「陽はまた昇る」をめぐる冒険
2011年8月5日 TV コメント (1)2011年8月4日 テレビ朝日で「陽はまた昇る」を観て驚いた。
とっても驚いたので、驚いた点を紹介したいと思う。
「陽はまた昇る」
監督:秋山純、今井和久
脚本:井上由美子
出演:佐藤浩市、三浦春馬、池松壮亮、真矢みき、橋爪功
物語の骨子は、警視庁警察学校を舞台にした青春・人間ドラマで、おそらくは「愛と青春の旅立ち」を念頭に置いているのではないか、と思う。
つまり、佐藤浩市がルイス・ゴセット・ジュニアで、三浦春馬がリチャード・ギアね。
まだ第3話目だけど、多分訓練生の誰かがあとで自殺すると思うよ。
あとは最終回は卒業式でみんな泣くよ。きっと。
敬礼の件もあるかもね。
さて、今日の本題。
第3話は、警察官から拳銃を奪って逃走した男のニュースを背景に、警視庁警察学校では訓練生に対し拳銃貸与式があったり、初めての射撃の訓練があったりと、拳銃にまつわるエピソードが描かれている。
1.あれが射撃場だとは思えない
警察官が射撃訓練をするシーンをわたしたちは映画やドラマで目にする機会が多い。
射撃場は、射座(射手が射撃をする場所)は壁と天井で一人ずつ区切られており、隣の人たちに物理的に銃を向ける事が出来ない構造になっている。
また、射撃訓練用の標的もレール等で自動的に手元に戻ってくるシステムで、射座と標的の間には人が絶対に入れない構造になっている。
しかし、「陽はまた昇る」の警察学校の射撃場は、天井の高い広い部屋に長テーブルを置いたような摩訶不思議な空間だった。
また、射撃後の標的は、回収する仕組みが見当たらなかったので、多分人間が回収するのだろうと思う。
撃ち方やめー、これより標的を回収する。
とかやるのだろうか。
更に、標的に向かって左側には階段があり、右奥には普通の通路が続いている。
背面は窓だったように記憶している。
射撃場に、つまり拳銃や弾薬が転がっている場所に、誰でも入れるような構造に描写されているのだ。
素人目に見ても、あんな危ない射撃場はないだろう。
ライフル銃の射撃場でさえ、つまり長くて取り回しにくい銃の射撃場でも、物理的に隣の人を狙えない構造になっているのに、拳銃の射撃訓練をするというのに、あんな構造、隣だろうが何だろうが狙い放題の射撃場は考えられない。
リアリティがどうのこうの、と言うより製作サイドとして、真摯にドラマに向かっていない、と思えてならない。
2.拳銃について教育を受けていない訓練生
第3話では、射撃訓練後に薬莢がひとつ紛失する。
これが大きなドラマに発展していくのだ。
ところで、わたしは大学時代に、自主制作映画のため、大学のライフル射撃部の射撃場で撮影をした事がある。
その撮影の際、射撃場について最初に行われたのは射撃場及びライフル銃に関する注意事項の説明だった。
と言うか、それはほとんど講習だった。
勿論、撮影には実際のライフル銃を使用したため、銃の危険性と銃の取扱い、射撃場においての立ち居振る舞い、また、立って良い場所と絶対に立ってはいけない場所。
当然実際に弾丸は発射できないよう、ライフル銃のボルトは抜いてあり、盗難や事故防止用にライフル銃はワイヤーロックで射撃場にくくられた状態で撮影が行われた。
また、基本的にライフル射撃部員が、常にライフル銃を保持していた。撮影中もカメラに映らないように。
撮影サイドとしては、銃口を真正面からとらえる画も欲しかったのだが、当然の如く、ライフル射撃部サイドに拒否された。
何を言っているかと言うと、ただ単に、ライフル射撃場で撮影をするだけで、いろいろな説明や注意事項等のレクチャーを受け、ライフル射撃部員の指導のもと、撮影が行われたのだ。
しかし「陽はまた昇る」の警察学校の訓練生は、拳銃貸与式が行われ、射撃訓練が行われているのに、拳銃の危険性や重要性の教育を受けていないようなのだ。
何も知らないばかどもが、射撃の訓練をしているとしか思えない。
ドラマで描かれていなくとも、ドラマの背景に拳銃についての教育や講義が行われている様子が皆無なのだ。
先ずは、射撃姿勢がみんなばらばらだったのには驚いた。
両手で拳銃を腰だめで構えている者、視線を拳銃越しに標的に向けている者、片手で拳銃を構えている者。
基本の射撃姿勢の講義や訓練はなかったのか。
さらに、薬莢が紛失した理由が酷すぎる。
「ひとつくらいなら薬莢を記念に持ち帰っても、大丈夫だと思った」
どっか外国の射撃場に行った旅行者かよ。
もう、一般人よりレベルが低い。
警察官になろうとしている訓練生とは全く思えない。
その辺にいる中学生ですら、この日本の社会において、警察官の拳銃の薬莢がなくなったらやばいと思うんじゃねーの。
警察学校の訓練生のモラルや意識が低すぎるのだ。
ドラマなので、これから意識やモラルを学ぶのかも知れないが、彼らは少なくても、警察官になろうとして警察学校に入学しているはずなのだ。
しかも入学から一体どれくらいの期間が経っているのか。
昨日入学したのかよ。
3.セキュリティ教育が行われていない
薬莢が紛失した事を警察学校の大食堂で大声で議論するばか者ども。
他のクラスに事故の情報が漏えいして大問題になるぞ。
そんな意識は誰も持ち合わせておらず、おそらくは警察学校の授業ではセキュリティ教育すら受けていないのだろう。
本当にばか。
4.賞罰委員会もないのね
結局は薬莢を窃盗した訓練生の顛末書と指導教官の報告書が学校長に提出され、その場で処分が決定した。
これは恐ろしい。
報告書も何も読まずに、窃盗した訓練生には1ケ月間の外出禁止と指導教官には1ケ月の減俸の処分が決定した。どうなっているのか。
5.飲み屋がマンションの一室
まあたいした話ではないのだが、不思議だったのは、石野真子が経営している飲み屋がマンションの対面カウンターみたいなつくりだった。
佐藤浩市と真矢みきが飲んでいたのは、誰かの自宅かと思ったよ。
6.大学時代の射撃大会で優秀な成績を・・・・
警察学校に入ってしばらく経っている設定だと思うのだが、射撃訓練後に池松壮亮が大学時代に射撃部にいて、全国2位だか3位になったことを知るクラスメイトって何よ。
おかしすぎる。
池松壮亮は別に射撃部で全国大会で上位入賞したことを隠しているそぶりはなかったのに、情報の伝達スピードが遅すぎる。
7.拳銃を撃てないやつは辞職勧告だ
これは「愛と青春の旅立ち」のDOR(任意除隊)ですね。
8.ペットボトルのゴミ箱が
ラウンジみたいなところで、訓練生同士が殴りあいの喧嘩になるんだけど、殴られて吹っ飛んだ先にはペットポトルがたくさん入ったゴミ箱があり、それをぶちまけるんだけど、なぜか全てのペットポトルがきれいにフィルムが剥がされていた。
だからどう、と言う話ではないのだが、そこまでして、つまりリアリティを無くしてまでペットボトルのゴミ箱が吹っ飛ぶ様を撮りたかったのか?
まあ、そんな感じですね。
テクニカルアドバイザーとかいなかったんですかね。
脚本家も世の中の事、と言うか一般常識と言うか、一般の人がどう感じているのか、と言う点が超弱いですね。
そんな訳で来週も観てみようかと思いました。
ツイッターをやったり電話をかけながら見ていたので間違いがあるかも知れません。
間違いがあったら教えてくださいね。
とっても驚いたので、驚いた点を紹介したいと思う。
「陽はまた昇る」
監督:秋山純、今井和久
脚本:井上由美子
出演:佐藤浩市、三浦春馬、池松壮亮、真矢みき、橋爪功
物語の骨子は、警視庁警察学校を舞台にした青春・人間ドラマで、おそらくは「愛と青春の旅立ち」を念頭に置いているのではないか、と思う。
つまり、佐藤浩市がルイス・ゴセット・ジュニアで、三浦春馬がリチャード・ギアね。
まだ第3話目だけど、多分訓練生の誰かがあとで自殺すると思うよ。
あとは最終回は卒業式でみんな泣くよ。きっと。
敬礼の件もあるかもね。
さて、今日の本題。
第3話は、警察官から拳銃を奪って逃走した男のニュースを背景に、警視庁警察学校では訓練生に対し拳銃貸与式があったり、初めての射撃の訓練があったりと、拳銃にまつわるエピソードが描かれている。
1.あれが射撃場だとは思えない
警察官が射撃訓練をするシーンをわたしたちは映画やドラマで目にする機会が多い。
射撃場は、射座(射手が射撃をする場所)は壁と天井で一人ずつ区切られており、隣の人たちに物理的に銃を向ける事が出来ない構造になっている。
また、射撃訓練用の標的もレール等で自動的に手元に戻ってくるシステムで、射座と標的の間には人が絶対に入れない構造になっている。
しかし、「陽はまた昇る」の警察学校の射撃場は、天井の高い広い部屋に長テーブルを置いたような摩訶不思議な空間だった。
また、射撃後の標的は、回収する仕組みが見当たらなかったので、多分人間が回収するのだろうと思う。
撃ち方やめー、これより標的を回収する。
とかやるのだろうか。
更に、標的に向かって左側には階段があり、右奥には普通の通路が続いている。
背面は窓だったように記憶している。
射撃場に、つまり拳銃や弾薬が転がっている場所に、誰でも入れるような構造に描写されているのだ。
素人目に見ても、あんな危ない射撃場はないだろう。
ライフル銃の射撃場でさえ、つまり長くて取り回しにくい銃の射撃場でも、物理的に隣の人を狙えない構造になっているのに、拳銃の射撃訓練をするというのに、あんな構造、隣だろうが何だろうが狙い放題の射撃場は考えられない。
リアリティがどうのこうの、と言うより製作サイドとして、真摯にドラマに向かっていない、と思えてならない。
2.拳銃について教育を受けていない訓練生
第3話では、射撃訓練後に薬莢がひとつ紛失する。
これが大きなドラマに発展していくのだ。
ところで、わたしは大学時代に、自主制作映画のため、大学のライフル射撃部の射撃場で撮影をした事がある。
その撮影の際、射撃場について最初に行われたのは射撃場及びライフル銃に関する注意事項の説明だった。
と言うか、それはほとんど講習だった。
勿論、撮影には実際のライフル銃を使用したため、銃の危険性と銃の取扱い、射撃場においての立ち居振る舞い、また、立って良い場所と絶対に立ってはいけない場所。
当然実際に弾丸は発射できないよう、ライフル銃のボルトは抜いてあり、盗難や事故防止用にライフル銃はワイヤーロックで射撃場にくくられた状態で撮影が行われた。
また、基本的にライフル射撃部員が、常にライフル銃を保持していた。撮影中もカメラに映らないように。
撮影サイドとしては、銃口を真正面からとらえる画も欲しかったのだが、当然の如く、ライフル射撃部サイドに拒否された。
何を言っているかと言うと、ただ単に、ライフル射撃場で撮影をするだけで、いろいろな説明や注意事項等のレクチャーを受け、ライフル射撃部員の指導のもと、撮影が行われたのだ。
しかし「陽はまた昇る」の警察学校の訓練生は、拳銃貸与式が行われ、射撃訓練が行われているのに、拳銃の危険性や重要性の教育を受けていないようなのだ。
何も知らないばかどもが、射撃の訓練をしているとしか思えない。
ドラマで描かれていなくとも、ドラマの背景に拳銃についての教育や講義が行われている様子が皆無なのだ。
先ずは、射撃姿勢がみんなばらばらだったのには驚いた。
両手で拳銃を腰だめで構えている者、視線を拳銃越しに標的に向けている者、片手で拳銃を構えている者。
基本の射撃姿勢の講義や訓練はなかったのか。
さらに、薬莢が紛失した理由が酷すぎる。
「ひとつくらいなら薬莢を記念に持ち帰っても、大丈夫だと思った」
どっか外国の射撃場に行った旅行者かよ。
もう、一般人よりレベルが低い。
警察官になろうとしている訓練生とは全く思えない。
その辺にいる中学生ですら、この日本の社会において、警察官の拳銃の薬莢がなくなったらやばいと思うんじゃねーの。
警察学校の訓練生のモラルや意識が低すぎるのだ。
ドラマなので、これから意識やモラルを学ぶのかも知れないが、彼らは少なくても、警察官になろうとして警察学校に入学しているはずなのだ。
しかも入学から一体どれくらいの期間が経っているのか。
昨日入学したのかよ。
3.セキュリティ教育が行われていない
薬莢が紛失した事を警察学校の大食堂で大声で議論するばか者ども。
他のクラスに事故の情報が漏えいして大問題になるぞ。
そんな意識は誰も持ち合わせておらず、おそらくは警察学校の授業ではセキュリティ教育すら受けていないのだろう。
本当にばか。
4.賞罰委員会もないのね
結局は薬莢を窃盗した訓練生の顛末書と指導教官の報告書が学校長に提出され、その場で処分が決定した。
これは恐ろしい。
報告書も何も読まずに、窃盗した訓練生には1ケ月間の外出禁止と指導教官には1ケ月の減俸の処分が決定した。どうなっているのか。
5.飲み屋がマンションの一室
まあたいした話ではないのだが、不思議だったのは、石野真子が経営している飲み屋がマンションの対面カウンターみたいなつくりだった。
佐藤浩市と真矢みきが飲んでいたのは、誰かの自宅かと思ったよ。
6.大学時代の射撃大会で優秀な成績を・・・・
警察学校に入ってしばらく経っている設定だと思うのだが、射撃訓練後に池松壮亮が大学時代に射撃部にいて、全国2位だか3位になったことを知るクラスメイトって何よ。
おかしすぎる。
池松壮亮は別に射撃部で全国大会で上位入賞したことを隠しているそぶりはなかったのに、情報の伝達スピードが遅すぎる。
7.拳銃を撃てないやつは辞職勧告だ
これは「愛と青春の旅立ち」のDOR(任意除隊)ですね。
8.ペットボトルのゴミ箱が
ラウンジみたいなところで、訓練生同士が殴りあいの喧嘩になるんだけど、殴られて吹っ飛んだ先にはペットポトルがたくさん入ったゴミ箱があり、それをぶちまけるんだけど、なぜか全てのペットポトルがきれいにフィルムが剥がされていた。
だからどう、と言う話ではないのだが、そこまでして、つまりリアリティを無くしてまでペットボトルのゴミ箱が吹っ飛ぶ様を撮りたかったのか?
まあ、そんな感じですね。
テクニカルアドバイザーとかいなかったんですかね。
脚本家も世の中の事、と言うか一般常識と言うか、一般の人がどう感じているのか、と言う点が超弱いですね。
そんな訳で来週も観てみようかと思いました。
ツイッターをやったり電話をかけながら見ていたので間違いがあるかも知れません。
間違いがあったら教えてくださいね。
コメント