さて、早速ですが2004年の目標の中間発表その4です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#016 「下妻物語」日劇2 2004/04/01
#017 「家族ゲーム」日劇2 2004/04/05
#018 「犬と歩けば チロリとタムラ」銀座ガスホール 2004/04/13
#019 「転校生」日劇2 2004/04/16
#020 「フォーチュン・クッキー」ヤクルトホール 2004/04/19
#021 「Re:プレイ」サイエンスホール 2004/04/23
#022 「永遠のモータウン」千代田区公会堂 2004/04/27
#023 「スイミング・プール」九段会館ホール 2004/04/30

2.DVD、CATV等

#048 「形見(短編)」CATV 2004/04/06
#049 「尾道(短編)」CATV 2004/04/06
#050 「ガメラ対深海怪獣ジグラ」CATV 2004/04/06
#051 「PARTY7」CATV 2004/04/07
#052 「天気予報(短編)」CATV 2004/04/08
#053 「あの、夏の日 ーとんでろ じいちゃんー」CATV 2004/04/08
#054 「喰べた人(短編)」CATV 2004/04/08
#055 「Complexe(短編)」CATV 2004/04/08
#056 「人間の証明」CATV 2004/04/09
#057 「TOKYO EYES」CATV 2004/04/09
#058 「あした」CATV 2004/04/14
#059 「鮫肌男と桃尻女」CATV 2004/04/14
#060 「野良犬」CATV 2004/04/17
#061 「用心棒」CATV 2004/04/24
#062 「はるか、ノスタルジィ」CATV 2004/04/24
#063 「ふたり」CATV 2004/04/25
#064 「ブルース・ブラザース」CATV 2004/04/29

3.読書

#013 「野獣死すべし」大藪春彦著 角川文庫 2004/04/04
#014 「贈られた手 家族狩り 第三部」天童荒太著 新潮文庫 2004/04/10
#015 「ザ・スタンド(I)」スティーヴン・キング著 深町眞理子訳 文春文庫 2004/04/22
#016 「巡礼者たち 家族狩り 第四部」天童荒太著 新潮文庫 2004/04/30

映画は、劇場8本(累計23本)、DVD等17本(累計64本)で、計25本(累計87本)。
このままのペースで、年間261本(劇場69本)です。

読書は4冊(累計16冊)で、このままのペースでは、年間48冊です。

状況は厳しいですし、先は長いですが頑張ります。

※ 参考 昨年同時期の状況
映画 89本(劇場30本)
読書 29冊
2004/05/01は「映画の日」だった。
という訳で「キル・ビルVol.2」と「スクール・オブ・ロック」を観た。

で今日は話題の「スクール・オブ・ロック」のお話。

ロック魂を全身で体現するギタリスト、デューイ・フィン(ジャック・ブラック)。
しかし、スデージ上でのそのあまりの破天荒ぶりがアダとなり、バンド・バトルを目前にして、自分が作ったバンド(ノー・ヴァカンシー)のメンバーからクビを宣告されてしまう。
ついでに、家賃滞納のため、居候している親友ネッド(マイク・ホワイト)のアパートからも退去勧告をされてしまった。

そんな中、ネッドのアパートに名門私立小学校ホレス・グリーン学院から臨時教師の話が舞い込む。電話に出たデューイはお金欲しさからネッドになりすまし臨時教師の職に就いてしまう。

その小学校はマリンズ校長(ジョーン・キューザック)のもと、厳しい管理教育がなされ、従順な生徒たちにはまるで覇気も個性も感じられなかったが、まともに授業する気もないデューイにとってそれはどうでもいいことだった。

しかし、生徒たちの音楽の授業を垣間見、自分の生徒たちが音楽の才能にあふれていると知ったデューイには、とんでもないアイデアが浮かぶのであった・・・・。

本作「スクール・オブ・ロック」は、一言で言うと、一般の映画ファンはもとより、音楽好き、ロック好きに特に自信を持っておすすめできる大変素晴らしいコメディ映画である。

キャストはなんと言っても、「愛しのローズマリー」、「ハイ・フィデリティ」などで最近話題のジャック・ブラック(デューイ・フィン役)のロック魂をアピールする怪演振りが素晴らしい。
そのキャラクター造型の根底には、勿論ロックを含めた全ての音楽に対する愛情に満ちているのだ。
冒頭のステージ・アクトから、ロック魂全開で、中盤のロック教師としての生徒たちとの絆作り、そしてラストのバンド・バトルまで、全てが楽しいのだ。

一方、本作の脚本家でもあるマイク・ホワイト(ネッド役)の優柔不断振りも、相対的にジャック・ブラックの演技を際立たせている。
かつて、パンク・ロックに明け暮れていたが、現在は更正(?)し、夢を諦めた青年を好演している。
そしてマイク・ホワイトが演じる、バンド・バトルからエンディングに向けての心の動きが、実は夢を諦めてサラリーマン生活をしている多くの一般観客の羨望を体現する仕組みになっているのだ。

また、マリンズ校長を演じるジョーン・キューザックは、舞台女優としてのキャリアと「サタデー・ナイト・ライブ」からはじまるコメディエンヌとしてのキャリアを持つ才媛である。
ロックを愛しているりだが、その気持ちを押さえ、名門小学校の理想的で厳格な校長役を演じる、という複雑なキャラクターを見事に演じている。
コメディエンヌとしての役柄を振られているため、一見するとベタなキャラクター設定のような印象を受けるが、それは仕方ないことであろう。

ロック・バンド「スクール・オブ・ロック」のメンバーは、実際に音楽的素養のある子供たちを対象としたオーディションで発掘された子供たちである。
一見すると、ありがちなハリウッド的子役(インタビューすると妙に大人びた語りを持つ子供たち)と、リアリティを持った一般の小学生ぽい子役がチームを組んだような構成になっている。
とは言うものの、本作では一般的なハリウッド子役ではなく、本当に普通の小学生たちが演じているような、ドキュメンタリー作品的な印象を受ける。
個々の子役俳優達についてのコメントは割愛するが、全ての子役たちは良い仕事をしている。

物語の根本は、語弊があるが「社会に適応できないロック・バカが、学校や生徒たちを騙して、自分のために子供たちを利用しバンド・バトルに出場する。」というものである。

従って、本作には、厳しく言うと、ジャック・ブラック演じるデューイ・フィンの「人を騙して自分のために利用する」というモラル的問題があるのは否めない事実である。
この点について観客のモラル感が許容できるかどうか、という点にこの映画を楽しめるかどうか、がかかっているのではないだろうか。

この辺については、「ライフ・イズ・ビューティフル」の嘘にも通じる部分があるかもしれない。
その「悲しい嘘」を考えつつ本作「スクール・オブ・ロック」を観るのも興味深いと思う。コメディが一見、子供たちに取って悲しい物語に見えてくるのである。
しかし、現在の子供たちは、そんな環境でも逞しく育っていくのである。

余談だが、エンド・クレジットのライヴ・シークエンスは、オリヴァー・ストーンの「ドアーズ」のエンド・クレジットのレコーディング風景にダブり、面白い効果を映画に与えている。

今年のゴールデン・ウイーク映画は音楽映画が多いのだ。わたしが観ただけでも、
1.「フォーチュン・クッキー」
2.「スクール・オブ・ロック」
3.「永遠のモータウン」
と三本もある。(おすすめ度順)
音楽ファンとしては、嬉しい限りである。
先日お話したように、
2004/05/01映画の日に
「キル・ビル Vol.2」と
「スクール・オブ・ロック」を観た。

で、今日はというと「キル・ビル Vol.2」のお話です。
 
  

「キル・ビル Vol.1」のわたしの評価は、

1.構図や音楽、演出は評価できるが、脚本が単調でつまらない。
2.一部のアクションが冗長で退屈である。

という感じである。
総合的には、「キル・ビル Vol.1」公開当時同様、

『「キル・ビル Vol.2」が公開されていない今、わたしに言えるのは、態度保留ということである。』

というものである。

従って、「キル・ビル Vol.2」で、なんとか脚本の冴えを見せて欲しい。という気持ちでわたしは「キル・ビル Vol.2」を観た訳である。

個人的な第一印象的感想としては、『大変素晴らしい娯楽作品に仕上がっている。』というものである。

わたし達のような従来からのクエンティン・タランティーノ映画ファンの多くは、彼が書く脚本の、伏線やプロット、ディテール、そしてなんと言っても脚本の妙、脚本の冴えを求めているのであろう。

「キル・ビル Vol.1」は、残念ながら脚本ではなく、アクションで物語を紡ぐ、と言った手法をとっていたため、従来のタランティーノ映画ファンに取っては、決して満足の行く作品でなかったと思うのだ。

そして、映画秘宝的、東京ファンタ系ファンを集め、本来のタランティーノ作品の方向性と異なるベクトルを持った「キル・ビル Vol.1」に群がり、スノッブなにわかタランティーノ映画ファンを増やすにいたったのである。

一方「キル・ビル Vol.2」は、脚本が従来のタランティーノ作品のレベルまで達しており、そのため「キル・ビル Vol.1」と「キル・ビル Vol.2」を並べて観た際、物語のストーリー・ラインは充分評価できるもの、となっている。
そう考えた場合、退屈で脚本にひねりの無いつまらない映画「キル・ビル Vol.1」でさえ、映画的記憶のためか、素晴らしい映画に見えてくる。という機能を持っているのである。

わたしが考える「キル・ビル Vol.1」におけるつまらないシークエンスは、
1.オキナワの漫才
2.クレイジー88の退屈で冗長な殺陣
である。

オキナワの漫才は、ユーモアではなく、笑えないコメディのテイストであり、見るに耐えない。
また、クレイジー88の殺陣はユエン・ウーピンの指導とも思えないお粗末なものであった。

しかし本作「キル・ビル Vol.2」は、そういったテイストは皆無で、「キル・ビル Vol.1」のオキナワ以前のテイストを拡大したような印象を受けた。

つまり、「キル・ビル Vol.1」の評価できる部分を拡大したような作品に仕上がっている。ということである。

で、「キル・ビル Vol.2」だが、

先ず、プロットが素晴らしい。
「キル・ビル Vol.1」で棚上げされた幾つかの謎が基本的には全て解明され、脚本的にキッチリした作品に仕上がっている。
また、脚本は最早セリフ・バトルの様相を呈しており、ザ・ブライドとバド、エル、ビル等との、アクションではなく、セリフで戦う様が評価できる。

プロットと言うか伏線で興味深かった点をいくつかあげると、

ザ・ブライドの娘(B.B.)の登場シークエンスでの銃撃戦での娘のセリフ「バン!バン!」が、「キル・ビル Vol.1」のオープニング・クレジットに繋がるところが感動的である。
B.B.という名前は「Ban!Ban!」かな、とさえ思ったりする。
または、二親の名前から来ているのかも、と思ったりもする。

また、生き埋め状態からの脱出シークエンスの方法(ワン・インチ・パンチ/ワン・インチ・ブロー)も伏線として面白い。

パイ・メイには、ビル、ザ・ブライド、エルが師事していた点も面白いし、エルの眼帯の謎や、「キル・ビル Vol.1」の目玉を刳り貫くシークエンスもこれはパイ・メイの指導があった事が暗示されている。
エンディング・クレジット後のおまけ映像にも収録されているし。

バドが半蔵の日本刀を質屋に売った話も良いし、バドのザ・ブライドに対する騙し討ちのショット・ガンも良い。音楽を再開させるところが、バドと言うより、マイケル・マドセンらしい印象を受ける。
そしてバド発案のザ・ブライドの生き埋めや、そこからの脱出シークエンスも良い。(前述のワン・インチ・パンチ/ワン・インチ・ブロー)

また、演出や手法について、面白い点をあげると、

パイ・メイのシークエンスでのフィルムの粒子の粗さや、急なズーム・イン、ズーム・アウト、それにピンボケを重ねるあたりも香港テイストで面白い。

生き埋めシークエンスは観ている方も呼吸困難になってしまうほど、凄まじい効果を観客に与える事に成功している。

ビル邸に向かうザ・ブライドがロング・スカートをはいているのは謎だが、なんとも印象的である。

そしてビル、ザ・ブライド、B.B.の対面シーンが素晴らしい。
涙すら出てしまうほどの感動の再会なのだ。
さらに、ビルのB.B.への生と死の教育手法もタランティーノ節全開の素晴らしいものだった。(金魚の死)

また、ビルとザ・ブライドとの座ったままの殺陣もちょっと短いが興味深い。殺陣の中では、特に日本刀の鞘を使った点が素晴らしい。

長くなったし、まとまりが全く無いので、この辺でやめておきますが、もしかしたら、つづくかも。

「キル・ビル Vol.1」
http://diarynote.jp/d/29346/20031028.html
不運な映画「キル・ビル Vol.1」
http://diarynote.jp/d/29346/20031029.html
ここがダメだよ『キル・ビル Vol.1』
http://diarynote.jp/d/29346/20031114.html
ワ・ヲ・ン
「惑星ソラリス」
http://diarynote.jp/d/29346/20030529.html
「ワー!マイキー リターンズ!」
http://diarynote.jp/d/29346/20040817.html
「笑の大学」
http://diarynote.jp/d/29346/20041119.html

数字
「2001年宇宙の旅<新世紀特別版>」
http://diarynote.jp/d/29346/20040206.html
「2046」
http://diarynote.jp/d/29346/20041127.html
「21グラム」
http://diarynote.jp/d/29346/20040523.html
「69 sixty nine」
http://diarynote.jp/d/29346/20040609.html

英字
「CASSHERN」
http://diarynote.jp/d/29346/20040514.html
「CASSHERN」 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20040516.html
「CODE46」
http://diarynote.jp/d/29346/20040824.html
「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」
http://diarynote.jp/d/29346/20030625.html
「HERO/英雄」
http://diarynote.jp/d/29346/20030828.html
「Laundry」
http://diarynote.jp/d/29346/20030405.html
「LOVERS」
http://diarynote.jp/d/29346/20040728.html
「MAIL〜special version〜」
http://diarynote.jp/d/29346/20040713.html
「Mr.インクレディブル」
http://diarynote.jp/d/29346/20041114.html
「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」
http://diarynote.jp/d/29346/20040815.html
「Ray / レイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20050126.html
「RE:プレイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040423.html
「SURVIVE STYLE5+」
http://diarynote.jp/d/29346/20040910.html
前略、関口現さま/公開ファンレター(「SURVIVE STYLE5+」)
http://diarynote.jp/d/29346/20040923.html
「THE JUON / 呪怨」
http://diarynote.jp/d/29346/20050202.html
「TUBE チューブ」
http://diarynote.jp/d/29346/20041104.html
「ULTRAMAN」
http://diarynote.jp/d/29346/20041207.html

「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」
http://diarynote.jp/d/29346/20031004.html
「ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方」http://diarynote.jp/d/29346/20050128
「ラストサムライ」
http://diarynote.jp/d/29346/20031229.html
「ラブ・アクチュアリー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040607.html
「ラブストーリー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040224.htm


「リザレクション」
http://diarynote.jp/d/29346/20041112.html
「リデイック」
http://diarynote.jp/d/29346/20040707.html
「隣人13号」
http://diarynote.jp/d/29346/20050321.html




「レディ・ウェポン」
http://diarynote.jp/d/29346/20041227.html


「ロックンロールミシン」
http://diarynote.jp/d/29346/20030406.html
「ロスト・イン・ラ・マンチャ」
http://diarynote.jp/d/29346/20031226.html
「ローレライ」
http://diarynote.jp/d/29346/20050302.html
「ローレライ」を考える
http://diarynote.jp/d/29346/20050306.html
「ロング・エンゲージメント」
http://diarynote.jp/d/29346/20050308.html





5月9日、東京メトロ「茅場町」駅定期券売場横で行なわれた「東京メトロお客様感謝イベント」に行ってきた。

このイベントは、「東京メトロ」の新スタートにより、平成16年3月末で幕を閉じた「営団地下鉄」の、今まで63年間親しまれてきた旧Sマークがあしらわれた鉄道部品、オリジナルグッズなどを特別販売するイペントです。
詳細は次の通り。

主催:東京地下鉄株式会社
日程:5月8日(土)9日(日)
時間:10:00〜15:00
場所:日比谷線・東西線茅場町駅定期券売場横
販売:株式会社地下鉄トラベルービス
同時開催:メトロ文化財団「地下鉄博物館」
http://www.tokyometro.jp/event/event_200405.html

5月8日(土)の各メディアでの報道を見ると、鉄道ファンの皆さんで大盛況であることは簡単に想定できたので、とりあえずイベントがスタートする2時間前に到着する、という予定を立てた。

しかし、5分前行動のわたしが、イベント会場に発生していた列の最後尾についたのは、7:30頃(イベントのスタート2時間30分前)だった。
列に着いた直後に回ってきた名簿に氏名を記入した時点で整理番号は290番台だった。
場所は「茅場町」駅と「日本橋」駅の中間よりは「茅場町」駅よりで、ちょうど列の前にお宝グッズの倉庫があり、わたし達の目の前を数多くのお宝グッズが会場へ搬入されていた。
否応無く期待は高まるのであった。

わたしの廻りの人の話を聞いてみると、関東だけではなく、関西や、中部、広島、東北から来ている人達が沢山いた。
あとは、頭数の関係か親子連れで来ている人達が多かった。

しかも、列の最初のほうは、前日8日に購入したと思われるお宝グッズを抱えて並んでいる人が多い。
親子連れで8日から並んでいるとは、どういうことなのであろうか。驚いてしまう。

9:00になると、整理券の配布が行なわれ、わたしは297番だった。
列は「日本橋」駅まで達し、Uターンしてわたしの目前に迫っていた。

噂では、整理券を用意したのが350番くらいまでだったようですが、その時点で列に並んでいるのは800名を超えていたようである。

仕方が無いことであるが、「お一人様一点限り」、「希望の商品が残っていない可能性がある」等が早い時点でアナウンスされていた。

どうせ退屈な時間を過ごすことがわかっていたわたしは、読書用の本と、ゲームボーイ・アドバンスを持っていっていたのである。
待ち時間はそれほど苦にならなかった。

10:00、ほぼ時間どおりイベントはスタートした。
イベント会場に一時に入れる人数は、最初は4名ずつ、しばらく経つと10名ずつ、後半は15名ずつという感じに、一時に商品を選ぶ人数は10名程度で、制限時間は3分程度なので、問題も無くイベントはスムーズに粛々と進んでいった。

一方わたしの方は、イベントスタートから1時間後の11:00頃(だったかな)にイベント会場へ入ることが出来た。
列の後にいて、イベントの状況がわからない時は、全然平常心で落ち着いていたのだが、いざ自分の番が直前になると、平常心が保てなくなり、なんだかドキドキしてしまっていた。
周りの人にも聞いてみたが、みんなそんな感じであった。

会場へ入る際、「営団地下鉄」の定規をもらい、お宝グッズの選択に入った。

わたしは以前「成増」住んでいた事もあり、また現在は「和光市」に住んでいる関係で「和光市」と「営団成増」と表示されているグッズが欲しかったのだ。

因みに今回の「営団地下鉄」から「東京メトロ」への社名変更により「営団成増」は「地下鉄成増」へ、「営団赤塚」は「地下鉄赤塚」へ駅名が変更になっており、「成増」、「赤塚」グッズは結構人気があるようである。

そんな中で選択したのは駅構内に設置されていた「行先表示板」で、しかも「営団赤塚>営団成増>和光市」という、わたし的にはトリプル・ネームのグッズをゲットなのだ。
これは、地下鉄の駅ホームに並ぶと正面の壁に設置されている「行先表示板」で、サイズは、縦23センチ:横155センチでした。

商品を梱包してもらい、列の最後尾へと向う。
別にそのまま帰っても良いのだが、あたればラッキーで、もう一度並ぶことにした。

噂では、列は1000名を超えていたようである。
列の最後尾に着いてのは、11:30頃で、1回目の購入が済み、2回目の購入のために、荷物を持って続々と列の最後尾へと向う人の波が出来ていた。

このまま待っても「路線図」位しか残っていません、という係員のアナウンスがあったが、多くの人は、残っていればラッキー感覚で続々と列に着いていった。

そのうち、列もクローズし、もう列に入ることも出来なくなり、わたしは結局13:00過ぎにイベント会場へ入り、今度は「電車マーク付営団地下鉄入口表示板」を購入した。

最悪「営団地下鉄路線図」または、「有楽町線路線図」かな、と思っていたのだが、欲しかった「電車マーク付営団地下鉄入口表示板」等の大きな「表示板」も沢山残っていた。
これは駅の外に、地下鉄の駅の入り口はここですよ、という感じで設置されているもので、サイズは、縦97センチ:横76センチでした。

あとは「営団地下鉄」のハッピや、「駅名入営団地下鉄入口表示板」等が欲しかったのであるが、まあ、概ねラッキーである。

結局イベント会場には7:30〜13:30位までの6時間居たことになり、食事もせずに、ほぼ立ちっぱなしという状況だった。

疲れはしたが、実りの多い楽しいイベントだった。

「マイ・ボディガード」
http://diarynote.jp/d/29346/20040903.html
「マスター・アンド・コマンダー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040808.html
「マッチスティック・メン」
http://diarynote.jp/d/29346/20031031.html
「マッハ!」
http://diarynote.jp/d/29346/20040718.html
「マトリックス・リローデッド :The IMAX Experience」
http://diarynote.jp/d/29346/20030621.html


「ミスティック・リバー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040613.html
「ミスティック・リバー」と「華氏911」を考える
http://diarynote.jp/d/29346/20040822.html
「未知との遭遇<特別編>」
http://diarynote.jp/d/29346/20030513.html
「ミニミニ大作戦」
http://diarynote.jp/d/29346/20030928.html




「めぐりあう時間たち」
http://diarynote.jp/d/29346/20040108.html
「メダリオン」
http://diarynote.jp/d/29346/20040625.html


「モーターサイクル・ダイアリーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040930.html
「モーターサイクル・ダイアリーズ」その2
http://diarynote.jp/d/29346/20041004.html
「モナリザ・スマイル」
http://diarynote.jp/d/29346/20040726.html
エンキ・ビラルの新作「ゴッド・ディーバ」を観た。

前作の「ティコ・ムーン」を見逃したわたしにとっては、「東京国際ファンタスティック映画祭」で「バンカー・パレス・ホテル」を観て以来のエンキ・ビラル作品である。

海外のコミック・シーンについては、「HEAVY METAL」やなんかの海外雑誌を立ち読みしていた時期もあり、メビウスやビラル、フラゼッタ等のビジュアルや世界観には驚かされていたし、ビラルについては「ブレード・ランナー」や「フィフス・エレメント」等の数々の映画のビジュアル・コンセプトに影響を与えている事でも著名なビラルの自作の映画化ということで、わたしは期待していたのだ。

西暦2095年、人間、ミュータント、エイリアンが共存する混沌とした街ニューヨーク。
セントラルパークには雪と氷で覆われた「侵入口」と呼ばれる謎の空間があり、上空には浮遊する巨大なピラミッドが出現した。

古代エジプトの神々が宿るそのピラミッドの中。鷹の頭とヒトの体を持つ古代エジプトの神ホルスは、他の神アヌビスとバステトから反逆罪による死刑宣告を受けた。
だが、7日間の猶予を与えられたホルスは“ある目的”のため下界に降り、政治犯ニコポル(トーマス・クレッチマン)の体に乗り移って青い髪をした謎の美女ジル・ビオスコップ(リンダ・アルディ)を探し始める・・・・。
ジルを助ける医者エルマ・ターナーにシャーロット・ランプリングが扮する。

とにかく驚いたのは、人間の俳優は3人しか出てこず、後はCGIのキャラクターと生身の俳優との競演と言う凄い手法なのだ。
CGIについては、その表現に若干問題があるが、ビジュアル・コンセプトや美術、発想、イメージが凄いので、まあ良しだと思う。

しかし、そうは言うものの残念なことに、CGIシークエンスはビデオ・ゲームのムービー部分を見ているような気になってしまう感があった。
とは言うものの、本作は編集をきちんとやっているので、繋ぎが上手く行っていないビデオ・ゲームのムービーなんかよりは、カットやシーンだけではなく、きちんと映画として機能するCGIのシークエンスに仕上がっている。

例えば、アニメーション「メトロポリス」がカットやシーンのクオリティは高いのだが、シークエンスとして、または映画としては、ディゾルブの連続で、映画としての一体感が無く、前述のようにディゾルブで繋ぐことしか出来ずに、映画としてのリズムが狂ってしまっているのだが、本作はそんなことはなく、きちんと映画となっている。

そして、ビラルが創出する世界観は予想通りビラル節全開で雰囲気としては『明るく雨が降らない「ブレードランナー」』や『「フィフス・エレメント」冒頭のブルース・ウィリスの家やタクシー』を彷彿とさせる。

また、近未来の技術や描写は、サイバー・パンク系(スチーム・パンクではないがスチーム・パンク系かも)やレトロ・フューチャー的な印象を受けた。

物語については決して大衆受けするものではなく、既にカルトの風格を持っている。
おそらく将来は一種のカルト・ムービーとなってしまうのではないだろうか。

おそらく本作は「CASSHERN」や「アヴァロン」と比較されるのではないだろうか。と思うのだ。
リュック・ベッソン脚本、ジャン・レノ主演と言う点が強調されている感のある「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」を試写会で観た。

本作「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」は、前作である「クリムゾン・リバー」のヒットを受けて、同作のジャン・レノ演じるニーマンス警視のキャラクター設定を継承し、新たな相棒レダ(ブノワ・マジメル)と新たな猟奇連続殺人事件を追う、という、サイコホラー・ポリスアクションである。
共演:クリストファー・リー。
監督:オリヴィエ・ダーン、脚本:リュック・ベッソン

結論から言うと、良くも悪くもリュック・ベッソン脚本作品である。
ここしばらく、自らメガホンを取った作品が評価されずに、制作や脚本を行った作品が評価されている感のあるリュック・ベッソンであるが、本作はベッソンの持つユーモアとギャグではないもののエスカレート・ギャグ的要素を持った過剰描写が前面に押し出されたような印象を受けた。

物語は、ある修道院の壁の中から、人間の死体が出てきた事に端を発し、イエス・キリストの使徒たちと同じ名前、同じ職業を持つ男たちが、修道僧らしき者たちに、次々と殺されていく連続猟奇殺人事件と、謎の修道僧の元締めらしきカルト集団、そして第二次大戦時の建造物をモチーフとした巧妙な物語に仕上がっている。

しかしながら、本作の伏線が単純で謎解きを楽しめる作品には達しておらず、サイコホラーものにしてはアクション指数が高く、サイコホラーとポリスアクションの融合を果たした作品だ、と言えるかもしれない。

特にアクション・シークエンスについては、ブノワ・マジメルと修道僧の追跡劇や格闘、後半の銃撃戦や、スペクタクル・シーンに顕著である。

脚本に若干不可思議な点があるが、おどろおどろしいサイコホラーな雰囲気で観客を呼び、アクションや、スペクタクル・シーンにより、観客にカタルシスを感じさせる、という良質な娯楽作品に仕上がっている。

キャストは、クリストファー・リーがわたしたちの持つクリストファー・リーのイメージを期待通りそのまま演じている。役柄のイメージとしては「テロリスト・ゲーム」と同様の印象を受けた。
ジャン・レノはいつものジャン・レノだったが、ブノワ・マジメルのアクションは結構良かった。アクション俳優としても頑張れるのではないかと思った。

「ベルヴィル・ランデブー」
http://diarynote.jp/d/29346/20050214.html
「ヘルボーイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040922.html


「ボウリング・フォー・コロンバイン」
http://diarynote.jp/d/29346/20030905.html
「僕の彼女を紹介します」
http://diarynote.jp/d/29346/20041130.html
「ぼんち」
http://diarynote.jp/d/29346/20040210.html
「ボーン・スプレマシー」
http://diarynote.jp/d/29346/20050119
「ボーン・トゥ・ファイト(原題)」
http://diarynote.jp/d/29346/20041022.html

「バイオハザードII アポカリプス」
http://diarynote.jp/d/29346/20040823.html
「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」
http://diarynote.jp/d/29346/20031108.html
「ハウルの動く城」
http://diarynote.jp/d/29346/20041117.html
「爆裂都市」
http://diarynote.jp/d/29346/20041107.html
「パッチギ!」
http://diarynote.jp/d/29346/20050113.html
「パニッシャー」
http://diarynote.jp/d/29346/20041103.html
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
http://diarynote.jp/d/29346/20040630.html
「ハルク」
http://diarynote.jp/d/29346/20030817.html
「バレエ・カンパニー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040712.html
「パンチドランク・ラブ」
http://diarynote.jp/d/29346/20031227.html


「ビッグ・フィッシュ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040605.html


「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」
http://diarynote.jp/d/29346/20030522.html
「ファインディング・ニモ」
http://diarynote.jp/d/29346/20031211.html
「ファム・ファタール」
http://diarynote.jp/d/29346/20030830.html
「風雲 ストームライダーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20030709.html
「フォーチュン・クッキー」
http://diarynote.jp/d/29346/20040419.html
「フォーン・ブース」
http://diarynote.jp/d/29346/20031207.html
「フライト・オブ・フェニックス」
http://diarynote.jp/d/29346/20050310.html
「ブラインド・ホライズン」
http://diarynote.jp/d/29346/20041102.html
「ブラザーフッド」
http://diarynote.jp/d/29346/20040616.html

「CASSHERN」

2004年5月14日 映画
宇多田ヒカルの夫紀里谷和明の初監督作品「CASSHERN(キャシャーン)」を観た。

もしかすると、「宇多田ヒカルの夫」という枕詞が全てを語っているかも知れないと思っていたのだが、残念ながらその通りの作品であった。

いきなり余談だが、本作「CASSHERN」が置かれている状況を考えてみよう。

現在、アニメーション以外の日本映画を劇場で見ようとした場合、多くの人の選択肢は、「世界の中心で、愛をさけぶ」と「CASSHERN」の2本であろう。
あとは意表をついて第3の選択肢として「死に花」位だろうか。

ところで、各メディアの「CASSHERN」のプロモーションは、年に何十本も映画を観る映画ファンではなく、年に数本しか映画を観ない層に向かっているような気がするのである。

そして、メディアは「宇多田ヒカルの夫」と枕詞を付けて紀里谷和明を紹介し、日本のプロモーション・ビデオ界では紀里谷和明は屈指の才能の持ち主だとあおり、観客を呼んでいるきらいがあるのだ。

これは、日本映画界だけの問題ではないが、話題性に群がる利害が絡んだメディアが持つ悪い癖ではなかろうか。

事実、以前紹介した「犬と歩けば チロリとタムラ」のような良質な作品(説教臭いし、教育映画的だし、稚拙な部分もあるが)が半年以上の間、配給会社が決まらず、あわや「お蔵入り」というような状況に追いやられてしまう事実がある一方、「宇多田ヒカルの夫」という「話題性」だけで、スポンサーが続々と名乗りを上げ、大作映画が製作、公開され、メディアはこぞって作品とクリエイターの才能を誉めそやし、公開まで延長されてしまっているのだ。

そして、そんなメディアが劇場に呼んだ観客は、年に1本の日本映画として、言い換えるならば、日本映画の代表として「CASSHERN」を観る事になるのだ。
そんな観客は「CASSHERN」を観て一体どう感じるのだろう。
日本映画の新たな才能に希望を見出すのだろうか、それとも紀里谷和明にではなく日本映画に失望するのだろうか。

まあそんな環境の中で「CASSHERN」を観た訳です。

まず、第一印象としては、脚本がひどい、ということです。
映画で重要なのは、手法ではなく、語るべき物語だ、と言う事です。

ひどい部分は沢山あるのですが、わたしが個人的に最悪だと感じたのは、戦いの途中、主人公が自分は「CASSHERN」だ、と名乗る部分です。
物語上では、戦いの前に双方がそれぞれ名乗りをあげるのは、ある意味この映画のひとつの見せ場であり、観客は単純に「格好良いな」と思う部分だと思いますし、「格好良いな」と思わせるように演出されています。

しかし、この物語世界では、『昔「CASSHERN」という神が降臨し民を救った』という伝説がある訳です。
主人公はその伝説を聞いた上で、自分が「CASSHERN」であると名乗る(騙ると言ってもいいでしょう)のです。
自らの事を、最近たまたま生まれ変わったばかりなのに、救世主や神であると騙る、という神経を持った主人公を描写する脚本に驚愕というかあきれてしまいます。

一般的には、戦いが終わり、民衆が喜び、彼は「CASSHERN」だったんだ。と民衆が自然発生的に理解し、ベタですが「キャシャーン・コール」が巻き起こるところを主人公が去っていく的な描写の方が良いのではないでしょうか。
または、「悪魔め!お前のせいだ」とか言われて、民衆に追われるとか。

更に紀里谷和明は、自ら庵野秀明のファンだと自称し、「新世紀エヴァンゲリオン」が好きだと言うのは構わないとしても、「新造人間キャシャーン」を映画化していたら、「新世紀エヴァンゲリオン」が出来ちゃいました、みたいな脚本と描写にはあきれてしまいます。

あとは作品のテーマだとか、監督が言いたい事を、登場人物のセリフで直接的に表現しているのはどうでしょうか。
この脚本には観客が遊ぶべき「行間」も無いし、観客の想像する楽しみを与える婉曲な表現もありません。
あるのは、全て直接的な表現で語ってしまう、舞台劇の独白にも似た構成を持っている脚本なのです。
映像作家だとしたら、セリフではなく映像や描写で語って欲しい
と思うのだ。

つづく・・・・かも。

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス デジタルリマスター版」
http://diarynote.jp/d/29346/20041012.html
「茄子 アンダルシアの夏」
http://diarynote.jp/d/29346/20030730.html


「ニュースの天才」
http://diarynote.jp/d/29346/20040830.html




「ネバーランド」
http://diarynote.jp/d/29346/20041206.html


「ノスタルジア」
http://diarynote.jp/d/29346/20030529.html

「CASSHERN」 その2

2004年5月16日 映画
さて、先日に引き続き「CASSHERN」のお話です。

監督の紀里谷和明のキャリアを前提として「CASSHERN」を考えてみた場合、「CASSHERN」との類似性が高いのは、プレイステーション2用ゲーム「鉄騎」のCFだろうと思われます。

双方の作品には、美術や色彩の方向性、画面に幾何学図形が表示され、登場人物が叫ぶ、という共通点があります。

勿論、音質周りの色彩が比較的豊かな部分は、宇多田ヒカルのPV作品との共通点を見ることが出来ます。

このあたりの演出手法に疑問を感じる点のひとつは、主人公同士の眼が合った際、目から火花(円形の図形)が出、画面中央付近でぶつかり画面周辺にその円形の図形が散る、というエフェクトが表面的に(二次元的に)挿入される。
同様に本編では、幾何学図形が表面的に表示される事が何度も出て来ている。

先日お話した「新世紀エヴァンゲリオン」との関係か、本作「CASSHERN」では、カバラの「生命の木」の円形の図形(セフィロト)らしきものが画面を飛びかう姿が観測できる。

しかし、その幾何学図形の演出意図が明確ではない、というか作品のスタンスと同化していないような違和感を感じるのである。

また色彩を押さえ、明度を調整し、ハレーション気味の映像を使用したり、画面の粒子を粗くしたりしているのだが、これも演出意図が明確ではない。

ビジュアル・コンセプトは模倣や他の作品からの影響は見え隠れするが、独自の世界観を構築しているだけに、不必要なエフェクトをかけることに残念な思いがする。

また、本作はアクション映画というカテゴリーに含まれる訳だが、そのアクションの殺陣が上手くない。
それを誤魔化すためか、アクションが見切れない程カメラは被写体により、また視認出来ないほどの細かいカットの羅列でアクション・シークエンスが展開するのである。

ジェット・リーを主演にした「キス・オブ・ザ・ドラゴン」では、アクションが出来る俳優を起用しながら、アクションが出来ない俳優を起用した場合のように、カメラは被写体に寄り、アクションが見切れない、という問題点があったが、本作はアクションが出来ない俳優を起用し、映像構成や編集で、アクションを誤魔化し誤魔化し見せているのである。

特にラスト近辺の「止め絵」を利用した「ショットガン撮影」風の映像にはガッカリしてしまう。
演出意図はともかく、この手法は自主制作レベルである。

ちょっと観点が違いますが、気になったのは、何度か出てくる回想を表現するカットであるが、これが直接的でわかり易す過ぎ、というか、観客の想像力を信頼していない、というか、行間の描写の必要性と効果を製作者が理解していない、というような印象を受けました。

意味があるなしは別として、映像から得られる情報量は本作「CASSHERN」では高めに設定されているのだが、こういった作品は、製作者サイドの編集作業中は、映像をコマ単位(24フレーム/秒)で確認することが出来る訳だが、実際劇場で本作を観た一般の観客達はコマ単位の映像を視認することは出来ないのである。

否定的な意見をつらつらと書いてきたが、勿論評価できる点もある。

劇場映画第一作とは言え、脚本に関する問題点はあるものの、きちんとライブ・アクションの演出が出来ている、という点です。
これはキャストが自らの与えられた役柄を頑張って演じている、という感もありますが、好意的に考えると監督がきちんと俳優を演出している、ということにもなります。

あとは脚本のラスト近辺の東博士(寺尾聰)と東鉄也(伊勢谷友介)の、東ミドリ(樋口可南子)と上月ルナ(麻生久美子)を挟んだ対話が良かった。
特に東博士(寺尾聰)のラストのセリフが素晴らしい。

またキャストとしては、なんと言っても、及川光博(内藤薫役)だろう。

というか、俳優は若手はともなく、概ね良い仕事をしていると思うのだ。

また、主人公東鉄也(伊勢谷友介)のキャラクターであるが、彼は「都合の悪い部分から逃げるキャラクター」として描かれている。
冒頭の戦場シーン、「僕は戻りたくない」という復活のシークエンス、「この町を救えるか」という問いかけに対する最終的な回答。
そしてこの東鉄也というキャラクターは、「何も出来ないヒーロー」として描かれている感もあります。

また、寺尾聰演じる東博士は、自らの関心事以外には関心を払わない、ステレオタイプ的な科学者として描かれています。

これがラストの名台詞を産んでいるのでしょうかね。

支離滅裂になってきましたね。

「鉄騎」
http://www3.capcom.co.jp/tekki/tk/index.html

「CASSHERN」その1
http://diarynote.jp/d/29346/20040514.html

「トロイ」

2004年5月17日 映画
2004年5月17日(月)、日本武道館で行なわれた「トロイ」の「ジャパン・プレミア」に行って来た。

今回の試写会は一般の試写会ではなく「ジャパン・プレミア」と言うこともあり、レッド・カーペットあり、舞台挨拶ありの近年まれに見る盛大なイベントであった。
勿論、叶野姉妹を始めとしたマスコミ試写会常連の皆さんや話題の皆さんも招待されていた。

気になるゲストであるが、スタッフは、監督のウォルフガング・ペーターゼンをはじめとして、製作のダイアナ・ラスバン、脚本のデヴィッド・ベニオフ等が登場した。
キャストは、ブラット・ピット(アキレス)をはじめとして、エリック・バナ(ヘクトル)、ダイアン・クルーガー(ヘレン)、ローズ・バーン(ブリシィス)と凄いメンバーである。

席は全席指定だったのだが、連れが早くから(13:00頃から、連れの連れは8:00から)並んでいた関係で、中央部の前から6〜7列目位、という舞台挨拶的には最適のポジションだった。

わたしたちは、「トロイ」のバスから出てきたスタッフやキャストがレッド・カーペットを歩くのを少し眺めた後、会場入りし、会場内のスクリーンに投影されているスタッフやキャストがレッド・カーペット券を持っている観客に対しサインをしたり、マスコミに取材を受けたりしている外の生映像を眺めていた。

そのうち、スタッフ&キャストは、日本武道館の正面に「トロイ」の城壁を模して設営された門の前で、一言ずつ挨拶をし、会場入りした。

舞台挨拶は、人数が多かったせいか、またまた一言ずつであった。
こんなに盛大なイベントなのに、一言ずつしか喋らないとは驚きなのである。因みに通訳は戸田奈津子であり、お決まりのフォト・セッションでは司会を差し置き、スタッフ、キャスト、マスコミのカメラ・クルー等を掌握しコントロール下に置いていた。

紀元前12世紀。
エーゲ海における交易の中心地として繁栄を極める都市国家トロイ。
トロイが蓄えるその富は各国の標的となり、長年に渡って戦いが繰り返されていた。
しかし、ある時、トロイと敵対する強国スパルタの王メネラウス(ブレンダン・グリーソン)が和平を申し出た際、事もあろうかトロイの王子の弟パリス(オーランド・ブルーム)によってメネラウスの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)が誘拐される事件が勃発する。
パリスとヘレンは一目会った瞬間互いに恋に落ち、もはやその熱情を抑えることは出来なくなっていたのだ。
しかし、王の権威を汚されたスパルタの指導者たちは、王妃を奪還するため無敵の戦士アキレス(ブラット・ピット)と千隻もの船団をトロイへ差し向けるのだった・・・・。

映画自体は、大変面白い娯楽作品に仕上がっている。
勿論、「ベン・ハー」や「十戒」、「スパルタカス」やなんかの往年の史劇ものと比較すると、残念ながら遜色する点があるが、ここしばらくの史劇系の作品の中ではスケールも大きく、大変面白い娯楽作品に仕上がっている。

とは言うものの、最近の史劇ものの作品では、リドリー・スコットの「グラディエーター」という傑作があるが、物語が波乱に満ち、見せ場のつるべ打ち、画面構成の巧みさ、キャストの豪華さ、重厚感という点で、「グラディエーター」に軍配が上がるのではないだろうか。

やはり本作「トロイ」は、年老いた世代の所謂スターが比較的少なく、重厚感にかけ、ともするとアイドル映画のような印象をも受けてしまう。
また、物語は大きなひとつのプロットに集約されてしまうため、史劇もののお約束の波乱に満ちたストーリー展開という訳にはいかない。
これは、最近話題の脚本家デヴィッド・ベニオフにしても大本のプロットの問題なので、仕方がないだろう。

そんななかでも、「トロイ」のプリアモス王を演じたピーター・オトゥールには感動ものである。「グラディエーター」のオリバー・リードやリチャード・ハリスには残念ながら及ばないが、素晴らしい存在感を感じる。
またスコアもピーター・オトゥールに対するオマージュか「アラビアのロレンス」を髣髴とさせるような旋律とアレンジが含まれたスコアがかかっていた。

キャストは、ブラット・ピットがいかにもというアキレス像を構築する一方、エリック・バナ(ヘクトル)やショーン・ビーン(オデュッセウス)が美味しいところを持っていってしまっている。
ブラット・ピットのギリシャ史劇に対する違和感が盛んに喧伝されていたが、そんなに気になる事はなかった。

ここ数年売り出し中のオーランド・ブルームは、「トロイ」のダメ王子プリスを良い意味で好演し、レゴラス役やウィル・ターナー役で集めたファンをもしかしたら逃してしまうかも知れないのだ。

女性陣は、オーランド・ブルーム(パリス)と恋に落ち、トロイ戦争のきっかけとなるダイアン・クルーガー(ヘレン)は勿論、アポロの神官で、アキレス役のブラット・ピットと絡むローズ・バーン(ブリシィス)が良かった。
「スパルタカス」におけるジーン・シモンズ的な印象を受けた。

ある意味、ローズ・バーンは、観客の視点・観点を代弁する役柄なのであり、置かれた環境にも屈せず、良識を持ちった孤高の役どころとなっている。

アクション・シークエンスは、冒頭のアキレスの戦いやアキレスとヘクトルの戦いが素晴らしかった。
勿論これは、「グラディエーター」と比較されると思うのだが、余裕のあるアキレスが抑えて軽く走るあたりが良かったし、冒頭の一撃も美しい。

しかし、群集による戦闘は特に新しいものを感じなかった。
やはり「指輪物語」以降、あまり驚かされる事がなくなってしまったのではないだろうか。

美術は、なんといっても、「トロイ」の城壁と作戦室(?)だろう。作戦室(?)中央の水盤(?)が美しい。
また帆船も良いのだが、やはり「ベン・ハー」のガレー船と比較するとちとさびしい感がある。
トロイの木馬は思ったより雑だったが、材料を帆船に求めるあたりはリアリティを感じた。

しかし帆船繋がりで、1000隻の帆船で押し寄せる映像はやりすぎの感を受ける。

結論は、映画を普段見ない人にはおすすめの1年に1本の大作映画かと思う。
年に数十本も数百本も映画を見ている人には、それほど勧める訳ではないが、すすめなくともおさえで観ておくべき作品だと思う。

また、これを機に往年の史劇ものを見直してみるのも楽しいと思うのだ。


「テイキング・ライブス」
http://diarynote.jp/d/29346/20040827.html
「鉄人28号 インターナショナル・ヴァージョン」
http://diarynote.jp/d/29346/20041019.html
「デビルマン」
http://diarynote.jp/d/29346/20040905.html
「転校生」
http://diarynote.jp/d/29346/20040416.html
「天国の本屋〜恋火」
http://diarynote.jp/d/29346/20040604.html



「東京ゴッドファーザーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040107.html
「トゥー・ブラザーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040831.html
「独裁者」と「華氏911」を考える
http://diarynote.jp/d/29346/20040819.html
「トーク・トゥ・ハー」
http://diarynote.jp/d/29346/20031217.html
「閉ざされた森」
http://diarynote.jp/d/29346/20030923.html
「ドリーマーズ・ハイ!」
http://diarynote.jp/d/29346/20040729.html
「ドリームキャッチャー」
http://diarynote.jp/d/29346/20030510.html
「トロイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040517.html
「ドーン・オブ・ザ・デッド」
http://diarynote.jp/d/29346/20040611.html

「ダイ アナザー デイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20030423.html
「タイムライン」
http://diarynote.jp/d/29346/20040124.html
「堕天使のパスポート」
http://diarynote.jp/d/29346/20040725.html
「ターミナル」
http://diarynote.jp/d/29346/20041209.html
「ターミナル」に隠された意図 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20041223.html
「ターミナル」に隠された意図 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20041224.html
「ターミナル」に隠された意図 その3
http://diarynote.jp/d/29346/20041228.html
「ターミネーター3」
http://diarynote.jp/d/29346/20030816.html
「丹下左膳 百万両の壺」
http://diarynote.jp/d/29346/20040714.html
「ターンレフト ターンライト」
http://diarynote.jp/d/29346/20040829.html



「血と骨」
http://diarynote.jp/d/29346/20041202.html


東京新橋「ヤクルトホール」で実施された「カレンダー・ガールズ」の試写会に行ってきた。

イギリス、ヨークシャー地方近郊の小さな町ネイプリー。
地元の主婦たちの社交の場はもっぱら地元の婦人会に限られていた。
クリス(ヘレン・ミレン)とアニー(ジュリー・ウォルターズ)もこの婦人会のメンバーだったが、あまりにも平凡すぎる退屈な婦人会に疑問を感じ始めていた。
そんな中、アニーの夫ジョン(ジョン・アルダートン)が白血病で亡くなってしまう。悲しみに暮れるアニーを励ます狙いからクリスは突拍子もないアイデアを口にする。
それはなんと、毎年恒例の婦人会のカレンダーを、自分たち自身をモデルにしたヌード・カレンダーにする、というものだった。
これは園芸の仕事に携わっていたジョンが生前語っていた言葉「草花の生育の過程は、全ての過程でそれぞれ美しいが、一番美しいのは成長しきったときである」に端を発する企画なのだ。
そして、その目的はジョンが生前世話になった地元の病院にやわらかい座り心地の良いソファーを寄附したいというもの。
最初は誰も相手にしなかったが、徐々に有志が集まり始め・・・・。

本作は、1999年、イギリスの小さな田舎町で世界初の「婦人会ヌード・カレンダー」が製作され、30万部を売上げ大きな話題となった実話を基にしたヒューマン・コメディ。

一言で言うと、多くの人、特に女性におすすめできる素晴らしいコメディ映画に仕上がっている。
そしてなにより、この映画のひとつのコンセプトとして「成熟した女性が一番美しい」という視点が込められいるのが大変興味深い。

しかしながら、一言でコメディ映画と言っても、これはイギリス映画、ハリウッド的なコメディのカテゴリーではくくれない、正に一筋縄では行かないイギリス製コメディ映画となっている。

特に印象的なのは、クリスやアニー等がヌード・カレンダーのモデルとしてメディアに大々的に取り上げられた挙句、周りの環境が一変してしまい、悪意や、一山あてようとする人々の大きなビジネスに巻き込まれていくあたりである。

その辺りの描写をエスカレート・ギャグの一種と捉え笑い飛ばすか、人間の富と名声に対する執着の醜さと捉えるかにより、本作は新たな一面を観客に見せることになる。

特に、ジョンの死後アニーが善意で行っている「ある事(ココでは書きませんが)」に対するクリスの辛辣な意見は、映画本編のテイストとかけ離れているが故に、観るものの奥底をえぐるような恐ろしくも素晴らしい効果を上げている。

また、彼女等を取り上げたインタビー番組で、その番組のホストから皮肉や当てこすり、女性蔑視的なジョークの種にされているにもかかわらず、放映されたその番組を見ながら爆笑する彼女等についても、楽しく見るか、悲しく見るかで、このシークエンスの印象は一変するのではなかろうか。
楽しい笑いなのか、自虐的な笑いなのか、ということである。

堅い事をいろいろ書いているが、そんな事を考えなくても、−−勿論その辺を考えた方が、映画自体は輝きを増すのだが、−−本作は大変素晴らしい誰にでもオススメできるイギリス製コメディ映画に仕上がっている。
是非皆さんに見ていただきたい映画の一本なのだ。

「酔画仙」
http://diarynote.jp/d/29346/20041220.html
「スイミング・プール」
http://diarynote.jp/d/29346/20040430.html
「スウィングガールズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040805.html
「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」
http://diarynote.jp/d/29346/20041115.html
「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」
http://diarynote.jp/d/29346/20041010.html
「スクール・オブ・ロック」
http://diarynote.jp/d/29346/20040502.html
「スターシップ・トゥルーパーズ2」
http://diarynote.jp/d/29346/20040702.html
「スチームボーイ」
http://diarynote.jp/d/29346/20040705.html
「スチームボーイ」を弁護する その1
http://diarynote.jp/d/29346/20040812.html
「スチームボーイ」を弁護する その2
http://diarynote.jp/d/29346/20040825.html
「スチームボーイ」を弁護する その3
http://diarynote.jp/d/29346/20040909.html
「スパイダー・フォレスト/懺悔」
http://diarynote.jp/d/29346/20050406.html
「スパイダーマン2」
http://diarynote.jp/d/29346/20040814.html


「セイブ・ザ・ワールド」
http://diarynote.jp/d/29346/20040704.html
「戦争のはじめかた」
http://diarynote.jp/d/29346/20041210.html


「ソウ」
http://diarynote.jp/d/29346/20041105.html

1 2

 
tkr

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索