TIMES"
2002年/中国作品/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/1時間37分/字幕翻訳:水野衛子、太田直子/配給:20世紀フォックス映画会社/協賛:華泰茶荘
監督:チャン・イーモウ
出演:チャオ・ベンシャン、ドン・ジエ、フー・ピアオ、リー・シュエチエン、ニウ・ベン、ドン・リーファン
「アイリス」
2003年4月9日「イギリスで最も素晴らしい女性」と讃えられる、実在した作家のアイリス・マードックと、その夫のジョン・ベイリー。アルツハイマーという過酷な試練に立ち向かうふたりの、真実のラブ・ストーリー。(「新文芸坐しねういーくりい」2003年◆第7号◆通巻65号より引用)
という訳で、「アイリス」を観た。
本作は、アルツハイマー病に罹患した女性作家とその夫である文芸評論家の現在と過去の物語である。
本作は、過去の二人と現在の二人を交互にモンタージュし、同様のシークエンスを異なった世代の登場人物の演技で見せる構成となっている。
見せ場としては、女性作家という言葉を生業としている女性が言葉を失っていくことなのだが、それと同時に、女性が若さと美貌を失っていく様も同時に描かれている。
特に印象に残るのは、若き日のアイリス・マードック(ケイト・ウィンスレット)のヌード・シーンがやたらと多いところである。マードックは、勿論当時の女性の中で性的な観点も前衛的で攻撃的な女性であることを描写している訳であるが、観客寄せのために脱がされているような印象を受けた。
キャストは、主演のジュディ・デンチ(老いたアイリス・マードック)はやはり良かったですね。この人、最近は007シリーズのMを演じていますが、様々に映画で英国アカデミー賞は勿論、米アカデミー賞も受賞しています。
賞をとっているから良い俳優(女優)というわけではありませんが、アカデミー賞級の俳優の演技合戦を見るのは楽しいものです。
特にアルツハイマーの病状が進んだアイリスの表情は凄いです。
2002年アカデミー賞主演女優賞ノミネート
若き日のアイリス・マードックを演じたケイト・ウィンスレットは「タイタニック」等で有名ですが、奔放な女性を楽しげに演じています。
奔放ながらも、ジョン・ベイリーに対する一途な気持ちを感じられます。
2002年アカデミー賞助演女優賞ノミネート
老いたジョン・ベイリーを演じたジム・ブロードベンドは「戦争の犬たち」「未来世紀ブラジル」「クライング・ゲーム」「リトル・ヴォイス」「ムーラナ・ルージュ」等に出演してますが、本作ではアイリスを支えるジョン・ベイリーを好演。老いながらもラブラブ・カップルぶりを表現しています。
特に冒頭の講演会や、スピーチのシークエンスでは非常に若々しく、可愛いおじいちゃんを演じています。それが、アイリスのアルツハイマー病が進行するにつれ、人間性が浮き彫りになり、多面性のある複雑なキャラクターをこなしています。
2002年アカデミー賞助演男優賞受賞
若き日のジョン・ベイリー役のヒュー・ボナヴィルは、奔放な進歩的な女性アイリスに翻弄される一途な男を好演し、ちょっと情けないところが良いのである。
物語の重い部分は、年老いた二人が演じるわけであるから、若い二人はシチュエーション的に軽いわけであるが、恋愛沙汰の当事者にとっては、決して軽い問題ではなく、この恋愛があってはじめて、映画「アイリス」の物語が成立する訳である。
また、若い二人の演じたシークエンスは全て伏線となっている訳で、伏線だけを演じるのも大変だと思った。
いろいろな賞をとっている本作ですが、物語的には、表面的で底が浅い印象を受けました。
表現も直接的でわかりやすく、暗喩的な描写が少ない、娯楽大作的なつくりだったような気がします。
暗喩やメタファーに満ちた映画を好むわたし的には、若干物足りない気がしました。
「アイリス」
"IRIS"
2001年/イギリス/インターメディア・フィルムズ、BBCフィルムズ、ミラマックス・フィルムズ提供/ミラージュ・エンタープライズ、ロバート・フォックス、スコット・ルーディン・プロダクション作品/カラー/1時間31分/ヴィスタサイズ/ドルビー・デジタル/日本語字幕:古田由紀子/配給:松竹株式会社
監督:リチャード・エア
出演:ジュディ・デンチ、ジム・ブロードベンド、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・ポナヴィル
という訳で、「アイリス」を観た。
本作は、アルツハイマー病に罹患した女性作家とその夫である文芸評論家の現在と過去の物語である。
本作は、過去の二人と現在の二人を交互にモンタージュし、同様のシークエンスを異なった世代の登場人物の演技で見せる構成となっている。
見せ場としては、女性作家という言葉を生業としている女性が言葉を失っていくことなのだが、それと同時に、女性が若さと美貌を失っていく様も同時に描かれている。
特に印象に残るのは、若き日のアイリス・マードック(ケイト・ウィンスレット)のヌード・シーンがやたらと多いところである。マードックは、勿論当時の女性の中で性的な観点も前衛的で攻撃的な女性であることを描写している訳であるが、観客寄せのために脱がされているような印象を受けた。
キャストは、主演のジュディ・デンチ(老いたアイリス・マードック)はやはり良かったですね。この人、最近は007シリーズのMを演じていますが、様々に映画で英国アカデミー賞は勿論、米アカデミー賞も受賞しています。
賞をとっているから良い俳優(女優)というわけではありませんが、アカデミー賞級の俳優の演技合戦を見るのは楽しいものです。
特にアルツハイマーの病状が進んだアイリスの表情は凄いです。
2002年アカデミー賞主演女優賞ノミネート
若き日のアイリス・マードックを演じたケイト・ウィンスレットは「タイタニック」等で有名ですが、奔放な女性を楽しげに演じています。
奔放ながらも、ジョン・ベイリーに対する一途な気持ちを感じられます。
2002年アカデミー賞助演女優賞ノミネート
老いたジョン・ベイリーを演じたジム・ブロードベンドは「戦争の犬たち」「未来世紀ブラジル」「クライング・ゲーム」「リトル・ヴォイス」「ムーラナ・ルージュ」等に出演してますが、本作ではアイリスを支えるジョン・ベイリーを好演。老いながらもラブラブ・カップルぶりを表現しています。
特に冒頭の講演会や、スピーチのシークエンスでは非常に若々しく、可愛いおじいちゃんを演じています。それが、アイリスのアルツハイマー病が進行するにつれ、人間性が浮き彫りになり、多面性のある複雑なキャラクターをこなしています。
2002年アカデミー賞助演男優賞受賞
若き日のジョン・ベイリー役のヒュー・ボナヴィルは、奔放な進歩的な女性アイリスに翻弄される一途な男を好演し、ちょっと情けないところが良いのである。
物語の重い部分は、年老いた二人が演じるわけであるから、若い二人はシチュエーション的に軽いわけであるが、恋愛沙汰の当事者にとっては、決して軽い問題ではなく、この恋愛があってはじめて、映画「アイリス」の物語が成立する訳である。
また、若い二人の演じたシークエンスは全て伏線となっている訳で、伏線だけを演じるのも大変だと思った。
いろいろな賞をとっている本作ですが、物語的には、表面的で底が浅い印象を受けました。
表現も直接的でわかりやすく、暗喩的な描写が少ない、娯楽大作的なつくりだったような気がします。
暗喩やメタファーに満ちた映画を好むわたし的には、若干物足りない気がしました。
「アイリス」
"IRIS"
2001年/イギリス/インターメディア・フィルムズ、BBCフィルムズ、ミラマックス・フィルムズ提供/ミラージュ・エンタープライズ、ロバート・フォックス、スコット・ルーディン・プロダクション作品/カラー/1時間31分/ヴィスタサイズ/ドルビー・デジタル/日本語字幕:古田由紀子/配給:松竹株式会社
監督:リチャード・エア
出演:ジュディ・デンチ、ジム・ブロードベンド、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・ポナヴィル
「ロックンロールミシン」
2003年4月6日池袋新文芸坐の『気になる日本映画達(アイツラ)2002』で「ロックンロールミシン」を観た。
と、言っても、実は例によって3月22日の話だがね・・・・。
「ひまわり」、「贅沢な骨」、「GO」等の行定勲の「ロックンロールミシン」を観た。
予告編を見ると、脱サラした主人公が見る夢の物語のような印象を受けたのだが、本編もほぼその通りだった。
脱サラして、池内博之、りょう、水橋研二らが立ち上げたデザイナーズ・ブランド「ストロボ・ラッシュ」に飛び込んだ加瀬亮が体験する一夏の期間限定の夢を描いている。
事実、ラストの会社でのシークエンス(「ストロボ・ラッシュ」のTシャツを着た不法滞在者のニュースを見て、ほこらしげに写真を飾る加瀬亮)に行き場の無い怒りすら感じてしまう。
会社といういわば人生の安全地帯に居る加瀬と、人生の最前線で戦う池内やりょう、水橋らを対比するとおそらく加瀬に対して観客は良い印象は受けないだろう。
この映画は、全編ファンタジーで貫いているのだが、加瀬のサラリーマン的な描写がリアリティを醸し出し、行き場の無い感情を感化されるのだ。
映像的には、同カットのシチュエーションのリフレインが効果的な印象を与える。
画質は、35mmでとったのかどうかはわからないが、16mmテイストで、インディーズ的なリアリティを付与している。
脚本は比較的ベタで想像の域をでないが、一応のどんでん返しのTシャツがある種のカタルシスとメディアを利用した希望を感じられる。
キャストは、やはり池内博之である。存在感、カリスマ性、才能、苦悩を感じさせる良い役をこなしていた。
りょうについてはテレビドラマで見られるような骨子が整っていない曖昧な演技ではなく、本作では明確な骨子を持ったキャラクターとして描写されており、良い印象を受けた。
加瀬亮は、サラリーマンからファッション系までを演じ分け面白かったが、役柄的にちと微妙な印象を受けた。
水橋研二は良いですね。「月光の囁き」で注目の水橋だが、全く別の印象で、良い役者だと思った。
スローラーナーの「ロックンロールミシン」のページ
http://www.slowlearner.co.jp/movies/rrm/index.shtml
「ロックンロールミシン」
2002年/日本/上映時間:120分
監督:行定勲
出演:池内博之、りょう、加瀬亮、水橋研二、粟田麗、津田寛治
と、言っても、実は例によって3月22日の話だがね・・・・。
「ひまわり」、「贅沢な骨」、「GO」等の行定勲の「ロックンロールミシン」を観た。
予告編を見ると、脱サラした主人公が見る夢の物語のような印象を受けたのだが、本編もほぼその通りだった。
脱サラして、池内博之、りょう、水橋研二らが立ち上げたデザイナーズ・ブランド「ストロボ・ラッシュ」に飛び込んだ加瀬亮が体験する一夏の期間限定の夢を描いている。
事実、ラストの会社でのシークエンス(「ストロボ・ラッシュ」のTシャツを着た不法滞在者のニュースを見て、ほこらしげに写真を飾る加瀬亮)に行き場の無い怒りすら感じてしまう。
会社といういわば人生の安全地帯に居る加瀬と、人生の最前線で戦う池内やりょう、水橋らを対比するとおそらく加瀬に対して観客は良い印象は受けないだろう。
この映画は、全編ファンタジーで貫いているのだが、加瀬のサラリーマン的な描写がリアリティを醸し出し、行き場の無い感情を感化されるのだ。
映像的には、同カットのシチュエーションのリフレインが効果的な印象を与える。
画質は、35mmでとったのかどうかはわからないが、16mmテイストで、インディーズ的なリアリティを付与している。
脚本は比較的ベタで想像の域をでないが、一応のどんでん返しのTシャツがある種のカタルシスとメディアを利用した希望を感じられる。
キャストは、やはり池内博之である。存在感、カリスマ性、才能、苦悩を感じさせる良い役をこなしていた。
りょうについてはテレビドラマで見られるような骨子が整っていない曖昧な演技ではなく、本作では明確な骨子を持ったキャラクターとして描写されており、良い印象を受けた。
加瀬亮は、サラリーマンからファッション系までを演じ分け面白かったが、役柄的にちと微妙な印象を受けた。
水橋研二は良いですね。「月光の囁き」で注目の水橋だが、全く別の印象で、良い役者だと思った。
スローラーナーの「ロックンロールミシン」のページ
http://www.slowlearner.co.jp/movies/rrm/index.shtml
「ロックンロールミシン」
2002年/日本/上映時間:120分
監督:行定勲
出演:池内博之、りょう、加瀬亮、水橋研二、粟田麗、津田寛治
「Laundry」
2003年4月5日池袋新文芸坐の『気になる日本映画達(アイツラ)2002』で「Laundry」を観た。
と、言っても、実は3月22日の話だがね・・・・。
先日「ピンポン」の話をしましたが、窪塚好きのわたしとしては、大変素敵な映画だと思いました。
映画を観て、これほど嗚咽したのは、いつ以来でしょうか。子供の頃テレビで「ジョーイ」を観た以来でしょうかね。
とにかく、涙腺破壊映画でしたね。
で考えなければいけないのは、主人公テルの描き方ですが、彼は「頭に傷のある男」と描かれていますが、これはおそらく少年時代の事故により、知能に障害が出てしまったキャラクターなのだと思います。
で、私見ですが、わたしは映画やドラマでの障害者の描き方について以前から思っていることがあります。
それは、映画やドラマのメディアは障害者をステレオタイプ的にピュアで美しく描きすぎではないか、ということです。
もちろんそういった傾向は否定しませんが、万事が万事そういったことではないと思います。
わたしは経験上障害者とのつきあいがありますが、そんな話になったとき、知り合いの障害者は、障害者にも良い人もいれば悪い人もいる、しかし映画やドラマに出てくる障害者は良い人ばかりだ。と言い、メディアは障害者がピュアで正直で真面目な人ばかりだと言う誤解を与えているのではないか、という危惧を持っているようでした。
だからどうだ、という訳ではありませんが、そういった視点も必要だと思います。
ところで、窪塚の演技ですが、これもちょっと極端なキャラクターなので、やはり今後の窪塚のキャリア的には、勿論評価すべきだと思うのですが、普通の役にも挑戦していかないと、ちとまずいかな?という印象を強めました。
小雪も良いですね。
今度「わたしのペット」とか言うドラマに出るらしいですが、ファンの小雪のイメージを壊すのではないかと、若干の不安を感じます。
とは言うものの、誰にでもおすすめできる、現代のファンタジー映画です。
機会がありましたら、是非観て下さい。
ハンカチ用意してね。
ロボットの「Laundry」のページ
http://laundry.robot.co.jp/index.html
「Laundry」
製作:Laundry Partners(ROBOT・メディアファクトリー・NHKエンタープライズ21・博報堂・IMAGICA)
上映時間:2時間6分/モノラル/ビスタ/カラー
監督:森 淳一
出演:窪塚洋介、小雪、田鍋謙一郎、村松克己、角替和枝、西村理沙、木野花、内藤剛志
と、言っても、実は3月22日の話だがね・・・・。
先日「ピンポン」の話をしましたが、窪塚好きのわたしとしては、大変素敵な映画だと思いました。
映画を観て、これほど嗚咽したのは、いつ以来でしょうか。子供の頃テレビで「ジョーイ」を観た以来でしょうかね。
とにかく、涙腺破壊映画でしたね。
で考えなければいけないのは、主人公テルの描き方ですが、彼は「頭に傷のある男」と描かれていますが、これはおそらく少年時代の事故により、知能に障害が出てしまったキャラクターなのだと思います。
で、私見ですが、わたしは映画やドラマでの障害者の描き方について以前から思っていることがあります。
それは、映画やドラマのメディアは障害者をステレオタイプ的にピュアで美しく描きすぎではないか、ということです。
もちろんそういった傾向は否定しませんが、万事が万事そういったことではないと思います。
わたしは経験上障害者とのつきあいがありますが、そんな話になったとき、知り合いの障害者は、障害者にも良い人もいれば悪い人もいる、しかし映画やドラマに出てくる障害者は良い人ばかりだ。と言い、メディアは障害者がピュアで正直で真面目な人ばかりだと言う誤解を与えているのではないか、という危惧を持っているようでした。
だからどうだ、という訳ではありませんが、そういった視点も必要だと思います。
ところで、窪塚の演技ですが、これもちょっと極端なキャラクターなので、やはり今後の窪塚のキャリア的には、勿論評価すべきだと思うのですが、普通の役にも挑戦していかないと、ちとまずいかな?という印象を強めました。
小雪も良いですね。
今度「わたしのペット」とか言うドラマに出るらしいですが、ファンの小雪のイメージを壊すのではないかと、若干の不安を感じます。
とは言うものの、誰にでもおすすめできる、現代のファンタジー映画です。
機会がありましたら、是非観て下さい。
ハンカチ用意してね。
ロボットの「Laundry」のページ
http://laundry.robot.co.jp/index.html
「Laundry」
製作:Laundry Partners(ROBOT・メディアファクトリー・NHKエンタープライズ21・博報堂・IMAGICA)
上映時間:2時間6分/モノラル/ビスタ/カラー
監督:森 淳一
出演:窪塚洋介、小雪、田鍋謙一郎、村松克己、角替和枝、西村理沙、木野花、内藤剛志
2003年の目標!! 中間報告その3
2003年4月1日さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その3です。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#014 「アレックス」丸の内シャンゼリゼ 2003/03/05
#015 「es[エス]」新文芸坐 2003/03/07
#016 「ザ・リング」新文芸坐 2003/03/07
#017 「ピンポン」新文芸坐 2003/03/15
#018 「不思議惑星キン・ザ・ザ」新文芸坐 2003/03/15
#019 「UFO少年アブドラジャン」新文芸坐 2003/03/15
#020 「火を噴く惑星」新文芸坐 2003/03/15
#021 「妖婆・死棺の呪い」新文芸坐 2003/03/15
#022 「Laundry」新文芸坐 2003/03/22
#023 「ロックンロールミシン」新文芸坐 2003/03/22
続いて、DVDやCATVです。
#041 「タクシー・ドライバー」2003/03/01 CATV
#042 「カウボーイ・ビバップ 天国の扉」2003/03/01 DVD
#043 「ラリー・フリント」2003/03/01 CATV
#044 「ゴースト・バスターズ」2003/03/02 CATV
#045 「クラッシャージョウ」2003/03/02 HDD
#046 「最終絶叫計画」2003/03/02 CATV
#047 「氷の微笑」2003/03/04 DVD
#048 「酔いどれ天使」2003/03/09 CATV
#049 「ELECTRIC DRAGON 80000V」2003/03/09 HDD
#050 「イグジステンズ」2003/03/09 HDD
#051 「非・バランス」2003/03/09 CATV
#052 「真夜中のカーボーイ」2003/03/12 CATV
1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 22本(累計72本)でした。
さて、本の方は、
#011 「ドリームキャッチャー 3」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/03/04
#012 「ドリームキャッチャー 4」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/03/10
#013 「シャングリラ病原体(上)」フリーマントル著 松本剛史訳 新潮文庫 2003/03/19
#014 「プレイ」マイケル・クライトン著 早川書房 2003/03/26
#015 「シャングリラ病原体(下)」フリーマントル著 松本剛史訳 新潮文庫 2003/03/27
状況として、3月は仕事的にも忙しく、まあこんなものだと思います。
映画は、新文芸坐に結構行ったので、前半の本数は稼げましたが、年度末に向け仕事が忙しくなり失速、その結果月24本(累計72本)ですので、このままのペースだと、288本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月10本(累計23本)、このままのペースだと、年間92本になります。
読書の方は、月5冊(累計15冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
4月は仕事が若干すくと思います。
今月も頑張りま〜す。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#014 「アレックス」丸の内シャンゼリゼ 2003/03/05
#015 「es[エス]」新文芸坐 2003/03/07
#016 「ザ・リング」新文芸坐 2003/03/07
#017 「ピンポン」新文芸坐 2003/03/15
#018 「不思議惑星キン・ザ・ザ」新文芸坐 2003/03/15
#019 「UFO少年アブドラジャン」新文芸坐 2003/03/15
#020 「火を噴く惑星」新文芸坐 2003/03/15
#021 「妖婆・死棺の呪い」新文芸坐 2003/03/15
#022 「Laundry」新文芸坐 2003/03/22
#023 「ロックンロールミシン」新文芸坐 2003/03/22
続いて、DVDやCATVです。
#041 「タクシー・ドライバー」2003/03/01 CATV
#042 「カウボーイ・ビバップ 天国の扉」2003/03/01 DVD
#043 「ラリー・フリント」2003/03/01 CATV
#044 「ゴースト・バスターズ」2003/03/02 CATV
#045 「クラッシャージョウ」2003/03/02 HDD
#046 「最終絶叫計画」2003/03/02 CATV
#047 「氷の微笑」2003/03/04 DVD
#048 「酔いどれ天使」2003/03/09 CATV
#049 「ELECTRIC DRAGON 80000V」2003/03/09 HDD
#050 「イグジステンズ」2003/03/09 HDD
#051 「非・バランス」2003/03/09 CATV
#052 「真夜中のカーボーイ」2003/03/12 CATV
1月に、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 22本(累計72本)でした。
さて、本の方は、
#011 「ドリームキャッチャー 3」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/03/04
#012 「ドリームキャッチャー 4」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/03/10
#013 「シャングリラ病原体(上)」フリーマントル著 松本剛史訳 新潮文庫 2003/03/19
#014 「プレイ」マイケル・クライトン著 早川書房 2003/03/26
#015 「シャングリラ病原体(下)」フリーマントル著 松本剛史訳 新潮文庫 2003/03/27
状況として、3月は仕事的にも忙しく、まあこんなものだと思います。
映画は、新文芸坐に結構行ったので、前半の本数は稼げましたが、年度末に向け仕事が忙しくなり失速、その結果月24本(累計72本)ですので、このままのペースだと、288本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月10本(累計23本)、このままのペースだと、年間92本になります。
読書の方は、月5冊(累計15冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
4月は仕事が若干すくと思います。
今月も頑張りま〜す。
「妖婆・死棺の呪い」
2003年3月30日『旧ソ連産 奇想天外!! 空想科学映画集』のラストを飾るのは、わたし的に、心理的外傷的最も恐い映画の一本である「妖婆・死棺の呪い」である。
これを観たのは、わたしが4歳か5歳の頃、母の実家のテレビだった。
多分土曜の夕方のプログラムで、映画のラスト近辺で、実際の日が落ち、暗い中でテレビを観た記憶がある。
多分一度しか観ていないはずなのだが、その後悪夢として、何度も何度も繰り返し観ているのだ。
原作はロシアの文豪ゴーゴリの「ヴィイ」。これはロシアの民間伝承をまとめ、著した短篇小説である。
いくつかのアンソロジーに入っているので、ご関心がある方は、ご一読を。
物語は、とある神学校からの帰省中、魔女の家に泊まる事になった主人公のホマーが、誤って魔女(老婆の姿と絶世の美女の姿を持っている。)を殺してしまい、神学校に戻ったホマーのもとに、街の実力者の娘が死にかけているので、祈祷をお願いする旨の使いが来る。仕方なくその家に行くと、その死にかけている(到着した時点で既に死んでいるのだが)娘は、なんとホマーが殺した魔女(絶世の美女)だったのだ。
そして三晩の間、祈祷することになったホマーだが、毎晩毎晩魔女は甦り、ホマーを襲うのだ。
素晴らしいのは、この映画の色彩感覚である。ロシア映画には「石の花」のように妙に発色が良い映画が多いが、この映画もそんな感じで、不思議な発色が素晴らしい色彩感覚を観客に与えている。
そして、魔女(絶世の美女の方ね)が素晴らしく美しいのだ。
特にホマーに殺される際のおみ足の美しさは凄いぞ。
また、毎晩襲い掛かってくるシークエンスでも、表情が素晴らしく、若干コミカルな印象をも与えている。
大人になって観直して見ると、全くといっていいほど恐くないのであるが、愛すべき映画の一本である。
「妖婆・死棺の呪い」
"ВИЙ"
1967年/ソ連/35mm/スタンダード/カラー/全8巻/1時間18分
監督:コンスタンチン・エルショフ/ゲオルギー・クロパチェフ
出演:ホマー/レオニード・クラヴレフ、地主の娘/ナターリヤ・ワルレイ、地主(百人長)/アレクセイ・グラズィリン、老婆(魔女)/ニコライ・クトゥーゾフ、ハリャーワ/N・ザハルチェンコ、神学校長/P・ヴェスクリャロワ、ゴロベーツ/V・サーリニコフ、オヴェルコ/D・カープカ、ドーロシ/P・ヴェスクリャロフ、ヤーフトゥク/S・シクラト、スチェパン/G・ソチェフコ、スピリード/N・ヤコフチェンコ
ご参考
http://web.ffn.ne.jp/~russia-eigasha/arc/films/y/youba/
これを観たのは、わたしが4歳か5歳の頃、母の実家のテレビだった。
多分土曜の夕方のプログラムで、映画のラスト近辺で、実際の日が落ち、暗い中でテレビを観た記憶がある。
多分一度しか観ていないはずなのだが、その後悪夢として、何度も何度も繰り返し観ているのだ。
原作はロシアの文豪ゴーゴリの「ヴィイ」。これはロシアの民間伝承をまとめ、著した短篇小説である。
いくつかのアンソロジーに入っているので、ご関心がある方は、ご一読を。
物語は、とある神学校からの帰省中、魔女の家に泊まる事になった主人公のホマーが、誤って魔女(老婆の姿と絶世の美女の姿を持っている。)を殺してしまい、神学校に戻ったホマーのもとに、街の実力者の娘が死にかけているので、祈祷をお願いする旨の使いが来る。仕方なくその家に行くと、その死にかけている(到着した時点で既に死んでいるのだが)娘は、なんとホマーが殺した魔女(絶世の美女)だったのだ。
そして三晩の間、祈祷することになったホマーだが、毎晩毎晩魔女は甦り、ホマーを襲うのだ。
素晴らしいのは、この映画の色彩感覚である。ロシア映画には「石の花」のように妙に発色が良い映画が多いが、この映画もそんな感じで、不思議な発色が素晴らしい色彩感覚を観客に与えている。
そして、魔女(絶世の美女の方ね)が素晴らしく美しいのだ。
特にホマーに殺される際のおみ足の美しさは凄いぞ。
また、毎晩襲い掛かってくるシークエンスでも、表情が素晴らしく、若干コミカルな印象をも与えている。
大人になって観直して見ると、全くといっていいほど恐くないのであるが、愛すべき映画の一本である。
「妖婆・死棺の呪い」
"ВИЙ"
1967年/ソ連/35mm/スタンダード/カラー/全8巻/1時間18分
監督:コンスタンチン・エルショフ/ゲオルギー・クロパチェフ
出演:ホマー/レオニード・クラヴレフ、地主の娘/ナターリヤ・ワルレイ、地主(百人長)/アレクセイ・グラズィリン、老婆(魔女)/ニコライ・クトゥーゾフ、ハリャーワ/N・ザハルチェンコ、神学校長/P・ヴェスクリャロワ、ゴロベーツ/V・サーリニコフ、オヴェルコ/D・カープカ、ドーロシ/P・ヴェスクリャロフ、ヤーフトゥク/S・シクラト、スチェパン/G・ソチェフコ、スピリード/N・ヤコフチェンコ
ご参考
http://web.ffn.ne.jp/~russia-eigasha/arc/films/y/youba/
「火を噴く惑星」
2003年3月27日「旧ソ連産 奇想天外 空想科学映画集」の第三弾は、「火を噴く惑星」。
もう惑星探査モノのスタンダードです。
事故、ロボット、謎の生命体、自然災害による惑星からの離脱、謎の生命体の影でエンディング。
1962年の作品ということもあるのかも知れないが、とにかくオーソドックスなのだ。
ご参考
http://www.people.or.jp/~russia-eigasha/arc/films/h/hiwofuku/
「火を噴く惑星」
"ПЛАНЕТА БУРЬ"
"The Planet of Storms"
1962年/ソ連/スタンダード/カラー/1時間23分
監督:パーヴェル・クルシャンツェフ
出演:ウラジーミル・エメリヤノフ、ゲオルギー・ジジョーノフ、ゲンナジー・ヴェルノフ、ユーリー・サランツェフ、キューナ・イグナトヴァ、G・テイフ
もう惑星探査モノのスタンダードです。
事故、ロボット、謎の生命体、自然災害による惑星からの離脱、謎の生命体の影でエンディング。
1962年の作品ということもあるのかも知れないが、とにかくオーソドックスなのだ。
ご参考
http://www.people.or.jp/~russia-eigasha/arc/films/h/hiwofuku/
「火を噴く惑星」
"ПЛАНЕТА БУРЬ"
"The Planet of Storms"
1962年/ソ連/スタンダード/カラー/1時間23分
監督:パーヴェル・クルシャンツェフ
出演:ウラジーミル・エメリヤノフ、ゲオルギー・ジジョーノフ、ゲンナジー・ヴェルノフ、ユーリー・サランツェフ、キューナ・イグナトヴァ、G・テイフ
「UFO少年アブドラジャン」
2003年3月25日先日お伝えした、池袋文芸坐の『旧ソ連産 奇想天外!! 空想科学映画集』というオールナイト企画の第二弾、「UFO少年アブドラジャン」である。
この作品、実はスティーヴン・スピルバーグの「E.T.」にインスパイアされた作品なのだ。
物語は、とある村に土鍋のような空飛ぶ円盤が墜落。近くに倒れていた裸の少年をアブドラジャンと名づけ、連れ帰ったことから、村で発生する様々な不思議な出来事を描いている。
しかもナレーションで「あなたの円盤は光り輝いていたが、こちらの円盤は本物です。」「どうでしたスピルバーグさん」等々スピルバーグ向けのナレーションが満ちており、タイトルは、
"ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG"
というものなのだ。
非常にホノボノとした、ほんわかしたSFファンタジーで、ある種カルト的な風格も併せ持っている作品かも知れない。
物語は「E.T.」の亜流といえばそれまでなのだが、なんとも妙な味わいで魅力的な映画なのだ。
冒頭のコルホーズの集会で議長が読み上げたモスクワからの電報もキテルし、「異星人を乗せた未確認飛行物体がここに向かっている。異星人の身長は70〜80cm、禿頭で目は赤く・・・。」こんな電報がモスクワからきちゃうとこも凄いし、アブドラジャンの最初のセリフが世界各国の言語での語りかけだったり、不思議な巨大作物や、すぐ生える毛髪、空飛ぶ鍬、「E.T.」はBMXで空を飛んだが、アブドラジャンは村中の民衆が鍬に跨って空を飛ぶのだ!!
あまり機会は無いと思うが、機会があったら、迷わず観てね。
配給元パンドラの「UFO少年アブドラジャン」のページ
http://www.pan-dora.co.jp/UFO/index.html
「UFO少年アブドラジャン」
"ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG"
1992年/ウズベキスタン
監督:ズリフィカール・ムサコフ
出演:ラジャブ・アダシェフ、トゥイチ・アリポフ、シュフラト・カユモフ
この作品、実はスティーヴン・スピルバーグの「E.T.」にインスパイアされた作品なのだ。
物語は、とある村に土鍋のような空飛ぶ円盤が墜落。近くに倒れていた裸の少年をアブドラジャンと名づけ、連れ帰ったことから、村で発生する様々な不思議な出来事を描いている。
しかもナレーションで「あなたの円盤は光り輝いていたが、こちらの円盤は本物です。」「どうでしたスピルバーグさん」等々スピルバーグ向けのナレーションが満ちており、タイトルは、
"ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG"
というものなのだ。
非常にホノボノとした、ほんわかしたSFファンタジーで、ある種カルト的な風格も併せ持っている作品かも知れない。
物語は「E.T.」の亜流といえばそれまでなのだが、なんとも妙な味わいで魅力的な映画なのだ。
冒頭のコルホーズの集会で議長が読み上げたモスクワからの電報もキテルし、「異星人を乗せた未確認飛行物体がここに向かっている。異星人の身長は70〜80cm、禿頭で目は赤く・・・。」こんな電報がモスクワからきちゃうとこも凄いし、アブドラジャンの最初のセリフが世界各国の言語での語りかけだったり、不思議な巨大作物や、すぐ生える毛髪、空飛ぶ鍬、「E.T.」はBMXで空を飛んだが、アブドラジャンは村中の民衆が鍬に跨って空を飛ぶのだ!!
あまり機会は無いと思うが、機会があったら、迷わず観てね。
配給元パンドラの「UFO少年アブドラジャン」のページ
http://www.pan-dora.co.jp/UFO/index.html
「UFO少年アブドラジャン」
"ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG"
1992年/ウズベキスタン
監督:ズリフィカール・ムサコフ
出演:ラジャブ・アダシェフ、トゥイチ・アリポフ、シュフラト・カユモフ
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
2003年3月23日3月15日、池袋文芸坐で『旧ソ連産 奇想天外!! 空想科学映画集』というオールナイト企画に行ってきた。
上映作品は、
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
「UFO少年アブドラジャン」
「火を噴く惑星」
「妖婆・死棺の呪い」
の4本。
わたし的に一番見たかったのは「妖婆・死棺の呪い」。
この映画、わたしがとても小さかった頃、テレビで見て眠れない程怖い思いをして、それから何度も悪夢として甦り、その度にフィードバックを繰り返し、恐怖に関して強大化した心理的外傷的映画なのだ。
これを逃すと劇場で観る機会もなくなってしまう可能性が高いと思い、オールナイトに行くことにしたのだ。
余談だが、わたし的に最も恐いトラウマ的映画は、
「妖婆・死棺の呪い」
「顔の無い悪魔」
の2本。
さてオールナイト1本目の「不思議惑星キン・ザ・ザ」ですが、素晴らしい映画でした。
物語は、ひょんな事からキン・ザ・ザ星雲のプリュク星にたどり着いた二人の(旧)ソ連人が、地球に戻ってくるまでを描いたSFファンタジー映画なのだ。
そのプリュク星のほとんどは砂漠に覆われ、人々は地下で生活している。地上にはかつての文明が崩壊してしまった後のような遺物が点在し、世界崩壊後のディストピア的印象を受ける。
その世界では、多民族からなる階級社会が存在し、その階級制度を無視すると死すら与えられてしまう選民思想が横行している。
文明の程度はともかく、科学技術は進んでおり、瞬時に空間を移動したり、空中を浮遊する乗り物や、地上を高速が走る不思議な車、または様々な殺傷兵器が一般化している。
また、プリュク星の人々は相手の言語中枢を解読し、他言語を理解し瞬時に母国語のように解してしまう程の能力を持っているのだ。
また、全ての対人コミュニケーション表現を「ク〜」と「キュ〜」という言葉で行なってしまうのだ。
それだけ科学技術や能力が発達した社会で、明らかな階級制度や理不尽な死や投獄があたりまえで、また全ての人々は相手を騙し、利用することがあたりまえなのだ。
そんな世界の中に放り込まれた二人の(旧)ソ連人の生き様が心地よい。
その世界では何故か非常に高価になってしまっているマッチをただタバコを吸うために何本も使うし、(空間を移動する装置がマッチ半本で買えるのだ。)自分達が地球に帰ることを犠牲にしてまで、自分達を騙し続け、挙句の果てに投獄されてしまったプリュク人を救おうとする。
その孤高さがある種のカタルシスと人類の可能性を感じさせる。
なんだか固いことを言ってるようだが、この映画は、カルチャー・ギャップをメインに据えたコメディ映画なのだが、実際のところは人類の文明や、無意味な社会的差別制度を批判した孤高の映画なのだ。
科学技術的に不可能な事など無く、そんな環境と明確な差別制度において、本能のままに生きるプリュク人の中で翻弄される孤高な地球人がなんとも格好良いのだ!!
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
"KIN-DZA-DZA!"
1986/ソ連/カラー/135分/日本語字幕:太田道子
製作:モスフィルム・スタジオ
配給:パンドラ
監督:ゲオルギー・ダネリア
出演:スタニスラス・リュプシン、エヴゲーニー・レオホフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レワン・カブリアゼ
オフィシャル・サイト
http://www.pan-dora.co.jp/kin-dza-dza/index.html
ニュープリント公開記念オフィシャルサイト
http://www.aldolpho.com/dzadza/index.html
上映作品は、
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
「UFO少年アブドラジャン」
「火を噴く惑星」
「妖婆・死棺の呪い」
の4本。
わたし的に一番見たかったのは「妖婆・死棺の呪い」。
この映画、わたしがとても小さかった頃、テレビで見て眠れない程怖い思いをして、それから何度も悪夢として甦り、その度にフィードバックを繰り返し、恐怖に関して強大化した心理的外傷的映画なのだ。
これを逃すと劇場で観る機会もなくなってしまう可能性が高いと思い、オールナイトに行くことにしたのだ。
余談だが、わたし的に最も恐いトラウマ的映画は、
「妖婆・死棺の呪い」
「顔の無い悪魔」
の2本。
さてオールナイト1本目の「不思議惑星キン・ザ・ザ」ですが、素晴らしい映画でした。
物語は、ひょんな事からキン・ザ・ザ星雲のプリュク星にたどり着いた二人の(旧)ソ連人が、地球に戻ってくるまでを描いたSFファンタジー映画なのだ。
そのプリュク星のほとんどは砂漠に覆われ、人々は地下で生活している。地上にはかつての文明が崩壊してしまった後のような遺物が点在し、世界崩壊後のディストピア的印象を受ける。
その世界では、多民族からなる階級社会が存在し、その階級制度を無視すると死すら与えられてしまう選民思想が横行している。
文明の程度はともかく、科学技術は進んでおり、瞬時に空間を移動したり、空中を浮遊する乗り物や、地上を高速が走る不思議な車、または様々な殺傷兵器が一般化している。
また、プリュク星の人々は相手の言語中枢を解読し、他言語を理解し瞬時に母国語のように解してしまう程の能力を持っているのだ。
また、全ての対人コミュニケーション表現を「ク〜」と「キュ〜」という言葉で行なってしまうのだ。
それだけ科学技術や能力が発達した社会で、明らかな階級制度や理不尽な死や投獄があたりまえで、また全ての人々は相手を騙し、利用することがあたりまえなのだ。
そんな世界の中に放り込まれた二人の(旧)ソ連人の生き様が心地よい。
その世界では何故か非常に高価になってしまっているマッチをただタバコを吸うために何本も使うし、(空間を移動する装置がマッチ半本で買えるのだ。)自分達が地球に帰ることを犠牲にしてまで、自分達を騙し続け、挙句の果てに投獄されてしまったプリュク人を救おうとする。
その孤高さがある種のカタルシスと人類の可能性を感じさせる。
なんだか固いことを言ってるようだが、この映画は、カルチャー・ギャップをメインに据えたコメディ映画なのだが、実際のところは人類の文明や、無意味な社会的差別制度を批判した孤高の映画なのだ。
科学技術的に不可能な事など無く、そんな環境と明確な差別制度において、本能のままに生きるプリュク人の中で翻弄される孤高な地球人がなんとも格好良いのだ!!
「不思議惑星キン・ザ・ザ」
"KIN-DZA-DZA!"
1986/ソ連/カラー/135分/日本語字幕:太田道子
製作:モスフィルム・スタジオ
配給:パンドラ
監督:ゲオルギー・ダネリア
出演:スタニスラス・リュプシン、エヴゲーニー・レオホフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レワン・カブリアゼ
オフィシャル・サイト
http://www.pan-dora.co.jp/kin-dza-dza/index.html
ニュープリント公開記念オフィシャルサイト
http://www.aldolpho.com/dzadza/index.html
「ピンポン」
2003年3月21日池袋新文芸坐の特集「気になる日本映画達(アイツラ)2002」で「ピンポン」を観た。
結構期待していたのだが、物語は比較的普遍的な物語で、所謂べたな展開が続き、特に意外性はなかった。
だからと言って、この映画がつまらない訳ではなく、大変楽しめる娯楽作品だった。
更に娯楽作品でありつつ、ある種叙情的な感動を呼ぶ作品に仕上がっているという恵まれた作品なのかもしれない。
さて、窪塚洋介だが、わたしは彼がヨースケと名乗っていた頃から注目していたのだが、最近の窪塚のいくつかの作品では、奇抜なキャラクターにおいて同じような演技、同じようなセリフまわしで若干食傷気味の印象を受ける。
わたし的には、特定の演技スタイルの確立は俳優としてはある種のデメリットではないかと思うのだ。
例えばテレビドラマ「あすなろ白書」で俳優として開花した木村拓哉は、演じるキャラクター全てがその表現すべきキャラクターではなく人物としての木村拓哉に見えてしまう、という俳優としての限界的な問題点を抱えているのだが、窪塚洋介についても、この傾向が続くのであれば、同様の危惧を感じてしまうのだ。
原作は読んでいないので、なんとも言えないが、ペコのキャラクターのセリフに個性と魅力を感じはするのだが、ある種の問題も同時に感じてしまうのだ。
窪塚洋介は日本映画界の若手俳優として非常に評価されている人材であるだけに、危惧は大きいのだ。
また最近テレビドラマ「H.R.」で頑張っている中村獅童が非常に印象的である。
どこの世界にも居る、○○道一筋の人物を好演している。もちろん苦悩するキャラクターとしてのブレイクスルーもカタルシスだったりする。
ARATAも良かったし、サム・リーも良かった。勿論大倉孝二も、松尾スズキも良かった。
演技というより、キャラクターの設定が秀逸なのかも知れない。
竹中直人は従来の邦画の極端なキャラクターを捨て、普通に(でもないけど)演じている姿に好感が持てる。彼の過剰演技(二重の演技:演技しているキャラクターが更に演技をしている)はそろそろやめていただきたいところだったので、この作品にも出演しているので、嫌な予感を抱えていたのだが、良い意味で裏切られラッキーだった。
この辺は、竹中の笑いながら怒る人とか松田優作のモノマネで食っていた時代からの遺産だと思うが、俳優をやってる時は俳優に専念してほしいのだ。
前述のようにこの作品の大本の脚本は普遍的ではあるが、印象的で行間を読ませるセリフが多く、キャラクターの生き様や苦悩、挫折に見事に花を添えている。
脚本ではないが、「ピンポン」のタイトル・ロゴにも意味を持たせているアート・ワークも良いと思った。スマイルとペコの対比なのだね。
監督の曽利文彦は、わたしは不勉強なもので何者かわからないのだが、VFXあがりの人のようで、卓球シーンにその経験が如何なく発揮されているようである。
冒頭と中盤の"I can fly. Yes, You can fly."のシークエンスも凄い。
予告編で見る限りは、所謂ショットガン撮影かとやと思いきや、カメラははるか上空まで行ってしまうし、本来ならカメラがある部分まで撮影してしまっているのが興味深い。
「ピンポン」
2002年/日本/アスミック・エース
監督:曽利文彦
出演:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大倉孝二、松尾スズキ、夏木マリ、竹中直人
結構期待していたのだが、物語は比較的普遍的な物語で、所謂べたな展開が続き、特に意外性はなかった。
だからと言って、この映画がつまらない訳ではなく、大変楽しめる娯楽作品だった。
更に娯楽作品でありつつ、ある種叙情的な感動を呼ぶ作品に仕上がっているという恵まれた作品なのかもしれない。
さて、窪塚洋介だが、わたしは彼がヨースケと名乗っていた頃から注目していたのだが、最近の窪塚のいくつかの作品では、奇抜なキャラクターにおいて同じような演技、同じようなセリフまわしで若干食傷気味の印象を受ける。
わたし的には、特定の演技スタイルの確立は俳優としてはある種のデメリットではないかと思うのだ。
例えばテレビドラマ「あすなろ白書」で俳優として開花した木村拓哉は、演じるキャラクター全てがその表現すべきキャラクターではなく人物としての木村拓哉に見えてしまう、という俳優としての限界的な問題点を抱えているのだが、窪塚洋介についても、この傾向が続くのであれば、同様の危惧を感じてしまうのだ。
原作は読んでいないので、なんとも言えないが、ペコのキャラクターのセリフに個性と魅力を感じはするのだが、ある種の問題も同時に感じてしまうのだ。
窪塚洋介は日本映画界の若手俳優として非常に評価されている人材であるだけに、危惧は大きいのだ。
また最近テレビドラマ「H.R.」で頑張っている中村獅童が非常に印象的である。
どこの世界にも居る、○○道一筋の人物を好演している。もちろん苦悩するキャラクターとしてのブレイクスルーもカタルシスだったりする。
ARATAも良かったし、サム・リーも良かった。勿論大倉孝二も、松尾スズキも良かった。
演技というより、キャラクターの設定が秀逸なのかも知れない。
竹中直人は従来の邦画の極端なキャラクターを捨て、普通に(でもないけど)演じている姿に好感が持てる。彼の過剰演技(二重の演技:演技しているキャラクターが更に演技をしている)はそろそろやめていただきたいところだったので、この作品にも出演しているので、嫌な予感を抱えていたのだが、良い意味で裏切られラッキーだった。
この辺は、竹中の笑いながら怒る人とか松田優作のモノマネで食っていた時代からの遺産だと思うが、俳優をやってる時は俳優に専念してほしいのだ。
前述のようにこの作品の大本の脚本は普遍的ではあるが、印象的で行間を読ませるセリフが多く、キャラクターの生き様や苦悩、挫折に見事に花を添えている。
脚本ではないが、「ピンポン」のタイトル・ロゴにも意味を持たせているアート・ワークも良いと思った。スマイルとペコの対比なのだね。
監督の曽利文彦は、わたしは不勉強なもので何者かわからないのだが、VFXあがりの人のようで、卓球シーンにその経験が如何なく発揮されているようである。
冒頭と中盤の"I can fly. Yes, You can fly."のシークエンスも凄い。
予告編で見る限りは、所謂ショットガン撮影かとやと思いきや、カメラははるか上空まで行ってしまうし、本来ならカメラがある部分まで撮影してしまっているのが興味深い。
「ピンポン」
2002年/日本/アスミック・エース
監督:曽利文彦
出演:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大倉孝二、松尾スズキ、夏木マリ、竹中直人
「ジェリー・ゴールドスミス in japan 2003」
2003年3月16日2003年3月13日(木)、横浜みなみみらいホールで開催された「神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 ハリウッド・シンフォニック・コンサート VOL.V ジェリー・ゴールドスミス in japan 2003」に行ってきた。
このコンサートは、昨年秋頃に実施される予定だったのだが、ジェリー・コールドスミスの体調不良のため、今回実施の3月に延期されたのだが、残念ながら体調不良のためゴールドスミス来日中止となり、代役として20年来の親友であり作曲家であるチャールズ・フォックスが指揮棒を振ったのである。
演奏曲は、
1.「ネメシス/S.T.X」
2.「ラスト・キャッスル」より《組曲》
3.「トータル・フィアーズ」より《作戦》
4.「いれずみの男」より《メイン・タイトル》
5.「オーメン」
−休憩−
6.《映画主題曲メドレー》
(「砲艦サンパブロ」「チャイナタウン」「エアフォース・ワン」「いつか見た青い空」「ポルターガイスト」「パピヨン」「氷の微笑」「風とライオン」)
7.「パットン大戦車軍団」より《組曲》
8.「ザ・ワイルド」より《メイン・タイトル》《フィナーレ》
9.ソリアン・オーバー・カリフォルニア
−アンコール−
10.キリング・ミー・ソフトリー
11.「スタートレック」
でした。(アンコールもう一曲あったかも)
本来はゴールドスミスのコンダクトでサントラの再現を期待していたのですが、残念ながらゴールドスミスの来日中止のためチャールズ・フォックスが代役ということでしたが、十分楽しめるコンサートでした。
で、コンサートの概要ですが、「スタートレック」ファンのわたしとしては、オープニングの「ネメシス/S.T.X」のファンファーレで既に感涙モノでした。涙なくしては帰れないコンサートだと期待していたのですが、やっぱ想像どおりでした。
今回の特筆モノは、やっぱ「オーメン(合唱付)」でしょう。合唱は神奈川フィル合唱団で総勢120名の大合唱で、テーマの執拗な反復が戦慄モノでした。パイプオルガンも良いですわ。
合唱、パイプオルガン、オーケストラが必要な曲はライヴでなかなか聴けないですから、今回の「オーメン」はとっても良い体験でした。
また、「ラスト・キャッスル」も凄かったです。
この中の一曲は2002年9月14日にハリウッド・ボウル・オーケストラがテロ犠牲者追悼公演で演奏されたもので、荘厳で厳粛な印象を与えます。
ゴールドスミスは戦争もの、マーチものが上手いですね。
あとメドレーでは「エアフォース・ワン」「パピヨン」「氷の微笑」が良かったです。
やっぱ「氷の微笑」は傑作ですね。
「パットン大戦車軍団」組曲も良かったです。
基本的にはサントラの再現率が高く、映画ファンにとっては満足のいくコンサートでした。
ただ、席が結構後のほうだったので、若干迫力に欠けた印象を受けました。
また、通訳の間違いや、フォックスのコメントの勘違い、演奏も微妙なところがありましたが、ご愛嬌ということで、大変楽しめるコンサートでした。
チャールズ・フォックスの大ヒット曲「キリング・ミー・ソフトリー」(ネスカフェのテーマソングとしても有名)も良かったです。今回のためにアレンジしなおしたバージョンでしたが、非常に完成度が高く安心して聴くことが出来ました。
SS席の観客にはCDがもらえたのですが、これは前回の来日公演のライヴ盤でした。
「神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 ハリウッド・シンフォニック・コンサート VOL.V ジェリー・ゴールドスミス in japan 2003」
http://www.fictory.com/JerryJapan/index.html
このコンサートは、昨年秋頃に実施される予定だったのだが、ジェリー・コールドスミスの体調不良のため、今回実施の3月に延期されたのだが、残念ながら体調不良のためゴールドスミス来日中止となり、代役として20年来の親友であり作曲家であるチャールズ・フォックスが指揮棒を振ったのである。
演奏曲は、
1.「ネメシス/S.T.X」
2.「ラスト・キャッスル」より《組曲》
3.「トータル・フィアーズ」より《作戦》
4.「いれずみの男」より《メイン・タイトル》
5.「オーメン」
−休憩−
6.《映画主題曲メドレー》
(「砲艦サンパブロ」「チャイナタウン」「エアフォース・ワン」「いつか見た青い空」「ポルターガイスト」「パピヨン」「氷の微笑」「風とライオン」)
7.「パットン大戦車軍団」より《組曲》
8.「ザ・ワイルド」より《メイン・タイトル》《フィナーレ》
9.ソリアン・オーバー・カリフォルニア
−アンコール−
10.キリング・ミー・ソフトリー
11.「スタートレック」
でした。(アンコールもう一曲あったかも)
本来はゴールドスミスのコンダクトでサントラの再現を期待していたのですが、残念ながらゴールドスミスの来日中止のためチャールズ・フォックスが代役ということでしたが、十分楽しめるコンサートでした。
で、コンサートの概要ですが、「スタートレック」ファンのわたしとしては、オープニングの「ネメシス/S.T.X」のファンファーレで既に感涙モノでした。涙なくしては帰れないコンサートだと期待していたのですが、やっぱ想像どおりでした。
今回の特筆モノは、やっぱ「オーメン(合唱付)」でしょう。合唱は神奈川フィル合唱団で総勢120名の大合唱で、テーマの執拗な反復が戦慄モノでした。パイプオルガンも良いですわ。
合唱、パイプオルガン、オーケストラが必要な曲はライヴでなかなか聴けないですから、今回の「オーメン」はとっても良い体験でした。
また、「ラスト・キャッスル」も凄かったです。
この中の一曲は2002年9月14日にハリウッド・ボウル・オーケストラがテロ犠牲者追悼公演で演奏されたもので、荘厳で厳粛な印象を与えます。
ゴールドスミスは戦争もの、マーチものが上手いですね。
あとメドレーでは「エアフォース・ワン」「パピヨン」「氷の微笑」が良かったです。
やっぱ「氷の微笑」は傑作ですね。
「パットン大戦車軍団」組曲も良かったです。
基本的にはサントラの再現率が高く、映画ファンにとっては満足のいくコンサートでした。
ただ、席が結構後のほうだったので、若干迫力に欠けた印象を受けました。
また、通訳の間違いや、フォックスのコメントの勘違い、演奏も微妙なところがありましたが、ご愛嬌ということで、大変楽しめるコンサートでした。
チャールズ・フォックスの大ヒット曲「キリング・ミー・ソフトリー」(ネスカフェのテーマソングとしても有名)も良かったです。今回のためにアレンジしなおしたバージョンでしたが、非常に完成度が高く安心して聴くことが出来ました。
SS席の観客にはCDがもらえたのですが、これは前回の来日公演のライヴ盤でした。
「神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 ハリウッド・シンフォニック・コンサート VOL.V ジェリー・ゴールドスミス in japan 2003」
http://www.fictory.com/JerryJapan/index.html
「es[エス]」
2003年3月9日劇場公開時に、観ておきたがったのだが、知らないうちに終わってしまい、見逃していた「es[エス]」を池袋新文芸座で観た。
因みに同時上映は「ザ・リング」だった。
物語は、1970年代にスタンフォード大学で行なわれた心理学実験「プリズン」に題材を取られたもので、新聞広告で集められた応募者を無作為に「看守」と「囚人」に分け、模擬刑務所で14日間、いくつかのルールに従い、自らの役割を演じる、というもので、その実験過程において明らかになる、「状況の力」とその「状況の力」の持つ大きな力を描写している。
因みにこの映画はドイツ映画である。こういった映画がドイツで製作されたことが非常に興味深い。
先ず、この映画が優れている点は、観客が観察者の立場を演じさせられている点だろう。
つまり我々観客は、この実験の主催者側と同じ立場でこの映画を、つまりこの実験を観察する構造を持っているのだ。ここに、この映画のリアリティが生まれているのだ。
事実、この実験の描写は微に入り細に入りリアリティを感じることが出来る。
このリアリティこそが、「状況の力」により人間はいかようにもなってしまう、というこの映画の根本的なテーマにリアリティを与え、観客に対し居心地の悪さや嫌悪感を与えているのだ。
勿論、この物語は映画であるから、ラストに向け、カタルシスが得られるクライマックスが用意されているが、それとて歯切れの良いものではなく、観客は、普通のその辺に居る人間に対する不信感や、「状況の力」への恐怖を、わたし達の周りでも簡単に「状況の力」が発生する環境が簡単に出来上がってしまう恐怖に捕らわれてしまうのだ。
さて、細かい話に入るが、脚本についてだが、実験の描写の合間に主人公であるタレクとドラの回想シーンが入る構成になっている。この辺が賛否分かれるところだと思うが、わたし的にはちょっとうるさい印象を受けた。勿論構成上ラストに向けての伏線となっているわけだから、脚本上必要だと思うが、物語のスピードを削いでいるような気がする。
キャストについては、主人公のタレクを演じているモーリッツ・ブライプトロイは「ラン・ローラ・ラン」で日本でもおなじみだが、あとは看守ベルスを演じているユストゥス・フォン・ドーナニーが「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に出てるくらいで、後はほぼ無名の俳優のようである。
勿論、わたしはドイツ映画はあまり観たことが無いこともあるのだが、無名の俳優を使うことにより、その辺に住んでいる一般の人々が極限状態の「状況の力」により変貌してしまうところのリアリティに恐怖を感じさせることに成功している。
主役のモーリッツ・ブライプトロイは置いておくと、やはり見事にナチスの将校的看守ベルスを演じているユストゥス・フォン・ドーナニーと空軍将校で囚人役のクリスティアン・ベッケルが印象的であるが、全ての囚人役も看守役も存在感があり、良い仕事をしている。
あとは手法として人権を剥奪するシークエンスが良く出来ているな。と感じた。
また、看守ベルスの暴走振りは若干やりすぎの感はあるが、リアリティを破壊する直前の微妙な線を越えずに演じきっている。
特にラストのナイフのシークエンスで自らの行為に驚愕する表情は素晴らしい。
因みに本作はもうDVDになっているようである。関心がある方は是非観ていただきたいと思うのだ。
「es[エス]」
"Das Experiment"
2001年/ドイツ映画/119分/ドルビーデジタル/ビスタサイズ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル
出演:モーリッツ・ブライプトロイ、クリスティアン・ベッケル、オリバー・ストコフスキー、ユストゥス・フォン・ドーナニー、ティモ・ディールケス、ニッキ・フォン・テンペルホフ、アントアーヌ・モノ、エドガー・ゼルケ、アンドレア・サヴァツキー、マレン・エッゲルト
因みに同時上映は「ザ・リング」だった。
物語は、1970年代にスタンフォード大学で行なわれた心理学実験「プリズン」に題材を取られたもので、新聞広告で集められた応募者を無作為に「看守」と「囚人」に分け、模擬刑務所で14日間、いくつかのルールに従い、自らの役割を演じる、というもので、その実験過程において明らかになる、「状況の力」とその「状況の力」の持つ大きな力を描写している。
因みにこの映画はドイツ映画である。こういった映画がドイツで製作されたことが非常に興味深い。
先ず、この映画が優れている点は、観客が観察者の立場を演じさせられている点だろう。
つまり我々観客は、この実験の主催者側と同じ立場でこの映画を、つまりこの実験を観察する構造を持っているのだ。ここに、この映画のリアリティが生まれているのだ。
事実、この実験の描写は微に入り細に入りリアリティを感じることが出来る。
このリアリティこそが、「状況の力」により人間はいかようにもなってしまう、というこの映画の根本的なテーマにリアリティを与え、観客に対し居心地の悪さや嫌悪感を与えているのだ。
勿論、この物語は映画であるから、ラストに向け、カタルシスが得られるクライマックスが用意されているが、それとて歯切れの良いものではなく、観客は、普通のその辺に居る人間に対する不信感や、「状況の力」への恐怖を、わたし達の周りでも簡単に「状況の力」が発生する環境が簡単に出来上がってしまう恐怖に捕らわれてしまうのだ。
さて、細かい話に入るが、脚本についてだが、実験の描写の合間に主人公であるタレクとドラの回想シーンが入る構成になっている。この辺が賛否分かれるところだと思うが、わたし的にはちょっとうるさい印象を受けた。勿論構成上ラストに向けての伏線となっているわけだから、脚本上必要だと思うが、物語のスピードを削いでいるような気がする。
キャストについては、主人公のタレクを演じているモーリッツ・ブライプトロイは「ラン・ローラ・ラン」で日本でもおなじみだが、あとは看守ベルスを演じているユストゥス・フォン・ドーナニーが「ワールド・イズ・ノット・イナフ」に出てるくらいで、後はほぼ無名の俳優のようである。
勿論、わたしはドイツ映画はあまり観たことが無いこともあるのだが、無名の俳優を使うことにより、その辺に住んでいる一般の人々が極限状態の「状況の力」により変貌してしまうところのリアリティに恐怖を感じさせることに成功している。
主役のモーリッツ・ブライプトロイは置いておくと、やはり見事にナチスの将校的看守ベルスを演じているユストゥス・フォン・ドーナニーと空軍将校で囚人役のクリスティアン・ベッケルが印象的であるが、全ての囚人役も看守役も存在感があり、良い仕事をしている。
あとは手法として人権を剥奪するシークエンスが良く出来ているな。と感じた。
また、看守ベルスの暴走振りは若干やりすぎの感はあるが、リアリティを破壊する直前の微妙な線を越えずに演じきっている。
特にラストのナイフのシークエンスで自らの行為に驚愕する表情は素晴らしい。
因みに本作はもうDVDになっているようである。関心がある方は是非観ていただきたいと思うのだ。
「es[エス]」
"Das Experiment"
2001年/ドイツ映画/119分/ドルビーデジタル/ビスタサイズ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル
出演:モーリッツ・ブライプトロイ、クリスティアン・ベッケル、オリバー・ストコフスキー、ユストゥス・フォン・ドーナニー、ティモ・ディールケス、ニッキ・フォン・テンペルホフ、アントアーヌ・モノ、エドガー・ゼルケ、アンドレア・サヴァツキー、マレン・エッゲルト
「アレックス」
2003年3月5日賛否両論の「アレックス」であるが、はっきり言って傑作だった。
わたしは事実、爽やかな気持ちで劇場を後にすることができたのだ。もしかしたら、清々しい爽快感に自然と笑みがこぼれていたかもしれない。
その反面、「アレックス」の前評判から劇場に向かう足が重かったのは事実である。
さて、先ず考えなければならないのは本編に繰り返し出てくる「時はすべてを破壊する」と言う言葉であろう。
これは勿論真理であるとともに、逆説的に「時は全てを癒す」ということを表現しているのである。
そしてこの「アレックス」の物語は時系列的な正方向で考えると「時はすべてを破壊する」を表現し、負方向(映画で描写された時系列)で考えると「時は全てを癒す」ということを表現しているのだ。
また、英題である"IRREVERSIBLE"は「反+リバース+可能」を表し、「不可逆の」、「元に戻せない」という形容詞なのである。
ミクロ的な視点では「全てを破壊する」時ではあるが、マクロ的にその事象を覗いた場合、時は「全てを癒す」ことになるのだ。(ここでは、時が全てを解決する。という考え方より高次元な観点で考えています。)
ですから、人類が感じる悲喜など、時と言う存在の前では、全くもって取るにたらない瑣末な物事なのだよ。
そして考えなければならないのは、レイプされる女性の名前がアレックスであること。
そして、「2001年宇宙の旅」の「究極のトリップ」版のポスターとベッドと赤ん坊。
ここから、この映画がスタンリー・キューブリックの影響下にあることが見て取れ、アレックスという名前は「時計じかけのオレンジ」のアレックスから取られていることは容易に想像できる。
また、この映画「アレックス」ではベートーベンやマーラーの交響曲が使われ、キューブリックへのオマージュ的なカットがいくつか登場することも見逃せない。
そう考えるとこの映画の主題の幾つかが見えてくるのではないだろうか。
その主題のひとつは、キューブリック映画の主題のひとつでもある「本能から逃れられない人類の悲哀」なのである。
例えば「2001年宇宙の旅」は勿論「超人」の誕生を描いているのであるが、「食欲」から脱却できない人類を描き、「時計じかけのオレンジ」は、「暴力」という本能を描いている。
そしてこの「アレックス」は「暴力とセックス」という人類の本能を描いているのである。
そこで、興味深いのは、地下鉄の中でのセックス談義である。勿論この映画の全編はセックスにみちているのだが。
特にその地下鉄内の会話でアレックスは、「相手をエクスタシーに導くのは、相手のことを考えるのではなく、自らの欲望だけを考え没頭することだ」と元恋人ピエールに語る。
ということは、自らの欲望に突っ走っているテニアの暴力的なレイプにより、アレックスはエクスタシーを感じていた。という解釈も出来るのだ。
勿論反発はあると思いますが、冷静に考えてみて、脚本がそうなっている以上、こういった解釈もあることを監督は望んでいるはずです。
更に、復讐にはやるマルキュスは、あっさり腕を折られ、マルキュスの復讐を諌めていたピエールが結果的にアレックスの仇を取る、という構図は、暴力とセックスとの、エクスタシーと死との違いはありますが、アレックスが語っていた、「相手をエクスタシー(死)に導くのは、相手のことを考えるのではなく、自らの欲望だけを考え没頭することだ」を体現しているのに他なりません。
このモラルの人ピエールの豹変振りが、「2001年宇宙の旅」的な「超人」の誕生をも表しているのでしょう。
そして、冒頭の裸のじいさん達の視点は勿論、神の或いは神の使い的な視点を持ってますね。
シェークスピアかなんかの、神や悪魔が冒頭に舞台で少し語り、なんだか下界が騒がしいようだ、という感じで人間達の物語に入っていくような感じですよね。
さて、細かい話になりますが、脚本がよく出来てますね。この映画。
我々は、時系列的に結果から伏線を見ていく訳ですが、全てのシークエンスがレイプに繋がっていますね。
地下鉄のセックス談義や、恋人達のベッドでの会話、最近読んでいる本の内容、目覚める寸前に見た夢・・・・
キャスト的には、やっぱモニカ・ベルッチ頑張りましたね。
ヴァンサン・カッセルはダメな人間を好演してます。
なんと言っても、美味しいのはアルベール・デュポンテルでしょう。冒頭の消火器のシークエンスは映画史に残る強烈な印象を与えています。
撮影は16ミリで撮ったらしいですが、ごまかしやすいスタイルでした。
1シーン1カット(勿論ヒッチコック的に誤魔化しつつ数カット使ってますがね。)の形式はやっぱ面白いですね。相米慎二の映画なんかを見ると、ホント編集って本当に必要あるのかな、ごまかしじゃないのかって思っちゃいますよね。
この映画のもうひとつのそして最大のテーマは「希望」でしょうね。
いやあ、本当に良い映画を観たね。
「アレックス」
"IRREVERSIBLE"
2002年/フランス映画/シネマスコープ/ドルビーSRD/上映時間:98分/日本語字幕:松浦美奈/提供:コムストック、レントラックジャパン/配給:コムストック
監督・脚本・撮影・編集:ギャスパー・ノエ
出演:モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル、アルバート・デュポンテル、ジョー・プレスティア、フィリップ・ナオン
わたしは事実、爽やかな気持ちで劇場を後にすることができたのだ。もしかしたら、清々しい爽快感に自然と笑みがこぼれていたかもしれない。
その反面、「アレックス」の前評判から劇場に向かう足が重かったのは事実である。
さて、先ず考えなければならないのは本編に繰り返し出てくる「時はすべてを破壊する」と言う言葉であろう。
これは勿論真理であるとともに、逆説的に「時は全てを癒す」ということを表現しているのである。
そしてこの「アレックス」の物語は時系列的な正方向で考えると「時はすべてを破壊する」を表現し、負方向(映画で描写された時系列)で考えると「時は全てを癒す」ということを表現しているのだ。
また、英題である"IRREVERSIBLE"は「反+リバース+可能」を表し、「不可逆の」、「元に戻せない」という形容詞なのである。
ミクロ的な視点では「全てを破壊する」時ではあるが、マクロ的にその事象を覗いた場合、時は「全てを癒す」ことになるのだ。(ここでは、時が全てを解決する。という考え方より高次元な観点で考えています。)
ですから、人類が感じる悲喜など、時と言う存在の前では、全くもって取るにたらない瑣末な物事なのだよ。
そして考えなければならないのは、レイプされる女性の名前がアレックスであること。
そして、「2001年宇宙の旅」の「究極のトリップ」版のポスターとベッドと赤ん坊。
ここから、この映画がスタンリー・キューブリックの影響下にあることが見て取れ、アレックスという名前は「時計じかけのオレンジ」のアレックスから取られていることは容易に想像できる。
また、この映画「アレックス」ではベートーベンやマーラーの交響曲が使われ、キューブリックへのオマージュ的なカットがいくつか登場することも見逃せない。
そう考えるとこの映画の主題の幾つかが見えてくるのではないだろうか。
その主題のひとつは、キューブリック映画の主題のひとつでもある「本能から逃れられない人類の悲哀」なのである。
例えば「2001年宇宙の旅」は勿論「超人」の誕生を描いているのであるが、「食欲」から脱却できない人類を描き、「時計じかけのオレンジ」は、「暴力」という本能を描いている。
そしてこの「アレックス」は「暴力とセックス」という人類の本能を描いているのである。
そこで、興味深いのは、地下鉄の中でのセックス談義である。勿論この映画の全編はセックスにみちているのだが。
特にその地下鉄内の会話でアレックスは、「相手をエクスタシーに導くのは、相手のことを考えるのではなく、自らの欲望だけを考え没頭することだ」と元恋人ピエールに語る。
ということは、自らの欲望に突っ走っているテニアの暴力的なレイプにより、アレックスはエクスタシーを感じていた。という解釈も出来るのだ。
勿論反発はあると思いますが、冷静に考えてみて、脚本がそうなっている以上、こういった解釈もあることを監督は望んでいるはずです。
更に、復讐にはやるマルキュスは、あっさり腕を折られ、マルキュスの復讐を諌めていたピエールが結果的にアレックスの仇を取る、という構図は、暴力とセックスとの、エクスタシーと死との違いはありますが、アレックスが語っていた、「相手をエクスタシー(死)に導くのは、相手のことを考えるのではなく、自らの欲望だけを考え没頭することだ」を体現しているのに他なりません。
このモラルの人ピエールの豹変振りが、「2001年宇宙の旅」的な「超人」の誕生をも表しているのでしょう。
そして、冒頭の裸のじいさん達の視点は勿論、神の或いは神の使い的な視点を持ってますね。
シェークスピアかなんかの、神や悪魔が冒頭に舞台で少し語り、なんだか下界が騒がしいようだ、という感じで人間達の物語に入っていくような感じですよね。
さて、細かい話になりますが、脚本がよく出来てますね。この映画。
我々は、時系列的に結果から伏線を見ていく訳ですが、全てのシークエンスがレイプに繋がっていますね。
地下鉄のセックス談義や、恋人達のベッドでの会話、最近読んでいる本の内容、目覚める寸前に見た夢・・・・
キャスト的には、やっぱモニカ・ベルッチ頑張りましたね。
ヴァンサン・カッセルはダメな人間を好演してます。
なんと言っても、美味しいのはアルベール・デュポンテルでしょう。冒頭の消火器のシークエンスは映画史に残る強烈な印象を与えています。
撮影は16ミリで撮ったらしいですが、ごまかしやすいスタイルでした。
1シーン1カット(勿論ヒッチコック的に誤魔化しつつ数カット使ってますがね。)の形式はやっぱ面白いですね。相米慎二の映画なんかを見ると、ホント編集って本当に必要あるのかな、ごまかしじゃないのかって思っちゃいますよね。
この映画のもうひとつのそして最大のテーマは「希望」でしょうね。
いやあ、本当に良い映画を観たね。
「アレックス」
"IRREVERSIBLE"
2002年/フランス映画/シネマスコープ/ドルビーSRD/上映時間:98分/日本語字幕:松浦美奈/提供:コムストック、レントラックジャパン/配給:コムストック
監督・脚本・撮影・編集:ギャスパー・ノエ
出演:モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル、アルバート・デュポンテル、ジョー・プレスティア、フィリップ・ナオン
「氷の微笑」スペシャル・エディション
2003年3月4日ポール・バーホーベンの「氷の微笑」のスペシャル・エディションDVDを購入した。
今回見直して見ると、この映画、傑作ですね。
脚本も撮影も照明も音楽も演出も演技もみんな凄いです。
で、興味深いのは、バーホーベンと撮影監督のヤン・デ・ボンのオーディオ・コメンタリーが激オモです。
撮影、照明の話から、アルフレッド・ヒッチコックの話まで、様々な話や、こぼれ話が楽しいのだ。
この「氷の微笑」は、そのオーディオ・コメンタリーを聞く限りは、やはりヒッチコックの影響を色濃く受けているようで、デ・ボンはかつてのヒッチコック作品のショットを研究し、本作に取り入れているようですね。
あとはカメラのアングルや、撮影方法、セットでの天井の必要性・・・・
やっぱ、デ・ボンは撮影ですわね。
余談ですが、カロルコのロゴ、久しぶりに見ましたわ。わたし。
因みにこのDVD、アメリカ版は、アイス・ピックがついてきてました。
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
またまた余談ですが、わたし、子供の頃「古典落語」を結構読んでました。角川文庫だったかな。全10冊位の全集だったような記憶があります。
筒井康隆の短篇や星新一のショート・ショートと同列だったのですね。わたし的にはね。
で落語と言えば、山村浩二監督の「頭山("Mt.Head")」が、第75回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされましたね。
語り、三味線は、国本武春です。
山村浩二氏のサイト
http://www.jade.dti.ne.jp/~yam/
国本武春氏のサイト
http://homepage2.nifty.com/ts-sonic/
今回見直して見ると、この映画、傑作ですね。
脚本も撮影も照明も音楽も演出も演技もみんな凄いです。
で、興味深いのは、バーホーベンと撮影監督のヤン・デ・ボンのオーディオ・コメンタリーが激オモです。
撮影、照明の話から、アルフレッド・ヒッチコックの話まで、様々な話や、こぼれ話が楽しいのだ。
この「氷の微笑」は、そのオーディオ・コメンタリーを聞く限りは、やはりヒッチコックの影響を色濃く受けているようで、デ・ボンはかつてのヒッチコック作品のショットを研究し、本作に取り入れているようですね。
あとはカメラのアングルや、撮影方法、セットでの天井の必要性・・・・
やっぱ、デ・ボンは撮影ですわね。
余談ですが、カロルコのロゴ、久しぶりに見ましたわ。わたし。
因みにこのDVD、アメリカ版は、アイス・ピックがついてきてました。
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
またまた余談ですが、わたし、子供の頃「古典落語」を結構読んでました。角川文庫だったかな。全10冊位の全集だったような記憶があります。
筒井康隆の短篇や星新一のショート・ショートと同列だったのですね。わたし的にはね。
で落語と言えば、山村浩二監督の「頭山("Mt.Head")」が、第75回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされましたね。
語り、三味線は、国本武春です。
山村浩二氏のサイト
http://www.jade.dti.ne.jp/~yam/
国本武春氏のサイト
http://homepage2.nifty.com/ts-sonic/
2003年の目標!! 中間報告その2
2003年3月1日さて、早速ですが2003年の目標の中間発表その2です。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#007 「ケミカル51」ニュー東宝シネマ1 2003/02/03
#008 「ストーカー」シャンテ・シネ2 2003/02/04
#009 「トランスポーター」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/02/05
#010 「ボーン アイデンティティー」日劇1 2003/02/07
#011 「猟奇的な彼女」シャンテ・シネ3 2003/02/09
#012 「レッド・ドラゴン」スカラ座1 2003/02/10
#013 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/02/28
続いて、DVDやCATVです。
#023 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」2003/02/02 CATV
#024 「ディスクロージャー」2003/02/02 CATV
#025 「LOVE SONG」2003/02/02 CATV
#026 「Quartet カルテット」2003/02/02 CATV
#027 「ザ・フライ」2003/02/05 CATV
#028 「金髪の草原」2003/02/06 CATV
#029 「フレンジー」2003/02/11 CATV
#030 「ハリーの災難」2003/02/11 CATV
#031 「シン・レッド・ライン」2003/02/11 CATV
#032 「トワイライト」2003/02/12 CATV
#033 「待ちきれなくて・・・」2003/02/16 CATV
#034 「ミシシッピー・バーニング」2003/02/16 CATV
#035 「ファミリー・プロット」2003/02/20 CATV
#036 「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」2003/02/24 DVD
#037 「黒い試走車」2003/02/26 CATV
#038 「黒い報告書」2003/02/26 CATV
#039 「エスパイ」2003/02/26 CATV
#040 「金融腐食列島 [呪縛]」2003/02/27 CATV
先月、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 25本(累計50本)でした。
さて、本の方は、
#007 「ドリームキャッチャー 2」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/02/04
#008 「死霊の恋 ポンペイ夜話 他三篇」ゴーチェ著 田辺貞之助訳 岩波文庫 2003/02/07
#009 「リプリー」パトリシア・ハイスミス著 佐宗鈴夫訳 河出文庫 2003/02/17
#010 「町奉行日記」山本周五郎著 新潮文庫 2003/02/27
状況として、1月〜3月くらいは、スキーの予定が多く、また仕事的にも忙しく、2月は日数も少ないので、まあこんなものだと思います。
映画は、月25本(累計50本)ですので、このままのペースだと、なんとピッタリ300本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月7本(累計13本)、このままのペースだと、年間78本になります。
読書の方は、月4冊(累計10冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
今月も頑張りま〜す。
とりあえず目標の再確認を・・・・
目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
まず映画です。
#007 「ケミカル51」ニュー東宝シネマ1 2003/02/03
#008 「ストーカー」シャンテ・シネ2 2003/02/04
#009 「トランスポーター」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/02/05
#010 「ボーン アイデンティティー」日劇1 2003/02/07
#011 「猟奇的な彼女」シャンテ・シネ3 2003/02/09
#012 「レッド・ドラゴン」スカラ座1 2003/02/10
#013 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2003/02/28
続いて、DVDやCATVです。
#023 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」2003/02/02 CATV
#024 「ディスクロージャー」2003/02/02 CATV
#025 「LOVE SONG」2003/02/02 CATV
#026 「Quartet カルテット」2003/02/02 CATV
#027 「ザ・フライ」2003/02/05 CATV
#028 「金髪の草原」2003/02/06 CATV
#029 「フレンジー」2003/02/11 CATV
#030 「ハリーの災難」2003/02/11 CATV
#031 「シン・レッド・ライン」2003/02/11 CATV
#032 「トワイライト」2003/02/12 CATV
#033 「待ちきれなくて・・・」2003/02/16 CATV
#034 「ミシシッピー・バーニング」2003/02/16 CATV
#035 「ファミリー・プロット」2003/02/20 CATV
#036 「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」2003/02/24 DVD
#037 「黒い試走車」2003/02/26 CATV
#038 「黒い報告書」2003/02/26 CATV
#039 「エスパイ」2003/02/26 CATV
#040 「金融腐食列島 [呪縛]」2003/02/27 CATV
先月、地上波のCM入りの映画が3本ありましたので、映画は、DVD、CATV等を含めて 25本(累計50本)でした。
さて、本の方は、
#007 「ドリームキャッチャー 2」スティーヴン・キング著 白石朗訳 新潮文庫 2003/02/04
#008 「死霊の恋 ポンペイ夜話 他三篇」ゴーチェ著 田辺貞之助訳 岩波文庫 2003/02/07
#009 「リプリー」パトリシア・ハイスミス著 佐宗鈴夫訳 河出文庫 2003/02/17
#010 「町奉行日記」山本周五郎著 新潮文庫 2003/02/27
状況として、1月〜3月くらいは、スキーの予定が多く、また仕事的にも忙しく、2月は日数も少ないので、まあこんなものだと思います。
映画は、月25本(累計50本)ですので、このままのペースだと、なんとピッタリ300本になります。
因みに、劇場での映画鑑賞は月7本(累計13本)、このままのペースだと、年間78本になります。
読書の方は、月4冊(累計10冊)で、このままのペースで60冊となります。
映画的には、目標ギリギリのペースですが、読書は早くも非常に厳しい状況です。
今月も頑張りま〜す。
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
2003年2月28日見ろ!!
この時代に生きている幸せを感じて欲しいのだ。
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
"THE LOAD OF THE RING THE TWO TOWERS"
2002年/アメリカ映画/ニューライン・シネマ作品/上映時間:2時間59分/スコープサイズ/ドルビーSRD、EX/SDDS/日本語字幕:戸田奈津子 字幕協力:田中明子/配給:日本ヘラルド、松竹
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン、ケイト・ブランシェット、ジョン・リス=デイヴィス、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハン、オーランド・ブルーム、クリストファー・リー、ヒューゴ・ウィービング、ミランダ・オットー、バーナード・ヒル、ブラッド・ドゥリーフ、アンディ・サーキス、デヴィッド・ウェンハム、カール・アーバン、クレイグ・パーカー
この時代に生きている幸せを感じて欲しいのだ。
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
"THE LOAD OF THE RING THE TWO TOWERS"
2002年/アメリカ映画/ニューライン・シネマ作品/上映時間:2時間59分/スコープサイズ/ドルビーSRD、EX/SDDS/日本語字幕:戸田奈津子 字幕協力:田中明子/配給:日本ヘラルド、松竹
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン、ケイト・ブランシェット、ジョン・リス=デイヴィス、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハン、オーランド・ブルーム、クリストファー・リー、ヒューゴ・ウィービング、ミランダ・オットー、バーナード・ヒル、ブラッド・ドゥリーフ、アンディ・サーキス、デヴィッド・ウェンハム、カール・アーバン、クレイグ・パーカー
ところで、趣味は読書ということですが・・・・
2003年2月24日わたしの日記を読んでいる人の中に、就職活動をしている人が何人かいるようですが、ちょっと面白い話を・・・・
履歴書の趣味欄に読書とか映画鑑賞とか書いてくる学生が沢山います。
で、意地悪なわたしは面接の際、必ずと言って良いほど「最近どんな本を読みましたか?」とか「最近どんな映画を観ましたか?」という質問をすることにしていますが、ほとんどの学生の返答の第一声は何故か「最近は観ていませんが・・・・」とか「最近は読んでいませんが・・・・」というものです。
で、賢明な読者諸氏はお気づきのように、そういった学生はどんどん落ちて行く訳ですね。
別に最近読んでいないのが問題なのではなく、やっていない事を趣味と書く学生の履歴書は信頼できない=その学生の言っていることは信用できない。ということになるからです。
勿論、趣味の話だけではなく、多角的に判断した上ですけどね。
あと、面接でびっくりしちゃうのは、自分が入学した大学なら大学を、学部なら学部を選択した理由を明確に言えない学生が滅茶苦茶多いですね。
あと、サークルや部活、バイトを選択した理由や、目的も言えない学生が多いですね。
サークルに入る理由もあれば、サークルに入らない理由もありますからね。
あと、履歴書では、映画鑑賞とビデオ鑑賞は区分しないと、映画好きな人事には嫌われますよ。
履歴書の趣味欄に読書とか映画鑑賞とか書いてくる学生が沢山います。
で、意地悪なわたしは面接の際、必ずと言って良いほど「最近どんな本を読みましたか?」とか「最近どんな映画を観ましたか?」という質問をすることにしていますが、ほとんどの学生の返答の第一声は何故か「最近は観ていませんが・・・・」とか「最近は読んでいませんが・・・・」というものです。
で、賢明な読者諸氏はお気づきのように、そういった学生はどんどん落ちて行く訳ですね。
別に最近読んでいないのが問題なのではなく、やっていない事を趣味と書く学生の履歴書は信頼できない=その学生の言っていることは信用できない。ということになるからです。
勿論、趣味の話だけではなく、多角的に判断した上ですけどね。
あと、面接でびっくりしちゃうのは、自分が入学した大学なら大学を、学部なら学部を選択した理由を明確に言えない学生が滅茶苦茶多いですね。
あと、サークルや部活、バイトを選択した理由や、目的も言えない学生が多いですね。
サークルに入る理由もあれば、サークルに入らない理由もありますからね。
あと、履歴書では、映画鑑賞とビデオ鑑賞は区分しないと、映画好きな人事には嫌われますよ。