さて、早速ですが2004年の目標の中間発表その3です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#013 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」ワーナーマイカルシネマズ板橋 2004/03/01
#014 「イノセンス」ワーナーマイカルシネマズ板橋 2004/03/19
#015 「アップルシード」よみうりホール 2004/03/25

2.DVD、CATV等

#027 「アルプスの若大将」CATV 2004/03/02
#028 「HANA−BI」CATV 2004/03/06
#029 「スローターハウス5」CATV 2004/03/07
#030 「助太刀屋助六」CATV 2004/03/07
#031 「どん底」CATV 2004/03/08
#032 「鉄の爪」CATV 2004/03/10
#033 「スイート・スイート・ゴースト」CATV 2004/03/10
#034 「カルテット」CATV 2004/03/15
#035 「スペーストラベラーズ」CATV 2004/03/16
#036 「東京湾炎上」CATV 2004/03/17
#037 「殺し KOROSHI」CATV 2004/03/17
#038 「On Your Mark(短編)」HDD 2004/03/19
#039 「キッドナップ・ブルース」CATV 2004/03/19
#040 「007 黄金銃を持つ男」CATV 2004/03/19
#041 「007 ムーンレイカー」HDD 2004/03/20
#042 「アヴァロン」CATV 2004/03/20
#043 「紅い眼鏡」CATV 2004/03/20
#044 「ケルベロス 地獄の番犬」CATV 2004/03/21
#045 「Talking Head トーキング・ヘッド」CATV 2004/03/21
#046 「ラヴァーズ・キス」CATV 2004/03/21
#047 「静かなる決闘」CATV 2004/03/29

3.読書

#008 「幻世の祈り 家族狩り 第一部」天童荒太著 新潮文庫 2004/03/02
#009 「遭難者の夢 家族狩り 第二部」天童荒太著 新潮文庫 2004/03/08
#010 「招かれざる客」アガサ・クリスティー著 深町真理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2004/03/12
#011 「新5分間ミステリー」ケン・ウェバー著 片岡しのぶ他訳 扶桑社ミステリー文庫 2004/03/17
#012 「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー著 田村隆一訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2004/03/24

映画は、劇場3本(累計15本)、DVD等21本(累計47本)で、計24本(累計62本)。
このままのペースで、年間248本(劇場60本)です。

読書は5冊(累計12冊)で、このままのペースでは、年間48冊です。

例によって何かと忙しく、「2004年の目標」的には正にスロー・スタートの継続中です。
スロー・スタートとは言うものの、実際は先が思いやられる状況で、不安で一杯です。

まあ、先は長いですが頑張ります。

※ 参考 昨年同時期の状況
映画 72本
読書 15冊

「下妻物語」

2004年4月2日 映画
2004/04/01 東京有楽町「日劇2」で行なわれた「下妻物語」の完成披露試写会に行ってきた。

今回の試写は、完成披露ということもあり、監督の中島哲也、主演の深田恭子、土屋アンナの舞台挨拶があった。司会は茨城県出身のTBSアナウンサー斎藤哲也。

完成披露ということであるから、今回の上映はもしかすると、所謂ワールド・プレミアなのかも知れない。

ロリータ・ファッション命の自己中心的マイペース少女桃子(深田恭子)は、自分が愛するブランド・ショップで買物をするため、茨城県下妻から東京代官山まで片道3時間をかけ、頻繁に通っている。
桃子はその大好きなブランドの洋服を買うため、父親が製作した某海外ブランドのコピー商品の販売に手を染めはじめる。
そんなコピー商品を大喜びで買いに来たのは、特攻服姿で原チャリを駆るヤンキー娘イチゴ(土屋アンナ)。
友達になるなんてありえない二人が出会ってしまい・・・・。

監督は、サッポロ黒ラベルのCF(卓球編)やNTT東日本のCF(SMAP出演の「ガッチャマン」編)等を手がけた中島哲也。

本作はCF界で評価されている監督らしく、構図や演出、レンズに色彩、アニメーションや8mmフィルム、誇張された動き等メディア・ミックス的な手法が渾然一体となっている素晴らしい構成になっている。
方向的にはクエンティン・タランティーノの「キル・ビル」的な印象を受けるかもしれないが、洗練の度合いは本作が上かもしれない。

CF上がりということもあり、一般の映画と比較すると、ワンカット、ワンカットの重みを感じる、細かいところまで丁寧に作りこまれた画面が心地よい。
背景やプロップ、美術や勿論俳優の演技に至るまで、カッチリ決まった画面が素晴らしい。
コメディに対する真摯な態度に好感をおぼえる。

物語は、ほぼ全編桃子(深田恭子)のナレーションで進むことになるのだが、その緩急(ボケとツッコミ)を使い分けた小気味良いナレーションが素晴らしい。特に間が素晴らしい。
そんなナレーション以外でも、俳優達が直接カメラ目線で観客に語りかけるあたりも、手法にありがちな違和感や嫌味が全く無く、観客には登場人物との共感と感情移入の度合いを高める、という良い印象を感じる。

キャスト的には、先ず深田恭子であるが、深田恭子とロリータ・ファッションの取り合わせは違和感が無く、というよりイメージぴったりの印象を受ける。
演技的には、従来のドラマや映画と比較すると、一皮向けた新境地を見せてくれている。
アイドルではなく、今後の女優としての成長が楽しみな感じがする。
彼女のひとつの転機となる作品なのかもしれない。

ほぼ演技初体験の土屋アンナは、はっきり言って素晴らしい。
深田恭子を喰ってしまっている。
勿論茨城下妻の地元のレディースの役ということもあり、極端なキャラクターであり、テンションをあげていればそれっぽく見える訳であるが、それにしても素晴らしい存在感があり、今後の成長が楽しみな印象を受けた。

作品自体は、丁寧に作られた良心的な作品であるので、きちんとプロモーションを行って、是非ヒットさせていただきたい、良い映画である。

余談だが、本作からはスタンリー・キューブリックへのオマージュがチラチラと感じられる。

☆☆☆★ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
 
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季節も良くなってきたので、MTBでツーリングに出かけた。

今回のツーリングは、埼玉県(朝霞市かな?)秋ケ瀬公園まで自動車で自転車を運び、そこから森林公園まで繋がっている、荒川自転車専用道路を通り、(埼玉県)吉見町の桜堤で花見をして帰ってくるという、走行距離5〜60キロくらい(多分)のツーリングである。

気候も良くなってきたし、自転車道路ということもあり、自転車に乗っている人が沢山いたのであるが、ほとんどがロードの皆さんでした。

荒川自転車道のような平野の舗装路では、MTBはロードの敵ではなく、MTB的に非常に分が悪いのです。
しかし、わたし達はうだうだ話をしながら、巡航速度時速20キロくらいで走っており、ロードの人にピューっと抜かれると、そのロードの人を追いかけてくっついたまましばらく走り、疲れたらまた巡航速度に戻り後続を待つ。
ということを繰り返しつつ走っていました。
敵ではない、といっても、抜かれるとやっぱり悔しいですからね。

今回のツーリングの目的は、自転車シーズンに向けて、軽く走ってみる、ということでしたから、十分なツーリングでした。

桜堤の桜は満開で凄かったです。
自転車道路の両脇に2キロくらい桜並木が続いているのです。

問題は帰りの向かい風でした。
多分時速10キロ程度しか出ていなかったんじゃないかな。

ラストは寿司屋に行って、お開きでした。

「家族ゲーム」

2004年4月5日 映画
東京有楽町「日劇2」で開催されている、『「キネマ旬報」創刊85周年記念 ATG映画傑作選 −日劇文化とATG映画の時代−』という企画上映会の初日、森田芳光監督作品「家族ゲーム」を観た。

松田優作主演作品「家族ゲーム」は、わたしの生涯の中で、おそらく数十回は観ている作品であるから、今更語る言葉は無い。

だとすると、何故今更「家族ゲーム」を観たのか、という疑問が出てくるのは当然科と思うが、その回答はなんと言っても「家族ゲーム」を劇場のスクリーンで観ることが出来るから、の一点に尽きる。

そんなわたしは学生時代、ATG(「日本アート・シアター・ギルド」)作品を好んでたびたび観ていた。
そう、わたしは前衛的なATG作品を好み、ATG作品を理解したように語り、ATG映画を持ち上げ、所謂商業映画を否定するスノッブな映画ファンだったのである。

本作「家族ゲーム」は、「の・ようなもの」で商業映画デビューを飾った森田芳光の意欲作で、今後のキャリアの第一歩を飾る素晴らしい傑作である。

主演は当時、押しも押されぬアクション・スターとして鳴らしていた松田優作。
松田優作にとっても、本作はその後の文芸系キャリアの第一歩を記す重要な意味を持った作品となるのだ。
因みに森田芳光・松田優作コンビは後年「それから」で再び手を組むことになる。

「それから」で松田優作と対峙するのは、同じく森田芳光製作総指揮の「バカヤロー! 私、怒ってます」や森田芳光監督作品「そろばんずく」で強烈な演技を見せた小林薫。
現在の小林薫のキャリアを形作ったのも森田芳光関係の作品なのだ。
因みに、その「バカヤロー! 私、怒ってます」では、「下妻物語」の中島哲也や「トリック」等の堤幸彦もメガホンをとっている。

先日「下妻物語」の完成披露試写会の話をしたが、わたしは松田優作監督作品「ア・ホーマンス」の完成披露試写会にも行った事があるのを思い出す。
「ア・ホーマンス」という映画製作の経緯や評価はともかく、松田優作と石橋凌らの舞台挨拶は往年の松田優作ファンとしては大変感激した記憶がある。
「ア・ホーマンス」という作品は、当時ARBのバンド活動から俳優への転身を促す作品となっているのも興味深い。
試写会のスポンサーは、当時松田優作がイメージ・キャラクターをしていた飲料メーカーだった。

試写会の土産に貰ったトマト・ジュースは、その日のうちにブラディ・マリーに化けた。

ところで、今回の企画上映のラインナップは次の通り。

「家族ゲーム」
「肉弾」
「股旅」
「祭の準備」
「竜馬暗殺」
「ガキ帝国」
「田園に死す」
「津軽じょんがら節」
「TATTOO(刺青)あり」
「転校生」
「書を捨てよ町へ出よう」
「Keiko」
「お葬式」
「さらば箱舟」
「サード」
東京新宿「LOFT/PLUS ONE」で行なわれた「スタートレックを語ろう 2004春:SF−TV大作戦」というトークライヴに行ってきた。

ホストは岸川靖。
ゲストは丹羽正之、大川透、他。

岸川靖氏は、日本における「スタートレック」や海外ドラマ等の宣教師のような人で、数多くの出版物や、DVDの監修、雑誌の連載記事等の活動を行なっている。

丹羽正之氏は、「スタートレック」のシリーズの日本国内での放送を継続させるために、草の根運動を展開。現在は「スタートレック」関連書籍の翻訳や、原稿書き、監修などを行なっている。

大川透氏は、最近はアニメ「鋼の錬金術師」のロイ・マスタング役等で人気の声優。「スタートレック」ファン(トレッキー)としても有名。
最近はプリクラが貼られた中学生からのファン・レターが急増との事。

トークライヴの今回のテーマは「スタートレック」のライバル達、ということで、海外で放映されている様々なテレビシリーズのビデオを上映しつつ、岸川氏が解説を加える、というもの。
更に「スタートレック」関連の新製品情報や、大人の事情でいろんなことが起きている「スタートレック」を取巻く環境での出来事の情報開示が行なわれた。

特筆すべき点は、ゲストの大川透氏の朗読。
題材は、海外で出版されている「ディープ・スペース・ナイン」(「スタートレック」シリーズの1シリーズ)の後日談的小説。(大川透氏が演じていたキャラクターの独白的コンセプトを持った小説)の冒頭の部分を丹羽正之氏が翻訳したもの。

このキャラクターに対する大川透氏の思い入れも激しいこともあり、大変素晴らしい朗読となった。

本職の声優のこんなに感情を込めた朗読を手が届くほどの距離で聞けたことは、素晴らしい体験だと思う。

実際、「LOFT/PLUS ONE」自体は非常に小さなホール(ステージがある居酒屋)なので、観客は80名位だろうか、アットホームで和気藹々な印象を受けた。

あと、時間も適当で、トークライヴは、18:30スタートで、私たちが帰ったのが、23:30頃だったが、その時はプレゼント争奪のジャンケン大会をやっていた。

わたしは個人的には数百人規模のジャンケン大会でも結構商品を取るタイプなので、今回の数十名規模のジャンケン大会はなんとなく軽い感じで、2度商品をゲットした。

一体何時までやってたのだろうか。

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余談だが、5月に「華麗なるトークII 〜クイーンを語る〜」というトークライヴがあるのだが、これも楽しみなのだ。

出演は劇団☆新感線の右近健一と日本が誇る「クイーン」のクィーン・トリビュート・バンド「グイーン」のヴォーカルであるフレディ波多江。
コンテンツは、華麗なる雑談、華麗なるクィーン自慢、華麗なるウィ・ウィル・ロック・ユー、華麗なる秘蔵映像、等々。

前回のトークライヴでは、濃いクィーン・ファンが大集合。
「雑誌の抽選で当選し、ブライアン・メイと楽屋で膝を突き合わせて雑談した。」、「フレディ・マーキュリー邸の壁に落書きしたら、その落書きがクィーンの写真集に見開きで掲載された。」、「ブライアンに手作りTシャツをプレゼントしたら、次のライヴでそのTシャツを着用してくれた上に、直筆の礼状が届いた。」、「フレディの男女の恋人両方とツーショットの写真を撮ってもらった上に、フレディを紹介してもらい、本人と握手した。」等々。

なんとも愛すべきクイーン・バカの皆さんなのだ。
最近は猫も杓子もクイーン・ファンだが、本当のクイーン好きは本当は凄いのだ!!
東京「銀座ガスホール」で行なわれた「犬と歩けば チロリとタムラ」の完成披露試写会に行ってきた。

完成披露試写会ということもあり、監督の篠崎誠、主演の田中直樹(ココリコ)、りょう、と日本セラピードック協会代表でブルースシンガーで、本人役を演じる大木トオル、そして犬のタムラ(ピース)とチロリ(チロリ)の舞台挨拶があった。

フリーターの岡村靖幸(田中直樹)はコンビニの前で一匹の捨て犬と出会い餌を与える。
犬と別れ、靖幸は同棲している美和(りょう)のアパートへ帰るが、美和は末期ガンの母親と引きこもりの妹の面倒を見るため、アパートを引き払い帰郷することになっていたのだ。
住む場所を失った靖幸。
妹夫婦(吉村由美/puffy、片桐仁/ラーメンズ)の家に泊めてもらうことも出来ず、路頭に迷っていたところ、あの捨て犬と再会する靖幸。
その犬に「タムラ」と名を付け行動を共にし始めた靖幸だが、住む場所も無く公園に居る所を、浮浪者と野犬として警察と保健所に通報されてしまう。
保健所に保護された野犬は処分されてしまう事を知った靖幸は、タムラだけでもなんとかしようと、テレビで見た、セラピードッグの訓練所を訪ねる・・・・

ここ最近「犬」を題材にした映画が多いが、本作はそんな映画の一本である。
しかしながら本作は「犬もの映画」の二匹目のドジョウを狙った作品ではなく、構想2年以上を費やした作品なのだ。
本作が完成したのは昨年秋。半年以上も配給会社が決まらず公開が危ぶまれていたが、ここに来てなんとか公開できる運びとなった。
しかし、大手の配給会社がついている訳ではないし、大きなプロモーションを行なっている訳ではない。

おそらくこの映画には客は入らないと思うが、良質な作品だと言えよう。出来るなら多くの客に見て欲しいものだ。

この時期、もし「クィール」を見ようとしているならば、是非本作「犬と歩けば チロリとタムラ」を見て欲しい。
「クィール」のような映画は、この先見る機会はいくらでもあるだろうが、本作「犬と歩けば チロリとタムラ」は今回見逃すと、もしかすると一生出会えないかもしれない種類の映画なのだ。

ところで、わたしが思うに、この映画の技術は、勿論狙いかも知れないが、なんとも稚拙な印象を受ける。自主制作映画か教育映画のような印象を受ける。
ファースト・カットは、なんとも見事なピンボケから始まるし、編集も、被写体どころか構図もほとんど変わらないのに、カットを変えるような、妙な繋ぎが散見される。
また、セラピードッグのイベントのシークエンスは、ドキュメンタリー的手法を使用しているし、その辺のバランス感覚は映画作品としては、首を傾げてしまうのだ。

そして、脚本はたまたま捨て犬と出合い、犬を助けるためにセラピードッグのトレーナー宅に転がり込み、住み込みでセラピードッグのトレーナーをして、結局はかつての恋人の末期ガンの母親と引きこもりの妹を癒す、というもので、全く都合が良いし、セラピードッグのイベントやなんかは若干説教臭い雰囲気を醸し出している。という難点を持っている。

そんな中で、興味深かったのは、この作品の中で描かれているふたつの「死」である。
その「死」の描写は、完全に抑制されており、その静かで婉曲な「死」の表現は今まで感じたことの無い、静かで穏やかな感動を引き起こすのだ。

また、末期ガンの母親を演じた天光眞弓の演技が凄い。
最早演技とは思えない程の自然さとリアリティの極地なのである。
ドキュメンタリーかとも思えてしまうのだ。

そして、美和(りょう)と妹(藤田陽子)の扉を隔てた長回しの対決も鬼気迫るものがある。
りょうはともかく、引きこもりの自閉症という難しい役所の藤田陽子が素晴らしい。

ココリコの田中直樹は、やはりどうしても「ミラクル・タイプ」のテンションが時々顔を出すのだが、勿論「ミラクル・タイプ」自体、最早俳優達の演技合戦の様相を呈している訳であるが、田中は役柄を危なげなく、そつなくこなしているし、舞台挨拶を通じても、この作品に対しての真摯な態度を感じられる。

本作は傑作ではないし、手放しで誉めるような種類の映画でもないし、説教くさいし、脚本は都合が良いが、見るところも多い良質の映画だと言えるのだ。

「転校生」

2004年4月16日 映画
いまどき、何故「転校生」なのかと言うと、賢明な読者諸氏は既にお気付きのように、東京有楽町「日劇2」で開催されている、『「キネマ旬報」創刊85周年記念 ATG映画傑作選 −日劇文化とATG映画の時代−』という企画上映会で「転校生」が上映されたのだ。
ついでに、今回は監督の大林宣彦と、製作総指揮で当時のATGの代表者佐々木史朗のトーク・ショーがあった。

当日夕刻時点で、わたしは観に行くつもりは無かったのだが、今回の上映を逃すと、今後「転校生」を劇場のスクリーンで観る機会が無いのではないかと思ったので、突然行くことにしたのだ。

わたしは基本的に大林映画が好きである。
勿論、大林映画のいくつかの作品には難点があるし、中にはふざけるな、と思う映画もある。

わたしは、何故大林映画が好きなのか、と考えながら大林宣彦と佐々木史朗のトーク・ショーを聞いていたのだが、ひとつ言える事は多くの大林映画には、陳腐な表現だが「映画というメディアに対する愛」に満ちている、ということである。
更に、大林が選択する多くの題材がノスタルジックな上に予定調和的で、わたしの個人的なひとつの嗜好と合致しているのだと思うのだ。
実は、脚本も練りに練られているし、演出の方向性も伏線を生かした良いものになっている。

そんな中でトーク・ショーに続き「転校生」を観た訳だが、一言で言うと当然ながら素晴らしい作品である。

しかし、この度見直してみると、いくつか気になる点があった。

ひとつは、脚本が急ぎすぎで、感情の機微が表現される度合いが少ないのではないか、と思った。
これはわたしの中で「転校生」のエッセンスが濃縮され、美化されていたものとのギャップがそうさせているせいかもしれない。

もうひとつは、映画の雰囲気が自主制作映画のそれに近い、ということである。

役者は勿論のこと、ATG作品と言えども、機材は35mmを使用した商業映画にカテゴライズされるのであるが、演出はストレートで、また尾道の風景を撮った場面は、語弊はあるが適当な映像に音楽を当てはめているだけ、という、ドキュメンタリーや、フィルムで撮影していた時代の「NHK特集」系のテイストを醸し出しているような印象を受けた。

その手法として成熟していない稚拙な手法が、物語の方向性と相まって、素晴らしい効果をあげているのではないだろうか。

少年時代の記憶に訴えかけるための手法なのかも知れない。

トーク・ショーの中で、「劇場のスクリーンは欠落であり、クリエイターはその欠落を埋めている」、「生物の本能が種の保存であれば、わたしは映画を通して間接的に子育てをしたい」というような発言が興味深かった。
4月24日公開の「コールドマウンテン」に関するお知らせです。

明日4月19日(月)発売の「Weeklyぴあ(4.26号)」に『「コールドマウンテン」スペシャルメイキングDVD』が付いてきます。

その気になるコンテンツは、

1.Journey to Cold Mountain
  (スペシャルメイキング映像 28分30秒)
2.「コールドマウンテン」予告編ショートVer 86秒
3.「コールドマウンテン」予告編ロングVer 2分20秒

因みに、この付録は、

「Weeklyぴあ 4.26号」
「ぴあ関西版 5.6号」
「ぴあ中部版 5.6号」
「DVDぴあ 5月号」

に付いて来る模様です。

おまけのDVDで、メイキングが30分近く収録されているのは、驚きですね。
そのメイキングの内容は、監督やキャストのインタビュー満載のきっちりしたメイキングでした。

スタッフ&キャストでインタビューが収録されているのは次の皆さんです。

アンソニー・ミンゲラ 監督/脚本
ロン・イェルザ 製作
シドニー・ポラック 製作
チャールス・フレイジャー 原作
Tボーン・バネット 音楽監修
スティング 楽曲提供

ジュード・ロウ 出演
ニコール・キッドマン 出演
レニー・ゼルウィガー 出演
ブレンダン・グリーソン 出演
ナタリー・ポートマン 出演
フィリップ・シーモア・ホフマン 出演
ジャック・ホワイト 出演

メイキングの製作はミラマックス・テレビジョンなので、おそらく正規のDVDにも収録されると思います。

因みに、東京有楽町「日劇PLEX」でジュード・ロウの初日舞台挨拶があります。
ジュード・ロウは、当日、TBSの「王様のブランチ」に生出演してから、「日劇」の舞台挨拶に向うことになります。
東京新橋「ヤクルトホール」で行なわれた「フォーチュン・クッキー」の試写会に行ってきた。

一言で言うと、誰にもおすすめできる、大変面白いコメディ映画だった。特に新旧ロック・ファンにおすすめなのだ。

わかりやすく例えるならば、「転校生」ミート「バック・トゥー・ザ・フューチャー」という感じ。

因みに本作「フォーチュン・クッキー」は、1976年のコメディ映画「フリーキー・フライデー」(バーバラ・ハリス、ジョディ・フォスター主演)のリメイク。
本作の原題もそのまま"FREAKY FRIDAY"。

本作は、フォーチュン・クッキーの呪い(?)で、心と体が入れ替わってしまった精神科医の母とロック少女が、お互いの視線でお互いの生活をおくることによる大騒動を描きつつ、次第に相手の気持ちに気づいていく姿をコミカルに描いている。

主演は、ホラーからアクション、コメディまでこなす、「トゥルーライズ」、「ブルー・スチール」のジェイミー・リー・カーティスと全米ティーンのアイドル「ファミリー・ゲーム/双子の天使」のリンゼイ・ローハン。

几帳面で完璧主義者の精神科医テス(ジェイミー・リー・カーティス)は、2日後に再婚相手との結婚を控えていた。
彼女は、高校の反省室常連でロックに夢中な娘アンナ(リンゼイ・ローハン)が再婚相手と打ち解けないことに頭を抱えていた。
一方アンナも、子供の気持ちを理解しない、旧態然とした母親テスに不満を持っていた。その根底には3年前に亡くなった父親をないがしろにして再婚しようとしている母親への確執があった。

結婚式を明後日に控えた日、テスとアンナは、家族と再婚相手らと出かけたチャイニーズレストランで大喧嘩を始めてしまう。
店のオーナーの母ペイペイが仲直りのためにとふたりに「フォーチュン・クッキー(おみくじの入った中国の焼き菓子)」を2人に差し出す。そしてそれを口にした2人には、翌朝思いもよらぬ事態が待っていたのだ・・・・。

身体は女子高校生で中身は精神科医の(外見は)リンゼイ・ローハンと、身体は精神科医で再婚を控えた母親で中身はロック少女の(外見は)ジェイミー・リー・カーティス。
なんと言っても、この二人の怪演が素晴らしい。

ジェイミー・リー・カーティスは、「トゥルーライズ」系のコメディ路線、特に「トゥルーライズ」のストリップのシークエンスを突き詰めた役柄のような印象を受けます。
彼女の俳優としてのキャリアの始めは、ほとんどホラー映画でしめられていますが、最近はコメディ系の役が多いのではないでしょうか。
わたしが言うのも何ですが、素晴らしいコメディエンヌになってきたと思います。

印象的なシークエンスは、娘のボーイ・フレンドとのロック談義と、なんと言っても、ロックのオーディションのシークエンス、そして乾杯前のスピーチでしょう。
乾杯前のスピーチでは、思わず感動すらしてしまいます。
オーディションの舞台裏での姿も格好良すぎです。

一方リンゼイ・ローハンですが、わたしは彼女の女優としてのキャリアはあまり知りませんが、本作では大変素晴らしい印象を観客に与えています。
当初は母親に反抗する、嫌〜な感じのハイスクール・ガールだったのですが、表現は微妙ですが、中に母親が入ってから、いきなり魅力的になってきます。
そして、例のスピーチの場面で、なんと美味しいところを総取りしてしまうのです。
ちょっと冷静に考えてみると、例の二つのスピーチをやっているのは、実はリンゼイ・ローハンの中身である、というのも興味深いです。

あと、エンディングのリンゼイ・ローハンのライヴ・シーンもセクシーで格好良いです。いやあ、今後のキャリアが楽しみな女優の登場です。

わたし的には、最近のヤング・アダルト女優では、リーリー・ソビエスキーがお気に入りでしたが、また新たなお気に入りの女優が出てきました。ちょっと年代にずれがありますけどね。

親と子の確執、というものは、永遠のテーマだと思います。
この映画は、その永遠のテーマを親と子の心と身体が入替わる事により、結果的には相互理解させる、という一見ベタな作品ですが、コメディながら、物語に対して非常に真摯にとりくんだ作品です。
とにかく、この映画は多分見逃されてしまう可能性が高い作品だと思いますが、機会がありましたら、是非観ていただきたい良質のコメディです。

「RE:プレイ」

2004年4月23日 映画
「アイデンティテイー」の脚本家マイケル・クーニーが舞台劇として書いた”POINT OF DEATH”をドイツの俊英ローランド・ズゾ・リヒターが監督した「Re:プレイ」の試写会に行ってきた。

「RE:プレイ」と言うと、音で言うと、ケン・グリムウッドの小説「リプレイ」を思い出す。
おそらく配給会社としては、その辺を含めて邦題を付けていると思うのだが、その辺がディレクションやミス・ディレクションになるような邦題のつけ方はいかがなものかな、と思ってしまう。

2002年7月、交通事故により救急車で聖ユダ病院に運ばれた男サイモン・ケーブル(ライアン・フィリップ)。
サイモンはその際、2分間の心拍停止に陥るが、医師たちの懸命の処置により奇跡的に命を取り留めることになる。
しかし、昏睡から覚めたサイモンは、過去2年間の記憶を失っていた事に気付く。
記憶を失ったサイモンのもとに謎の金髪の女(サラ・ポーリー)や妻だと名乗る黒髪の女アンナ(パイパー・ペラーボ)がやって来る。
しかし記憶を失ったサイモンは何も思い出せず混乱するばかりである。
やがてサイモンは、雨の中、兄ピーター(ロバート・ショーン・レナード)のもとへ向かっていて交通事故に遭ったことを思い出す。
しかしアンナは「ピーターを殺したのはあなたよ」と告げるのであった。
そしてサイモンはMRI検査の睡眠の後目覚めると、2000年の聖ユダ病院に居たのである。
これは夢なのか、それとも・・・・。

本作「RE:プレイ」は、「アイデンティティー」の脚本家が書いた戯曲を原作としていることであるから、観客としては「絶対に騙されないぞ!」という意識で本作を観るのは、仕方が無いことだと思うのである。
事実、わたしは全てを疑い、2000年と2002年の舞台の齟齬、つまり監督からのメッセージを探すことに終始していた。

「アイデンティティー」は、嵐の中のモーテルを舞台にして、登場人物等に一体何が起きているのか、そして犯人は一体誰なのか、ということがすぐわかってしまい、映画の後半は退屈な印象を受けたのであるが、本作はひとつの謎の明確な解明があるわけではなく、複数の解釈が可能な、興味深い作品、大変面白い作品に仕上がっている。

わたし個人的には、スタンリー・キューブリックの「アイズ ワイド シャット」や、デイヴィッド・リンチの一連の夢と現実とを同レベルで描いた作品群と同じような関心を持って観ることが出来た。

本作は「メメント」や「カンパニー・マン」、「イグジステンズ」等の作品、勿論リンチの一連の作品が好きな人には、おすすめできる作品である。

そういった作品を観て、「何がなんだかわからない=理解できないからつまらない=駄作」だと考えるような観客には、残念ながらおすすめできない作品だと思うのだ。

余談だが、途中のMRIのシークエンスは、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」のオマージュとも言える印象を受けた。
MRIのシークエンスは、「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号の船内のようであり、広角レンズの効果的な使い方が、キューブリックを彷彿とさせるのだ。
最近「サザエさん」一家が、オール・スター・キャストで出演している、コカ・コーラのCF(CM)があります。
今回は、この一連のCF(CM)について考えてみましょう。

まず、わたしが視聴する限り、「コカ・コーラ/サザエさん編」のCFは現在のところ2種類存在し、そのCFのコンセプトは、特定のコカ・コーラ製品のCFではなく、コカ・コーラの製品全体、またはコカ・コーラ社の企業PRとしてのCFとして機能しています。

また、今回のCFについて特筆すべき点は、音楽はともかく、アニメーションの「サザエさん」の世界観そのままの雰囲気でCFが構築されている、という点です。

それでは、現在視聴できる「コカ・コーラ/サザエさん編」のCFをご紹介しましょう。

一本目は(わたしの記憶によると)、

磯野家の茶の間。
磯野家、フグ田家が一家団欒している。
サザエさんが立ち上がり、コカ・コーラ製品を買いに出かけようとする。

サザエ:コカ・コーラ買いに行くわよ。
タマ:ニャ〜ン
波平:ついでにまろ茶。
ワカメ:ついでにアクエリアス。
マスオ:ついでに爽健美茶。
カツオ:ついでにステーキ。
波平:どこがついでなんだ、カツオ!
タラオ:ですね。

二本目は(わたしの記憶によると)、

とある街角。
タラちゃんを連れたサザエさんと、イクラちゃんを連れたタイコさんとがばったり出会う。
タイコさんが持つ手提げにコカ・コーラ製品のミディペットボトルが入っている。

サザエ:あら、ミディペット。
タイコ:イクラとわたしで丁度良いんです。
イクラ:ハ〜イ。
タラ:パパにはあげないんですね。
ノリスケ:ハックション。

先ず、大前提として、このCFは前述の通り「サザエさん」ワールドそのままの雰囲気で、コカ・コーラ製品のコマーシャルをしている、という点が興味深い。

従来の「サザエさん」のキャラクターを起用した多くのCFでは、各キャラクターはCF内で視聴者に対し、商品を説明する役割を振られていたのだが、今回のシリーズでは、アニメーション「サザエさん」のひとコマを抽出したような演出プランによって、コカ・コーラ社のCFが出来上がっているのである。

しかも、各キャラクターの絵柄は最新のキャラクター設定に則っており、声優も最新の声優たちが起用されている。

音楽はともかく、今回のCFが、アニメーション「サザエさん」の本編の中に挿入されたとしても、視聴者には違和感無く受け入れられてしまうだろう。
実際は、違和感どころか、「サザエさん」の本編と本編の間に今回のCFが放映されたような場合、視聴者は、今見た映像が、本編なのかCFなのか区別が付かない、といった事象の発生が否定できない。

ここに来て、アニメーション本編とCFとの区別がつかなくなってしまった視聴者は、あたかも「サザエさん」本編の中で、コカ・コーラ製品のコマーシャルが行われていた、と錯覚しかねないのである。

これは、「サブリミナル効果」的な、知らず知らずのうちに効果が出てしまうという恐ろしい広告の手法なのかもしれない。

ここで思い知るのは、「サザエさん」のキャラクターが彼らの日常生活の中で、つまりキャラクター達が演じているアニメーション世界(われわれにとっての作られた擬似世界)の中で、コカ・コーラ製品のコマーシャルをしているという、いわばメタ・フィクション的構造の巧みさである。
この手法の巧みさと効果には、舌を巻く思いである。

これについては「トゥルーマン・ショー」の中で、テレビ番組の登場人物(トゥルーマン)に気付かずにスポンサーの製品のコマーシャルをしてしまう、という番組の中にCFを挟み込む手法が映像化されているので、関心がある方は参考の為見て欲しい。

そしてもうひとつの大きな問題は、「サザエさん」一家は、現代の日本人にとって、日本を代表する、そして日本を象徴する典型的な家族である、という点である。
その点を念頭において、このCFを視聴した場合、このCFの影響力に、空恐ろしいものを感じてしまうのだ。

事実か都市伝説なのかは知らないが、東芝が「サザエさん」の単独スポンサーだった時代、東芝から最新の家電製品が発売される度に、アニメーションの中に東芝の新製品が登場していた時代があったらしい。
そして、視聴者から「何故、磯野家(フグ田家)はそんなに簡単に、新製品ばかりを購入できるんだ。」とクレームが入り、現在の状況となったらしい。

そして、仮にこの事象が事実だった場合、その時点で既に「サザエさん」一家は、一般大衆によって、日本における一般家庭の典型と認められていることになるのだ。

今回の「コカ・コーラ/サザエさん編」は、例えるならば、語弊はあるものの、ロイヤル・ファミリーや、天皇家、大統領一家のような影響力のある一家が、1企業のCFに出演しているようなインパクトを日本国民に与えるほどの出来事なのかも知れない。

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東京千代田区公会堂で行われた「永遠のモータウン」の試写会に行ってきた。

<キャッチ・コピー>
エルヴィス、ビーチ・ボーイズ、ストーンズそしてビートルズ。
全てのNo.1ヒットを足しても、“彼ら”にはかなわない。
しかし“彼ら”の名前を知る者はいない。

1960年代以降、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、ジャクソン・ファイブ、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズをはじめ、錚々たる有名アーティストを輩出、全米音楽シーンはもとより、全世界に数々のヒット曲を送り出した「モータウン・レーベル」。

その黄金期を支え、「モータウン・サウンド」を確立したのは、レコーディング・バンド「ファンク・ブラザース」だった。

しかしレコードにバック・バンドをクレジットする習慣のなかった1960年代当時、彼ら「ファンク・ブラザース」の名前が一般に知られることはなく、彼らの偉業が顧みられることはなかったのだ。

本作は、その「モータウン・レーベル」のレコーディング・バンドとして、レーベルの黄金期を陰で支えた「ファンク・ブラザース」の実像を、インタビューや演奏シーンなどを基に、浮き彫りにした音楽ドキュメンタリーである。

先ず、本作「永遠のモータウン」は、ドキュメンタリーと言う性格上、一般の商業映画と同列に評価する事は出来ないが、全ての音楽を愛する人々に自信を持っておすすめ出来る、近年まれに見る感動の音楽映画なのだ。

事実、わたしの経験上ではあるが、本作はここ1年で一番泣けた作品ではないかと思えるほどの感動を受けた。

これは、多くのヒット曲を輩出しつつも全く評価されなかった、という、「ファンク・ブラザース」の不遇の境遇がそうさせるのかも知れないし、彼らがバック・バンドとして参加してレコーディングされた多くのヒット曲の記憶がそうさせるのかもしれない。
また、彼ら「ファンク・ブラザース」の演奏自体に因るところが大きいかも知れないのも事実だし、音楽の持つ強大な力と、事実が持つ大きな力がそうさせているのかも知れない。

とにかく、音楽好きの人、特に「モータウン・サウンド」に関心のある方、R&B系の音楽に関心のある方には、絶対的にオススメできる作品なのである。
4月29日(みどりの日)、千葉県君津市近辺の「清和県民の森」にMTB(マウンテンバイク)ツーリングに出かけました。

MTBのツーリングは、多くの場合MTBを現地まで運ぶ事から始まります。
今回は、「清和県民の森」近辺の駐車場まで各自の自動車を利用しMTBを運び、その駐車場からツーリングをスタートすることにしました。

MTBツーリングの楽しみのひとつは、シングルトラックと呼ばれる山道を走る事です。

そのシングルトラックとは、ハイカーがすれ違えるくらい、または自転車が1台通れるくらいの細い林道やハイキングコース、登山道、獣道をイメージしていただければ良いと思います。

今回のツーリングは、大雑把に言うと、MTBで舗装路を登り、シングルトラックを下る、という感じでした。

勿論山道や峠道ですから、一口に舗装路の登りと言っても、斜度は変わりますし、登りの中に平坦な部分や下りもあります。
また、シングルトラックの下りと言っても、下りの最中に登りや平坦な部分もありますし、場合によってはMTBを担いで通らなければならない道もあります。

地面の状態も乾燥した路面や、ドロドロの路面、水溜り上の路面、枯葉が敷き詰められたような路面、木の根が複雑に走っているような路面、ハイカーのために作られた階段状の路面等様々な状態です。

そういった様々な路面に対処し走破するのがMTBの楽しみのひとつだと思います。

今回のツーリングは、概ね25km位の距離を3〜4時間かけて走りました。

個人的にはディレーラー(自転車の変速機)の調子が悪かったので、変速時にはトルクをかける量を小さくし、優しく変速するよう心がけ、登りもゆっくり登ったりしていました。

駐車場に戻り、食事を取り、近場の立ち寄り温泉に入り、お開きでした。
東京九段会館ホールで行なわれた「スイミング・プール」の試写会に行ってきた。

クライム小説で知られるイギリスの女流ベストセラー作家サラ・モートン(シャーロット・ランプリング)は、作家としての新たな方向性を模索していた。

そんなサラは、ある夏、出版社社長ジョン(チャールズ・ダンス)の勧めで南フランスの彼の別荘に滞在することにする。
その別荘は、明るく静かで誰にも邪魔されずに執筆できる最適な環境だと思われた。

しかし、周辺の環境にも慣れ、いよいよ執筆活動に取り掛かろうとした矢先、社長の娘と名乗るジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が別荘にやって来る。

全裸でプールを泳ぎ、毎晩毎晩違った男を別荘に連れ込むジュリーに苛立ち筆が進まないサラ。

しかし、やがてサラは、ジュリーの若さと妖艶な振る舞いに強い刺激を受け、作家の習性か、いつしか彼女をモデルに物語を紡ぎ始めるのだった・・・・。

本作は、「8人の女たち」のフランシス・オゾンの新作である。
出演は、イギリスの女流ベストセラー作家サラ・モートンに名女優シャーロット・ランプリング。出版社社長の奔放な娘ジュリーにフランスの妖精リュディヴィーヌ・サニエ。

第一印象は、一言で言うと、非常に素晴らしい良質のミステリー(サスペンス)映画に仕上がっている。と感じた。

物語は、複数の解釈が可能な自由度があり、鑑賞後しばらくの間、反芻することにより、より深く楽しめる作品であり、また場合によってはリピートしたくなる種類の作品である。と言える。

演出的には、非常に細かい観客への伏線や不可解な行動や描写、そしてヒントや目配せが散りばめられており、解釈の幅を拡大している。
脚本をなめるだけでも充分面白い作品であるが、その監督からのヒントや目配せを汲み取ることにより、本作は新たな側面を明らかにする、と言ったような構成となっている。

キャストはなんと言ってもリュディヴィーヌ・サニエの魅力爆発である。
先日「フォーチュン・クッキー」でリンゼイ・ローハンに惚れたわたしであるが、今回の「スイミング・プール」では、リュディヴィーヌ・サニエに惚れることになってしまったのだ。

一方名女優シャーロット・ランプリングは、英国ベストセラー作家を好演している。
ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)と関わることによる女性としての、そして作家としての心境の変化が興味深い。

そして驚いたことに、奔放な女性を演じたリュディヴィーヌ・サニエの全裸シーンは知っていたのだが、名女優シャーロット・ランプリングの全裸シーンがあるのには驚いてしまった。

昨年は「アバウト・シュミット」におけるキャシー・ベイツの全裸に驚かせられたが、今年はシャーロット・ランプリングの全裸に驚きなのだ。

また本作を格調高いものにしている印象的なスコア(ピアノとストリングス)はフィリップ・ロンビによるもので、感覚的には作品のテイストもあり、「刑事コロンボ」的な音楽のあてかたを感じた。

そして色使いである。
南フランスの素晴らしい空の青とスイミング・プールの青。
そして、その中に意味ありげに配されたいくつかの赤。
この辺も本作の解釈の多様性を深めているのではないだろうか。

とにかく、本作は多くの人におすすめできる素晴らしい良質のミステリー(サスペンス)映画なのだ。
tkr

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