さて、早速ですが2006年の目標の中間発表その5です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」
 
 
1.映画

#017「かもめ食堂」シネ・リーブル池袋 2006/05/01
#018「ブロークン・フラワーズ」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2006/05/04
#019「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2006/05/05
#020「タイヨウのうた」九段会館 2006/05/10
#021「機動戦士ZガンダムIII −星の鼓動は愛−」シネ・リーブル池袋 2006/05/12
#022「間宮兄弟」シネ・リーブル池袋 2006/05/13
#023「ポセイドン」日本武道館 2006/05/17
#024「アンジェラ」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2006/05/19
#025「Vフォー・ヴェンデッタ」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2006/05/31
 
 
2.DVD、CATV等

#072「千年女優」CATV 2006/05/01
#073「東京ゴッドファーザーズ」CATV 2006/05/02
#074「わたしのグランパ」CATV 2006/05/06
#075「エアポート’04」CATV 2006/05/07
#076「エアポート’05」CATV 2006/05/07
#077「花とアリス」CATV 2006/05/07
#078「電車男」CATV 2006/05/07
#079「花咲ける騎士道」CATV 2006/05/08
#080「ミラーを拭く男」CATV 2006/05/11
#081「RED SHADOW 赤影」CATV 2006/05/14
#082「どん底」CATV 2006/05/15
#083「機動戦士Zガンダム −星を継ぐ者−」HDD 2006/05/16
#084「トゥーム・レイダー」CATV 2006/05/28
#085「ラン・ローラ・ラン」CATV 2006/05/29
#086「蜘蛛巣城」CATV 2006/05/29
#087「地球の静止する日」CATV 2006/05/30
#088「パニッシャー」CATV 2006/05/30
#089「フォーリング・ダウン」CATV 2006/05/31
 
 
3.読書

#008「ダーク・タワーIV −魔道師と水晶球(下)−」スティーヴン・キング著 風間賢二訳 新潮文庫 2006/05/13
#009「ダーク・タワーV −カーラの狼(上)−」スティーヴン・キング著 風間賢二訳 新潮文庫 2006/05/31
 
 
映画は、劇場9本(累計25本)、DVD等18本(累計89本)で、計27本(累計114本)。
このままのペースで、年間274本(劇場60本)です。

読書は2冊(累計9冊)で、このままのペースでは、年間22冊です。
 
 
全く厳しい状況です。

とは言うものの、過去3年の実績と比較すると、次のような状況なのです。

■映画
2006年 114本(劇場25本)
2005年 106本(劇場36本)
2004年 115本(劇場32本)
2003年 126本(劇場37本)

■読書
2006年 09冊
2005年 12冊
2004年 18冊
2003年 24冊

映画については、2003年以降、きちんと300本以上観ているので、おそらく映画300本は大丈夫だと思います。
但し、劇場で観る本数が減少しています。

読書は、例年減少しており、惨憺たる状況です。
非常によろしくない状況です。心を入れ替える方向で頑張ります。
 
 
参考)
2006年の状況
映画114本(うち劇場25本)
読書09冊

2005年同時期の状況
映画106本(うち劇場36本)
読書12冊

2004年同時期の状況
映画115本(うち劇場32本)
読書18冊

2003年同時期の状況
映画126本(うち劇場37本)
読書24冊

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「映画レビュー・インデックス」2006/06/03号
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■「映画レビュー・インデックス」
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■公開中
2006/06/03公開
「ポセイドン」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「ドラゴン・プロジェクト」
未レビュー
「バッシング」
http://diarynote.jp/d/29346/20051120.html
2006/05/20公開
「ダ・ヴィンチ・コード」
未レビュー
2006/05/13公開
「柔道龍虎榜」
http://diarynote.jp/d/29346/20041122.html
「アンジェラ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「間宮兄弟」
http://diarynote.jp/d/29346/20060514.html
「ピンクパンサー」
未レビュー
2006/04/29公開
「小さき勇者たち〜GAMERA〜」
http://diarynote.jp/d/29346/20060416.html
「レント」
http://diarynote.jp/d/29346/20060308.html
「ロンゲストヤード」未レビュー
「ブロークン・フラワーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060512.html
2006/04/22公開
「アイス・エイジ2」
http://diarynote.jp/d/29346/20060417.html
「トム・ヤム・クン!」
http://diarynote.jp/d/29346/20051014.html
「Vフォー・ヴェンデッタ」
未レビュー
2006/04/15公開
「連理の枝」
http://diarynote.jp/d/29346/20060411.html
「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌」未レビュー
 
近日公開予定
2006/06/10公開
「インサイド・マン」
未レビュー
「やわらかい生活」
http://diarynote.jp/d/29346/20051123.html
 
 
■週末興収ベストテン
2006/05/27-28 興収ベストテン
1.「ダ・ヴィンチ・コード」(ソニー)
2.「LIMIT OF LOVE 海猿」(東宝)
3.「明日の記憶」(東映)
4.「嫌われ松子の一生」(東宝)
5.「GOAL! ゴール!」(東芝エンタテインメント)
6.「デイジー」(東宝東和)
7.「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」(東宝)
8.「ナイロビの蜂」(ギャガ)
9.「夢駆ける馬ドリーマー」(アスミック・エース)
10.「間宮兄弟」(アスミック・エース)
 
 
今日から「バッシング」と「ドラゴン・プロジェクト」、来週からは「やわらかい生活」と昨年の映画祭での話題作が続々と公開されていますね。

また予告編話ですけど「日本沈没」の予告編でハイパーレスキュー隊員とクレジットされる柴咲コウのセリフが最悪に酷い。

「さっきみたいな子たちが、たくさん救助を待っている。どうしてもその子たちを助けたいの」

それ、ハイパーレスキュー隊員じゃなく、普通の女の子のセリフだろ。仮にハイパーレスキュー隊員だったら、そんな感情論に流されずに、論理的に行動しろ!

実はわたしは「日本沈没」に期待していたのだが、監督が樋口真嗣だと聞いて、いや〜な予感がしていた。
そのいや〜な予感は、柴咲コウの予告編のセリフで、確信にちょっとだけ近づいてしまった。
「ローレライ」の佐藤隆太の死に様に匹敵するような最悪のプロット続出なのか、と。

以前NHKの番組「課外授業ようこそ先生」で「国境なき医師団」の女性医師が母校で小学生にある問いかけをした。

もう手をつくしても、助かることはないと分かる状態の子どもを母親が連れてきました。酸素はあと一本しかありません。その酸素で確実に救える命が他にあります。子どもに少しだけ酸素を吸わせたのですが、状態が変わらないので酸素を止めました。
あなた達なら、どうしますか?

柴咲コウ、あんたなら一体どうするんだよ!!
 
 
実際のところは、そんなセリフを書いた加藤正人と演出した樋口真嗣の問題なんでけどね。
余談だけど、「日本沈没」のオフィシャル・サイトでは、加藤正人のロマンポルノ、エロチックドラマの過去は完全に割愛されている。

そんな「日本沈没」のアートワークは生頼範義。
日本全国の廃墟を描いたのね。

 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソードIII/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「ロンゲスト・ヤード」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」です。
正に困った状況です。
 
 
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2006/06/01 東京板橋「ワーナーマイカル・シネマズ板橋」で「ダ・ヴィンチ・コード」を観た。

閉館後のルーヴル美術館。
ダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトルウィクス的人体図」を模して横たわる、館長の死体が発見された。死体の周りに残された、不可解な暗号。その暗号の中には、その夜、彼が会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンの名前が含まれていた。殺人の参考人として現場に連れて来られたラングドンだったが、捜査を指揮するベズ警部は、ラングドンが殺人犯であることを確信していた。

館長の孫娘で暗号解読官のソフィーの機転によりルーヴル美術館を脱出したラングドンは、ソフィーと共に、暗号の謎を解き始めるが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ロン・ハワード
原作:ダン・ブラウン 「ダ・ヴィンチ・コード」(角川書店)
脚本:アキヴァ・ゴールズマン
出演:トム・ハンクス(ロバート・ラングドン)、オドレイ・トトゥ(ソフィー・ヌヴー)、イアン・マッケラン(リー・ティービング)、アルフレッド・モリナ(アリンガローサ司教)、ジャン・レノ(ベズ・ファーシュ警部)、ポール・ベタニー(シラス)、ユルゲン・プロフノウ(ヴェルネ)、エチエンヌ・シコ(コレ警部補)、ジャン=ピエール・マリエール(ジャック・ソニエール)

わたしが観た回は、フィルム上映ではなく、世界初のネットワーク配信デジタルシネマ共同トライアル「4K Pure Cinema」による上映だった。
と言うか、「4K Pure Cinema」の回をわざわざ選んで「ダ・ヴィンチ・コード」を観た訳である。
画質は驚くべき程クリア。フィルムに対して遜色は全くと言って良い程ありませんでした。
また、字幕が非常に綺麗で、白い字幕に黒い影が入っており、非常に見やすかったです。

さて、本作「ダ・ヴィンチ・コード」の物語は所謂ジェットコースター・ムービーと言われる種類のもので、肝心の謎解き部分や人物描写を大幅に割愛し、二人の主人公が様々な危機に翻弄される様に主眼を置いて描いている。
作品としてのアプローチは、おそらく正しいのだろうと思うが、わたし達観客の多くが「ダ・ヴィンチ・コード」に求めていたものとは、幾分異なった作品に仕上がっていると言わざるを得ない。

興味深いのは、その反面、雨後の筍のように、謎解きに特化した雑誌やテレビ番組が続々登場し、映画「ダ・ヴィンチ・コード」から欠落している謎解き部分を検証し補完する構成になっているとも思えるし、本作は、小説「ダ・ヴィンチ・コード」の壮大な予告編だとも言える作品の出来に非常に残念な思いがした。

謎解き部分を除くと脚本は面白いし、描写も演出も的確、ミスデレクションの方向性も好感が持てる。
美術もすばらしいし、きちんとした世界観の構築に一役買っている。

ただ、謎を作るために不自然で理不尽なプロットが採用されている点が非常に気になった。特に物語のキーとなる、冒頭の殺人事件のシークエンスが強烈である。
わたしは原作を読んでいなかったので、予告編を見る限りは、冒頭の殺人事件の被害者は、第三者によって衣類を脱がされ、床に寝かされた、と思っていたのだが、事実は違ったようである。

キャストは、先ずはイアン・マッケラン(リー・ティービング役)の大活躍に驚いた。ついでに、「今度のドラゴンは簡単に退治できたな」とか言うセリフには驚かされる。

また、アルフレッド・モリナ(アリンガローサ司教役)が印象的だった。しかし恰幅の良いモリナを司教にキャスティングすることにより、飽食の香が付き纏い、アリンガローサ司教が悪人に見えてしまうし、ラストのシラスとの対峙のシークエンスでも、アリンガローサ司教は自分のためにシラスを利用していた、と言う印象を受けてしまう。

ポール・ベタニー(シラス役)は新境地の発見的には良い役柄だったのではないか、と思える。

トム・ハンクス(ロバート・ラングドン役)には特に言うべきことはない。ただの人寄せパンダ的な役割を演じているのだろうと思う。
オドレイ・トトゥ(ソフィー・ヌヴー役)もジャン・レノ(ベズ・ファーシュ警部役)も、ヨーロッパの観客を集めるためにキャスティングされているような気がした。

大資本とメディアの力があれば、映画をあまり観ない人々をだますのは簡単なんだな、と思える作品だ、と言うのは言いすぎだろうか。

世の中には、もっと面白い映画はたくさんあるし、この時期に公開されている作品の中でも、「ダ・ヴィンチ・コード」なんかより、見るべき作品はたくさんあると思う。そんな気がした。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だけど、普段は一切字幕が出ない部分、
"The characters and incidents portrayed and the names herein are fictions, and any similarity to the name, character on history of any person is entirely coincidental and unintentional."

に思いっきり字幕が付いていて、驚き、かつ笑わせていただいた。(「この作品はフィクションです。登場する団体・人物は架空のもので、 現実に存在するいかなる人物・団体とも関係ありません。」)

こんな字幕を付けなければならないとは、嘆かわしい事である。

映画鑑賞後、10代の若者が「映画の最後の字幕でショックを受けたよ。オレてっきり本当の話だと思っていた」とか言っていた。
日本は平和だと思った。

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2006/06/05 東京神保町「一ツ橋ホール」で「インサイド・マン」の試写を観た。

私はダルトン・ラッセル。
二度と繰り返さないからよく聞け。
私は銀行を襲う完全犯罪を計画し、そして、実行する・・・・

マンハッタン信託銀行の前に停車したバンからジャンプスーツを着た男たちが降りてくる。やがて彼らは銀行の中へと進み、銀行内にいた従業員と客を人質に取った。
「全員床に伏せろ!これから我々は、この銀行から多額の金を引き出す。」

犯人グループはリーダーのダルトン・ラッセル(クライブ・オーウェン)以外に3人。互いに“スティーブン”、“スティーブO(オー)”、“スティービー”と呼び合い、駆けつけた警官には「ヒトジチトッタ。チカヅイタラ、ヒトジチコロス」と外国なまりで伝えるのだった。

急報を受けたのは、NY市警のフレイジャー(デンゼル・ワシントン)とミッチェル(キウェテル・イジョフォー)。
フレイジャーは以前関った麻薬事件で14万ドルの小切手が紛失するという事態に巻き込まれ、内務調査課から疑いをかけられていた。

強盗人質事件発生の連絡を受けたのは警察だけではなかった。マンハッタン信託銀行の取締役会長アーサー・ケイス(クリストファー・プラマー)は狼狽し、言葉を失っていた。そして彼は警察に事態を確認するよりも先に、ニューヨークでも指折りの有能な弁護士マデリーン・ホワイト(ジョディ・フォスター)を自ら呼び出すのだった。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:スパイク・リー
脚本:ラッセル・ジェウィルス
出演:デンゼル・ワシントン(キース・フレイジャー)、クライヴ・オーウェン(ダルトン・ラッセル)、ジョディ・フォスター(マデリーン・ホワイト)、クリストファー・プラマー(アーサー・ケイス)、ウィレム・デフォー(ジョン・ダリウス)、キウェテル・イジョフォー(ビル・ミッチェル)

本作「インサイド・マン」は非常によく出来たクライム・サスペンスである。

先ずは脚本が面白い。
こんな面白い脚本が、脚本家ラッセル・ジェウィルスのデビュー作だと言うのだから驚きである。

三者三様(ダルトン、フレイジャー、ケイス)のシンプルで力強い設定とプロットが、要所要所で交差し絡まることにより、作品として複雑な網目模様を構築、鑑賞後爽やかな感動とカタルシスが感じられる、すばらしい作品に仕上がっている。
ベクトルは異なるが「L.A.コンフィデンシャル」(1997)の鑑賞後感と似ているような印象を受けた。

物語で語られていることが全てではないぞ。諸君!

キャストは先ずはクリストファー・プラマーが良かった。
最近引っ張りだこのプラマーだが、非常に印象に残るキャラクターを見事に演じていた。このような老獪なキャラクターにはピッタリの風貌になったものだと感心する。
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐とは全く思えないですわ。

デンゼル・ワシントンはウィットに富んだ交渉人役で、ケヴィン・スペイシー(「交渉人」(1998))とは別の、また新たな交渉人像を見事に創出している。
このあたりも、ケヴィン・スペイシー繋がりで「L.A.コンフィデンシャル」(1997)的な印象を強めているのかもしれない。

デンゼル・ワシントン演じるキース・フレイジャーは、警察特有の泥臭いキャラクターではなく、小粋でやり手でおしゃれな交渉人像が楽しい反面、その描き方からも、実際のフレイジャー像が垣間見られる構造となっている。
スパイク・リーの描きたいフレイジャー像がファッションからも見て取れる、良いキャラクターだったと思う。

で、考えるとキース・フレイジャーのキャラクターは、やはり「L.A.コンフィデンシャル」でケヴィン・スペイシーが演じたキャラクターからの影響と思われる点が多々ある。

クライヴ・オーウェンにとっては非常に美味しい役所だったと思う。ハード・ボイルドでしかもウィットに富んだ役柄を楽しげに演じていたような印象を受ける。プロット上、唯一リスクを負った行動を取る訳だし、ラスト近辺のフレイジャーに対する行動は最高に格好良い。このあたりはジャック・ヒギンズの冒険小説のように格好良い。

物語のメイン・プロットは、銀行強盗の完全犯罪を目論む人々の物語なのだが、終わってしまった銀行強盗事件の取調べのシークエンスと、実際の強盗のシークエンスを並列的に描写する手法が効果的だったと思う。
最近ではトニー・スコットの「ドミノ」と同じ構成なのだが、取調べを受けている人々が、人質なのか犯人なのかわからないところが、非常に興味深かった。

とにかく本作「インサイド・マン」は、非常に脚本が良く出来たすばらしい作品である。この脚本は真実を観客には感じさせないよう、よく配慮されており、多分、映画をあまり観ない人と、映画をたくさん観る人では、解釈がまるっきり異なる作品になってしまうのではないか、と思えた。

繰り返しになるが、物語で語られていることが全てではないぞ。諸君!

余談だけど、「狼たちの午後」(1975)を参照すべきだと思う。

更に余談だけど、ハリウッド映画である以上、犯罪が成功する作品を製作・公開するためには、脚本上なんらかの理由が必要な訳なのだが、そのあたりを非常に上手くプロットに盛り込んでいるところに好感と賞賛を感じる。

スパイク・リーは、自分のやりたいプロットの作品を制作・公開するために、ハリウッド・システムを上手く利用している、と言う印象なのだ。製作サイドには、こうですよ、こんなプロットですよ、と言いながら、実際のプロットは実はこうなっていて、それを製作サイドに明かさずに資金を出させているような印象を受けた。
つまり、スパイク・リーは、ハリウッドを手玉にとって、本作「インサイド・マン」のための資金を調達したような気がするのだ。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2005年に「トランザム7000」のDVD-BOXが出ていたのだが、日本語吹替が入っているのだが、画面はどうやらスタンダード収録らしいので、2006/05/30にリリースされた「トランザム7000/スペシャル・エディション」(リージョン1)を購入した。(画面比率は1:1.85、$14.99)

ついでに、「タワーリング・インフェルノ/スペシャル・エディション」も購入した。(なんと$10.97)

「トランザム7000」は、なんとdts音声が収録され、メイキングも入っていた。
メイキングはカーアクションのNGとかが見られるのではないか、と密かに期待していたのだが、インタビュー映像以外は本編からの映像だけだったのが非常に残念。

「タワーリング・インフェルノ」は特典が盛りだくさん。
公開時のパンフレットの縮小版や、ロビーカードの縮小版なんかが封入されている。

因みにピクサーの「カーズ」の主人公の名はマックィーンで、ポール・ニューマンが大きな役で声を当ててますけど。
「カーズ」は「タワーリング・インフェルノ」以来のマックィーンとニューマンの共演ですな。

で、いろいろAmazonを物色してて発見したのは、こないだまでの「アメリカン・アイドル」で優勝したテイラー・ヒックスのシングルCD。2006/06/13発売の"Do I Make You Proud" / "Takin’ It To The Streets"なんですけど。ジャケットも格好いい。
目に凄い力がありますよね。

↓参考URL
http://www.amazon.com/gp/product/B000FMR4T8/sr=8-1/qid=1149863227/ref=sr_1_1/002-7680272-4474406?%5Fencoding=UTF8

この人、素人だったんですから、驚きですよね。
まあ「アメリカン・アイドル」を見ていると、日本の文化水準の低さに愕然としますよね。

余談だけど、「ポセイドン」がコケたおかげで「タワーリング・インフェルノ」のリメイクがしばらくはなくなった思う。
往年の映画ファンとしては、マックィーンとニューマンが共演した「タワーリング・インフェルノ」なのだが、ニューマンとマックィーン以上の俳優がいない現在、同作のリメイクは絶対的に避けて欲しいと心から思う。

「ゲッタウェイ」のリメイクも酷かったしね。

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「ピンクパンサー」
未レビュー
2006/04/29公開
「小さき勇者たち〜GAMERA〜」
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「レント」
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「ブロークン・フラワーズ」
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2006/04/22公開
「アイス・エイジ2」
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未レビュー
 
近日公開予定
2006/06/17
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■週末興収ベストテン
2006/06/03-04 興収ベストテン
1.「ダ・ヴィンチ・コード」(ソニー)
2.「LIMIT OF LOVE 海猿」(東宝)
3.「ポセイドン」(ワーナー)
4.「嫌われ松子の一生」(東宝)
5.「明日の記憶」(東映)
6.「GOAL! ゴール!」(東芝エンタテインメント)
7.「トランスポーター2」(アスミック・エース)
8.「花よりもなほ」(松竹)
9.「デイジー」(東宝東和)
10.「ナイロビの蜂」(ギャガ)
 
 
最近、アメリカのテレビ・ムービーを見る機会が増えているんだけど、何故、日本のドラマとこんなに違うのか、と思うことが多々ある。

日本のドラマは、今、この視聴者層は、または今世間は、こんな事に関心を持っているから、こんなドラマを作ったら視聴率は伸びるんじゃないのかな。という観点から企画されているような気がする。
一方アメリカのドラマは、面白いものを作れば、視聴者は絶対に来る。と言う観点から、面白い番組が企画されているような気がする。

また、日本のテレビ番組を考えた場合、深夜枠で視聴率なんか気にせず(本当は気にしている)、好き勝手にやっている番組の中には、比較的面白いものが多い印象を受ける。
そして、そんな人気の深夜番組がゴールデンやプライム・タイムにおりてきて、ダメ番組になってしまうケースもが多いと思う。

と考えた場合、アメリカのドラマは日本の深夜番組みたいなものではないか、と思えることがある。

面白いものをやれば視聴者が集まる。そんなスピリッツ溢れる日本のドラマを見て見たいものである。

先日「アメリカン・アイドル」のお話をちょっとだけ書いたのだが、「アメリカン・アイドル」とは、アメリカのオーディション番組で、視聴者がデビューするアイドルを選ぶと言うコンセプトで番組が作られており、その投票数は、アメリカ大統領選挙をしのぐと言うお化け番組である。

アイドルのオーディション番組と言えば、古くは「スター誕生!」、最近ではハロプロ関係の発掘番組が思い浮かぶが、「アメリカン・アイドル」は所謂日本で言うところの「アイドル」ではなく、「ポップ・スター」や「ロック・スター」をオーディションでデビューさせちゃおうと言う番組である。

日本のオーディション番組は10代の人々をターゲットにしたオーディションが行われることが多いのだが、「アメリカン・アイドル」は10代〜20代後半までの人々がオーディションに参加し、あらゆる世代が「アメリカン・アイドル」の行方に関心を持っているのだ。
因みに「アメリカン・アイドル」の一次審査には、10万人が集まり、一回の放送での電話投票は、5000万件にも達すると言う。
その投票システムは、何度も電話をかけることは出来るし、組織票も可能なのだが、あまりにも投票数が多いため、公明正大である、と言えるだろう。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソードIII/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「ロンゲスト・ヤード」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」です。
正に困った状況です。
 
 
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先日、受信料の公平負担を訴えるNHKの職員が我が家にやってきた。

わたしの自宅はオートロック付きのマンションなので、ドアホン越しに10分程お話をさせていただいた。

当時、わたしは忙しかったので、−−「アメリカン・アイドル」の再放送を5.1chのアンプを通し大音響で見ていた−−、きちんとした対応をとらなかったのが本気で悔やまれる。

そんなわたしの取った対応は、
「最後の不祥事から最低2年間は、NHKの受信料を払うつもりはない」
と言う事。(2年間に拘るのは、民事の時効の関係)
 
 
で、NHKの職員が帰った後、悔やんだのは次の点である。

しまった、きちんと話を聞いて、その話について質問し、その状況をビデオに撮影し、民放に売れば良かった。と言う事。

公開する可能性があるビデオ素材の撮影の許可をきちんと取って、NHkの職員とのやりとりをきちんとビデオ撮影したかったな、と強烈に悔やんだ。

もちろんNHKの職員のプライバシーは保護するし、顔と名札にはモザイク、音声にもエフェクトをかけても良い。
なんなら肩から下の映像だけでも良いのだ。
 
 
そんなわたしが一番したかった質問は、最近の「カラ出張問題」の報道で「出張旅費を精算するのを忘れていた社員がいた」とNHKのニュースでNHKのオフィシャルなステートメントとして発表したことだったのに・・・・。

再度NHKの職員が我が家に来ることを切に願うのだ。

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2006/05/31 東京板橋「ワーナーマイカル・シネマズ板橋」で、「Vフォー・ヴェンデッタ」を観た。

いきなり余談で恐縮だけど・・・・。
日本のニュース番組で、アンカーとかコメンテイターとかが、「自爆テロ」とか「援交」とかをする人たちのニュースの後、「(彼らの行動を)全く理解できません」とか捨て台詞を吐きながらCF(CM)に入る場面を見る事がしばしばあります。

特にとある民放のタカ派っぽい女性のアナウンサーが結構使っているような気がします。

そんな時、わたしのはらわたは煮えくり返っています。

例えば「自爆テロ」を例に取ると、「自爆テロ」を行う人たちには、自分や自分の周りに居る人々の命よりも、その人にとって大切な理想や、実現したい世界があるのだろう、と言うのは誰でも想像できるし、誰でも理解できる事だと思います。

また、「援交」をする人たちは、自分の体をお金に代えてまで、手に入れたいモノがあるという事は誰でも想像できるし、誰でも理解できる事だと思います。

「自爆テロ」と「援交」を同列に語るのはどうかと思いますが、わかりやすい例だと思いますので、ご容赦願いたいと思います。

で、考えるのは、私たちが「自爆テロ」や「援交」をする人たちに対して、出来ないのは「共感」なのです。決して「理解」できないのではないのです。「理解」なんて、想像力があれば簡単に出来るのですから。

つまり、「自爆テロ」とか「援交」とかをする人のことを「理解」できないとか言う人は、想像力が欠如しているといわざるを得ない訳です。

ここで言いたいのは、そんなメディアの人の想像力が圧倒的に欠如しているのか、もしかしたら「自爆テロ」や「援交」を「理解できない」とメディアの人が言う事により、一般大衆に対し、「自爆テロ」や「援交」は「理解できないもの」なんだよ、と言う事を刷り込んでいる、つまり大衆をメディアがコントロールしているような印象を受けてしまうのだ。

※ 念の為ですが、わたしは「テロ」や「援交」を肯定しているのではありません。

あともう一つ余談ですが、ある女性の政治家が、とある政党の悪い部分を内部告発して辞任したとき、得意げに紅潮した顔で自分の行為を「自爆テロ」と表現したことがありますが、その時もわたしは激怒してました。

日本では、多くの人々が「自爆テロ」と言う言葉を単なる普通名詞として使っているような気がします。本来の意味を理解した上で、自らの行動をそんなに簡単に「自爆テロ」になぞらえて語ることは出来ないと思います。

実際に「自爆テロ」で何十人も何百人も死んでいるのに、自分の行動に対し、笑いながら「自爆テロ」です。と言い放つ神経を持つ人が「理解」出来ない。と言うか「共感」できない。
 
 
そんな背景の下、わたしは「Vフォー・ヴェンデッタ」を観た訳です。

「Vフォー・ヴェンデッタ」は理想を実現するために、革命を起こそうとするVとVと交流を持ってしまった一人の女性との物語で、その革命を正当化するための描写が丹念に続きます。

Vの行動は、革命が目標だとは言え、暴力を手段に選んだもので、テロそのものだと思います。
しかし、観客はVやその世界の住民が圧制に苦しんでいる姿を観る事により、Vの革命に共感し、同調していくことになります。

これは非常に興味深く、そして非常に恐ろしい事だと思います。
つまり、一般大衆をメディアがコントロールすることは、あまりにもたやすい、ということなのだと思います。

圧制=絶対悪:V=ヒーロー
と言う構図が描かれているから娯楽作品として成立していますが、圧制部分を一切描かなければ、凄い作品に仕上がったのではないか、と思えます。

そう言いながらも、わたしは「Vフォー・ヴェンデッタ」が大好きです。
昔から体制に歯向かう小さな力が、いつしか大きな力となり体制に対峙する、と言う物語が大好きだからです。
また、どちらかと言うと、巨大な力を持った体制に反抗するような思想を持ってしまいがちな性格をしていることも、その理由になっているかも知れません。

とにかく、「Vフォー・ヴェンデッタ」はヒーローモノの仮面を被った革命/テロを描いた作品だという事が言えると思います。
非常に興味深い作品だと思います。
機会があれば是非観ていただきたいと思います。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だけど、冒頭のセリフ、
"Remember, remember, the fifth of November...."
のリズムにノックアウトでございます。

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2006/06/17 東京板橋「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」で「嫌われ松子の一生」を観た。

女の子なら誰だって、お姫様みたいな人生に憧れる。
昭和22年・福岡県大野島生まれの川尻松子も、そのひとり。
でも、現実は・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:中島哲也
原作:山田宗樹 「嫌われ松子の一生」(幻冬舎文庫刊)
美術:桑島十和子
音楽:ガブリエル・ロベルト、渋谷毅
出演:中谷美紀(川尻松子)、瑛太(川尻笙)、伊勢谷友介(龍洋一)、香川照之(川尻紀夫)、市川実日子(川尻久美)、黒沢あすか(沢村めぐみ)、柄本明(川尻恒浩)、柴咲コウ(明日香)、ゴリ(大倉修二/ガレッジセール)、マギー(刑事)、竹山隆範(教頭/カンニング)、谷原章介(佐伯俊二)、キムラ緑子(松子の母・川尻多恵)、角野卓造(校長)、宮藤官九郎(八女川徹也)、谷中敦(「白夜」マネージャー・赤木)、劇団ひとり(岡野健夫)、BONNIE PINK(綾乃)、濱田マリ(紀夫の妻)、武田真治(小野寺)、荒川良々(島津賢治)、あき竹城(係官)、嶋田久作(牧師)、奥ノ矢佳奈(子供時代の松子)

正直、非常に面白かった。

当然、中島哲也の前作「下妻物語」(2004)と比較するむきもあると思うし、2004年のSMAPの特番ドラマ「X’smap 〜虎とライオンと五人の男〜」(2004)と比較するむきもあるだろう。(わたしは「X’smap 〜虎とライオンと五人の男〜」を2004年12月にHDDに録画したまま見ていないのだが・・・・)

私見だが、本作「嫌われ松子の一生」を観た現在、「下妻物語」はただのお子様向けのチープなドラマに過ぎなかった、と言わざるを得ない。
これは、別に本作が描いているドラマが、人間のドロドロした部分を描いているから、つまり大人向けのドラマを描いているから、と言うわけではなく、描写が洗練され、ドラマを描くテクニックが「下妻物語」の数段上を行っているような印象を受けたからである。

と言うのも、「下妻物語」で強烈な印象を与えていた、『過去の出来事(桃子の生い立ち)を振り返る部分』の非常にスピーティーで情報過多な演出と描写が、本作「嫌われ松子の一生」ではほぼ全編に顔を出し、そのスピード感と情報過多感と、現代の(笙の)パートの対比が非常に素晴らしい効果を出している。

その効果は、『松子の生涯パート』は完全なるファンタジーとして描かれ、『笙のパート』は現実感溢れるテイストで描かれている。
異世界と現実世界の融和と対比が楽しめるのである。

また非常に印象に残る『松子の生涯』部分のミュージカル部分だが、これは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)と比較する事はたやすいと思うし誰もが思うことだろう。が、それと同時に「ブルース・ブラザース2000」(1998)のとあるシークエンスとの関連性にも思い当たる。特に"Happy Wednesday"のシークエンスは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の工場のシークエンスと「ブルース・ブラザース2000」のテレクラのさくら(?)のシークエンスの影響もしくはシンクロニシティを感じる。

そしてその演出だが、歌詞と字幕の表現が革新的で、歌詞が英語だと言うのに、字幕も英語で出しちゃうところが凄いと思った。

で、その字幕だが、後で焼いているのではなく、製作時点で字幕がインポーズされているため、従来の字幕のタイミングやフォントの呪縛から完全に解放された、新たな表現手法として字幕が使用されているのが、正に革新的である。

これは冒頭の場所と時制の表現でも同様の印象を受ける。

さて、本題の松子の生涯だが、表層的には当然ながら不幸である、と言う事になるのだろうが、彼女の精神世界では、彼女の感じている世界では、彼女の想像の世界では、彼女の夢の世界では、彼女は充分に精一杯幸せな生涯を送っていると思える。

例えば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のセルマが現実世界と同様に精神世界でも生きていたように、「未来世界ブラジル」(1985)のサム・ラウリーがラストで素晴らしく幸せな表情をしていたのと同じように、松子もある意味幸せな生涯を送ったのだと思う。

そして彼女の死因だが、表層的には勿論非常に悲惨な出来事だと言わざるを得ないと思うのだが、あの死因だからこそのカタルシスもあると言えばある。と本気で思う。
物語としては非常に美しい死に様だと思う。

ここで印象に上ってくるのは、例えばテレビ・シリーズ「探偵物語」の工藤俊作のラストのシークエンスであったり、また松田優作繋がりで「太陽にほえろ」のジーパンの殉職のシークエンスであったりする。

われわれ観客に取って重要な人物になってしまった存在が、事故としか思えない通り魔的な最後を迎えることは、儚くも美しい。
わたしは、松子のあの死因には、肯定的なスタンスを取っている。

また、キャストは全てが全て良かった。

特に印象に残ったのは、劇団ひとりと、日本映画界の至宝荒川良々が良かった。荒川良々は本当に凄いと思う。
表情で、セリフ一つで充分に泣かせてくれる。

劇団ひとりは、俳優としての将来が非常に楽しみである。

最近発泡酒のCF(CM)で「演技じゃないよ」とか言ってるおバカな脚本家がいるが、本作では破滅的な作家を好演していた。
こっちはきちんと演技していて面白いと思った。

また瑛太は冷めた感じが良かった。
観客の松子に対する感情移入の度合いをいさめる役割を与えられているような印象を受けた。
が、ラストでは、父親に対する軽い怒りを演じ、松子に対する感情移入と思える演技を瑛太は好演していた。

伊勢谷友介は例によってセリフを噛み潰す感じだったのだが、そのセリフ回しは今回のキャラクターにマッチしていたと思う。
「CASSHERN」(2004)や「雪に願うこと」(2005)より似合っていたのではないか、と思えた。

主演の中谷美紀は、本当に頑張りました。
と言うことだと思います。

とにかく、本作「嫌われ松子の一生」はちょっと長いけど、大変素晴らしい、面白い、悲しい、楽しい作品だと言えます。
是非劇場で観て欲しいと思うのだ。

☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だが、松子が新幹線で東京に来る際、その直前のカット、松子が駅の構内を歩くカットの背景に映る時計にJRのロゴが入っていた。(ように見えた)
当時(新幹線開通10周年の頃)はJRではなく、国鉄(JNR)である。
時代考証が上手く機能していないのか、なんらかの意図があるのか不明だが、そのカットでわたしはちょっとだけ醒めてしまった。

あと、一人称と、三人称の語り口の不統一感が、地に足が付いていない様な、微妙な不安定感が出ていて、ちよっとおかしいですね。
この作品。

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週刊「映画レビュー・インデックス」2006/06/17
「映画レビュー・インデックス」2006/06/17号
をお届けします。
 
 
■「映画レビュー・インデックス」
http://homepage3.nifty.com/~tkr/ture/openindex.htm
 
 
■公開中
2006/06/17
「タイヨウのうた」
http://diarynote.jp/d/29346/20060510.html
2006/06/10公開
「インサイド・マン」
http://diarynote.jp/d/29346/20060606.html
「やわらかい生活」
http://diarynote.jp/d/29346/20051123.html
2006/06/03公開
「ポセイドン」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「ドラゴン・プロジェクト」
未レビュー
「バッシング」
http://diarynote.jp/d/29346/20051120.html
2006/05/27公開
「嫌われ松子の一生」
http://diarynote.jp/d/29346/20060616.html
2006/05/20公開
「ダ・ヴィンチ・コード」
http://diarynote.jp/d/29346/20060605.html
2006/05/13公開
「柔道龍虎榜」
http://diarynote.jp/d/29346/20041122.html
「アンジェラ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「間宮兄弟」
http://diarynote.jp/d/29346/20060514.html
「ピンクパンサー」
未レビュー
2006/04/29公開
「小さき勇者たち〜GAMERA〜」
http://diarynote.jp/d/29346/20060416.html
「レント」
http://diarynote.jp/d/29346/20060308.html
「ロンゲストヤード」
未レビュー
「ブロークン・フラワーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060512.html
 
近日公開予定
2006/06/24公開
「真昼ノ星空」
未レビュー
2006/07/01公開
「カーズ」
未レビュー
2006/07/08公開
「M:i:III」
未レビュー

 
■週末興収ベストテン
2006/06/10-11 興収ベストテン
1.「ダ・ヴィンチ・コード」(ソニー)
2.「トリック 劇場版2」(東宝)
3.「LIMIT OF LOVE 海猿」(東宝)
4.「ポセイドン」(ワーナー)
5.「明日の記憶」(東映)
6.「嫌われ松子の一生」(東宝)
7.「インサイド・マン」(UIP)
8.「GOAL! ゴール!」(東芝エンタテインメント)
9.「オーメン」(FOX)
10.「トランスポーター2」(アスミック・エース)
 
 
捨てる神あれば、拾う神あり。
本日(2006/06/17)、「SPL/狼よ静かに死ね」のプレスシートが届いた。(画像参照)
で、そのプレスシートだが、なんと、サモ・ハンとドニー・イェンとウー・ジンのサイン入りだぞ!
チャンネルNECOさん、ありがとう!!
本当にありがとう!!!
 
因みにサインは、2006/01/25にされたものらしい。
2006/01/23からサモ・ハン、ドニー・イェン、そしてウー・ジンの3人は「SPL/狼よ静かに死ね」のプロモーションで来日しているが、その際のサインだと思われる。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソードIII/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「ロンゲスト・ヤード」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」です。
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「カーズ」

2006年6月19日 映画
2006/06/19 東京有楽町「よみうりホール」で「カーズ」の試写を観た。
併映は「One Man Band(短編)」。

ピストン・カップの若き天才レーサー、ライトニング・マックィーン。
レーサーとして絶大な人気を誇っているものの、信頼できる友達はひとりもいなかった・・・・。

ある日、彼はルート66号線沿いの小さな田舎町、”ラジエーター・スプリングス”に迷い込んでしまう。そこで待ち受けていたのは、オンボロ・レッカー車のメーターをはじめ、今まで見たことがない不思議なクルマたち。

しかし、住民たちが家族のように仲良く暮らす、この平和な町には、誰も知らない秘密があった。
・・・・なんとそこは、”地図から消えた町”だったのだ。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ジョン・ラセター
脚本:ジョン・ラセター、ドン・レイク
音楽:ランディ・ニューマン
声の出演:オーウェン・ウィルソン(ライトニング・マックィーン)、ポール・ニューマン(ドック・ハドソン)、ボニー・ハント(サリー)、ラリー・ザ・ケイブル・ガイ(メーター)、チーチ・マリン(ラモーン)、トニー・シャルーブ(ルイジ)、グイド・クアローニ(グイド)、ジェニファー・ルイス(フロー)、ポール・ドゥーリイ(サージ)、マイケル・ウォリス(シェリフ)、ジョージ・カーリン(フィルモア)、キャサリン・ヘルモンド(リジー)、ジョン・ラッツェンバーガー(マック)、マイケル・キートン(チック・ヒックス)、リチャード・ピティ(キング)、ジェレミー・ピヴェン(ハーヴ)

はっきり言って最高である。

「カーズ」は、外部からブラッド・バードを監督として迎えたピクサー社の前作「Mr.インクレディブル」なんかで喜んでいる場合じゃないと思えるし、かつてのジョン・ラセターの作品群もかすんでしまうほど、素晴らしい作品に仕上がっていた。

まあ、今観てきてすぐの感想なので、あまりあてにはならないと思うが、個人的にはピクサー社の最高傑作になってしまったのではないか、と思えてしまう。(とは言うものの、実際のところは、「モンスターズ・インク」の時も「ファインディング・ニモ」の時も「これこそピクサー社の最高傑作だ!」と思った。もちろん「Mr.インクレディブル」の時は「ふざけるな!」と思ったが。)
  
先ずはオープニング・アクションで泣ける。
ただクルマが走っているだけで、その動きだけで、その映像体験だけで泣けてしまう。涙腺の弱いダメな大人になってしまったようだが、泣けるんだから仕方がない。

これは「グリーン・デスティニー」(2000)のオープニング・アクションで泣けて以来の出来事かも知れない。

ところでだが、本作「カーズ」は、ピクサー・アニメーション・スタジオの20周年記念作品である。
かの「ルクソーJr.」からもう20年かと思うと、感慨も一入である。
お恥ずかしい話だが、わたしは「トイ・ストーリー」を観るまで、「トイ・ストーリー」のピクサー社と「ルクソーJr.」のPIXAR ANIMATION STUDIOが同一の会社だとは知らなかった。
「トイ・ストーリー」の冒頭、ピクサー社のロゴが出てはじめて「トイ・ストーリー」を作った会社と「ルクソーJr.」を作った会社が一緒だったのだ、と気付いたのである。

20周年記念作品と言う事もあり、本作「カーズ」は、ジョン・ラセターの再登板と言う事も含めて、ピクサー社20周年の集大成的な作品に仕上がっている。
かつてのピクサー社の作品のパロディと言うか、オマージュと言うかリスペクトと言うか、まあセルフなので、セルフ・パロディなんだろうが、そんなシーンが顔を出すし、CGIにしても、様々な物質の質感が大変すばらしい。今回は特に風景(美術/背景)が良かったと思う。

と言うのも、今までのピクサー作品が描いてきた世界観の中で、実在の世界にもっとも似ているのが今回の「カーズ」であり、その世界観を構築する背景や美術には全く違和感がなかった、と言うことである。

前作「Mr.インクレディブル」の世界観は、実在の世界と似ているのは似ているのだが、やはり、作り物である、と言う印象が否定できなかった。

が、しかし、本作の背景/美術の出来はすばらしく。実写と遜色がない上に、CGIを使用した実写作品にありがちな、物体の物理的
な動作の違和感が感じられなかった。(物体の重さや、空間の広がりが物理学的に再現されている、と言うこと)

また音楽についてもランディ・ニューマンの再登場と言うこともあり、ピクサー社のある意味の原点に戻りつつ、それでいて最高の品質のものをわれわれ観客に提供しているような印象を受けた。

この辺については、本作のエピローグ部分に映画ファン驚愕の強烈なカメオの山(とセルフ・パロディ)があるのだが、本当に信じられない程凄い。

これは実のところ、簡単に出来そうなことなのだが、なかなかあんなことは出来ないことなのだ。

例えば、パート1で死んだキャラクターを演じた俳優をパート2の回想シークエンスで起用するようなことは、実はハリウッド映画ではいろいろな障害があり、困難なのだ。

例えば、「スパイダーマン」(2000)と「スパイダーマン2」(2002)で、クリフ・ロバートソンとウィレム・デフォーが同じ役でキャスティングされているが、ハリウッド映画では、こんなことは稀なのだ。

話は戻るが、そのエピローグ部分を楽しむには、出来れば字幕版で観る事をオススメする。日本語吹替版では、オリジナル・キャストの再現は難しいのではないか、と思えるからである。

そのエピローグは、わずか数秒のカットの羅列なのだが、その超えの出演のギャランティを考えるとゾッとする。
(おそらく全ての俳優についてはノン・クレジットのノー・ギャラなのだと思うが、「カーズ」はそんなことが出来てしまう、ただでも良いから「カーズ」に参加したいと思わせる作品なのだ、という事である。)
 
 
物語は、自信過剰で他人のことはお構いなしの主人公ライトニング・マックィーンが、ラジエーター・スプリングスのクルマたちと触れ合うことにより、なんらかの成長を果たす、と言うベタと言えばベタなものなのだが、逆に言うとそれが普遍的で神話的、全ての民族に受け入れられる物語となっているのである。

またもう一つのコンセプトとして、人生をバイパスする、と言うものもある。
で、凄いのは、マックィーンが最後にする選択が凄い。
平凡な監督だったら、マックィーンはああ言う選択をしなかったのではないか、と思える。

余談だが、「ラスト・サムライ」(2003)を受けて日本国内では、「侍と言う莫迦げた生き方を捨てる物語」が何本か製作された。例えば、山田洋次の「隠し剣 鬼の爪」(2004)とか、行定勲の「北の零年」(2004)が有名どころだと思う。
日本の2大巨匠が「ラスト・サムライ」に怒ったのか、「ラスト・サムライ」に騙された日本人に怒ったのか、日本映画界の興味深い反応であった。

その辺りを考えると「カーズ」におけるマックィーンの最後の選択も凄いと思う。
 
 
キャストはなんと言ってもポール・ニューマンの起用が非常に嬉しい。ニューマンの映画的記憶を上手に利用した素晴らしいキャスティングである。例えるならば、作品の質はともかく「ドリヴン」(2001)で車椅子に乗っていたバート・レイノルズみたいなキャスティングだった、またはリメイク版「ロンゲスト・ヤード」(2005)にオリジナル版「ロンゲスト・ヤード」(1974)の主演のバート・レイノルズが出ているような感じ、と言うことである。

出来れば「カーズ」にもレーサー繋がりで、バート・レイノルズに出て欲しかったと思うね。「ストローカーエース」(1983)なんて、ある意味「カーズ」のモトネタみたいな作品だと思うし、両作の題材自体も同じストックカー・レーシングだし。

書きたいことはたくさんあるんだけど、既に4000文字近くなっているので、この辺で・・・・

とにかく、「カーズ」は大変すばらしい作品だ、という事は間違いないので、すぐ劇場に行っていただきたいと思う。

☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
 
 
・マックィーンのナンバー95は「トイ・ストーリー」公開の年。(元々はラセターの生年57の予定だった。)
・Goodyearならぬ、Light-yearはもちろん、バズの名前。
・ライトニング・マックィーンとポール・ニューマンということで「タワーリング・インフェルノ」以来のマックィーン+ニューマンの共演かと思われていたが、マックィーンは、2002年に亡くなったピクサー社のアニメーター、グレン・マックィーンの名から取られている。
・日本車唯一の登場と言われているクルマは、Mazda MX-5 Miataのファースト・モデル。双子のキャラクターの名前は、"Mia"と"Tia"。結構出番は多いです。

余談だけど、「カーズ」は、(日本のアニメーション作品を除けば)アニメーション映画のランニング・タイムとしては非常に長めの2時間1分。(北米版は116分)
「カーズ」は実際のところ子ども向け、と言うよりは大人向けなのだと思う。
事実、試写会に来ていた子ども等は、しびれを切らしていた。
まあ、字幕版はムリでしょう。字幕版の試写に子どもを連れてきた親の問題でしょうな。

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2006/06/22 東京中野「なかのZEROホール」で「M:i:III」(「MISSION:IMPOSSIBLE III」)の試写を観た。

意識を取り戻したイーサン・ハント(トム・クルーズ)の目の前には、拘束された婚約者ジュリア(ミシェル・モナハン)の姿があった。
朦朧としながらもジュリアを力づけるハントに対し、『ラビット・フット』の在処を執拗に尋ねるデイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)。

『ラビット・フット』の在処を言わなければ、ジュリアを殺すとハントに告げたディヴィアンは、ジュリアのこめかみに拳銃を突きつけ、数を数え始めた。
10カウントまでの間にハントが『ラビット・フット』の在処を言わなければ、ジュリアは殺されてしまうのだ。
1・・・2・・・3・・・・

監督:J・J・エイブラムス
製作:トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
脚本:J・J・エイブラムス、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
テーマ音楽:ラロ・シフリン
出演:トム・クルーズ(イーサン・ハント)、フィリップ・シーモア・ホフマン(オーウェン・デイヴィアン)、ヴィング・レイムス(ルーサー)、ビリー・クラダップ(マスグレイブ)、ミシェル・モナハン(ジュリア)、ジョナサン・リス=マイヤーズ(デクラン)、ケリー・ラッセル(リンジー)、マギー・Q(ゼーン)、サイモン・ペッグ(ベンジー)、エディ・マーサン(ブラウンウェイ)、ローレンス・フィッシュバーン(ブラッセル)、バハー・スーメク(デイヴィアンの通訳)、ジェフ・チェイス(デイヴィアンのボディガード)、マイケル・ベリーJr.(ジュリアの誘拐犯)、カーラ・ギャロ(ベス)

個人的な印象だが、本作「M:i:III」は、ハリウッドが誇るスパイ・アクション大作なのだが、非常に残念な事に、早くもラジー賞候補の最有力候補になってしまったようである。

おそらく、ワースト主演男優賞、ワースト・スクリーン・カップル賞のノミネートは堅いと思う。
勿論私見だよ。

『「M:i:III」(「MISSION:IMPOSSIBLE III」)をめぐる冒険』につづく・・・・
http://diarynote.jp/d/29346/20060627.html

☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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「映画レビュー・インデックス」2006/06/24号
をお届けします。
 
 
■「映画レビュー・インデックス」
http://homepage3.nifty.com/~tkr/ture/openindex.htm
 
 
■公開中
2006/06/24公開
「真昼ノ星空」
未レビュー
2006/06/17公開
「タイヨウのうた」
http://diarynote.jp/d/29346/20060510.html
2006/06/10公開
「インサイド・マン」
http://diarynote.jp/d/29346/20060606.html
「やわらかい生活」
http://diarynote.jp/d/29346/20051123.html
2006/06/03公開
「ポセイドン」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「ドラゴン・プロジェクト」
未レビュー
「バッシング」
http://diarynote.jp/d/29346/20051120.html
2006/05/27公開
「嫌われ松子の一生」
http://diarynote.jp/d/29346/20060616.html
2006/05/20公開
「ダ・ヴィンチ・コード」
http://diarynote.jp/d/29346/20060605.html
2006/05/13公開
「柔道龍虎榜」
http://diarynote.jp/d/29346/20041122.html
「アンジェラ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060519.html
「間宮兄弟」
http://diarynote.jp/d/29346/20060514.html
「ピンクパンサー」
未レビュー
 
近日公開予定
2006/07/01公開
「カーズ」
http://diarynote.jp/d/29346/20060619.html
2006/07/08公開
「M:i:III」
http://diarynote.jp/d/29346/20060623.html
「ブレイブ ストーリー」
未レビュー

 
■週末興収ベストテン
2006/06/17-18 興収ベストテン
1.「DEATH NOTE デスノート 前編」(ワーナー)
2.「ダ・ヴィンチ・コード」(ソニー)
3.「トリック 劇場版2」(東宝)
4.「LIMIT OF LOVE 海猿」(東宝)
5.「バルトの楽園」(東映)
6.「タイヨウのうた」(松竹)
7.「ポセイドン」(ワーナー)
8.「嫌われ松子の一生」(東宝)
9.「明日の記憶」(東映)
10.「インサイド・マン」(UIP)
 
 
カークとスポックの若き日を描く「スタートレック」の劇場最新作だが、監督は「M:i:III」のJ・J・エイブラムスが予定されている。
J・J・エイブラムスはカーク役によりによってマット・デイモンを希望しているらしい。どう考えても「スタートレック」ファンの激怒を買うんじゃないかと思えてならない。
 
ところで、話題のジャック・ブラックのプロレス映画「ナチョ・リブレ」って、ジャン・レノの「グラン・マスクの男」のリメイクなんでしょうかね。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソードIII/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「ロンゲスト・ヤード」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」です。
正に困った状況です。
 
 
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2006/07/08 日本公開予定の「M:i:III」(「MISSION:IMPOSSIBLE III」)は、おそらく日本国内においては、初登場1位を取ると思うし、しばらくの間は興収ベストテンに留まる大ヒット作品になるのだと思う。

しかし、わたし的には「M:i:III」はダメな映画だと言わざるを得ないし、トム・クルーズと言うビッグ・ネームが製作・主演している作品なだけに、現在のところのラジー賞の最有力候補でもある、とも言わざるを得ないだろう。

それでは、早速だがどの辺がダメだったのかを考えてみたいと思う。

なお、今回のエントリーは、「impressions and critiques: annex」の「MI:3」(http://imcr.exblog.jp/2606505/)を参考にしている。
 
 
■コンセプトの改変
「M:i:III」は、ご承知のように、テレビ・シリーズ「スパイ大作戦」(1966-1973)の映画化作品であるブライアン・デ・パルマの「ミッション:インポッシブル」(1996)の続編(実際は三作目)である。

そもそも「スパイ大作戦」とは何だったかと言うと、一見不可能とも思えるような作戦を、武器のプロ、爆破のプロ、変装のプロと言った、様々な技術を持ったプロフェッショナル達が、それぞれの技術を活かし、チーム・プレイで攻略、ターゲットをはめ、結果的に自滅させる、というコンセプトを持った物語だったと思う。

同様のコンセプトの作品としては「特攻野郎Aチーム」(1983〜1987)があるよね。

さて、「スパイ大作戦」の映画化についてだが、第一作目、ブライアン・デ・パルマの「ミッション:インポッシブル」は個人的には好きな作品なのだが、残念なことにこの作品の時点で、「スパイ大作戦」のコンセプトと異なるベクトルを持った作品になってきているような気がする。

先ず、チーム・プレイがスタンド・プレイに変更されている。
と言うのも、この作品のメイン・プロットは、はめられたエージェントが、当局の追跡から逃れ、いかにして身の潔白を示すか、と言うエージェントの逃亡と保身がメインのプロットとなった物語だったからだ。

そして、重要なプロットとして導入されたのは「裏切り」である。

エージェントが裏切り者にはめられて、逃亡し保身を図る作品は、スパイ映画の定番とも言えるし、面白い作品も多々ある。
系統は若干異なるのだが、ケヴィン・コスナー主演の「追いつめられて」(1987)なんかは最高に面白い。

また、当局の追跡から逃亡し、身の潔白を示す作品と言えば「逃亡者」(1963〜1967)なんかが有名だし、ロバート・ラドラムの「暗殺者」を原作にする「ボーン・アイデンティティー」(2002)なんかも想起される。

ところで、ブライアン・デ・パルマの「ミッション:インポッシブル」が、裏切られたエージェントが逃亡し、身の潔白を示す、と言うプロットを採用したのは、荒唐無稽なスパイ映画ではなく、リアルな等身大のスパイ映画を目指した事に因ることだと思うし、自らの潔白を証明する手段(メガネをかける)は、十分に「スパイ大作戦」していたと思うし、はめた、はめられた、と言う十分なカタルシスが感じられることだろう。

しかし本作「M:i:III」は、「スパイ大作戦」の映画化、と言う事よりは、今思えば、幾分トリッキーなプロットを採用して映画化された「ミッション:インポッシブル」の、そのトリッキーな部分のみを拡大踏襲して脚本が練られているような印象を受ける。
脚本家はこの作品が「スパイ大作戦」の映画化作品だ、と言うことを忘れてしまっている、と言うような印象を受けた。

■身内を救出するエージェント
いきなりで恐縮だが、テレビ・シリーズ「サンダーバード」(1964〜1966)の映画化作品で、ジョナサン・フレイクス監督作品「サンダーバード」(2004)と言う作品がある。

テレビ・シリーズ「サンダーバード」のコンセプトは謎の大富豪の私設救助隊である国際救助隊が、世界中の災害から一般市民を救出する、と言う物語である。

しかしながら、映画「サンダーバード」のプロットは、悪漢フッド(ベン・キングズレーが好演、今思えばケヴィン・スペイシーでも良かったかな)によって窮地に陥れられたトレイシー一家をトレイシー一家の末っ子が救出する、と言うものであった。

「一般市民ではなく、家族を救出する国際救助隊」
こんなプロットを持つ作品は、最早「サンダーバード」ではない、と言わざるを得ない。

同様に「M:i:III」のプロットは、独断でよけいなことをしてしまったハントに激怒したデイヴィアンが、ハントの婚約者を誘拐、その婚約者を助けるためにハントは公私混同し、チームで救出を図る、と言うとんでもないプロットなのである。

もちろん「ラビット・フット」の売買とか、デイヴィアンの行状とか、ワールド・ワイドな陰謀的伏線は絡むのだが、実際のところの「M:i:III」と言う作品は、ハントの全く個人的な物語だと言わざるを得ない。

例えば、デンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングの「マイ・ボディガード」(2004)みたいなプロットなのだ。と言うか非常に似ている、と言わざるを得ない。

例えばこのプロットでトム・クルーズ主演のオリジナル脚本で、映画を撮っちゃえば良いのに、何故「スパイ大作戦」を利用するのか、という事である。

ラロ・シフリンも泣いているぞ。

■IMF内部にカメラが侵入!?
IMFという組織は、謎の組織だったのではないか、と思うのだが、本作ではなんと、カメラがIMFの組織内に侵入してしまっているのだ。

この描写のおかげで、IMFはどこに国にもあるようなただの情報機関の体裁を取っていることが如実に示されてしまっている。

夢もロマンも霧散状態なのだ。

ついでに、ビジターのカードを付けているとは言え、一般市民が謎の組織IMF内で普通に振舞っているとは、正に言語道断なのだ。

■おまけ
「スパイ大作戦」のオープニング・ナレーション

スパイ大作戦
実行不可能な指令を受け
頭脳と体力の限りを尽くしてこれを遂行する
プロフェッショナル達の秘密機関の活躍である

「スパイ大作戦」の指令のセリフ

おはようフェルプス君・・・・

例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 
まあ、結論は、「M:i:III」(「MISSION:IMPOSSIBLE III」)は「スパイ大作戦」の名を借りた、ダメ映画、と言うことだろう。

何故こんな事に対し熱く語っているかと思う方も多々いらっしゃると思うが、一映画ファンとして、かつてのすばらしい作品の根底に流れるスピリッツを無視し、名称や設定だけ、つまり表層部分だけ利用する作品、言わば映画界の共有財産を食い潰す作品には断固とした態度で挑まなければならない、という事である。

何しろ「M:i:III」は「スパイ大作戦」を冒涜しているのだから。
 
 
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2006/06/28 東京中野「中野サンプラザ」で「ブレイブストーリー」の試写を観た。

ワタルはどこにでもいる平凡な11歳の少年。
ある夜、親友のカッちゃんとふたりで幽霊ビルの中を探検をしていたワタルは、階段の上に浮かぶ奇妙な扉を見つけ、その中へ入っていくミツルの姿を目にする。
ミツルは、成績優秀、スポーツ万能、おまけにルックスもいいと評判の隣のクラスの転校生。女の子に騒がれても、笑顔ひとつ見せないクールで大人びた少年だ。

「あの扉の向こうには何かあるの?」と問いかけるワタルに、ミツルは真顔でこう答えた。
「扉の向こうに行けば、運命を変えられる、ひとつだけ願いが叶うんだ」
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:千明孝一
アニメーション制作:GONZO
製作総指揮:亀山千広
原作:宮部みゆき 「ブレイブ・ストーリー」(角川書店刊)
脚本:大河内一楼
声の出演:松たか子(三谷亘/ワタル)、大泉洋(キ・キーマ)、常盤貴子(カッツ)、ウエンツ瑛士(芦川美鶴/ミツル)、斎藤千和(ミーナ)、今井美樹(運命の女神)、田中好子(三谷邦子)、高橋克実(三谷明)、柴田理恵(ユナ婆)、石田太郎(ダイモン司教)、伊東四朗(ラウ導師)、樹木希林(オンバ)
 
宮部みゆき原作、GONZO製作、話題の「ブレイブストーリー」である。

わたしは、宮部みゆきの小説は、現代小説と時代小説を中心に20冊弱くらい読んでいる。わたし的には、宮部の現代小説、時代小説共に、比較的面白く、−−もちろん時には大変面白く−−、読んでいるのだが、話題の「ブレイブストーリー」には一切手をつけていなかった。

と言うのも、小説家として過度に評価されている宮部みゆきが、ちょっと勘違いしちゃって、ファンタジー小説を書いてしまったのではないか、と言う危惧を持っていたからである。
つまり、「ブレイブストーリー」は畑違いのダメ小説ではないのか、と先入観を持ってしまっていたのだ。

わたし的にはそう言う状況なので、原作がどうこう言える立場ではないし、前提として原作と映像作品は別物である、と言うスタンスを貫いているわたしなのだから、原作との比較は一切ありえないのだが、映画「ブレイブストーリー」には大きく失望させられてしまった、と言わざるを得ない。

本作「ブレイブストーリー」の物語は、わたしが思うに、数々の傑作小説を世に送り続けている宮部みゆきの書いた物語だとは到底思えないものであった。
言うならば、ここに行ったらこうなって、そこでこいつが出てきてこうなって、そのあとどこどこに行ったら、奴が出てきてこうなる、と言った一本調子で場当たり的なプロットの羅列で物語が構成されているのである。

「ブレイブストーリー」の原作を読んでいないのでなんとも無責任な話なのだが、映画の設定から感じられるのは、宮部みゆきは、スティーヴン・キングとピーター・ストラウブ共著の「タリスマン」をやりたかったのだろう、と言うこと。
(前提として、宮部みゆきの作品はスティーヴン・キングの作品の影響を受けている。これは有名な話)

「タリスマン」とは、病気の母親を救うために、ある少年が実世界と異世界とを行き来しながら、異世界の女王に会うための旅を描いた物語で、スティーヴン・スビルバーグが20年以上も前から映画化を熱望している作品。
実際ドリームワークスが「タリスマン」の映像化の権利を持っており、映像化の企画が立ち上がりは消え、消えては立ち上がりを繰り返している。

さて、本作「ブレイブ ストーリー」の物語についてだが、気になったのはその物語の基本設定に問題がある、と言うこと。

1.宝玉を求めて旅をする旅人は、ワタルやミツル以外にもたくさんいた。
2.4つの宝玉は複数あるが、闇の宝玉はひとつだけしか存在しない。(と思われる)
3.闇の宝玉を取ると幻界は崩壊する。

という事は、過去から現在まで、現世から旅人として幻界に人間がやって来る度に、幻界は崩壊の危機にさらされる訳である。

そして、この幻界の存在理由は何かと言うと、現世の人々が望みをかなえるための試練の場として存在している、と言うことである。
仮に、幻界が実在の世界だとした場合、幻界で暮らす人々の生活や命など、物語の設定上、非常に軽いものとして描かれているのだ。

ミツルとワタルが唯一無二の存在、幻界における最初の旅人だったらいざ知らず、比較的多くの旅人が幻界をさまよっていた、と言う設定では、物語のひとつのテーマ「自分の望みのために他を犠牲にすることは正しいことなのか」が全く機能しない。

なにしろ、その世界そのものが、他を犠牲にしなければ望みがかなわない設定で構築されているのだ。
そして、その設定であるが故に、過去から現在にかけて、何度も何度も幻界は崩壊を繰り返し、その世界の住人は死、あるいはそれに準ずる苦境に立たされていた訳だ。

更に、冒頭の「おためしの洞窟」のシークエンスで激怒した。
所謂RPG的発想と言えばそれまでなのだが、「おためしの洞窟」の設定を具現化することにより、幻界での出来事のリアリティは著しく減衰する。

あぁ、幻界での出来事はゲームとおんなじで、失敗したらリセットすれば良いんだな、と。

また、死んだ人は生き返るし、宝玉のために幻界の人々を殺戮しても、迷惑をかけても構わない、と。

また、「おためしの洞窟」のラウ導師の存在も矛盾に満ちている。
旅人を評価し、旅人に対して「勇者」や「魔導士」などの資格を授け、旅人に冒険の装備を与えるのだ。

ラウ導師の仕事は、間接的ではあるが幻界の崩壊を手助けしているのだ。
なんのためにラウ導師と「おためしの洞窟」が存在するのか。
疑問は続く・・・・。

また、物語の展開にもちょっと問題があると思う。
本作「ブレイブ ストーリー」の物語の展開は、異世界に行った主人公が異世界でであった異世界の住人たちと仲良くなるのだが、その異世界には大きな問題が起きている事がわかり、異世界の仲間たちと異世界の問題を解決する、と言う言わば劇場版「ドラえもん」の物語の展開を踏襲している。

と考えた場合、本作の主人公ワタルは、異世界で出会ったキ・キーマたちと仲良くなり、そのキ・キーマたちと彼らが属する異世界自体を助けるために行動する事を決断する必要がある、と思うのだ。

そのワタルとキ・キーマたちとの心の交流が、ワタルが幻界を救う上での行動原理となる必要がある、と思うのだが、その重要なシークエンスはなんと「チーム★アメリカ/ワールドポリス」(2004)もびっくりのモンタージュで誤魔化されてしまっている。

そのモンタージュの潔さは潔さで良かったと思うのだが、本来ならば、ミツルが幻界の人々と全く交流を持たずに宝玉に突き進むのと対極的な描写、−−ありがちだが、焚き火の前でキ・キーマたちが過去の出来事を語る、とか−−が必要だったと思うのだ。

本作の展開では、ワタルとミツルの行動原理の差異がそれほど明確ではない。
もし、これがのび太だったら、その異世界の友達と疲れ果てるまで遊び、その友達の家に招待され、その家で異世界の実態を知る、と言う展開になるのだと思う。

つづく・・・・
一時保存です。

☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談ですけど、「ブレイブ ストーリー」のキャラクターを使用したCF(CM)が非常に気になります。
例えば、「花王メリット」(http://www.kao.co.jp/merit/bravestory/index.html#cm)や「ちょっぴり、ハッピー!きっかけは、フジテレビ。」のCF(CM)に「ブレイブ ストーリー」のキャラクターが登場しているけど、彼等がCF(CM)に登場することにより、「ブレイブ ストーリー」本編のリフリティが著しく減衰していることに気付かないのだろうか。

ああいったことを行うことにより「ブレイブ ストーリー」の物語は、全くのくだらない絵空事だったと思えてしまう。
映画の出来はともかく、一映画ファンとして「ブレイブ ストーリー」のキャラクターが不憫でならない。

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例年同様今年も庭で野菜を作っている。
モノによっては、収穫も始まっているので、状況をお知らせしようと思う。

■ミニトマト(赤)
サカタのタネの「キャロルツリー」と言う品種。

生育が非常に早く茎も丈夫で比較的早く収穫ができる。
実は、現在30〜40個程度実っていて、徐々に赤みを増している。
概ね1日2〜3個位収穫できるような感じで、市販のミニトマトと同様の味が楽しめている。

■ミニトマト(黄)
デルモンテの「フルーツイエロー」と言う品種。

「キャロルツリー」と異なり、普通のミニトマトと同様に茎が細く弱いため支柱が必要。
「キャロルツリー」と比較すると生育が若干遅いが、徐々に色つき始めている。
まだ収穫出来る程に生育していないが、黄色いミニトマトと言うこともあり、非常に楽しみである。

■枝豆
例年育てているが、成功したことがない。
今年も葉が病気か何かで落ち、茎に枝豆の莢(さや)だけがついている状況。実自体も生育不良で非常に小さい。
何故いつも失敗するのか疑問である。

■インゲン
例年枝豆が失敗しているので、豆つながりでインゲンを育ててみた。
比較的生育が早く、莢ができ、その莢の中の豆が順番に大きくなってきていたのだが、枝豆同様、病気か何かで葉が落ち、茎にインゲンの莢だけがついている状況。
豆は難しいのだろうか。

■ゴーヤ
比較的簡単にできる、と言う話を聞き、試しに育ててみることにした。

ツルはどんどん伸びるので、3本支柱を立て、ツルを這わせているが、実はあまり成長しないな、と思っていたら、ここ2〜3日の暑さで、爆発的に実が大きくなった。

2〜3日前は、1センチ程度だった実が今朝見てみると、10センチ位にいきなり成長していた。実の見た目もゴーヤそのもので、収穫が楽しみになってきた。

しかし、実のサイズと比較して茎(ゴーヤの実がぶら下がっている部分)が細く、ゴーヤをぶら下げた状態で、今後成長していくゴーヤの重みに茎が耐えられるのかが心配である。
 
 
 
家庭菜園の楽しい毎日でした。

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