「ミッドナイトイーグル」をめぐる冒険
2008/09/21 WOWOWで「ミッドナイトイーグル」を見た。

昨年の「東京国際映画祭」では、玉木宏人気もあり「ミッドナイトイーグル」は大きな話題になっていたので、個人的には気にはなっていたし、チケットが取れたら見ようと思っていたのだが、「東京国際映画祭」の初日のわたしのスケジュールの関係で見逃していた。

実際のところは、「ミッドナイトイーグル」の製作やプロモーションの方法から多分酷い映画じゃないかなと思っていたので、WOWOWで放映される、と言う事なので恐いもの見たさで見てみた。

案の定、信じられないくらいの酷い映画だった。
良かったのはエンドクレジットの日本アルプスの空撮だけじゃねえの、と本気で思った。

山岳アクションを撮りたいなら撮りたいで良いから、もうちょっと真面目に映画のことを考えて作って欲しいものである。

こんな酷い映画に金を出し製作し、大々的なプロモーションをする、と言う事は、日本人の映画離れに拍車をかけている、と言う事にそろそろ気がついて欲しいところである。

「あんなにヒットして、あんなに宣伝している映画だから、絶対に面白いと思って観に行ったら、全然面白くないじゃないの。だとしたら宣伝していない映画はもっと面白くないに決まっているじゃない」

映画を見ない人はそんな風に考えてしまうのではないか、と本気で思ってしまう。

確か「ミッドナイトイーグル」は、ハリウッドだかどこかでワールドプレミアをしたらしいが、正に日本の恥である。

写真は去年の「東京国際映画祭」のレッドカーペット。

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週刊「映画レビュー・インデックス」2008/09/13号(通巻202号)
をお届けします。
 
 
■「映画レビュー・インデックス」
http://homepage3.nifty.com/~tkr/ture/openindex.htm
(Last updated:2006/08/18) 
 
■公開中
2008/08/09公開
「ダークナイト」
http://diarynote.jp/d/29346/20080815.html
2008/08/02公開
「スカイ・クロラ」
http://diarynote.jp/d/29346/20080813.html
2008/07/26公開
「ハプニング」
http://diarynote.jp/d/29346/20080807.html
2008/07/19公開
「崖の上のポニョ」
http://diarynote.jp/d/29346/20080711.html
2008/07/12公開
「Queen Rock Montreal cine sound ver.」
http://diarynote.jp/d/29346/20080721.html
2008/07/05公開
「クライマーズ・ハイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20080709.html
「スピード・レーサー」
http://diarynote.jp/d/29346/20080724.html
「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」
http://diarynote.jp/d/29346/20080820.html
2008/06/28公開
「ミラクル7号」
未レビュー


 
 
■週末興収ベストテン
2007/09/06-07 興収ベストテン
1.「20世紀少年」(東宝)
2.「崖の上のポニョ」(東宝)
3.「ハンコック」(ソニー)
4.「デトロイト・ロック・シティ」(東宝)
5.「セックス・アンド・ザ・シティ」(ギャガ)
6.「幸せの1ページ」(角川)
7.「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(東宝東和)
8.「グーグーだって猫である」(アスミック・エース)
9.「ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ」(東宝)
10.「ダークナイト」(ワーナー)

因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「ボルベール〈帰郷〉」、「ラストキング・オブ・スコットランド」、「デジャヴ」、「インランド・エンパイア」、「シッコ」、「カンバセーションズ」、「エリック・ニーチェの若き日々」、「鳳凰 わが愛」、「真・女立喰師列伝」、「自虐の詩」、「恋空」、「真木栗ノ穴」、「トリック」、「地球へ2千万マイル カラーライズ版」、「世紀の謎空飛ぶ円盤地球を襲撃す カラーライズ版」、「水爆と深海の怪物 カラーライズ版」、「それぞれのシネマ」、「ブレードランナー ファイナル・カット」、「ボーン・アルティメイタム」、「歓喜の歌」、「ダーウィンの悪夢」、「エンロン巨大企業はいかにして崩壊したのか?」、「ミスト」、「ミラクル7号」です。
 
 
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さて、早速ですが2008年の目標の中間発表その8です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#017「ハプニング」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2008/08/01
#018「ダークナイト」TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2008/08/14
#019「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2008/08/15 
 
2.DVD、CATV等

#134「オープン・ウォーター」CATV 2008/08/03
#135「キッドナップ・プルース」HDD 2008/08/04
#136「東京ジョー」HDD 2008/08/06
#137「HERO」CATV 2008/08/06
#138「LOVERS」CATV 2008/08/07
#139「ダイ・ハード4.0」2008/08/10 CATV
#140「アビス」DVD 2008/08/10
#141「暗黒への転落」HDD 2008/08/13
#142「名探偵ホームズ」CATV 2008/08/14
#143「続名探偵ホームズ」CATV 2008/08/14
#144「ヒッチャー」DVD 2008/08/16
#145「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」HDD 2008/08/17
#146「夢のチョコレート工場」CATV 2008/08/19
#147「グリーン・デスティニー」CATV 2008/08/20
#148「茄子 スーツケースの渡り鳥」HDD 2008/08/23
#149「ショーン・オブ・ザ・デッド」DVD 2008/08/23
#150「ドラゴン怒りの鉄拳」CATV 2008/08/26
#151「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」CATV 2008/08/27
#152「イノセンス」DVD 2008/08/28
#153「燃えよドラゴン」DVD 2008/08/29
#154「チャーリーとチョコレート工場」CATV 2008/08/30
#155「茄子 アンダルシアの夏」DVD 2008/08/30
#156「転校生-さよなら あなた-」CATV 2008/08/31

 
 
3.読書

#021「黒笑小説」東野圭吾著 集英社文庫 2008/08/02
#022「毒笑小説」東野圭吾著 集英社文庫 2008/08/11
#023「たったひとつの冴えたやりかた」ジェイムズ・ディプトリー・ジュニア著 浅倉久志訳 ハヤカワ文庫 2008/08/23
  
映画は、劇場3本(累計19本)、DVD等23本(累計156本)で、計25本(累計175本)。
このままのペースで、年間263本(劇場29本)です。

読書は3冊(累計23冊)で、このままのペースでは、年間35冊です。

非常にマズイ状況です。

参考)
2008年の状況
映画175本(うち劇場19本)
読書23冊

2007年の状況
映画198本(うち劇場43本)
読書24冊

2006年同時期の状況
映画200本(うち劇場53本)
読書16冊

2005年同時期の状況
映画178本(うち劇場75本)
読書26冊

2004年同時期の状況
映画207本(うち劇場79本)
読書25冊

2003年同時期の状況
映画206本(うち劇場53本)
読書38冊

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「茄子 アンダルシアの夏」の続編「茄子 スーツケースの渡り鳥」を観た。

「ヴェルタ・ア・エスパーニャ」最終日前日に国民的英雄のレーサー、マルコ・ロンダニーニ(大塚明夫)が突如の自殺。ぺぺ(大泉洋)のチームメイト、チョッチ(山寺宏一)は同郷の先輩だったマルコの自殺により、レーサーとしての生活に疑問を感じはじめる。
そんな中、マルコの死の悲しみを胸に秘め、ぺぺ、チョッチほかチーム・パオパオビールはジャパンカップが開催される宇都宮に向かうが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督・脚本・キャラクターデザイン:高坂希太郎
アニメーション制作:マッドハウス
原作:黒田硫黄 「茄子」
エンディングテーマ:忌野清志郎 「自転車ショー歌」
声の出演:大泉洋(ペペ・ベネンヘリ)、山寺宏一(ジャン・ルイージ・チョッチ)、大塚明夫(マルコ・ロンダニーニ)、坂本真綾(豊城ひかる)、佐藤祐四(ギルモア)、芝井伶太(充一)、白戸太朗(実況アナウンサー)、今中大介(解説者)


「茄子 アンダルシアの夏」http://diarynote.jp/d/29346/20030730.html

ここ1〜2年はレースには出ていませんが、わたしは自転車をやっています。

そんな中、前作「茄子 アンダルシアの夏」に感涙したわたしだったので、第二作「茄子 スーツケースの渡り鳥」にも大きな期待をしていた訳です。

結果的には、本作「茄子 スーツケースの渡り鳥」は、大変すばらしい作品に仕上がっていました。

尺は54分と、前作(47分)同様短いのですが、圧倒的な緻密さで描かれた作品として、満腹感を感じます。

監督・脚本・キャラクターデザインの高坂希太郎と言う人は、「耳をすませば」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」で作画監督を担当したり、浦沢直樹の「YAWARA!」「MASTER KEATON マスターキートン」「MONSTER」にも作画監督やキャラクターデザイン等で参加している人です。
ついでに、自転車にも乗っている人です。

前作に引き続き、主題歌を担当する忌野清志郎も自転車乗りです。

実況と解説コンビの白戸太朗と今中大介も自転車つながりで、前者の白戸太朗はトライアスロンやアドベンチャーレースに参加・参画したりしながら、キャスター、実況活動、文筆活動を通じて、競技を国内に広める活動をしています。後者の今中大介は日本人で初めてツール・ド・フランスに出場したロードレーサーです。

そんなこんなもあって、自転車レースのシークエンスは驚愕のクオリティで、自転車乗りとしてはたまりませんし、自転車に乗らない人にも充分楽しい作品に仕上がっていると思います。

余談ですが、今回の主人公ペペとチョッチはルパンと次元でした。
http://www.vap.co.jp/nasu-wataridori/img/story02.jpg

更に余談ですが、チームパオパオの監督とメカニックですが、ペペ(大泉洋)と監督の掛け合いがすばらしいな、と思っていたら、案の定、藤村くん(藤村忠寿)とうれしー(嬉野 雅道)が担当してました。(「水曜どうでしょう」ね)

まぁとにかく本作「茄子 スーツケースの渡り鳥」と言う作品は、アニメーションの持つダイナミズムと、宇都宮を再現した叙情性と、自転車レースに係わる者たちの生き様と、「ルパン三世」と「水曜どうでしょう」が楽しめる、と言う一粒で五度も六度も美味しいすばらしいアニメーション作品に仕上がっている。

その辺で公開されているテレビ局主導のダメなアニメーションを見ている暇があったら、このような良質なアニメーション作品を観ていただきたいと思う。

自転車に関心がない人も、是非観てください。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!」
2008/08/15 東京板橋「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」で「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!」を観た。

首都ロンドンで日夜市民の安全を守り続ける勤勉な警察官ニコラス・エンジェル巡査(サイモン・ペッグ)。
しかし、あまりにも優秀すぎるがゆえに同僚たちの反感を買い、ついにはのどかな田舎町サンドフォードの警察署に左遷されてしまう。
事件らしい事件も起こらず途方に暮れるニコラス。おまけに、無理やり組まされた相棒のダニー(ニック・フロスト)は脳天気な上に無類の警察映画オタクで、映画と現実を混同してはニコラスを辟易させる。そんなある日・・・・。

監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペッグ
撮影:ジェス・ホール
編集:クリス・ディケンズ
出演:サイモン・ペッグ(ニコラス・エンジェル)、ニック・フロスト(ダニー・バターマン)、ジム・ブロードベント(フランク・バターマン)、パディ・コンシダイン(アンディ・ウェインライト)、ティモシー・ダルトン(サイモン・スキナー)

本作「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!」 は確かに非常におもしろいのだが、期待のし過ぎだったせいか、残念ながら「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)には及ばない、と言わざるを得ない。

と言うのも「ショーン・オブ・ザ・デッド」での一番の感動ポイントはサイモン・ペッグとニック・フロストの友情だった訳で、本作「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!」にもサイモン・ペッグとニック・フロストが登場する、となれば否応無しに彼らの友情に感動させられるのではないか、と思っていたからである。

前作同様の感動体験を本作に期待するのは酷でしょうか。

しかしながら、前作と比較すると感動ポイントを外している部分はあるものの、本作を一般のポリスアクションとして観た場合、圧倒的におもしろい作品に仕上がっている、と言うのは否定できない事実です。

前作が偉大すぎた、と言うことでしょう。

物語は、優秀過ぎるために田舎町に左遷された警察官が田舎町でとんでもない事件に巻き込まれると言う、誰もが想像できる単純な物語で、中盤までのコメディ・パートと終盤にかけてのシリアスなパートのギャップで二度楽しめる物語に仕上がっています。

撮影と編集は前作同様の短いカット割で畳み掛ける手法は健在で、ガイ・リッチーの「スナッチ」と似たような手法が楽しめる。

余談だけど本作のタイトル「ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!」だが、作品の中で、ポリスメンではなくポリス・オフィサーだ、ポリス・オフィサーだと言っているのだから、ポリスメンはなかろう、と思うのだが、いかがなもんだろうか。


つづく・・・・
一時保存です。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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「ダークナイト」
2008/08/14 東京六本木「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」で「ダークナイト」を観た。

ヒース・レジャーがスクリーン上で永遠の命を得る瞬間を目撃しろ!!


☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2008/07/03 東京有楽町「東京国際フォーラム」で「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」の試写を観た。
当日は、監督の押井守、超えの出演の菊地凛子、加瀬亮、栗山千明、谷原章介を迎えたジャパン・プレミア。

カンナミ・ユーイチは、戦争請負会社ロストック社に所属する戦闘機のパイロット。前線基地「ウリス」に配属されてきた彼には、それ以前の記憶がない。彼にわかっているのは、自分がキルドレであることと、戦闘機の操縦の仕方だけ。空で戦うこと・・・・それがユーイチのすべてだった。

基地の女性司令官クサナギ・スイトも、かつてはエースパイロットとして空で戦ったキルドレのひとりだったが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:押井守
原作:森博嗣
脚本:伊藤ちひろ
音楽:川井憲次
声の出演:菊地凛子(草薙水素)、加瀬亮(函南優一)、栗山千明(三ツ矢碧)、谷原章介(土岐野尚文)

先ずは本作「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」はおもしろい娯楽作品に仕上がっていたことを喜びたい。
つまり、一握りの押井守信奉者ではなく、一般の観客にアピールする作品に仕上がっていると言うことである。

ところで、「スカイ・クロラ」って一体全体何だったのだろうと考えたわたしが最初に思ったのは、これは「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」(1984)だ、と言うこと。「うる星やつら2」は、押井守の名前を世界に知らしめたアニメーション作品である。

何故そんな話をしているかと言うと、「うる星やつら2」と言う作品は、閉鎖された世界で、同じ登場人物が延々と同じ事をする物語なのでが、今回の「スカイ・クロラ」は、同じように閉鎖された世界で、違う登場人物が延々と同じ事をする物語である、と言えるからである。

ここに来て、原点回帰とは押井守は何を考えているのか、と思った。

ところで、本作のキャラクターで一番印象的なのは、谷原章介演じる土岐野尚文である。

このキャラクターが優れているのは、この世界で起きていることを全部知っていながら、何も知らない雰囲気を醸し出しつつ、観客の視点となっている点。

無言で意味ありげに、草薙水素(菊地凛子)や函南優一(加瀬亮)を眺める冷めたながらも温かい視線が最高である。

余談だけと「スカイ・クロラ」の草薙水素と「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の草薙素子って偶然なのかな?

物語は非常にストレートでわかりやすく、昨今の押井守作品の中では圧倒的にわかりやすい、と言うか敷居が低い作品で、多くの観客にアピールする作品に仕上がっていると思う。

ただ、空中戦のシークエンスより、ただうだうだ話しているシーンが圧倒的に長いので、その辺には注意が必要かと思う。

あと本作の根底に流れているのは、親殺しのイメージである。
何度も何度も失敗しながら、親を殺そうとするイメージが根底に流れている。

また「千の顔を持つ英雄」的には、旅立ちを妨げている存在の破壊を目論む物語、とも言えるし、迷宮からの再誕生とも言える。

と考えた場合本作「スカイ・クロラ」は、世界中のあらゆる民族に受け入れられる普遍的で神話的な物語に姿を変えてしまう。

日本っぽい国だとか、ヨーロッパっぽい雰囲気だとか、昔の日本の飛行隊っぽい描写を剥ぎ取ると、普遍的な物語が見えてくると言う訳だ。

何度も何度も生まれ変わって、父親を殺して旅立とうとしている物語、そんな風に見えてくるのかも知れない。

そんなことを考えなくても本作「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」は充分におもしろい作品に仕上がっている。
是非劇場で堪能していただきたい。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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まあ、どうでも良い話ですが、「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」に関する余談。

■ロゴマーク
これは配給会社の英断でしょうか。それとも・・・・。

と言うのも、「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」の日本のタイトルとロゴマークは、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」とそっくりですね。

配色は若干違いますが、グラデーションのかけ方とかフォントとか・・・・。

■原題
まあ、皆さんご存知のように「ハムナプトラ」の原題は「The Mummy」で2作目が「The Mummy Return」で今回の3作目は「The Mummy Tomb of the Dragon Emperor」です。

「ハムナプトラ」ってただの地名なんですよね。
で3作目は舞台をエジプトから中国に移したんで、もう「ハプナプトラ」とは関係なくなってしまったのではないかな。

■CF(CM)
「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」のCFC(CM)で上地雄輔がフィーチャーされ、でかい事言っているのでわたしはブレンダン・フレイザーの声でもやるのかな、と思ったら違うらしいじゃん。

凄いですね、これ配給会社の上地雄輔が主役をやってますよ、と言う強烈なミス・デレクションじゃないのかい。

余談だけど、「ドラゴン・キングダム」の日本語吹替版の広告には、石丸博也の表記がなかったようですね。

まあ、そんな感じです。

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先日、大学時代の友人から、引越の関係で不要になったLD(レーザーディスク)を引き取ってくれないか、と言う連絡があった。

で、昨日、LDを引き取ってきた。
量はダンボール5箱。

タイトルは次の通り。

「アンタッチャブル」
「エイリアン2」
「エグゼクティブ・デシジョン」
「ゴッドファーザー PART III」
「コンタクト」
「ザ・エージェント」
「ジュマンジ」
「スターシップ・トルーバーズ」
「スーパーマンII 冒険篇」
「ダイ・ハード」
「ダイ・ハード2」
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」
「タワーリング・インフェルノ」
「デイズ・オブ・サンダー」
「ドラキュラ」
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」
「パーフェクト・ワールド」
「バトリオット・ゲーム」
「バロン」
「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯」
「ブロークン・アウェイ 復讐の序曲」
「フィフス・エレメント」
「フレンチ・コネクション」
「フレンチ・コネクション2」
「ベン・ハー」
「ライジング・サン」
「ライト・スタッフ」
「ロジャー・ラビット」
「ワイアット・アープ」
「大脱走」
「恋のためらい フランキーとジョニー」
「氷の微笑」
「白い嵐」
「許されざる者」
「スタートレック 劇場版IーIV」
「宇宙大作戦 シーズン1」
「宇宙大作戦 シーズン2」
「宇宙大作戦 シーズン3」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン1ー1」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン1ー2」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン2ー1」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン2ー2」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン3ー1」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン3ー2」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン4ー1」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン4ー2」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン5ー1」
「スタートレック ヴォイジャー シーズン5ー2」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン1ー1」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン1ー2」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン2ー1」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン2ー2」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン3ー1」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン3ー2」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン4ー1」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン4ー2」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン5ー1」
「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン5ー2」

の58枚(ボックス)。
気になる価格は、輸入版の価格が不明なので、国内版のみを合計すると、

1,055,500円(税抜)

なんと100万円超えでした。

バラのLDのタイトルは微妙な作品もありますが、「スタートレック」関連が強烈です。

またまた時間がなくなってしまいます。

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「ハプニング」

2008年8月7日 映画
2008/08/01 東京板橋「ワーナーマイカルシネマズ板橋」で「ハプニング」を観た。

いつもと同じように穏やかな朝を迎えたニューヨークのセントラルパークに、何者かの叫び声が響き渡る。大勢の来園者たちは時が止まったかのように道や芝生の上に立ちつくし、ベンチで友人と談笑していた若い女性は突然自らの命を絶ってしまう。時同じくして、ある工事現場でも異変が発生していた、作業員たちがひとりまたひとりとビルの屋上から身投げしていたのだ。

セントラルパークで大事件が起こったという知らせは、科学教授エリオットが勤務するフィラデルフィアの高校にも伝わってきたが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:マーク・ウォールバーグ(エリオット)、ズーイー・デシャネル(アルマ)、ジョン・レグイザモ(ジュリアン)、アシュリー・サンチェス(ジェス)、ベティ・バックリー(ミセス・ジョーンズ)

本作「ハプニング」は大変おもしろい作品に仕上がっていた。

最初に思ったのは、「ハプニング」はヒッチコックの「鳥」なのか? と言う事。

シャマランの「サイン」はジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の影響を受けている、と言うか「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のイメージを踏襲してクライマックスのシークエンスが撮影されたのは有名な話だと思うのだが、今回「ハプニング」を見て思ったのは、なんだかヒッチコックの「鳥」に似てるぞ、と言うこと。

もしかしたら、シャマランは「鳥」のイメージを踏襲して「ハプニング」を製作したのではないか、と思えるのだ。
ついでに「サイコ」を彷彿とさせるシークエンスもある。

ヒッチコックの「鳥」と言えば、皆さんご承知のように、スティーヴン・キングの「霧」(映画化タイトル「ミスト」)も「鳥」のメイン・プロットを踏襲している(と思われる)ので、キングファンにもオススメの作品です。
ついでに、「キャリー」的なキャラクターも登場するし・・・・。

ところで、わたしは、ホラーにとって一番重要なことは、怪異の原因を解明しないことだと常々思っています。
と言うのも、怪異の原因が解明されてしまった後は、その物語はホラーではなく、ただの勢力争いの物語になってしまうからです。

その辺を考えながら、「ハプニング」を観ると非常に興味深いと思います。

ところで、当然ながら本作「ハプニング」はホラー映画にカテゴライズされるのだと思いますが、個人的には素晴らしいサスペンス映画だと思います。

「ハプニング」に似ている「鳥」が秀逸なサスペンス映画だと言うことから、そんな印象を受けるのかも知れないですね。

そんな訳で、「ハプニング」を観る上では、「鳥」や、「ゾンビ」や「死霊のえじき」も参照すると面白いと思います。
ついでに「28週後....」との関連性も興味深いかも知れません。

あとは「宇宙戦争」とも似てますかね。

「シックス・センス」で時代の寵児となったM・ナイト・シャマランだが、「アンブレイカブル」、「サイン」、「ヴィレッジ」、「レディ・イン・ザ・ウォーター」、「ハプニング」と話題作が続くのだが、すでに「アンブレイカブル」以降では、ついて来れる奴だけついて来い的な作品を多作している。

個人的には、シャマラン作品は傑作ぞろいだと思うのだが、一般大衆の目はそうでもないようである。

絶賛する人と失望する人、激怒する人が多々いるじょうきょうだろうか。

「ハプニング」についてもわたしは絶賛だが、否定的な意見も多々聞く状況である。

とにかく本作「ハプニング」は、賛否両論の作品だと思うが、わたし的には大絶賛のかばらしい作品だと思う。
この夏、是非劇場で観ていただきたい。

☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だけど、今年の夏の目玉「ダークナイト」は、ジョーカーがフィーチャーされてますが、見方によっては、いかにしてトゥーフェイスが誕生したか、と言う物語の側面を持っています。
そう考えると「アンブレイカブル」に非常に近い作品に見えてきますね。

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さて、早速ですが2008年の目標の中間発表その7です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#014「スカイ・クロラ」東京国際フォーラム 2007/07/03
#015「崖の上のポニョ」東京厚生年金会館 2008/07/09
#016「Queen Rock Montreal cine sound ver.」新宿バルト9 2008/07/20
 
2.DVD、CATV等

#106「60セカンズ」CATV 2008/07/05
#107「リーピング」HDD 2008/07/05
#108「パフューム」CATV 2008/07/05
#109「夜のピクニック」HDD 2008/07/07
#110「しゃべれども しゃべれども」HDD 2008/07/08
#111「叫」HDD 2008/07/10
#112「ユナイテッド93」CATV 2008/07/12
#113「ナイト・ミュージアム」CATV 2008/07/12
#114「ジョゼと虎と魚たち」CATV 2008/07/13
#115「TAXi(4)」CATV 2008/07/14
#116「名探偵ホームズ」CATV 2008/0719
#117「続名探偵ホームズ」CATV 2008/07/19
#118「キング・オブ・コメディ」HDD 2008/07/23
#119「ラッキー・ユー」HDD 2008/07/25
#120「シックス・センス」CATV 2008/07/25
#121「ブルー・ラグーン」HDD 2008/07/28
#122「13/ザメッティ」HDD 2008/07/29
#123「スーパークロス」HDD 2008/07/30
#124「めもりい」HDD 2008/07/31
#125「人魚」HDD 2008/07/31
#126「しずく」HDD 2008/07/31
#127「タバコと灰」HDD 2008/07/31
#128「創世記」HDD 2008/07/31
#129「ジャンピング」HDD 2008/07/31
#130「おんぼろフィルム」HDD 2008/07/31
#131「プッシュ」HDD 2008/07/31
#132「自画像」HDD 2008/07/31
#133「ある街角の物語」HDD 2008/07/31
 
 
3.読書

#019「ブラック・コーヒー」アガサ・クリスティ/チャールズ・オズボーン著 ハヤカワ文庫 2008/07/02
#020「不自然な死」ドロシー・L・セイヤーズ著 浅羽莢子訳 創元推理文庫 2008/07/24 
 
  
映画は、劇場3本(累計16本)、DVD等28本(累計133本)で、計31本(累計149本)。
このままのペースで、年間255本(劇場27本)です。

読書は2冊(累計20冊)で、このままのペースでは、年間34冊です。

非常にマズイ状況です。
映画はリカバリーされつつありますが、読書はまずいですね。

 
まあ、先は長いですが頑張ります。

参考)
2008年の状況
映画149本(うち劇場16本)
読書20冊

2007年の状況
映画173本(うち劇場40本)
読書20冊

2006年同時期の状況
映画164本(うち劇場39本)
読書12冊

2005年同時期の状況
映画149本(うち劇場54本)
読書19冊

2004年同時期の状況
映画173本(うち劇場62本)
読書22冊

2003年同時期の状況
映画178本(うち劇場34本)
読書34冊

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「スピードレーサー」
2008/06/29 東京水道橋「東京ドーム」で「スピードレーサー」の試写を観た。イベントあり、ゲスト登場のジャパンプレミアだった。フィルムのフォーマットはなんとIMAX。でスクリーンサイズは、縦17.45m×横37.00m。

2007年12月に公開された「スピードレーサー」の予告編を観て、ウォシャウスキー兄弟の「マッハGoGoGo」に対する深い愛情を知ったわたしだったが、ビジネスとして考えると「スピードレーサー」はどうよ、いくら「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟の新作だ、と言っても微妙じゃねえの、と言う気持ちが先行していたのは否定できない。

(参考)『「マッハGoGoGo」の実写版リメイクをめぐる冒険』
http://diarynote.jp/d/29346/20071211.html

事実、「スピードレーサー」は「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟の新作、と言うよりは「スパイキッズ」のノリの楽しいマンガ映画だと言うことである。

今回の試写は休日の夕方に設定されたジャパンプレミアと言うこともあり、子供たちの来場も多かったのだが、子供たちのリアクションの良さには驚いた。

特にパパが活躍するアクションでは、近くの子供らはひきつけ起こしているんじゃねえの位の大爆笑だった。

多分ウォシャウスキー兄弟は「マトリックス」を期待した出資者をだまして、自分たちが子どもの頃に狂喜乱舞した「マッハGoGoGo」を復活させたいと言う、個人的なわがままで本作を制作したのではないか、と思えてしまう。

そんなウォシャウスキー兄弟の「マッハGoGoGo」に対する愛情の全てが本作「スピードレーサー」に定着されている。

登場人物のルックスにしろファッションにしろ、旧作に対する似せ方は尋常ではない。

(参照)『「マッハGoGoGo」CHARACTER』
http://www.tatsunoko.co.jp/works/macha_gogogo/chara.html

つづく・・・・
一次保存です。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2008/07/20 東京新宿「新宿バルト9」で「Queen Rock Montreal cine sound ver.」を視聴した。

本作「Queen Rock Montreal cine sound ver.」は、Queen(クイーン)の1981年のカナダモントリオールのライヴ映像を修復し、同時に音源も5.1chにリマスターしたものを劇場の最高級音響システムで楽しめるもの。

■映像
先ず驚いたのは、映像のクオリティの高さである。
と言うのは、今回の映像のマスターとなる1981年のモンタリオールのライヴ映像は、なんと35mmフィルムで撮影されていたのだ。
35mmフィルムと言えば、皆さんご承知のように、劇場公開される映画フィルムである。

普通に撮影して、普通に編集して、普通に音を付けたら普通に映画になってしまうクオリティを持った35mmフィルムの映像マスターを発見できたのは、とんでもないほどの幸運だったと思う。

従って、今回の映像は元々、劇場で上映できるクオリティを持っている、と言うことである。
ビデオ撮影だったらこうは行かないぞ。

そのクオリティの凄さは、フレディのヒゲや胸毛、背中の毛とかを一本一本スクリーン上で識別できる程のクオリティである。

1981年の撮影ではなく、現代のライヴ映像のような印象すら受けてしまう。

余談だがこの映像は「We Will Rock You」のタイトルでTHX-DVDが北米で2001年にリリースされており、わたしはこれも持っていた。

因みに1986年のブダペストも35mmフィルムで撮影されているので、オリジナルを見つけてレストアすれば、またcine sound ver.が出来るかも。

■音響
上映が終わって気付いてみると、耳がおかしくなっていた。
丁度コンサートの後のように。

わたしは結構たくさんの映画を劇場で観る方だが、こんなに耳がおかしくなるような作品には出会ったことはない。

つまり、映画のフォーマットでは劇場の音響のスペックの一部しか利用していない、と言うことである。

ロック・コンサートなんかに行くと「音」と言うより「空気の塊」が自分にぶつかってくるような体験をしたことがあると思うのだが、本作ではそんな体験すら出来てしまう。

もちろん、ロック・コンサートの実際の迫力にはやはりかなわないが、「空気の塊」的な「音圧」を感じることが出来るほどの音響効果を備えていた。

ブライアン・メイのギター(ギターオーケストレーション)は、自分でミックスやり直しているだけあって、なんとも格好良い。

先ほどお話しした「We Will Rock You」のDVDは、ミキシングが若干へぼでいまいちである。非常に軽薄な印象を受けてしまう。
またリバーブもあまり感じられない。
いくらTHX盤とは言え、ミキシングが残念な感じである。
リバーブもね。

■構成
ライヴの構成だが、オープニングが「We Will Rock You」でビックリした。

現在、わたし達がよく見るクイーンのパフォーマンスは1986年のウェンブリー・スタジアムか同年のブダペストだと思います。

つまり、わたし達は「One Vision」から始まるライヴを比較的よく見ている訳ですね。
従って、「We Will Rock You」からライヴが始まってしまうと、コンサートの最後の部分に「We Will Rock You」を使わないのではないか、ドン・ドン・パンはないのかよ、と思ってしまった訳です。

しかしそれはわたしの杞憂に過ぎませんでした。

ライヴの構成は、1986年の構成とほぼ同じで、最初からぶちかまして、アコースティック・ギターで泣かせつつ観客に歌わせ、ギター・ソロ、ドラム・ソロでメンバーはそれぞれ休憩、後年「リロ・リロ・レーロ」に進化するフレディと観客の掛け合いは「イェー」とか「オーライ」とかで、「リロ・リロ・レーロ」への過渡期にあたるのでしょうかね。

また、ラストの「We Will Rock You」から「We Are The Champions」、「God Save The Queen」の構成はいつもの通り。
赤子が泣いても、女王様が土下座しても彼らを舞台の袖から引っ張り上げる事はできないのだ。

ただ、「We Will Rock You」の国旗のパフォーマンスはありませんでした。

■ファッション
相変わらずの統一感のないファッションは健在。
フレディの「スーパーマン」のタンクトップはともかく、ブライアン・メイのガラモノのシャツはどうよ。
フレディのアディダスも健在。ブライアン・メイはナイキでした。
余談だけど、ジョン・ディーコンの短パンはなかったです。

■フレディのアクション
多分最近のクイーンファンはフレディのマイク・アクションを見た事ないんじゃないかと思う。
世界一格好いいマイク・アクションと人類史上最高のヴォーカリストを堪能していただきたい。

マイクはワイヤレスではなく、有線でした。

アクションと言えば、ロジャーのドラム・ソロからティンパニ・ソロへの流れも凄かった。
最後に腕立て伏せもするしね。

とにかく、本作「Queen Rock Montreal cine sound ver.」は、機会があれば是非劇場で、絶対的に劇場で楽しんでいただきたい作品だと思います。

チケットはちょっち高いけど、全然もとは取れると思うよ。

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2008/07/09 東京新宿「東京厚生年金会館」で「崖の上のポニョ」の試写を観た。

監督・原作・脚本:宮崎駿    
プロデューサー:鈴木敏夫    
美術監督:吉田昇    
編集:瀬山武司    
音楽:久石譲    
作画監督:近藤勝也    
色彩設計:保田道世    
制作:スタジオジブリ        
声の出演:山口智子(リサ)、長嶋一茂(耕一)、天海祐希(グランマンマーレ)、所ジョージ(フジモト)、土井洋輝(宗介)、奈良柚莉愛    (ポニョ)、柊瑠美(婦人)、矢野顕子(ポニョのいもうと達)、吉行和子(トキ)、奈良岡朋子(ヨシエ)

実はわたし、「崖の上のポニョ」にはあまり期待していなかった。
と言うのも、宮崎駿は既に枯れているのではないか、と思っていたからである。
しかしながら、わたしは驚いた。

冒頭のシークエンスでわたしは既に泣いていた。
物語やセリフではなく、絵と音楽の力だけで作品は雄弁に語りかけてくる。

「崖の上のポニョ」と言う作品は、久石譲のスコアをフィーチャーした「ファンタジア」に他ならない。

本作「崖の上のポニョ」は、アニメーションの持つダイナミズムと、アニメーション作家の奔放なイマジネーションと、そして久石譲のスコアが見事に結実した、大変すばらしい作品だと言える。

冒頭のシークエンス、ビビッドで総天然色でテクニカラーの海の中、煌びやかで雑多な生物たちが蠢く様は圧倒的にすばらしい。

フジモトの船・ウバザメ号のレトロ・フューチャーなデザインも強烈にすばらしいし、フジモトがやっていることもすばらしい。

この感覚は、ジュール・ヴェルヌとか、ジョルジュ・メリエスとか、メビウスとか、−−なぜか全員フランス人だが−−、彼らの作品群を髣髴とさせる。

わかりやすく言えば「海底二万マイル」のような感じ。

また中盤の嵐のシークエンスの波の描写は正に圧倒的である。
こんな波を手書きで描ける人が居るなんて、どんな頭の構造をしているのか不思議に思えてならない。

その波のシークエンスではテリー・ギリアムの「バロン」の冒頭、舞台のシークエンスや、またジョルジュ・メリエスの影響を垣間見ることが出来る。

また、本作「崖の上のポニョ」には「月」が印象的に登場するのだが、これも「バロン」とジョルジュ・メリエスに関係しているのではないかな、と勘ぐってしまうのはわたしだけではないはずだ。

前述のように、宮崎駿は既に枯れているのではないか、と言う先入観を持って本作を観た訳だが、素直な感想としては、「宮崎駿は枯れているどころか、成長しているじゃないか!」と言うもの。

アニメーション作家の奔放でダイナミックなイマジネーションは「ハウルの動く城」を遥かに凌駕している。

唯一残念なのが、ポニョが走るシークエンスで、ポニョがアラレちゃんに見えてしまう、と言う事。
小さな女の子が全力疾走すると、アラレちゃんになってしまうのか、と思ってしまう。

物語自体はよく言われるように、アンデルセンの「人魚姫」をフィーチャーしている。
「人魚姫」をフィーチャーした作品と言えば「ジョゼと虎と魚たち」の印象が強いが、「人魚姫」はご存知のように悲劇的な物語だが、「崖の上のポニョ」は、果たしてどんな物語に仕上がっているのか。劇場で確かめていただきたい。

また、本作「崖の上のポニョ」は、多くの宮崎駿作品と同様に、ヒーローとヒロインが出会った瞬間に相違相愛になり、相思相愛になったヒーローとヒロインが互いに相手を信頼しながら様々な状況で様々な行動を取る、と言う原則に従っている。

本作のヒーローとヒロインは5歳と言う設定であるから、「未来少年コナン」とか「天空の城ラピュタ」とか、主人公がいきなり相思相愛になる従来の宮崎駿作品とは異なっていると思うし、宗介とポニョが別離し、それぞれ異なった行動を相手を信じながら行動する、と言う部分が少ないと思うが、根底に流れるスピリッツは、従来の宮崎駿作品と共通している。

音楽は久石譲によるものなのだが、嵐のシークエンスでワーグナーっぽい旋律が使用されているのは微妙だ。
ブライアン・デ・パルマの「ファム・ファタール」で坂本龍一がデ・パルマの意向でラヴェルっぽい旋律を使用しているのと同じような感覚で、出来るならばオリジナルの旋律を使用して欲しかった。

ところで、気になったのは、本作の時代背景である。
宗介の母リサが飲む缶ビールのリングプルが外れる時代だし、宗介のオモチャの船がポンポン船である。
昭和40年代位なのかな、とも思ってしまう。

とにかく、本作「崖の上のポニョ」は大変素晴らしいアニメーション作品である。是非劇場で堪能していただきたい。

☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2008/06/25 東京新橋「ヤクルトホール」で「クライマーズ・ハイ」の試写を観た。

1985年8月12日。
終戦記念日を3日後に控え、日本国中が中曽根首相の靖国神社参拝の動向を固唾を飲んで見守るなか、群馬県の有力紙・北関東新聞の記者、悠木和雅(39/堤真一)はひとり、翌朝に迫った谷川岳・衝立岩登頂のための準備を進めていた。

悠木は、抜いた抜かれたの同僚たちとの出世争いから一線を画したところに立つ、一匹狼の遊軍記者なのだった。

デスクを後にした悠木のそばへ、県警キャップ・佐山達哉(35/堺雅人)がすり寄って来て耳打ちをした。
「悠さん・・・・ジャンボが消えたそうです」
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:原田眞人
原作:横山秀夫 「クライマーズ・ハイ」(文藝春秋刊)
脚本:加藤正人、成島出、原田眞人
出演:堤真一(悠木和雄)、堺雅人(佐山達哉)、尾野真千子(玉置千鶴子)、高嶋政宏(安西耿一郎)、山崎努(白河頼三)、遠藤憲一(等々力庸平)、田口トモロヲ(岸円治)、堀部圭亮(田沢善吉)、マギー(吉井弁次郎)、滝藤賢一(神沢周作)、皆川猿時(伊東康男)、でんでん(亀嶋正雄)、中村育二(粕谷隆明)、螢雪次朗(追村穣)、野波麻帆(黒田美波)、西田尚美(安西小百合)、小澤征悦(安西燐太郎)

本作「クライマーズ・ハイ」は、日本における「ユナイテッド93」のような作品である。

もし、この作品の背景が完全なフィクションだったら、どんなに良かったことだろうか。
不謹慎な発言だとは思うが、そう思わせるほどに、本作は非常に面白い(interesting)作品に仕上がっている、と言える。

もちろん、「面白い(interesting)」と言う表現は、本作「クライマーズ・ハイ」が題材とした御巣鷹山日航機墜落事故による数多くの犠牲者のことを考えた場合、非常に不謹慎な発言だと思うのだが、本作を一本の娯楽映画作品だととらえた場合、やはり「面白い(interesting)」と言う感想が出てきてしまう。

本作「クライマーズ・ハイ」は圧倒的におもしろい。
しかしながら、題材となった航空機事故の記憶が鮮明である世代にとっては、居心地の悪い作品でもある、と言わざるを得ない。

例えば「あさま山荘事件」を描いた作品であれば、時代が離れている分、娯楽作品として手放しで楽しめると思うのだが、「御巣鷹山日航機墜落事故」はまだまだわたし達の中で消化し切れない程最近の事故だと言う背景がそう感じさせるのだろう。

更に、本作を一緒に観た人の知り合いが実際に墜落した日航機に乗っていた、と言う話を聴くと、まだまだ世代的にこなれていない題材だったのではないか、と思える。

また、「クライマーズ・ハイ」と言うタイトルから受ける印象もよろしくない。

「クライマーズ・ハイ」とは、「登山の際、興奮状態が極限まで達して、恐怖心がなくなる病気やその状態」を言うらしいのだが、語感から「ランナーズ・ハイ」のような気持ちの良い高揚感や、所謂ハイな状態を想像させてしまっている。

従って、その語感からは、墜落事故現場において、恐怖感が麻痺し、つまり人間の心を失い、高揚感が高まり、悲劇に嬉々として喰らいつくマスコミ達が描かれるのではないか、と思えてしまうのだ。

キャストは、堺雅人が圧倒的に良い。
先日のエントリー「堺雅人をめぐる冒険」(http://diarynote.jp/d/29346/20080626.html)でも書いたのだが、あんな堺雅人見たことない位に凄い堺雅人が楽しめる。

あと驚いたのは、本作「クライマーズ・ハイ」は日本語字幕版が公開されるらしいのだ。

と言うのも、本作のセリフは、何言っているのか全くわからないセリフの応酬に近いシーンが多々あるのだ。

昔、黒澤明の作品とかで、三船敏郎が何喋っているのかわからない、吼えるようなセリフ回しだった時代があり、そんな黒澤映画を国内版ではなく、輸入版のソフトで見たりしていると、日本語字幕が入っていて、あぁ三船はこんなこと喋っていたのか、と思ったりしていたのだが、本作「クライマーズ・ハイ」のセリフのわからなさ加減も半端ではなかった。

また原田眞人のアクション映画のような細かいカット割りも健在で、原田眞人好きとしては、映像だけでも楽しめる作品に仕上がっていると思う。

ともかく本作「クライマーズ・ハイ」は、機会があれば、是非劇場に足を運んでいただきたいすばらしい作品である。

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2008/06/08 CATVのVOD試写会で「西の魔女が死んだ」を観た。

「魔女が倒れた。もうダメみたい」中学3年になった少女まいに、突然の知らせが届く。おばあちゃんの家へ向かう車の中でママから聞かされたおばあちゃんの訃報。
"魔女"とはママのママ、英国人の祖母のこと。ママとまいだけの呼び名だ。まいは2年前の日々へ想いを馳せる。

中学校へ入学して間もないあの頃、学校へ行くのが苦痛になってしまったまいは、ママの提案で、西の魔女のもとで過ごすことになったが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:長崎俊一
原作:梨木香歩 「西の魔女が死んだ」(新潮文庫刊)
脚本:矢沢由美、長崎俊一
出演:サチ・パーカー(おばあちゃん)、高橋真悠(まい)、りょう(ママ)、大森南朋(パパ)、高橋克実(郵便屋さん)、木村祐一(ゲンジ)

本作「西の魔女が死んだ」は、素直に、良い作品に仕上がっていた。

「西の魔女が死んだ」と言うタイトルの小説があることは以前から知っていたのたが、そのタイトルの印象から、「オズの魔法使い」に関連する作品だと思っていた。

従って、「西の魔女」と言えば、誰しも思うように、「オズの魔法使い」や「ウィキッド」でおなじみの「西の悪い魔女」を描いた作品ではないか、と思っていたし、事実わたしは、「西の魔女が死んだ」は、西の悪い魔女を倒す話かと思っていた位である。

一方、本作の物語は、「オズの魔法使い」とはほとんど関連が無く、同年代の少女たちより一足先に大人への階段を上ってしまった少女が不登校になり、その結果、田舎暮らしの祖母としばらくの間一緒に暮らす、と言う物語である。

その祖母がイギリス人で、しかも魔女だ、と言う設定の物語である。

作品としては前述のように良い作品だと思うし、印象的なシーンやセリフはあるのだが、なんとなく、長編のダイジェストを見ているような印象を受けた。

作品の行間を読む事ができる観客は、作品で語られていない部分で、あんな事やこんな事があったのではないか、と想像する事が出来ると思うのだが、そうではない観客にとっては、エピソードの羅列で、また出来事に対する反応がにぶい(出来事による影響からの脱却が早い)ように思える。

つまり、本作「西の魔女が死んだ」は、映画としては良い作品ではあるが、作品のスタンスとしては、小説「西の魔女が死んだ」の予告編と言うかプロモーションとして機能するのではないか、と思った。

キャストは、おばあちゃん役を演じたサチ・パーカーが良かった。
スローモーなセリフ回しには賛否があると思うが、わたしは肯定的な立場を取らせていただく。

ゆっくり確実に、そして明確に語るおばあちゃんのセリフが素敵である。

あとは、多分誰もが指摘する事だと思うのだが、ゲンジ役の木村祐一も良かった。
登場人物の中で、一番一般の人々に近い一般大衆的なキャラクター設定になっているのが興味深い。

また、まい役の高橋真悠も頑張っている。
今後に期待の女優さんである。

とにかく本作「西の魔女が死んだ」は、非常に良い作品ではあるので、是非劇場で堪能していただきたい。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2008/06/14 東京六本木「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」で「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を観た。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:フランク・マーシャル
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード(インディアナ・ジョーンズ)、シャイア・ラブーフ(マット・ウィリアムズ)、レイ・ウィンストン(ジョージ・マクヘイル)、カレン・アレン(マリオン・レイヴンウッド)、ケイト・ブランシェット(イリーナ・スパルコ)、ジョン・ハート(オクスリー教授)、ジム・ブロードベント(ディーン・チャールズ・スタンフォース)

本作「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は娯楽作品としては及第だと思うが、スピルバーグとルーカスがタッグを組んだ「インディ・ジョーンズ」シリーズの最新作として考えると、残念な作品としか言わざるを得ない。

そんなわたしが気になる点をあげてみよう。

■1950年代はインディ・ジョーンズに似合わない。
本作を観て感じた最大の違和感は本作の時代背景である。

例えば、ジェットエンジンや核爆弾のような技術は、インディ・ジョーンズにそぐわない、と言わざるを得ないし、ナチスが登場しないインディ・ジョーンズも、最早インディ・ジョーンズシリーズとは思えない。

もちろん、本作の時代背景を1950年代にした理由は理解できるし、その時代背景を1950年代にしたおかげで、本作の脚本に膨らみが出てくるのは理解できるのだが、どうにも釈然としない。

■メイン・プロットの題材が微妙である。
メイン・プロットの題材、つまりネタが微妙である。

以前から新作のネタについてはいろいろと噂で取沙汰されていたのだが、やはり今回のネタにより、物語全体がトンデモ系の印象を与えてしまうのはいなめない。

■ファーストカットが微妙である。
インディ・ジョーンズシリーズのファーストカットはパラマウントのロゴから実写に変わるところが素晴らしいのだが、今回のファーストカットのプレーリードッグはなんだよ!
と言う気持ちで一杯である。

■アクションの組み立てが雑である。
原点に戻った楽しいアクションが楽しめるのは楽しめるのだが、脚本できっちり計算されたようなアクションではなく、行き当たりばったりで考えられたアクションのような気がする。

例えば「レイダース」のトラック・チェイスや、「最後の聖戦」の戦車のシークエンスのような、脚本を読んだだけで面白いアクションがないのは非常に残念である。

■ジョン・ウィリアムズのスコアが微妙である。
アークのテーマやマリオンのテーマ等、前作のテーマが使用されているので、そんなに気にならないが、ジョン・ウィリアムズも才能が枯れたのか、流麗なメロディラインが印象に残らない。

1970年代や80年代、90年代位までは、ジョン・ウィリアムズがかいたスコアと作品名は一致し、スコアを思い出せるのだが、本作のテーマは思い出せない。

■アークの使い方が許せない。
アークの使い方が納得行かない。
あのままじゃ、人類滅びるぞ。

■オープニング・アクション
オープニング・アクションはまぁ良いのだが、「レイダース」や「最後の聖戦」のように、本筋のプロットと全く関係ないプロット上のアクションにして欲しかった。

大学でのマーカスがいないシークエンスは、やっていることとカット割りが同じなので、良しとするが、マーカスでない分、若干の違和感ありですね。

■サラーはどうした。
マーカス(デンホルム・エリオット)は死んじゃってるので仕方がないが、サラー(ジョン・リス=デイヴィス)はなんで出てこないのだ。

ラストのシークエンスで、ちらっとカメオでサラーが出てきたら、号泣もののとっても良い作品になったと思うのに・・・・、残念で仕方がない。

余談だが、リック・マッカラムが製作にからんでいたら、絶対マッカラムはラストのシークエンスに登場したと思うぞ。

■帽子に意味を持たせ過ぎ。
昔はこんなに帽子にこだわってなかったのではないかな。
帽子にインディ・ジョーンズの人格とか、メタファーを持たせ過ぎである。
もしかして、帽子のレプリカを売るための作戦か!?

今日はここまで。

いろいろ文句を言っているが、本作「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は、まぁ楽しい娯楽作品だと思うので、取りあえずは劇場で観ておくべきだと思います。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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さて、早速ですが2008年の目標の中間発表その6です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#008「アフタースクール」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2008/06/01
#009「アフタースクール」ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 2008/06/08
#010「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2008/06/14
#011「ミラクル7号」九段会館 2008/06/16
#012「クライマーズ・ハイ」ヤクルトホール 2008/06/25
#013「スピード・レーサー」東京ドーム 2008/06/29
 
 
2.DVD、CATV等

#088「スナッチ」CATV 2008/06/02
#089「鉄塔武蔵野線」CATV 2008/06/03
#090「アンブレイカブル」CATV 2008/06/03
#091「スタートレック」CATV 2008/06/08
#092「西の魔女が死んだ」VOD 2008/06/08
#093「この胸いっぱいの愛を」CAYV 2008/06/08
#094「レイダース/失われた聖櫃」DVD 2008/06/13
#095「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」DVD 2008/06/13
#096「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」CATV 2008/06/14
#097「デジャヴ」CATV 2008/06/22
#098「16ブロック」CATV 2008/06/22
#099「西遊記」CATV 2008/06/22
#100「ザ・シューター/極大射程」CATV 2008/06/22
#101「アイアン・ジャイアント」HDD 2008/06/23
#102「NANA2」HDD 2008/06/23
#103「007/カジノ・ロワイヤル」CATV 2008/06/26
#104「マトリックス・リローデッド」DVD 2008/06/27
#105「マトリックス・レボリューションズ」DVD 2008/06/28
 
 
3.読書

#014「復讐の女神」フレドリック・ブラウン著 小西宏訳 創元推理文庫 2008/06/05
#015「爆笑問題の日本原論」爆笑問題著 宝島社文庫 2008/06/14
#016「まっ白な嘘」フレドリック・ブラウン著 中村保男訳 創元推理文庫 2008/06/14
#017「行きそで行かないとこへ行こう」大槻ケンヂ著 新潮文庫 2008/06/18
#018「神々の足跡/失われた超古代文明の謎」中江克己著 PHP文庫 2008/06/29 
 
  
映画は、劇場6本(累計13本)、DVD等18本(累計105本)で、計24本(累計118本)。
このままのペースで、年間236本(劇場26本)です。

読書は5冊(累計18冊)で、このままのペースでは、年間36冊です。

非常にマズイ状況です。
映画でさえピンチです。

 
まあ、先は長いですが頑張ります。

参考)
2008年の状況
映画118本(うち劇場13本)
読書18冊

2007年の状況
映画142本(うち劇場34本)
読書18冊

2006年同時期の状況
映画139本(うち劇場32本)
読書10冊

2005年同時期の状況
映画127本(うち劇場45本)
読書16冊

2004年同時期の状況
映画142本(うち劇場43本)
読書20冊

2003年同時期の状況
映画151本(うち劇場46本)
読書28冊

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2008/06/25 東京新橋「ヤクルトホール」で「クライマーズ・ハイ」の試写を観た。(2008/07/05公開予定)

全国1億人の堺雅人ファンの皆さんこんにちは。
堺雅人のマスターピースとも言える作品が誕生しました。
その気になるタイトルは、お察しの通り「クライマーズ・ハイ」。

ところで、ドラマを見ないわたしが堺雅人に注目したのは、「ハチミツとクローバー」(2006)のはぐちゃんのおじさん役だった。
なんだこのいんちきくさい俳優は!
こんな教授じゃ、人集まらないんじゃないの、と思ったのを覚えている。

次いで「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(2007)の平重盛、「アフタースクール」(2008)の木村役でひとつのピークを迎えたと思ったが、「クライマーズ・ハイ」(2008)の佐山でわたしは驚愕し、悶絶した。

と言うのも、「クライマーズ・ハイ」の堺は、こんな堺、誰も見たことないぞ、と言うくらいにすばらしかったのだ。もちろん、最近売れている堺だから、脚本上も美味しい役柄をふられているのだが、それ以上に堺の鬼気迫る演技がすばらしい。

非常にエモーショナルで、それ以上に圧倒的に興奮してしまう。

キラキラした目と、いんちきくさい笑顔、うさんくさい物腰が持ち味の堺なのだが、最高のカットは中盤付近、恐ろしい眼差しを見せてくれる。一世一代のカットである。
また、前半もすばらしいが、後半の山場も堪らない。

とにかく、「恋愛新党」も良いと思うが、「クライマーズ・ハイ」の堺雅人は圧倒的に凄いぞ。

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2008/06/01 2008/06/08 東京板橋「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」で「アフタースクール」を観た。

母校の中学校で働く人のいい教師、神野(大泉洋)。夏休みにもかかわらず部活動のために出勤していた彼のもとに、同級生だと名乗る男(佐々木蔵之介)が訪ねてきたが・・・・。

監督・脚本:内田けんじ
出演:大泉洋(神野)、佐々木蔵之介(北沢)、堺雅人(木村)、田畑智子、常盤貴子、北見敏之、山本圭、伊武雅刀

本作「アフタースクール」は、大変すばらしい作品に仕上がっていた。

前作「運命じゃない人」(http://diarynote.jp/d/29346/20050705.html)を観て、内田けんじと言う新たな才能の誕生に狂喜乱舞したわたしは、当然の如く本作「アフタースクール」にも大きな期待をかけていた。

先ずは、本作「アフタースクール」は、期待通りのすばらしい作品に仕上がっていたことを喜びたい。

また、前作「運命じゃない人」と比較してキャストとプロモーション活動の充実によりメディアの注目度もあがり、前作「運命じない人」の、良質な作品ではあったが、実際のところは誰も知らない、と言うような状況から脱出できたことを素直に喜びたい。

これにより、前作ではできなかった、内田けんじと言う優秀な映像作家を世間に知らしめることに成功している訳だ。

物語については、何も言えないし、キャストの役柄も言えない。

ただ言える事は、とりあえず劇場に走れ!
と言うことだけである。

とにかく、本作「アフタースクール」は、2008年邦画界が誇るすばらしい作品の一本だと言えるのだ。

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