「スタートレックを語ろう2005冬 〜矢島正明大作戦〜」
2005/12/06 東京新宿「LOFT/PLUS ONE」で行われた「スタートレックを語ろう2005冬 〜矢島正明大作戦〜」に行って来た。

今年最後のスタトレ・トークライブ。
ゲストは「宇宙大作戦/スタートレック」の日本語吹替版でカーク船長を担当した矢島正明さん。
外画吹き替えの第一人者である矢島さんをお迎えし、「宇宙大作戦」や「0011 ナポレオン・ソロ」など数々の外画経験談。さらに映画論や、最近積極的に行っている朗読劇など、多岐に渡って、貴重なお話しを伺います。
ゲスト/矢島正明、佐藤敏夫(演出家)、大川透
司会及び聞き手/岸川靖
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

正に大作戦だった。

矢島正明と言えば往年の海外ドラマや映画ファンにはおなじみの著名な声優である。
が、多くの人は、矢島正明の名前を聞いたことがないかもし知れない。
が、声を聞けば、あぁあの人か、と多くの人が頷くだろう。

例えば往年のクイズ番組「クイズ・タイムショック」(「タイムショック21」)の出題の声や、最近のスタジオ・ジブリ作品の予告編で、「ハウルの動く城」とか「千と千尋の神隠し」と言ったタイトルをコールしているのが矢島正明である。
最近では「オーラの泉」でナレーションを担当している。
 
 
わたし達のような、ある一定の年齢以上の映画(海外ドラマ)ファンにとっては声優と言う商売は、ひどく重要な意味を持っている。
例えば、ジャッキー・チェンはいつまで経っても石丸博也であり、クリント・イーストウッドは山田康夫であり、ピーター・フォーク(「刑事コロンボ」について)は小池朝雄であり、アラン・ドロンは野沢那智であり、ショーン・コネリーは若山弦蔵であり、オードリー・ヘプバーンは池田昌子なのだ。

余談だが、最近「ローマの休日」のフッテージを使用したCF(CM)があるのだが、オードリー・ヘプバーンの声は池田昌子なのだが、グレゴリー・ペックの声は謎の人である。
 
 
さて、本題だが、「スタートレック」話は勿論、外画(所謂洋画)の創成期から現在まで日本語吹替界をリードする矢島正明と、日本語吹替版の著名な演出家佐藤敏夫の思い出話が最高に面白かった。
映画(海外ドラマ)ファンにとってはもうお宝のようなお話が頻出していた。

生放送で海外ドラマの吹替をやっていた時代の話や、高価な録音用テープの話、吹替裏話等々枚挙に暇がない。

それにつけても、声で商売している人の声は凄い。
矢島正明のただ単純な思い出話にさえ、人を動かす力が感じられる。

声優と言う商売は俳優とはまた違った魅力と力を持った商売なのだ。

「スタートレック」の大ファンで声優の大川透は、敬愛する矢島正明と(現場では恐ろしいと言う噂の)演出家佐藤敏夫にはさまれ、いつもの大川透ではなく、完全に舞い上がっていた。

ラストに即席サイン会が行われ、われわれは寒空に放り出された訳だが、勿論こころは暖かかった。

わたしの2005年の個人的な出来事の中で、非常に有意義な4時間(!)だった。

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「第6回東京フィルメックス」をめぐる冒険
2005/11/19-27 東京有楽町「有楽町朝日ホール」をメイン会場として「第6回東京フィルメックス」が開催された。
 
 
 
「東京フィルメックス」は、わたしにとって秋の国際映画祭ラッシュのラストを飾る大好きな国際映画祭である。
ここ数年のわたしは秋の映画祭シーズンには、「東京国際ファンタスティック映画祭」「東京国際映画祭」「東京フィルメックス」という三つの国際映画祭に通っているのだが、2005年のわたしが大好きな国際映画祭は、何と言っても「東京フィルメックス」なのだ。
 
 
かく言うわたしだが、1990年代のわたしは実は「東京国際ファンタスティック映画祭」(通称「東京ファンタ」)が大好きだった。

その辺の話は、こちらのエントリー『ぼくらが愛した「東京ファンタ」』(http://diarynote.jp/d/29346/20041026.html)を参照していただきたい。

この1990年代当時の「東京ファンタ」と言う奴は、映画を限りなく愛する映画莫迦なプロデューサーが、映画を愛する観客のために、世界中の映画人と多くの映画を愛するスタッフたちと共に作っていた国際映画祭だったのだ。

残念ながら昨今の、−−小松沢陽一が去った後の−−、「東京ファンタ」にはそういった魅力、−−映画に対する限りない愛情−−、があまり感じられないような気がする。

そして、1990〜2000年代にわたしがはまったのが「東京国際映画祭」であった。
まあ、もちろん「東京国際映画祭」と言えば、アジアを代表する国際映画祭な訳だから、ゲストも豪華だし、イベントも盛りだくさんだし、凄い映画もたくさん上映される、話題にはことかかない一大映画イベントなのだ。

でも、残念ながら「東京国際映画祭」も映画への限りない愛情を体現する映画祭だとは思えない。
特に今年2005年の「東京国際映画祭」には、映画への限りない愛情ではなく、大きな商魂の影を感じてしまう。
「東京国際映画祭」は、ただの特別映画興行なのだろうか、と。

余談だが、今年の「東京国際映画祭」で「春の雪」を観た後、ロビーの片隅で行定勲がこんな事を言っていた。
「映画祭で、チケット代を1800円も取っちゃダメだろう」
仰る通りである。
「東京国際映画祭」は誰のために開催されているのか?
文化事業なのか、観客のためなのか、それとも興業主のためなのか、と言うことである。
 
 
そんな中、2000年代のわたしが唯一愛する国際映画祭「東京フィルメックス」が開催されたのだ。

映画莫迦のわたしは、「東京フィルメックス」ディレクター林加奈子の開会宣言のスピーチだけでも涙が出てしまう。
あぁ、ここにも映画を愛している人がいた、と。

正直言って「東京フィルメックス」は、メイン会場はちとしょぼいし、ボランティアスタッフもポカがあるし、上映ミスも何回かあったし、上映作品もなんだか知らない作品ばかりだし、ゲストも豪華なのかマイナーなのかよくわからないし、段取りもイマイチな印象を受ける。

とは言うものの、なんだか知らないが、「東京フィルメックス」は、わたしにとってすっごく魅力的な国際映画祭なのだ。

まずはアットホームな雰囲気が良い。
「国際映画祭」とは思えないほどの、肩肘張らないなんとも牧歌的な雰囲気が良いのだ。

海外からのゲストも、一般の観客と映画について話すのを楽しんでいる、そんな感じの映画祭なのだ。

また、基本的に上映後には、必ずと言って良いほど監督を迎えたティーチ・イン(Q&A)が行われるのも嬉しい。

次にチケットが取れやすいのだ。
と言うか、当日券の枠をきちんと確保しているようなのだ。
今回は当日券で7〜8本くらいの作品を観たが、開場直前でもきちんとチケットが残っているのは大変嬉しいのだ。

つづく・・・・

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2005/11/20 東京有楽町「有楽町朝日ホール」

「第6回東京フィルメックス」特別招待作品「SPL<殺破狼>」を観にいった際の出来事である。

ところで、わたしはご承知のように映画が大好きである。
従って、映画を邪魔する奴は大嫌いである。
ネタバレする奴、おしゃべりする奴、携帯を鳴らしたり、光らせたりする奴、ビニール袋をシャカシャカする奴・・・・。
 
 
■前提条件

・・・女女女 通路
・・・男私× 通路 

「東京フィルメックス」は全席指定。
わたしの席は、劇場中央左側、通路から2席目。
わたしの右隣が空席で、その席が通路に面していた。
わたしの前の席には、3〜4人連れの女性が並んで座っていた。

■「SPL<殺破狼>」開映5分前

わたしの隣に1人の小太りの男がやって来た。
その小太りの男は、隣にいるわたしに軽く蹴りを入れ、ドタドタドタと崩れ落ちるように席につく。
その男は、上映中に食べようとでも思っていたのか、バナナを一本握り締めていた。

その男は大股を開いて座り、腿と肘とでわたしを自分のテリトリーから押しやろうとしているような印象を受けた。

あぁ、身体が不自由なんだな。
とわたしは好意的に解釈した。

そのうちに、その男は「オホッ、オホッ」と咳払いをはじめ、前の席を軽く蹴り始めた。
と同時に「はやくはじめろよ」と、独り言を言いはじめた。

係わり合いになるのが嫌だったわたしは、無関心を装っていたが、上映中もこんな状況だと否だなあ、と、思いながら寝た振りをしていた。

そのうち、前の女性−−蹴られていた席の隣の女性−−が振り返り、「すいません、蹴らないでくれませんか」と男に言った。

男はいきなり「うるせえ」だの「黙れババア」だの、比較的大声で暴言を吐きながら、再び前の席を蹴りはじめた。

劇場内、特にわたしたちの周りは騒然としはじめてしまい、仕方がないのでわたしも口をだした。
もちろん丁寧な言葉遣いである。

「大変申し訳ありませんが、少し静かにしていただけませんか」
「うるせえ、何言ってんだよ、だまれ!」
その一言で、男の矛先は完全にわたしに向いた。

「黙って静かに座ってろ!って言ってんだよ!!」と言うわたしに、
「なんだお前、やる気か!」と返す男。

「こっちは映画観に来てんだよ!黙って座ってろ!!ボケ!!!」丁寧な言葉にも、きちんと罵詈を入れるわたしであったが、
「くぁwせdrftgyふじこlp;」と、奇声を上げ、立ち上がりかける男。

もちろんわたしは、先に手を出さないことにしていたので、座ったままだし、腕も肘掛けに乗せたままである。

激高した男と、わたしの口論は続く。

そんな中、プログラムが始まってしまった。

司会が「SPL<殺破狼>」の関係者からのビデオ・メッセージの紹介をはじめた。

口論の最中、その男は、周りを見渡し空いている席(招待客用の席)を見つけ、そっちに移動した。

その男は、本編上映前に上映された監督等のビデオ・メッセージに対しては、「そんなの良いからはやくはじめろよ」とか「字幕つけろよ」とか、本作は「新宿オスカー」での上映が決まっていると言う言葉には「小さいスクリーンでやるなよ」とか、いろいろ不満をぶちまけていた。

わたしと男の関係としては、上映が終わった後が勝負だな、と思いながらわたしは「SPL<殺破狼>」を楽しんだ。
はっきり言って本気で楽しんだ。

上映後、最悪の場合は後から飛び蹴りでもされるかな、と背中を緊張させた状態でわたしは「SPL<殺破狼>」のエンド・クレジットを眺めていた。

劇場内は照明がつき、場内は退出客で騒然としはじめた。
緊張しつつも後を振り返るが、その男の姿は既になかった。
わたしの前の、蹴られていた女性たちからは、何度も何度もお礼の言葉が聞こえていた。

わたしの株が20円程あがった瞬間である。

その男の席の後の列には、コンペティションの審査員席があった。
わたしは、女性のお礼の声に後ろ髪を引かれながらも、審査員の皆さんのサインをもらうために立ち上がった。
 
 
「電車男」になりそこなった話 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20050803.html

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例えばSFの世界には、世界中の作家たちの共有財産として使われる設定や技術がある。

例えば「タイム・マシン」がそうであったり、「トラクター・ビーム」がそうであったり、「ワープ航法」がそうであったり、「転送」がそうであったり、「パワード・スーツ」がそうであったり・・・・。

その中で多くのSFファンを魅了してきた技術設定がある。

「ジョウント」である。

原典は、アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」("Tiger! Tiger!") と言う小説である。

この「虎よ、虎よ!」と言う小説は、寡作で知られるアルフレッド・ベスターの手によるもので、多方面からの評価が高く、現在でもSF小説のベストテンに顔を出すことも多い傑作SF小説である。

その作品に登場する技術設定(?)のひとつに「ジョウント」と言うものが登場する。

「ジョウント」とは、一種のテレポート(テレポーテーション)能力で、緯度・経度・高度等、行き先の明確なイメージがあれば、誰もが望む場所へ「ジョウント」できるのだ。
この能力は特殊能力ではなく、巧拙はともかく誰もが訓練次第で習得できる技術なのだ。

「ジョウント」のおかげであらゆる交通機関は消滅し、人類は渋滞や排気ガス等から永久に開放された。
またランドマークとなる建物や場所の、緯度・経度・高度等の情報は一般に公開されている。
一方、明確なイメージさえあれば、銀行の金庫の中や、美女の寝室にさえ「ジョウント」できる事から、様々な問題や対処策が考案されている訳だ。
 
 
その後、SF界の共有財産となった「ジョウント」を利用した作品がいくつか発表されているのだが、多分一番有名なのは文字通り「ジョウント」と言うタイトルの作品。
かのスティーヴン・キングの短編である。

この作品は、タイトルから設定から比較的ほとんどが「虎よ、虎よ!」の世界を踏襲し、そのなかから、言いようのない恐怖を見事に描いた傑作である。

そして、先日紹介した吾妻ひでおの、「不条理日記」に登場する主人公(吾妻ひでお本人)は、なんと、青色申告をするために「青ジョウント」するのだ。

前述のように安全な「ジョウント」は、行き先の明確なイメージが必要なのだが、例えば、その場にそのままいると死んでしまいそうな場面で、必要に迫られ、行き先のイメージを固める前に「ジョウント」してしまうことを「青ジョウント」と言うのであるが、これは非常に危険なことなのだ。

ちょっと間違うと、「石の中」に入ってしまったり、上空5キロ位の地点に出てしまうかも知れないのだ。

吾妻ひでおは、そんな思いを込めて青色申告に向かった訳である。

で、驚いたのが、現在公開されている「この胸いっぱいの愛を」の原作である。

その原作のタイトルはなんと「クロノス・ジョウンターの伝説」(梶尾真治)。

おい!ふざけてんのか!!
「クロノス・ジョウンター」ってなんだよ!

直訳すると「時間跳躍者」、昔からの言葉では「タイム・トラベラー」とか「タイム・リーパー」だぞ。

いくら「ジョウント」がSF界の共有財産になっているからと言って、「クロノス・ジョウンター」はまずいだろう。

なんだか悲しくなってしまう。

※「クロノス・ジョウンター」
物質過去射出機(タイムマシン)
過去に戻った分未来にとばされてしまう機械。

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捨てられたホワイトバンド
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html

ホワイトバンドをめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20050909.html

しばらくの間、ホワイトバンドプロジェクトを注視していなかったのだが、いろいろな動きがあったようである。

■2005/11/08
オフィシャル・サイトがリニューアル・オープンしました。

■白いものを身につけること
以前のオフィシャル・サイトの導線は、先ずは「ホワイトバンドを購入しましょう。」というものだったのですが、現在は「白いものを身につけましょう」という方向性に変更になっているようです。

■売上の44%が、世界の貧困をなくすための活動費に、

10%
ホワイトバンドプロジェクト開始時は、ホワイトバンドの売上の10%、約29円(/1本=300円)が「貧困問題の解決に資する政策変更のための活動」に使われる、と言うことでした。

30%
2005/09/05、「使い道の計画についての変更はない」と断った上で、ホワイトバンドの売上の30%が「世界の貧困をなくすための活動費」に使われる、と変更されました。
が、実際のところは、この30%には、ホワイトバンド・デー等のイベント制作費や、事務局費にも使われていますので、実際に使われるのは、当初計画と同じ10%=29円と言う事です。

44%
現在は、ホワイトバンドの売上の44%が「世界の貧困をなくすための活動費」に使われることになっています。

■ODAの増額
オフィシャル・サイトからの引用です。

=*=*=*=*=
また、日本においても以下のような前身(原文のママ)がありました。

小泉首相、国連ワールドサミットにおける演説での発言
「私たちは、極端な貧困と闘っている人々、自助に努める人々に手を差しのべる、優しさのある国連が必要です。」

今後5年間でODAを100億ドル増額
「保健と開発イニシアティブ」のもと今後5年間で50億ドルを援助
「世界エイズ、結核、マラリア対策基金(通称:世界基金)」に5億ドルの拠出
今後3年間でアフリカ向けの援助額をこれまでの倍にすると約束 ...etc

そして、日本の何百万という市民が、世界のムーブメントに積極的に参加し、政策にも一定の働きかけをしたことは、世界各国からも高く評価されています。

世界全体では、ODAの増額だけとっても、2010年までに500億ドルの上乗せが実現する運びとなりました。これによって単純計算でも500万人の子どもの命が救われることを意味します。

小さな手に不似合いにもかかわらず、お小遣いを貯めてホワイトバンドを買ってくださったお子さんにはぜひこう言ってあげてください。
「あなたの行いがリーダーたちを動かして、500万人もの命を救ったんだよ」と。
=*=*=*=*=
500万人の子どもの命が救われることになったのは、なんとホワイトバンドのおかげ、と言うことのようです。

■1,300万円
2005/09/30のホワイトバンド・デーにおいて、東京タワーのイルミネーションを行った際の費用は、1,300万円でした。

■2,900万円
2005/11/08に行われた記者会見によると、ホワイトバンド・プロジェクトが、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に拠出する事となった金額は2,900万円。

■2005/09/30時点の収支は・・・・

ホワイトバンド販売数量
3,219,722本(321万本)※現在、400万本を突破しています。
ホワイトバンド売上金
965,916,600円(9億6,591万円)
その他の収入
30,383,213円(3,038万円)
収入合計
996,299,813円(9億9,629万円)

ホワイトバンド制作費等
226,821,579円(2億2,682万円)
ホワイトバンド流通費等
356,477,506円(3億5,647万円)
経費合計
583,299,085円(5億8,329万円)

活動資金
382,617,515円(3億8,261万円)
広報費、人件費、事務局費等諸経費
96,258,007円(9,625万円)

「貧困問題の解決に資する政策変更のための活動」
と思われる金額
286,359,508円(2億8,635万円)

■不思議な話
以前のホワイトバンド・プロジェクトは、現在の貧困に対して、寄付や支援をすることには懐疑的でした。

これは、
1.本当に必要な人々に寄付金が行かない事が多々ある。
2.貧困は、微々たる寄付や援助は食い止められないほど進んでいる。現在貧困で苦しんでいる人々を救うのではなく、貧困をなくすシステムを作ろう。

と言うものだったので、G8サミットにおいてのODAの増額(援助)については、ホワイトバンドのポリシーに反する事だと理解していたのですが、現在のホワイトバンドのオフィシャル・サイトでは、G8サミットにおけるODA増額はホワイトバンドの手柄である、と言うことになっています。

また、今回拠出を発表した「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」の事業は次の通りです。

=*=*=*=
世界基金は、三大感染症に対処するための資金を集め、その資金をもっとも必要とする地域へ振り向けるために設立されました。その目的を効果的に果たすため、政府だけでなくNGOを含む民間セクター、感染症に苦しむコミュニティーが一体となってパートナーシップを組み、次の基本原則に則って三大感染症の予防、治療、ケアのために資金支援をしています。

・事業の実施は専門家に任せ、資金供与機関として活動
・予防と治療、バランスのとれた統合的アプローチを追求
・迅速かつ革新的な支援決定プロセスの確立

運営の透明性と説明責任の確保
感染症に苦しむ国々は、感染症の予防や治療のための案件を形成し、募集の時期に案件申請を提出することにより資金支援に応募することができます。世界基金の資金援助は独立した機関(技術審査パネル)を通じて技術的に有効な事業に向けられ、追加的な資金の支払いは成果主義に基づいて行うなど、限られた資金を最大限に有効活用するため、結果を重視したものとなっています。
=*=*=*=*=

ホワイトバンドがどんなロビー活動をするのかと期待していたのですが、ホワイトバンドがやったのは単なる「まるなげ」だったようですね。
また、この「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」とホワイトバンドのポリシーにも矛盾を感じます。
 
 
 
余談ですが、
「ホワイトバンドに関する比較的有名なジョーク」
をご紹介します。

日本のみなさ〜ん。 A君の家はとっても貧しくて、食べるのも困っています。だからA君の貧しさをほっておかないという意思表明の為にこの白いバンドをしましょう。バンドはC君が造って、他にも色んなコストや利益を含んでいるので一個300円です。 A君には1円も渡りませんが、みなさんバンドを着けて、A君の貧しさをほっとけないという声をあげましょう。 必要なのはお金ではなく、皆さんの声です。

「A君は貧しい!、A君は貧しい!、A君は貧しい!」 いや〜日本の皆さんは良い方ばかりです。

A君「うるせ〜」

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リチャード・ハリスをめぐる冒険
2005/09/27
「ワイルド・ギース」(1978)の30周年記念版DVD(Region 1)が発売された。
日本国内にも同作のファンが非常に多く、国内版DVDの発売が望まれる素晴らしい作品である。
 
 
小学生時代、わたしのアイドルはリチャード・ハリスだった。

リチャード・ハリスと言えば最近は「ハリー・ポッター」シリーズのホグワーツ魔法学校のダンブルドア校長で有名な俳優なのだが、近年では、リドリー・スコットの「グラディエーター」やクリント・イーストウッドの「許されざる者」等においても、役者冥利に尽きる素晴らしい役柄を演じている。

しかし、わたしが小学生時代、劇場やテレビで見る度にあこがれていたリチャード・ハリスは、老いてはいないものの既に40歳を越え50歳の声を聞く頃だった訳だが、なんとバリバリのアクション・スタア(?)だったのだ。
映画の中で、時々老眼鏡をかけているけどね。

ヤング・アダルト系の俳優にあこがれるのならいざ知らず、小学生が50歳の俳優にあこがれてしまうと言うのはちょっとどうかと思うのだが、当時のリチャード・ハリスはあまりにも格好良過ぎたのだ。

小学生時代のわたしは、「カサンドラ・クロス」のチェンバレン博士の真摯な生き様に共感すると同時に、政府の汚いやり方に憤怒し、「オルカ」のノーラン船長には因果応報と自然の驚異を教わり、「ジャガーノート」ではファロン中佐とチャーリーの「おいらはチャンピオン」の歌に涙し、「黄金のランデブー」ではメインタイトルに悶絶、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のモトネタとも言える「馬と呼ばれた男」「サウス・ダコタの戦い」に男の生き様を見ていたのだ。

そして「ワイルド・ギース」でリチャード・ハリスは、戦争のプロとしてよりは、父親としての生き様をまざまざと見せてくれている。

余談だが、この「ワイルド・ギース」は、当時「私を愛したスパイ」時代のノリにのっていた「007」シリーズのスタッフが顔をそろえ、ロジャー・ムーアも4人のメイン・キャストの一人を演じているし、タイトル・デザインはモーリス・ビンダーが担当している。音楽はロイ・バッド。本作の音楽も最高だ。

ところで、1981年にナイトの称号を与えられたリチャード・ハリスだったが、残念な事に2002年10月に悪性リンパ腫でこの世を去っている。

この「ワイルド・ギース」のラストは映画史に残る感動的なシークエンスなのだが、リチャード・ハリスのこども達も、−−と言っても二人とも40歳を越えているのだが、−−リチャード・ハリスの遺志をついで現在は俳優となっている。

「ワイルド・ギース」のラストを思い出してしまう。

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2005/09/28 東京新宿「新宿ミラノ座」で「セブンソード」の試写を観た。
本日の試写は「ジャパン・ブレミア」と銘打った試写で、ナンサン・シー(製作)、ツイ・ハーク(監督)、レオン・ライ(出演)、ドニー・イェン(出演)の舞台挨拶があった。
 
 
1970年代以降の香港映画にはいくつかの大きな流れがある。

まずは、かつてブルース・リーを見出し、世界中で一大カンフー・ムーブメントを巻き起こし、ブルース・リー亡き後はジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ等のカンフーから派生する様々な作品で一時代を築いた、かのレイモンド・チョウとレナード・ホーが率いるゴールデン・ハーベストの流れである。
余談だが、ゴールデン・ハーベスト作品の冒頭、Gをディフォルメしたロゴの出方が音楽と相まって最高に格好良い。

1980年代に入り、ジャッキー・チェン等の活躍のおかげで、ゴールデン・ハーベスト作品以外の香港映画も日本国内で公開されるにつれ、面白い香港映画のクレジットに「徐克」と言う名前と「電影工作室有限公司」と言う会社の名前が目に付くようになってくる。
これがもうひとつの香港映画の流れである。

「この徐克(じょかつ)って一体誰だよ?」
「この電影工作室って一体何なんだ? 何かの冗談かよ!」

「徐克」や「電影工作室」の事を何も知らないわたしは、そんなばかげた事を考えていたりもしていた。

「徐克」とは、後に香港のスピルバーグと呼ばれる男・ツイ・ハークその人のことであり、「電影工作室」とは、ツイ・ハークとその妻・ナンサン・シーが、情熱ある映画人と投資者にとっての理想的な環境をめざし、芸術性・商業性を兼ね備えた上質の映画を製作するために設立した会社だと、わたしが知るのはしばらく後のことだった。

余談だが、この「電影工作室」とは、ロバート・レッドフォードの「サンダンス・インスティテュート」とかフランシス・フォード・コッポラの「ゾエトロープ・スタジオ」とか、岩井俊二の「戯作通信」とか、ぴあの「PFF(ぴあフィルム・フェスティバル)スカラシップ」みたいな、志の高い不遇な映像作家たちに光を投げかける孤高な精神に満ちた素晴らしいプロジェクトだと思う。

ところで、日本国内でツイ・ハークの名前が大々的に喧伝されるようになるのは、1986年の「男たちの挽歌」からだろう。
今でこそメディアは韓流、韓流(最近は華流)とか騒いでいるが、当時は香港ノワールと呼ばれる一連の香港映画の一大ムーブメントが熱かったのだ。

余談だが、この作品の監督はジョン・ウーなのだが、中国語(北京語だろうと広東語だろうと)のクレジットを読めないわたしたちは、呉宇森(ジョン・ウー)をウーモリ、ウーモリと呼んで親しんでいた。

ところで、日本国内でツイ・ハークの作品がはじめて上映されたのは、おそらく「東京国際ファンタスティック映画祭」の前身「TAKARAファンタスティック映画祭」(1985)で特別公開された、「蜀山(劇場公開タイトル・蜀山奇傳 天空の剣)」なのではないかと思う。

余談だが、1985年の「TAKARAファンタスティック映画祭」の上映ラインナップは凄い!
正に、神がかりと言って良いほどの豪華絢爛デラックスで垂涎モノのな見事なラインナップが楽しめる。
一例を紹介すると、「フェノミナ」「13日の金曜日 ニュー・ビギニング」「クリープショー」「最後の戦い」「エルム街の悪夢」「デッドゾーン」「二つの頭脳を持つ男」「レイザーバック」「レディホーク」「ハウリング2」「XYZマーダーズ 」「山中傳奇」「銀河鉄道の夜」・・・・と言う状況なのだ。

ところで、この「蜀山奇傳 天空の剣」という作品は、今で言うワイヤー・アクションの可能性を全世界に紹介した作品で、パリ国際ファンタスティック映画祭では特撮賞を受賞し、香港におけるファンタスティック映画の方向を決定付けた記念碑的作品である。
この作品がなければ、勿論「マトリックス」なんかは生まれていないのだ。

この「蜀山奇傳 天空の剣」のワイヤー・アクションについては、編集でごまかす、やや乱暴なアクションもあるものの、人間が宙を自由自在に舞う姿には、感涙の嵐である。

例えば、建物の梁に飛びつき、ぶら下がり、くるりと回って梁の上に立つ、というようなアクションが必要だとすると、同ポジションからの3つのカットを繋げて、一連の動きに見せると言う荒業が平気で行われているのだ。

また余談だが、例えば西洋人が空を飛ぶ場合は何か道具(例えば翼のようなもの)が必要だが、東洋人が空を飛ぶには、何も道具が必要ない、と言う文化的背景も明確に描写されている点も興味深い。
更に余談だが、例えば西洋の竜(ドラゴン)には翼があるが、東洋の竜には翼が無いし、西洋の空飛ぶ馬(ペガサス等)には翼があるが、東洋の空飛ぶ馬には翼が無い、と言う点も興味深い。

その後、ワイヤー・アクションは、ツイ・ハーク製作、今をときめくチン・シウトン監督、今は亡きレスリー・チャン主演の「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」(1987)でひとつの頂点を極める。

同時に、ツイ・ハークは、ジョン・ウー監督の「男たちの挽歌」(1986)を製作、ファンタジー系ではなく、ハードボイルド路線である香港ノワールの方向性すら決定付けてしまう。
この系譜が現在「インファナル・アフェア」シリーズとして花開いている訳だ。

またコメディ路線としては「皇帝密使」や「大丈夫日記」等をこなしている。

更に1990年代に入るとツイ・ハークは、かつて中国武術界の至宝と呼ばれたリー・リンチェイ(今のジェット・リー)を起用し「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズを続々とリリースする。

1970年代から1990年代へと、最早香港映画界の歴史そのものとも言えるツイ・ハークが満を持して製作したのがこの「セブンソード」なのだ。

しかし、しかしだ。

わたしは、残念な気持ちでいっぱいだ。
ツイ・ハークよ、どこに行く・・・・
 
 
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2005/09/20 東京霞ヶ関「イイノホール」で「この胸いっぱいの愛を」の試写を観た。

監督は「黄泉がえり」の塩田明彦。

「この胸いっぱいの愛を」を観ながら、わたしは、はらわたが煮えくり返った。
「何、ふざけた映画を撮ってるんだよ!」と。

一般の方々にとって塩田明彦と言えば、おそらく大ヒット作「黄泉がえり」の監督として有名なのだろうが、われわれ映画ファンにとっては「黄泉がえり」の監督と言うより、「月光の囁き」の、「ギプス」の、「害虫」の、そして「カナリア」の塩田明彦だと思うのだ。

そして、本作「この胸いっぱいの愛を」は「黄泉がえり」に続く二匹目のどじょうを狙うTBSが、梶尾真治の原作を押さえ、塩田明彦に監督をオファーし、次回作を自由にして良いから、と言う条件付きで、塩田明彦が嫌々ながらしぶしぶ引き受けた作品ではないか、と勘ぐってしまう。(当サイト推測)

原作は梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』(朝日ソノラマ刊)。
小説の映画化、マンガの映画化の次はなんとライトノベルの映画化と来たもんだ。日本映画の原作不足も来るところまで来たかな、と言うような印象を受ける。
尤も梶尾真治はSF作家として著名なのだが、いかんせん本作はライトノベルなのだ。

残念ながら原作は寡聞にして未読だが、SFファンとしては、恥ずかしげもなく「クロノス・ジョウンター」と言う言葉を使ってしまっているところにのけぞってしまう。
「クロノス」はともかく「ジョウント」だよ「ジョウント」。
これ、どうなんだろう、「ジョウント」と言う言葉に、ハードなSFファンは怒りすらおぼえてしまうのではないか、と余計な心配をしてしまう。

さて、本作だが、なんと言っても脚本が酷い。
頭の悪い人間か、頭の良いこどもが書いた脚本を映画化したような印象を受ける。
その気になる脚本には、鈴木謙一、渡辺千穂、塩田明彦の三人がクレジットされている。

三人寄れば何とやら、本作では、頭の悪いセリフと頭の悪い非常識な展開が頻出なのだ。

いくら次の映画は自由にして良いよと言われたから(当サイト推測)と言っても、この脚本は無いんじゃないの。

「カナリア」で、塩田明彦は自らが嗜好する世界の作品にやっと戻ってきたのかな、と思ったわたしが莫迦だった。
「月光の囁き」とか「ギプス」のような作品を撮って欲しいと心から思うのだ。

あぁぁ、塩田明彦よどこへ行く・・・・

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「釣りキチ三平」で釣りを覚えた世代のわたし達の標語は勿論「キャッチ・アンド・リリース」であった。

釣った魚は、三平三平や一平じいちゃん、魚紳さんの教えの通り、手の温みをとってから魚をやさしく掴み、流れに返していた。

しかし、外来魚が日本固有の魚(在来魚)を駆逐していく中、多くの湖で「キャッチ・アンド・キル」と言う標語が生まれた。

これらに対しては様々な意見や様々な議論があるのだが、今日のお話は「キャッチ・アンド・イート」であるから、その辺のお話は割愛する。
 
 
わたしの友人に釣りが大好きな男がいる。
その男が何故釣りをするかと言うと、それは食べるためである。
そんな彼には所謂スポーツ・フィッシングと言う分野には全く興味がなく、その魚を食いたいから釣るのである。

彼にとっての「釣り」とは、人類にとっての根源的な「釣り」そのものなのである。

ところで、先日、複数台のminiDVカメラが必要だったため、その男の家にカメラを借りに行くことになった。

携帯電話に連絡を入れてみると、なんだか騒音がうるさい。
聞いてみると、今平塚沖にいるということであった。

つまり、その男はその日、釣りに行っていたのだ。
因みに、その日の釣りの目的は「カツオ」と「マグロ」と言うことであった。

わたしが彼の家に着いた時点で、カツオは刺身とタタキに、マグロは刺身に、外道のサバはシメサバになっていた。
キッチンにはカツオとマグロの頭が鎮座し、翌日の兜焼きを待ち兼ねていた。

充分に日焼けし、皮膚が厚くなり、海の男の風格が出てきたその男のもうひとつの趣味は料理であり、彼の奥さんは余談だがなんと栄養士である。
彼は大型のカツオだろうがマグロだろうが、小型のサバやアジのように平気でさばいてしまうのだ。彼の包丁の切味にも驚いてしまう。

そんなわたしは、彼の奥さんが甘い酒があまり好きではなく、辛い酒が好きなので、少しは甘い酒も美味しく飲んで欲しい、という考えでアイス・ワインを持って行った。
前回の大漁祭りには貴腐ワインを持って行っていたので、今回は別系統の甘い酒(系統は同じなのだが)アイス・ワインにした訳である。

さて、本題の刺身だが、マグロは非常にねっとりとしたマグロで、カツオのタタキは激旨、シメサバも最高だった。
カツオの薬味の茗荷やネギも良かったのだが、ニンニクが凄かった。サイズと形状から類推すると、おそらくホワイト六片だったのではないか、と思った。
ついでにシメサバには飾り包丁まで入っていた。

日本で庶民が食べるマグロはやはり冷凍物が多く、近海物の生の本マグロの刺身など、なかなか食べられないと思うのだが、今回の「キャッチ・アンド・イート」大漁祭りで、わたしは件のマグロもサバもそしてカツオも堪能させていただいた訳だ。

正に「キャッチ・アンド・イート」たる所以なのだ。

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「カプリコン・1」オリジナル・サウンド・トラックをめぐる冒険
「カプリコン・1」
わたしの現在にいたる映画人生を確固たるものにした作品のひとつである。

わたしの幼稚園時代の友人に銭湯の息子がいた。

当時、銭湯の脱衣所には映画のポスターがたくさん貼ってあった。映画のポスターのあるところに映画の招待券ありで、当然のことながら、その銭湯にもいくつかの劇場からの映画招待券がたくさん舞い込んでいた。

わたしはそんな環境のためか、同世代の友人達と比較し、早い時期から劇場で映画を観るようになっていた。

小学生低学年から劇場に通っていた当時のわたしの関心事は、映画のストーリーやアクションだった。

しかし本作を観て、音楽って凄いな、と思い知らされる事になる。

それから27年後の2005年8月、その「カプリコン・1」のオリジナル・サウンド・トラックが、全世界3000枚限定でINTRADAから発売された。

その話を知ったのは、いつものように大学時代の映画莫迦の友人からの電話だった。

『おまえ「カプリコン・1」のサントラ買ったか?』
『いいや』
『今日「すみや」で買ったけど、店頭に並んでなかったぞ』
『・・・』
『限定3000枚とは言え、「すみや」の店頭に無いんじゃ買えねぇんじゃねーの』

わたしはその直後、渋谷の「すみや」に電話をかけた。

『本日追加注文分が到着しましたので、店頭でお買い上げいただけます』

とのことだった。

難なく「カプリコン・1」のサントラを購入したわたしは、以来、昨年惜しくも亡くなったジェリー・ゴールドスミスの驚異の技に酔いしれることになる。

今日も思わずサントラだけでは飽き足らず「カプリコン・1」のDVDを見てしまった。

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ちょっと暇だったんで「カウボーイ・ビバップ」を2〜3話見てみた。

お話自体は「ルパン三世」みたいな話な訳だが、音楽と演出と脚本と世界観とが良い作品だと思う。

主人公の名前はスパイク・シュピーゲル。
シュピーゲルと言えば、わたしの世代ではないのだが、確か「キャップテン・ウルトラ」に出てきた宇宙船の名前がシュピーゲル号だったな、と言うか、R・シュトラウスの交響詩に「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」と言うのがあったな、と言うか「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」はすげえ話だなとか思った。

スパイクが一度死んでいるという設定は、やっぱスパイクはティル・オイレンシュピーゲルかな、と思った。

ところで「銀河ヒッチハイク・ガイド」ってビッグ・バジェットな「不思議惑星キンザザ」かな、とか思うと、やっぱ「不思議惑星キンザザ」だなと思った。

「不思議惑星キンザザ」と言えばオールナイトで一緒に見た「妖婆・死棺の呪い」は大傑作だな、と言うかわたしのトラウマ映画なのだ。

わたしが一番怖いと思う映画が「妖婆・死棺の呪い」と「顔の無い悪魔」なのだ。
※ 子供のころに見たインパクト的にだがね。

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2005/09/12 東京六本木「シンデレラマン」ジャパン・プレミアのレッド・カーペットに行ってきた。

招待状が届いていたのだ、仕事の後、会場である「ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ」に行ってみた。
が、わたしの到着が遅かったため、既に受付は終了していた。

残念な事にレッド・カーペットの中に入れなかったわたしは、レッド・カーペット周辺の通路付近でレネー・ゼルウィガーの到着を待つ事にした。ちょうどフォト・セッションを行う屏風の正面付近にわたしは陣取った。
周りは女性だらけで、比較的背が高いわたしの視界はクリアだった。

とは言うものの、わたしはレッド・カーペットと言う名のイベントには批判的な立場を常々取っている。

ジャパン・プレミアだかなんだか知らないが、何の権威も無いただの試写会ごときでレッド・カーペットをやってしまうとは、日本の文化の低さを世界に発信しているようで、なんだか悲しい気分になってしまう。

しかもカメラ・クルーとかは、タキシードじゃなくてただの私服だぞ。

更に今回は「シンデレラマン」のジャパン・プレミアと言うことなのだが、看板に偽りありで、本日の試写は「シンデレラマン」のジャパン・プレミアでもなんでもないのだ。
と言うのも、既に日本国内では何度も何度も観客を呼んで「シンデレラマン」は上映されているのだ。

「ジャパン・プレミア」と言う名のイベントを日本国内のプレミアでもなんでもないのにやってしまう日本と言う国の文化の低さに悲しくなってしまう。

個人的には、日本国内でレッド・カーペットと言うイベントをやって良いのはせいぜい「東京国際映画祭」位だと思っている。

ところで本題のレネー・ゼルウィガーだが、例によってハリウッド・スターのファン・サービスには頭が下がる思いである。

「ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ」のアリーナに特設された、グニャグニャ道のレッド・カーペットを歩きながら、レネー・ゼルウィガーは優に数百人にサインをしたのではないだろうか。

例によって、レッド・カーペットの構成は、レネー・ゼルウィガーが、ファン・サービスをしながら、ゆっくりとレッド・カーペットを進む間に、日本のタレント達が観客の退屈しのぎの時間稼ぎのため、レッド・カーペットを歩く、と言う見事な構成だった。

つながりはよくわからないのだが、「愛・地球博」のモリゾーやキッコロや謎の鳥の着ぐるみも、この暑い中、レッド・カーペット上を文字通りふらふらしていた。

わたしはと言えば、レッド・カーペットだとかジャパン・プレミアだとかを批判しながらも、レネー・ゼルウィガーのラブリーなお姿を身近で拝めただけで幸せな気持ちになってしまう、文化程度の低いダメな日本人なのだ。

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2005/09/09-10 ホワイトバンドデーと銘うって、各地で様々なイベントが行われるらしい。
 
 
 
9.10 WHITEBAND DAY
WHITEBAND on TOKYO TOWER 9/9,9/10@東京タワー
WHITEBAND 映画祭 9/9@六本木ヒルズ
WHITEBAND SWITCH ON 9/10@芝公園
WHITEBAND IN JAPAN 9/10@日本全国

そのホワイトバンドデーを直前にして、ホワイトバンドプロジェクトについて、いろいろ考えることがあったので、付記しておこうと思う。

先ずは先日のエントリーをご参照願いたい。 

「捨てられたホワイトバンド」
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html

■詐欺ではない
このホワイトバンドプロジェクトは法的に見て、詐欺行為にはおそらく当たらない。
なぜなら、ホワイトバンドはチャリティではなく、その金銭の目的は、調査・分析、啓蒙やキャンペーン、そしてロビー活動を行うため、とホワイトバンドプロジェクトは明言しているからだ。

従って、チャリティや寄付だと思ってホワイトバンドを購入するのは、購入する方がただ単に、「ホワイトバンドはチャリティである」と誤解をしているのに過ぎないのだ。

■「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。」
これは、ホワイトバンドのキャンペーンのキャッチコピーの冒頭の一部である。

3秒に1人の子どもが死んでいるとすると、
1分で20人、
1時間で1,200人
1日で28,800人
1週間で201,600人
1ケ月で6,048,000人
半年で36,288,000人
1年で72,576,000人の子どもが死んでいる、と言う事である。

これは普通に考えると切実な問題である。
世の中にたくさんあるチャリティ(募金や寄付)は切実な問題、つまり「今死に行く子どもたちを救おう」と言う観点から活動が行われている。

しかし、ホワイトバンドプロジェクトは、数ケ月後か半年後かわからないが、--具体的な活動が始まるのは、2006年だとホワイトバンドプロジェクトは明言している−−、「今死に行く子どもたちではなく、将来死に行く子どもたちを救おう」と言うコンセプトで活動を行っている。
つまり、その活動が1ケ月遅れるだけで、6,048,000人の子どもたちが死んで行くことになる訳だ。

■ロビー活動とは何か
ホワイトバンドプロジェクトのひとつの目的でもある「ロビー活動」とは一体どんな活動だろう。

政治的決定に影響を及ぼそうとして,議員・官僚・政党などにはたらきかける院外活動。特にアメリカのものをいい,世論の形成・動員までも含める。(三省堂「デイリー 新語辞典」による)

特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ、政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい、議会のロビーにおける議員との面会だけでなく、世論の形成・動員までも含める。ロビイング。(三省堂「大辞林 第二版」)

わかりやすく言うと、ロビー活動とは、業界団体や、企業、強力な個人等が、自分たちに都合が良いように、自分たちに利益がもたらされるように、政治を動かすこと、なのである。

つまりホワイトバンドプロジェクトは、ホワイトバンドの収益を使って、政治家を動かそうとしているのだ。
つまり単純に考えると、ホワイトバンドの収益は、回りまわって政治資金になる、と言う事である。

■既に100万本売れ、100万人が予約待ち
GQ JAPANによると、8月中旬の時点で、日本版ホワイトバンドは100万本以上売れ、更に100万人が予約待ちをしている、と言う話である。
また、ホワイトバンドプロジェクトによると8月末で200万本出荷した、と言うことである。

つまり、税込みで6億円の収益があった(ある)と言うことである。

6億円と言えば、日本テレビの『24時間テレビ28「愛は地球を救う」』の募金の2倍位だ。(2005/08/28現在の「24時間テレビ」の募金総額は293,693,400円、昨年の募金総額は719,045,124円、おそらく今年は昨年の募金額を上回るのではないか、と言われている)

だからどうだ、と言う話ではないのだが「24時間テレビ」はいろいろ効果を出しているな、と思った。

※ 赤い羽根共同募金の総額は233億円(2004年度)
※ G8サミットにおいて、2010年までにG8全体で500億ドル(日本円で5兆5000万円)の援助増額をすることにより、500万人の子どもの命を救える可能性があるのだが、実際のところ、5000万人の子どもは命を失い続ける見込みらしい。

■何故ホワイトバンドを買わなければならないのか
ホワイトバンドプロジェクトは、「白いバンド」であればよい
と言っている。海外のプロジェクトでは、「白いものならなんでも良い」とさえ言っている。

しかし、日本版ホワイトバンドプロジェクトでは、第一にホワイトバンドを購入する事を奨励している。
オフィシャル・サイトの構成上の導線も、ホワイトバンドの購入に張られている。

なにしろ、本音と建前は日本の伝統的美点なのであるから。

■何故送料がかかるのか
現在、ホワイトバンドのオフィシャルなオンライン販売は「@ぴあ」が行っている。

「@ぴあ」でホワイトバンドは、2個セット以上で販売されている。
2個セットで600円、送料は420円、代引き手数料は315円である。
近くでホワイトバンドが売っていない地方に住んでいる、クレジットカードをもたない子どもたちは、2個セットのホワイトバンドを手に入れるために1,335円もかかってしまうのだ。友達と二人で買っても1個667円にもなってしまう。

ホワイトバンドプロジェクトは、オークション等によるホワイトバンドの営利目的の転売については、

オークションなどによる営利目的の転売は本意とするところではなく、本当に残念なことです。ご購入いただく際には、売上の使途に注意を払ってのご購入をお願いします。

とのことである。
オークションはNGで、送料や代引き手数料はOKだ、と言う訳だ。

つづく・・・・

ホワイトバンドをめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20051108.html

捨てられたホワイトバンド
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html

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2005/09/05 都内某所。

駅構内にホワイトバンドが捨ててあった。

そのホワイトバンドは、昨夜からの雨による水溜りの中を漂っていた。道行く人々は足を止めず、ホワイトバンドに目を留める人もいなかった。

もしかしたら、そのホワイトバンドは、ホワイトバンドの主旨に賛同した人の手首から滑り落ちたのかも知れないが、わたしには捨てられてしまったホワイトバンドが水溜りの中を漂っているように見えたのである。
 
 
大規模な詐欺行為ではないか、とも言われ、各方面からの批判が高まる日本版ホワイトバンドだが、オフィシャル・サイトで公開されていた「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」が、誤解を避けることを目的として2005/09/05に改訂された。

従来のバージョンの「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」では、税抜価格286円の10%が、

【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】
・政策研究・調査
・アドボカシー活動
・市民社会組織のネットワーク構築
・貧困の解消に向けた取り組みに関する啓発活動
(地球市民教育・開発教育を含む)

に使われることになっていた。

使われることになっていた、と言うのは未だ使われていないからで、その用途は具体的には、次の通りである。

【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】について
ホワイトバンドの売上の1割は、NGOなど市民社会組織やネットワークが貧困問題の解決にむけた政策変更を促すために行う活動に使われます。具体的には、貧困に関わる諸問題の調査・分析、日本政府その他の機構に具体的な政策変更を求めるロビイング活動、ロビイング活動を支援する世論を構築するような啓発活動(キャンペーン活動)、そしてそのような世論を構成する行動的な市民層を育てる地球市民教育や開発教育活動などです。
「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンは、NGOによる途上国での支援活動に対する寄付金を集めるためのキャンペーンではなく、「貧困をなくそう」というみなさんの声を集めるキャンペーンです。ですから、このキャンペーンの一環であるホワイトバンドの売上も、現地での支援活動に使うよりも、途上国から先進国に富が流れてしまうような構造や、貧困からの脱却のために努力する人々やNGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済の仕組みを変えることを目的に使われるべきと考えました。
この部分の資金管理方法や運営母体について、具体的に決まっていくのは2005年秋以降になります。上のような目的のために実際にお金が使われはじめるのは、2006年になってからになる予定です。

なんとも釈然としないし、言っていること自体が玉虫色で、詭弁ですらあるような印象を受ける。

確かに寄付や募金が、本来必要なところにいかないことはあるかも知れないし、実際ある、と言う報道も多々ある。
それが「NGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済」の責任だから、それを糺すためにお金を「ロビー活動」に使おう、と言う考え方は間違ってはいないはずだ。

しかしながらロビー活動のための資金源として、善意の集まりのようなホワイトバンドを利用するのはいかがなものか、と思ってしまう。

何しろ一般人の多くは、300円で購入したうちの大半の金額が飢餓で苦しむ国や地域に送られていると大きな誤解をしているのだから。

彼等の善意の300円が、ロビー活動と言う名の政治資金になっているとしたら、泣くに泣けないだろう。

「ホワイトバンドの問題点」
http://www.wikihouse.com/whiteband/
 
 
ちなみに余談だが、「24時間テレビ」に団体として募金協力するためには、次の条件が義務付けられている。

1.募金より経費を差し引かないこと。
2.「24時間テレビ」の主旨・テーマを良く浸透させること。
3.商業主義に利用しないこと。
4.責任者が必ず活動報告をすること。


なかなかやるじゃないか「日本テレビ」さんよ!

ホワイトバンドをめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20050909.html
 
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2005/09/02 「東京国際ファンタスティック映画祭」の上映作品がオフィシャル・サイトで公開された。
http://tokyofanta.com/2005/index.php

作品の詳細情報がよくわからないので、もしかしたら凄いラインナップかも知れないのだが、個人的には何とも寂しげなラインナップのような印象を受ける。

話題の「トム・ヤム・クン!」や「ナイト・ウォッチ」、「機動戦士ZガンダムII−恋人たち−」も一応上映されるのだが、「機動戦士ZガンダムII−恋人たち−」にいたっては、翌々週位に一般公開されてしまうので、それほどありがたみも感じられない。

ついでに目玉とも言うべき企画であるオールナイトにもなんだか魅力が感じられない。

「東京ファンタ」よ、どこへ行く・・・・

なお、チケットの発売は9/10からなのだが、当日はわたしは知り合いの結婚式で、チケットぴあに並べないのだ。

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とりあえず、こちらを見ていただきたい。
http://diarynote.jp/d/29346/20050826.html

マスコミ各社の報道によると、「空中庭園」の10月公開が決定した、との事である。

「空中庭園」オフィシャル・サイト
映画「空中庭園」公開についてのお知らせ
http://kuutyuu.com/info.html

「空中庭園」製作委員会は、
「映画の製作に関わった原作者・キャスト・スタッフの方は二百数十人に及びます。その方々への責任はどうなるのか?果たして映画は監督一人だけの作品であるのか?ひいては作品自体に罪はあるのか?といった様々な議論がくりかえされました。」
「報道を受けて、公開を予定している劇場へは一般のお客様より上映を望む声が多く寄せられており、この間(8月25日〜8月28日)に公式ホームページにアクセスされた数は15万5000件を越えました。公開を熱望される方々から数多くのメールも寄せられております。 」
「このような状況のもと、公開の規模は縮小となりますが、それでもこの映画を観たい、と思ってくださる観客の皆様に対して本映画をお届けすることといたしました。」
と語っている。

また、同作を公開予定だった、テアトル新宿、大阪テアトル梅田は「社会的道義的責任は重い」として、公開中止を独自に決めている。

映画公開が決定し、一映画ファンとしては、とりあえず一安心ではあるが、豊田利晃の責任は重い。

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「猫の恩返し」をめぐる冒険
2005/08/26
日本テレビ「金曜ロードショー」枠で、スタジオジブリ作品「猫の恩返し」が放映された。
今回の放映は地上波初放映であった。
 
 
ところで、

『英語圏で製作された映画をより一層理解するためには「聖書」や「キリスト教」の知識が必要である』

これはよく言われることなのだが、事実「聖書」や「キリスト教」的背景を基に映画を考察した場合、その作品は今までの印象をかなぐり捨て、わたし達の目の前でその姿をガラリと変えることがしばしばある。

実際のところ、英語圏で製作される映画のほとんどが「聖書」や「キリスト教」から影響を受け、それと同時に「聖書」や「キリスト教」への言及に満ちている、と言えるのではないだろうか。
 
 
閑話休題

さて、「聖書」と「キリスト教」のお話はさておき、今回のお題なのだが、数多くの映画の背景には「スタートレック」からの影響や、「スタートレック」に対する言及に満ちている。

最近の作品でも、例えば次のような作品が「スタートレック」への言及、あるいは「スタートレック」からの影響が見てとれる。

「ターミナル」
キャラクターのひとりが熱心な「スタートレック」ファンとして設定されている。

「アイランド」
主人公2人組の格好に対して「カーク船長云々」のセリフがある。

「チーム☆アメリカ/ワールドポリス」
「スタートレック」に登場する異星人クリンゴン人の言葉が登場する。

「戦国自衛隊1549」
「スタートレックII/カーンの逆襲」の設定が流用されている。

「サマータイムマシン・ブルース」
映画館の従業員が「スタートレック」のコスチュームを着ている。

さて、本題だが、実はスタジオジブリの「猫の恩返し」も「スタートレック」に対する言及があるのだ。
(多分これは誰も指摘していないのではないかな)

冒頭、本作「猫の恩返し」の物語にきっかけを与える役を担うトラックのナンバープレートには「17-01」の数字が見える。
「1701」とは何を隠そう「スタートレック」に登場する「エンタープライズ号」の艦隊建造番号なのだ。
「猫の恩返し」のトラック
http://homepage3.nifty.com/~tkr/work/neko02.jpg
「スタートレック」のエンタープライズ号
http://us.imdb.com/gallery/mptv/1359/Mptv/1359/5088_0029.jpg?path=gallery&;;path_key=0060028

そして、そのトラックの運転席上部と、コンテナ部分に標記されているロゴマークは「エンタープライズ号」が属している「惑星連邦/宇宙艦隊」のロゴマークに似ているのだ。
「猫の恩返し」のトラック
http://homepage3.nifty.com/~tkr/work/neko01.jpg
フルタ「スタートレック」ピンズ一覧
http://my.reset.jp/~kyushu/etc/pins.jpg

だからどうした、と言う話でもないのだが、多くの作品の原典には「スタートレック」があり、そして全国500億人を数えると言われる「スタートレック」ファンはあらゆる所にいるのだ、と言うことなのだな。

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「空中庭園」をめぐる冒険
豊田利晃が覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された。

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
2005/08/24
映画監督の豊田利晃容疑者(36)が東京都狛江市の自宅に覚せい剤を隠し持っていたとして、警視庁に覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されていたことがわかった。「自分で使うためだった」と容疑を認めており、警視庁は入手経路などを調べている。
(asahi.comより引用)
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

「空中庭園」オフィシャル・サイト及び配給会社「アスミック・エース エンタテインメント」オフィシャル・サイトでは、次のようなステーテメントが公開されている。

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
関係者一同、茫然とするとともに大変残念な思いでおります。製作委員会といたしましては、事件に対する社会的責任を深く感じつつも、本作品および、公開を楽しみにして頂いている皆様にとって最善の対処ができますよう、引き続き関係各社と協議中でございます。
(「アスミック・エース エンタテインメント」オフィシャル・サイトより引用)
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

これを受けて「空中庭園」の上映を予定していた「テアトル新宿」の上映予定作品ラインナップから、「空中庭園」の表記が姿を消した。
一方「ユーロスペース」のサイトでは、今回の一件に関する情報は未だ公開されていない。

また、未確認情報だが、「テアトル新宿」サイドは、「空中庭園」の公開を無期延期したらしい。

更に、各方面で実施が予定されていた「空中庭園」の試写会の中止の情報が舞い込み始めている。

こういった状況下においてよく出てくる論評は「監督(今回の場合)が犯罪者だから映画がダメだ」と言う代物だ。

そしてその影響で犯罪者が関わった作品の公開が中止になったり、コンサートが中止になったり、犯罪者が収録に参加したテレビ・プログラムが放映中止になってしまうのだ。例えばNEWSの未成年メンバーの飲酒事件も記憶に新しい。

ここ「徒然雑草」では、旧角川映画のDVDから角川春樹事務所のクレジットがカットされている話(「どこからが映画なのか?」http://diarynote.jp/d/29346/20041028.html)でもお話しているのだが、仮にキャストやスタッフが犯罪者だとしても、(語弊はあるが)そんな事は作品の評価に全く影響を及ぼさないハズなのだ。

たとえ、キャストの私生活がグダグダでゲロゲロでもスクリーン上で輝いていればそれで良いのだ。

わたし達は決してキャストやスタッフの私生活を見たいのではない。
わたし達が見たいのは、仮に彼等が犯罪者だとしても、彼等の公の活動から産み落とされた最高の芸術形態である映画作品が見たいのである。

例えば、麻薬中毒で急逝したジョン・ベルーシがベロベロの状態で撮影した「ブルース・ブラザース」が二度と公開されないとしたら、どうだろう。

そして、たとえマコーレー・カルキンがベロベロの麻薬中毒者になったからと言って「ホーム・アローン」で彼がはなっていた輝きは永遠に失われない。

謎の死を遂げたジム・モリソンがアルコールとドラッグの依存症だったとしても「ザ・ドアーズ」の珠玉の名曲の数々の圧倒的な力は失われない。

仮に、「空中庭園」がお蔵入りしてしまったとしたら、−−勿論この時期(公開直前)に豊田利晃が覚せい剤不法所持をしてしまった事に対する議論は別にあるのだが−−、製作会社や配給会社が決定を下した事は、ひとつの素晴らしい芸術作品になるかも知れない原石を永久に葬った事になるのだ。

お前等にそんな権利があるのか!
われわれは、永遠の輝きを放つ宝石たる作品の誕生に立ち会えなかったかも知れないのだ!

『「空中庭園」をめぐる冒険 その2』につづく・・・・
http://diarynote.jp/d/29346/20050830.html

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「刺客」と言う言葉を最初に読んだのは、小学生向けに翻案された夏目漱石の「三四郎」でだった。

その「三四郎」の中で、「刺客」という漢字には「しかく」とルビが振ってあった。
それ以来、わたしにとっての「刺客」は当然ながら「しかく」だった。
 
 
しかし、最近テレビで話題の「刺客」と言う言葉なのだが、ニュース番組を見ていると、政治家先生の多くは「刺客」を「しきゃく」と発音している。

マスコミ各局も当初は「しきゃく」「しきゃく」と発音していたよう思うが、ここにきて「しかく」と発音するマスコミが増え、同時に政治家先生の中にも以前は「しきゃく」と発音していた先生までが「しかく」と発音するケースが増えてきたようである。

だからどうした、と言う訳ではないし、「刺客」は「しかく」とも「しきゃく」とも読むのだが、「刺客」の正しい、と言うか元来の読み方は「しかく」なのだ。

日本の指導者である政治家先生の多くが「刺客」を「しきゃく」と読んでいるのは、なんだか寂しい気がした。

※ 「刺客」は本来は「せきかく」もしくは「せっかく」が本来の読み方で、慣用的な読み方で「しかく」となるそうです。
「しきゃく」と読むのは非常に稀だそうです。

『「刺客」の正しい読み方は?』
http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?stage=2&;sn=253

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もうひとつの歴史
http://mixi.jp/view_community.pl?id=261827

iPodとは、言うまでも無く、2001年10月に発売されたApple社製の小型ミュージックプレイヤーである。

しかし、このiPodの製作に、かの映画監督スタンリー・キューブリックが関わっていたことは、一般にはあまり知られていないようだ。

しかし、キューブリックがiPodのプロトタイプの製作に関わっていたのは、事実なのだ。

今日は、キューブリックがiPodのプロトタイプを製作した時の話をご披露しよう。
 
 
1964年。
「語り草になるような、いいSF映画」の製作を企画していたキューブリックは、当時隆盛を極めていた様々な企業に対し、21世紀初頭に開発され、商品化されているだろう製品情報のヒアリングやインタビューを開始した。

対象企業は多岐にわたり、航空、通信、インテリア、テーブルウェア、カメラ、照明・・・・

その企業の中の1社がIBM社だった訳である。
キューブリックは、IBM社に対するヒアリングの結果、その映画の中に登場するコンピュータのコンセプトを整え、名前をHAL9000と名付けた。

そしてそのHAL9000は、人類初の外宇宙探査船「ディスカバリー・ワン」のメイン・コンピュータとして採用され、ディスカバリー・ワン(ディスカバリー号)の全権を掌握することになった。

そして、なんとそのディスカバリー号にiPodのプロトタイプが搭載されていたのだ。
しかも3台も・・・・
 
 
1976年
スティーブ・ウォズニアックがApple Iを製作、それを見たスティーブ・ジョブズは、ニュー・ビジネスになると考え、翌年スティーブ・ウォズニアックと共にApple社を設立した。

Apple社は当時、IBM社と異なるフィールドを歩んでいたのだが、IBM社が小型コンピュータ分野への参入をはじめ、MacとPCの対立は激化していく。

Apple社は事あるごとに、IBM社との比較広告や差別化をはじめ、その一環として、ジョブズ等は、かつてIBMより一歩進んだコンピュータHALシリーズを開発したキューブリックと出会い、彼が製作した伝説のプロトタイプiPodを目にする機会に恵まれた。

ジョブズとウォズニアックは一緒にIBM社を叩き潰そうとキューブリックに持ちかけ、それに感じ入ったキューブリックはプロトタイプiPodの権利をApple社に譲り渡したのだ。

キューブリックは、2001年10月のiPodの衝撃的なデビューを待たずに他界したが、発売以来iPodは爆発的なヒットを続け、Apple社はキューブリックへの感謝の意を込めて、iPodシリーズのデザイン、アートワーク、コンセプト、CF(CM)等の多くはすべてキューブリックへのオマージュとなっている。

キューブリックへオマージュを捧げることにより、Apple社はHALと肩を並べ、相対的にIBM社の先を行く存在になったのである。

それでは、キューブリックが開発したプロトタイプiPodを紹介しよう。

aPod
http://us.imdb.com/media/rm949327872/tt0062622

bPod
http://us.imdb.com/media/rm194353152/tt0062622

cPod
http://us.imdb.com/media/rm529897472/tt0062622

そしてこれが、キューブリックの遺志をつぐiPodなのである。
http://www.apple.com/jp/ipodclassic/

因みに、ボウマンがaPodの中で聞いている、ビープ音や呼吸の音、鼓動の音に聞こえるのは、2001年当時イギリスでヒットした環境音楽である。

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