味噌汁に目薬を垂らす女
2004年6月18日 日常 コメント (2)先日、池袋の「大戸屋」で食事をしたのだが、その時わたしの向かい側の席に座っていた女が怪しい行動を取っていた。
その女は、なんと自分の味噌汁に目薬をポタポタと垂らしていたのだ。
いけないモノを見てしまった人よろしく、わたしは慌てて目をふせてしまった。
飲物に目薬を垂らすと言えば、昔は女性の飲物に目薬を垂らすと、酔いが回って、足腰が立たなくなり、意識が朦朧としてくる、というような都市伝説があるが、あくまでもこの都市伝説は、意中の相手や嫌な相手を朦朧とさせるために使う業なのだ。※1
しかしその「大戸屋」の目薬女は、自分で自分の味噌汁の中に目薬をポタポタと垂らしている。
自分で自分の意識を朦朧とさせようとするとは、一体全体どういう女なのだろう。
その時わたしは、もしかすると味噌汁に垂らすとトリップ出来る新手のドラッグが開発されたのかな、と思ったりしていたのだが、『「大戸屋」の味噌汁にドラッグを垂らしてトリップする女性の図』はあまりにもイケテいないので、というより「味噌汁限定のドラッグ」となると確かにコンセプトとしては面白いのだが、ほとんどお笑いに近い訳で、わたしの思い違いだと言う事にしてその案は却下する事にした。
そこで原点に立ち返り、やはり自分を朦朧とさせるための作戦だろうと、確信したわたしは次のようなことを考え始めていた。
もしかすると「大戸屋」の店員に好きな男でもいるのだろうか。
この女、意識が朦朧とした状態で好きな店員にしなだれかかるつもりだろうか。
「アレ〜」倒れる女
「お、お客さん、だっ、大丈夫ですか」女のそばに駆け寄り、抱き起こす店員
「わたし、どうしたのかしら」朦朧とした焦点の合わない目で店員を見つめる女、見つめ返す店員
「お客さん・・・・」
「店員さん・・・・」恋に落ちる二人
いや、それより、例えばわたしのような近くに居る客に介抱されたいのだろうか。
「アレ〜」倒れる女
「だっ、大丈夫ですか、かっ、かっ、かっ・・・・」全ての客が立ち上がり女のそばに駆け寄り、先を争って抱き起こす客たち
「わたし、どうしたのかしら」朦朧とした焦点の合わない目で近くの客を順番に見つめる女、見つめ返す全ての客
「おぜうさん、さん、さん、さん・・・・」恋に落ちる一同
だとすると誰でもいいのか。もしかすると寂しい女なのか。
わたしの頭の中は、妄想のオーバードライブで破裂寸前なのだ。
頭の中で、そんなブレイン・ストーミングが始まったのを尻目に、その女は猛然と食事をはじめた。
そんな彼女が食べていたのは、ヘルシーな焼き魚定食だった。
わたしは彼女が食事を進めるうちに、もしかすると意識朦朧としてくるかな、と期待してチラ見していたのだが、そういう気配は皆無だった。
逆にその女は、食事が進むにつれ、なんだが元気になっていくようにも見えてきた。
そうこうしているうちに、食事を済ませたその女は何事も無かったかのように、「大戸屋」店内にわたしを残して店を出て行ってしまった。
その女を追いかけ、麻薬不法所持で任意同行していただく案もあったのだが、既にわたしの灰色の脳細胞は、彼女が味噌汁に目薬を垂らしていた正しい理由にたどり着いてしまっていたのである。
賢明な読者諸氏は既にお気づきの事だと思うのだが、彼女はただ単に「にがりダイエット」をしていただけなのである。
そして、かく言うわたしは食事をしながら、とっても楽しいひと時を過ごすことが出来た、ということなのである。
※1 因みにこれは、現在の目薬には含まれていないのだが、「ロートエキス(スコポラミン)」という神経麻痺剤に由来する都市伝説のようである。
その女は、なんと自分の味噌汁に目薬をポタポタと垂らしていたのだ。
いけないモノを見てしまった人よろしく、わたしは慌てて目をふせてしまった。
飲物に目薬を垂らすと言えば、昔は女性の飲物に目薬を垂らすと、酔いが回って、足腰が立たなくなり、意識が朦朧としてくる、というような都市伝説があるが、あくまでもこの都市伝説は、意中の相手や嫌な相手を朦朧とさせるために使う業なのだ。※1
しかしその「大戸屋」の目薬女は、自分で自分の味噌汁の中に目薬をポタポタと垂らしている。
自分で自分の意識を朦朧とさせようとするとは、一体全体どういう女なのだろう。
その時わたしは、もしかすると味噌汁に垂らすとトリップ出来る新手のドラッグが開発されたのかな、と思ったりしていたのだが、『「大戸屋」の味噌汁にドラッグを垂らしてトリップする女性の図』はあまりにもイケテいないので、というより「味噌汁限定のドラッグ」となると確かにコンセプトとしては面白いのだが、ほとんどお笑いに近い訳で、わたしの思い違いだと言う事にしてその案は却下する事にした。
そこで原点に立ち返り、やはり自分を朦朧とさせるための作戦だろうと、確信したわたしは次のようなことを考え始めていた。
もしかすると「大戸屋」の店員に好きな男でもいるのだろうか。
この女、意識が朦朧とした状態で好きな店員にしなだれかかるつもりだろうか。
「アレ〜」倒れる女
「お、お客さん、だっ、大丈夫ですか」女のそばに駆け寄り、抱き起こす店員
「わたし、どうしたのかしら」朦朧とした焦点の合わない目で店員を見つめる女、見つめ返す店員
「お客さん・・・・」
「店員さん・・・・」恋に落ちる二人
いや、それより、例えばわたしのような近くに居る客に介抱されたいのだろうか。
「アレ〜」倒れる女
「だっ、大丈夫ですか、かっ、かっ、かっ・・・・」全ての客が立ち上がり女のそばに駆け寄り、先を争って抱き起こす客たち
「わたし、どうしたのかしら」朦朧とした焦点の合わない目で近くの客を順番に見つめる女、見つめ返す全ての客
「おぜうさん、さん、さん、さん・・・・」恋に落ちる一同
だとすると誰でもいいのか。もしかすると寂しい女なのか。
わたしの頭の中は、妄想のオーバードライブで破裂寸前なのだ。
頭の中で、そんなブレイン・ストーミングが始まったのを尻目に、その女は猛然と食事をはじめた。
そんな彼女が食べていたのは、ヘルシーな焼き魚定食だった。
わたしは彼女が食事を進めるうちに、もしかすると意識朦朧としてくるかな、と期待してチラ見していたのだが、そういう気配は皆無だった。
逆にその女は、食事が進むにつれ、なんだが元気になっていくようにも見えてきた。
そうこうしているうちに、食事を済ませたその女は何事も無かったかのように、「大戸屋」店内にわたしを残して店を出て行ってしまった。
その女を追いかけ、麻薬不法所持で任意同行していただく案もあったのだが、既にわたしの灰色の脳細胞は、彼女が味噌汁に目薬を垂らしていた正しい理由にたどり着いてしまっていたのである。
賢明な読者諸氏は既にお気づきの事だと思うのだが、彼女はただ単に「にがりダイエット」をしていただけなのである。
そして、かく言うわたしは食事をしながら、とっても楽しいひと時を過ごすことが出来た、ということなのである。
※1 因みにこれは、現在の目薬には含まれていないのだが、「ロートエキス(スコポラミン)」という神経麻痺剤に由来する都市伝説のようである。