さて、早速ですが2007年の目標の中間発表その5です。

とりあえず目標の再確認を・・・・

目標第一弾 「映画を300本観るぞ!!」(DVD等含む)
目標第二弾 「本を100冊読むぞ!!」

1.映画

#018「バベル」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2007/05/12
#019「睡眠恋愛のすすめ」シネマライズ 2007/05/13
#020「ザ・シューター/極大射程」ヤクルトホール 2007/05/18
#021「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」ワーナーマイカル・シネマズ板橋 2007/05/25
#022「プレステージ」中野サンプラザ 2007/05/27
#023「300/スリーハンドレッド」九段会館 2007/05/29
 
 
2.DVD、CATV等

#062「ストレンジャー・ザン・パラダイス」HDD 2007/05/01
#063「殺しのドレス」HDD 2007/05/02
#064「カミュなんて知らない」HDD 2007/05/03
#065「ダウン・バイ・ロー」HDD 2007/05/07
#066「VOICE ヴォイス」CATV 2007/05/10
#067「ドラゴンヘッド」CATV 2007/05/11
#068「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」CATV 2007/05/11
#069「マルホランド・ドライブ」CATV 2007/05/11
#070「機動戦士Zガンダム/星を継ぐ者」HDD 2007/05/12
#071「がんばれ!ベアーズ」CATV 2007/05/12
#072「小さき勇者たち〜GAMERA〜」CATV 2007/05/14
#073「ひかりごけ」CATV 2007/05/14
#074「機動戦士ZガンダムII/恋人たち」HDD 2007/05/16
#075「プロジェクトA」HDD 2007/05/19
#076「ビデオドローム」HDD 2007/05/19
#077「悪名一代」CATV 2007/05/22
#078「ティム・バートンのコープスブライド」CATV 2007/05/23
#079「ウォレスとグルミット、危機一髪!」HDD 2007/05/24
#080「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」CATV 2007/05/25
#081「スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲」CATV 2007/05/25
#082「スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還」CATV 2007/05/25
#083「ALWAYS 三丁目の夕日」CATV 2007/05/26
#084「トリック」CATV 2007/05/26
#085「トリック2」CATV 2007/05/26
#086「東京物語」HDD 2007/05/28

 
3.読書

#011「家族趣味」乃南アサ著 新潮文庫 2007/05/03
#012「野獣死すべし」大藪春彦著 角川文庫 2007/05/05
#013「わるいやつら(上)」松本清張著 新潮文庫 2007/05/16
#014「悪魔の降誕祭」横溝正史著 角川文庫 2007/05/24 
 
  
映画は、劇場6本(累計23本)、DVD等25本(累計86本)で、計31本(累計109本)。
このままのペースで、年間262本(劇場74本)です。

読書は4冊(累計14冊)で、このままのペースでは、年間34冊です。

今年は非常にマズイ状況です。
映画はリカバリーされつつありますが、読書はまずいですね。

 
まあ、先は長いですが頑張ります。

参考)
2007年の状況
映画109本(うち劇場23本)
読書14冊

2006年の状況
映画114本(うち劇場25本)
読書09冊

2005年同時期の状況
映画106本(うち劇場36本)
読書12冊

2004年同時期の状況
映画115本(うち劇場32本)
読書18冊

2003年同時期の状況
映画126本(うち劇場37本)
読書24冊

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週刊「映画レビュー・インデックス」2007/06/02号(通巻136号)
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■公開中
2007/06/01公開
「ザ・シューター/極大射程」
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2007/05/12公開
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
未レビュー
2007/05/05公開
「The 焼肉ムービー プルコギ」
未レビュー
2007/04/28公開
「バペル」
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「恋愛睡眠のすすめ」
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2007/04/21公開
「明日、君がいない」
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「リンガー!替え玉★選手権」
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2007/04/07公開
「ブラッド・ダイヤモンド」
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2007/03/24公開
「蟲師」
未レビュー
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2007/03/17公開
「口裂け女」
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2007/03/03公開
「パフューム/ある人殺しの物語」
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2007/02/24公開
「叫<さけび>」
未レビュー
「さくらん」
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■近日公開
2007/06/09公開
「プレステージ」
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「300/スリーハンドレッド」
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2007/06/16公開
「舞妓Haaan!!!」
未レビュー
「ゾディアック」
未レビュー
 
 
■週末興収ベストテン
2007/05/26-27 興収ベストテン
1.「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(ブエナビスタ)
2.「スパイダーマン3」(ソニー)
3.「ゲゲゲの鬼太郎」(松竹)
4.「俺は、君のためにこそ死にいく」(東映)
5.「眉山」(東宝)
6.「GOAL!2」(東芝)
7.「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」(東宝)
8.「バベル」(ギャガ)
9.「しゃべれども しゃべれども」(アスミック・エース)
10.「パッチギ! LOVE&PEACE」(ギャガ)
 
 

 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「舞妓Haaan!!!」です。
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2007/06/06 東京板橋「ワーナーマイカル・シネマズ板橋」で「大日本人」を観た。

監督:松本人志     
企画:松本人志     
脚本:松本人志、高須光聖     
撮影:山本英夫     
音楽:テイ・トウワ     
出演:松本人志(大佐藤大)、竹内力(獣その二)、UA(小堀マネージャー)、神木隆之介(獣その五)、海原はるか(獣その一)、板尾創路(獣その四)

果たして、本作「大日本人」は松本人志の当初の目論見通りに仕上がっているのだろうか。疑問を感じる。
と言うのも、ラストのシークエンスのテイストがその直前までのテイストとあまりにも異なっているのだ。

そのラストのシークエンスまでの描写は、世襲制の巨大ヒーロー・大佐藤(松本人志)を題材にしたドキュメンタリーそのものである。

そのドキュメンタリー部分が描いているのは、もし本当に巨大ヒーローが存在したら、どうなるのか、を現実的にシミュレートしたものである。

そして、そのドキュメンタリー部分は非常に面白い(interestingの意/興味深いと言う意味)のだ。

と言うのも、本作のドキュメンタリー部分は、大佐藤と言う、現実的な巨大ヒーローの悲哀が見事に表現されているのだ。
これはホラー映画におけるモンスターの悲哀を描いた作品と非常に近しい印象を受ける。

松本人志演じる大佐藤は、他と異なるが故に迫害され疎まれるモンスターそのものなのだ。

電気で巨大化する大佐藤はフランケンシュタインのモンスターのメタファーなのだ。

そして、そのテイストは、ラストのシークエンス直前まで続くのだが、その素晴らしいシークエンスの繋がりにより観客の中に醸成されたなにがしかの情感を、ラストのシークエンスからエンド・クレジットにかけての描写により、見事に裏切ってしまっているのだ。

ラスト直前までの観客のエモーションを安易に裏切ってしまっているのだ。
それが意外性を描写しているのか、それとも意図的な確信犯的な裏切りなのか、疑問は深まる。

はたして、それは意図的な演出だったのか、それともCGIの製作期間の問題や、カンヌ出品や公開時期と言う大人の事情の問題からか、本来の意図とは異なるシークエンスを突貫工事で、取りあえず着地できる姿を模索し、妥協点として考えられる現行のウルトラC的な着地点をもとめたのではないか、と思えてならない。

出来うることならば、ラスト直前のテイストでラストまで描いた作品を観てみたいと思う。

しかしながら、もし仮に本作の現在の姿が、松本人志が真面目に映画と取り組んで出てきた結論だとすると、映画ファンとしては「フザケルな!」と言う気持ちがむくむくと頭をもたげてくる。

と言うのも、本作「大日本人」が大きな予算をかけて製作された、と言うことにより、日本国内において、少なくても一本の作品が、確実に製作されない、つまり予算が集まらず作品として日の目を見ない、と言うことになりかねないのだ。

日本映画界にとって、本作がプラスになるのか、マイナスになるのか、真面目に考えなければならない、とわたしは思った。

こんな作品に金を使うのならば、他の優秀な若手映像作家に金を出してあげて欲しい、とわたしは思う訳だ。
 
 
さて、話は変わり作品についてだが、先ずは前半から中盤、ラスト前までに掛けての美術が良い仕事をしていた。微に入り細に入り作り込まれ、考え尽くされた設定をもとに構築されたセットや、衣装、美術が大変素晴らしい。

また、本当に巨大ヒーローがいたら、どうなるのか、を考え抜いたであろう設定から構築された世界観が素晴らしい。
この方向性でぐいぐい押してきたら、良い作品になったのではないか、と思えてならない。繰り返しになるが、ラストのシークエンスについて、非常に残念な気持ちがする。

また、大佐藤と獣の戦いは、基本的には、CGIで描かれるのだが、先ずは戦いの時間を昼間に設定し、しかもよく見かける名所名跡(街角)で行ったことに、素直に拍手を送りたい。

脚本は、おそらく松本人志に演技スタイルの問題もあり、インタビュー形式と言うか、ドキュメンタリー形式にしたのではないか、と思えるが、非常に効果的で、良い印象を持った。

と言うのも、インタピューに答える部分は良いのだが、普通のセリフ、例えば何度か出てくる「防衛庁の命によって・・・・」と言うセリフがまるでだめなのだ。

まあ、とにかく、本作「大日本人」は観るべきところはあるとは思うが、全ての人に勧められる作品ではないし、熱心な映画ファンにはあまり勧められないと思う。

とは言う物の、話題作なので、観たい人は気にせず観たらどうかと思う。
 
 
あと余談だけど、政治的に観るとラストのシークエンスが興味深いですね。

隣国から日本にやって来た獣(「ヘルボーイ」の子供みたいな奴)を見て逃げ回る大佐藤を尻目に、アメリカからやって来たヒーロー5人組が獣をボコボコにする、と言う日米安全保障条約とか日米地位協定のお話しになっているということですな。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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「POCARI SWEAT X SMAP」をめぐる冒険 その3
先ずはこちらをご参照いただきたい。

「POCARI SWEAT X SMAP」をめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20070411.html

「POCARI SWEAT X SMAP」をめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20070511.html

2007/06/07 木村拓哉版のポカリスエットのCF(CM)「circle篇」の放映が始まった。

基本的には、『「POCARI SWEAT X SMAP」をめぐる冒険』でわたしが推測していた通りの結果になった模様ですね。

※ 木村拓哉版の「POCARI SWEAT X SMAP」のCF(CM)は存在するが、放映時期は木村拓哉と日本コカ・コーラとの契約が終了した時点、と言うこと。

さて、今回の「circle篇」ですが、CF(CM)としては、他のシリーズと比較して面白いコンセプトの作品に仕上がっていた。

で、考えられるのは、この「circle篇」は、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」(1968) ではないか、と言うこと。

尤も「POCARI SWEAT X SMAP」の美術(セット)自体が、白を基調とした、まるでディスカバリー号の内部のような印象を受けていたのだが、今回の「circle篇」の木村拓哉は、それ以上に「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号内部でランニングをするボーマン船長に見えてくる、と言う印象を受ける。

まあ、結果的に、木村拓哉版「POCARI SWEAT X SMAP」のCF(CM)の放映が始まり、めでたしめでたしですが、日本コカ・コーラ社的には、はらわた煮えくり返り状態かと思いますね。

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週刊「映画レビュー・インデックス」2007/06/09号(通巻137号)
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■「映画レビュー・インデックス」
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2007/06/09公開
「プレステージ」
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「ザ・シューター/極大射程」
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「大日本人」
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2007/05/12公開
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
未レビュー
2007/05/05公開
「The 焼肉ムービー プルコギ」
未レビュー
2007/04/28公開
「バペル」
http://diarynote.jp/d/29346/20070513.html
「恋愛睡眠のすすめ」
http://diarynote.jp/d/29346/20070523.html
2007/04/21公開
「明日、君がいない」
http://diarynote.jp/d/29346/20070423.html
「リンガー!替え玉★選手権」
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2007/04/07公開
「ブラッド・ダイヤモンド」
未レビュー
2007/03/24公開
「蟲師」
未レビュー
「ブラックブック」
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2007/03/17公開
「口裂け女」
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2007/03/03公開
「パフューム/ある人殺しの物語」
未レビュー
2007/02/24公開
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未レビュー
「さくらん」
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■近日公開
2007/06/16公開
「舞妓Haaan!!!」
未レビュー
「ゾディアック」
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2007/06/23公開
「憑神」
未レビュー
 
 
■週末興収ベストテン
2007/06/02-03 興収ベストテン
1.「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(ブエナビスタ)
2.「大日本人」(松竹)
3.「スパイダーマン3」(ソニー)
4.「そのときは彼によろしく」(東宝)
5.「ザ・シューター/極大射程」(UIP)
6.「眉山」(東宝)
7.「ゲゲゲの鬼太郎」(松竹)
8.「俺は、君のためにこそ死にいく」(東映)
9.「女帝[エンペラー]」(ギャガ)
10.「監督・ばんざい」(東京テアトル=オフィス北野)
 
 
気がついたら痩せていた。

わたしの身長は175cmである。
因みに先日更新した生涯体重最高値は76kgであった。
そんなわたしのBMI値22的な理想体重は67.4kgである。

健康診断的に気になる事があったりで、栄養指導のもと食事習慣をちよっと変えてみた。

夕食だけは、出来得る限り魚料理を摂ることにしてみたのだ。
お寿司を食べる機会が激増した。

魚料理習慣をはじめて2ケ月あまり、気がついたら、中性脂肪とか、コレステロール等の数値が平常値に戻り、体重も減少してしまっていた。
なんと、気がついたらわたしの体重は、70kgまで落ちていたのだ。

特に運動はしていないし、酒の量も減っていない、と言うか増えている。因みに甘いモノもひかえていない。

ただ、飲み屋は和食か野菜食の店に行く事が多くなった。

ビバ! 魚料理!!

余談だが、上半身の体重が減少したため、腰痛も緩和された。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「舞妓Haaan!!!」、「夕凪の街桜の国」です。
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先日たまたまCATVで「フォーリング・ダウン」(1993)が放映されていたのでHDDに録画した。
で今日、久し振りに見てみた。

「フォーリング・ダウン」は、何度見ても色褪せない素晴らしい傑作である。

1993年の「フォーリング・ダウン」の日本公開時の話だが、わたしは劇場で本作を観た帰りに、当時渋谷にあった DISC & GALLERY で「フォーリング・ダウン」の北米版LDを購入したのを覚えている。

1980年代から1990年代の北米版LDのメッカは、 DISC & GALLERY と SALE を擁する渋谷だったのではないか、と思う。

北米版LDが店頭で購入できると言う事は、劇場で観たばかりの作品を、家に帰って再び観ることができる、そんな素晴らしい時代の幕開けだった訳だ。

そんな訳で、わたしは、劇場で映画を観た帰りに、その足で、その映画の輸入版LDを買う事が度々あった。

一番最初に買った北米版LDは、「シザーハンズ」(1990)だった。
当時のわたしはLDプレイヤーを持っていないのに、つまりLDを買って帰っても観られないのに、「シザーハンズ」のLDを買った訳だ。
「シザーハンズ」は多分有楽町で観たような記憶がある。
有楽町から渋谷経由で自宅に帰った訳だ。

「シザーハンズ」の日本公開は、1991年7月だから、多分LDプレイヤーを購入したのも1991年7月だった訳だ。

あと覚えているのは、「レザボアドッグズ」(1991)だ。
これも渋谷シネマライズで観て、その足で、渋谷 DISC & GALLERY で北米版LDを買った記憶がある。
1991年の映画だが、日本公開は1993年4月だった。

渋谷から渋谷なので楽だったね。

現在はDVDから次世代ディスクへ移りつつあるが、聞くところによると、Blu-ray Disc はリージョン・コードが無いらしいから、LDのように何の制限もなしに、輸入版ディスクを購入できる時代が来るのかも知れない。

リージョン・コードがあっても、リージョン・フリーのDVDプレイヤーを買えば良いんだけどね。

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2007/06/12 東京有楽町「よみうりホール」で「ゾディアック」の試写を観た。

監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:ロバート・グレイスミス
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
撮影:ハリス・サヴィデス
プロダクションデザイン:ドナルド・グレアム・バート
衣装デザイン:ケイシー・ストーム
編集:アンガス・ウォール
音楽:デヴィッド・シャイア
出演:ジェイク・ギレンホール(ロバート・グレイスミス)、マーク・ラファロ(デイブ・トースキー刑事)、ロバート・ダウニー・Jr(ポール・エイブリー)、アンソニー・エドワーズ(ウィリアム・アームストロング刑事)、ブライアン・コックス(ベルビン・ベリー)、イライアス・コティーズ(ジャック・マラナックス巡査部長)、クロエ・セヴィニー(メラニー)、ドナル・ローグ(ケン・ナーロウ)、ジョン・キャロル・リンチ(アーサー・リー・アレン)、ダーモット・マローニー(マーティ・リー)

先ずは本作「ゾディアック」は大変面白い作品に仕上がっていた、と言える。

本作は、157分と言う長尺にも関わらず、全く長さを感じさせずに、観客の緊張感を持続させる演出・描写・演技・美術・音楽はすばらしいものだった。

個人的な印象で恐縮だが、本作の監督は「セブン」(1995)や「ファイト・クラブ」(1999)のデヴィッド・フィンチャーと言うこともあり、わたしは彼独特の映像スタイルや過激なバイオレンス描写に期待をしていた部分があったのだが、実際のところ本作は、過去の出来事や事実を過度な演出を避け、淡々と描くことに終始し、その作品としてのスタンスは、感覚的にはオリバー・ストーンの作品、特に「ドアーズ」(1991)と似ているような印象を受ける。

と言うのは、もしかすると、シーンの区切り毎に挿入される時と場所のテロップがそうさせているのかもしれないし、また1960年代後半を再現した衣装や美術が観客に与える印象が、オリバー・ストーンの1960年代を舞台とした作品群と似ているからなのか知らないが、そんな印象を受けた訳だ。

全米初の劇場型連続殺人事件と呼ばれるゾディアック事件については、既に各方面が伝えているので、割愛するが、本作は、ゾディアック事件の言わば渦中の人物であった風刺漫画家ロバート・グレイスミスが書いたノンフィクション小説を基にしている。

殺人事件の渦中の人物が書いた小説の映画化と言うと、前述のオリバー・ストーンが映画化した「JFK」(1991)が思い出される。

脚本はあくまでも控えめで、奇をてらったところがなく、淡々と事実を物語っていく。
演出も同様、抑制が利いた、地味ではあるが着実な演出が心地よい。
また音楽は、前半部分は60年代ポップスを基調とした朗らかで明るい感じの音楽が、物語が進むにつれ、陰鬱で沈鬱な音楽へと様変わりしていく。

美術や衣装は、かつてのアメリカを十二分に再現しており、撮影と照明は、夜のシーンが多い本作だが、統一された色彩感が感じられる良い仕事をしていた。
特に夜とか、雨のような暗い映像が、本作の物語と相まって、趣を醸し出していた。

美術、衣装、撮影、照明と相まって、ゾディアック事件の背景となる見事な世界観の構築に成功している。

ところで、脚本的に興味深かったのは、警察機構の縄張り意識とか、状況証拠とか物証に対する考え方が面白かった。

余談だが、本作「ゾディアック」の製作は、ワーナーとパラマウントの共同製作になっている。
経緯は知らないが、「タワーリング・インフェルノ」(1974)かと思った。
予算が足りなかったのだろうか。

キャストは、先ずはジェイク・ギレンホール(ロバート・グレイスミス役)だが、後半に向けてゾディアック事件に取り付かれ段々と周りを省みない状況になっていく姿が興味深く、後半部分では、以前の同僚であるロバート・ダウニー・Jr(ポール・エイブリー役)のルックスに似てくる始末である。

件のロバート・ダウニー・Jr(ポール・エイブリー役)は切れ者の記者から、メディアに取り付かれ落ちぶれていくまでを好演している。

そして、もうひとりの主役マーク・ラファロ(デイブ・トースキー刑事役)がこれまた良い。

また、有力な容疑者役のキャラクター設定も良かった。
ゾディアック事件は、サイコ・キラーのはしりであり、またプロファイリングのはしりでもあり、様々な映画や小説に影響を与えていることもあるのだが、その有力容疑者の現実味を帯びたキャラクター設定が楽しい。

有力容疑者は、例えばハンニバル・レクターのような極端で異常なキャラクターではなく、わたし達の身の回りによく居る人物として描かれているのだ。

人物だけではなく、登場人物の生活や生活環境が描かれており、キャククターの造形に深みを与えている。

バイオレンス描写は比較的控えめだが、その中でもタメがない突然のショック・シーンが何度も描かれ、ゾディアックの犯人像にひとつの印象を与えている。

とにかく本作「ゾディアック」は157分と言う長尺だが、劇場で観ていただきたいすばらしい作品に仕上がっている。
是非劇場へ足を運んでいただきたい。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だが、字幕の翻訳に若干気になる点があった。
「サン・フランシスコ・クロニクル」を「クロニクル新聞社」と訳していたり、あと忘れてしまったが、何点かおかしな訳があったような気がする。

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「舞妓Haaaan!!!」

2007年6月14日 映画
2007/06/01 東京内幸町「イイノホール」で「舞妓Haaaan!!!」の試写を観た。

鬼塚公彦(阿部サダヲ)は鈴屋食品・東京本社で働く平凡なサラリーマン。
ただひとつ異なるのは、熱狂的な舞妓ファンで暇さえあれば京都に通っていること。
しかし、舞妓と遊ぶためのお店・お茶屋ののれんをくぐったことは・・・まだない。
そんなある日、公彦に吉報がもたらされた。
念願の京都支社への転勤が決まったのだ!!!
あっさりと同僚OLの彼女・大沢富士子(柴咲コウ)を捨てて、意気揚々と京都入りする公彦だったが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ(鬼塚公彦)、堤真一(内藤貴一郎)、柴咲コウ(大沢富士子/駒富士)、小出早織(駒子)、京野ことみ(小梅)、酒井若菜(豆福)、キムラ緑子(良江)、大倉孝二(大下)、生瀬勝久(先崎部長)、山田孝之(修学旅行生)、須賀健太(カメラ小僧)、Mr.オクレ(老社員)、日村勇紀(カメラ小僧/バナナマン)、北村一輝(医師)、植木等(斉藤老人)、木場勝己(玄太)、真矢みき(こまつ)、吉行和子(さつき)伊東四朗(鈴木大海)

先ずは本作「舞妓Haaaan!!!」は大変面白い娯楽作品に仕上がっていた。

一番印象的だったのは、阿部サダヲ(鬼塚公彦役)、堤真一(内藤貴一郎役)の怪演振りである。

両者とも舞台俳優である、と言うことが作品の世界にすばらしい効果を与えている。

舞台は、映画と異なり、見立ての文化なんだと思う。

例えば、俳優が一言「綺麗な海ね」と言えばそこには大洋が広がり、メイクなしで、子供や老人になってしまう。

舞台とは、俳優と観客が見立てを楽しみ、信じることが出来る、と言う魔法の力を持った世界なのだ。

そんな中で、本作「舞妓Haaaan!!!」ではハイテンションで緊張感とライブ感に溢れる舞台俳優同士の掛け合いが最高に面白い。

脚本は上手いんだか下手なんだか、ムラが多い宮藤官九郎だが、今回の脚本は非常にテンポが良く、前半から中盤までの怒涛の展開には、驚かされつつ、笑わされた。

特に、鬼塚と内藤のバトルがエスカレートしていく様子はすばらしかった。

ラストへの持って行きかたに若干の不満があるものの、トータル的には非常に楽しい脚本に仕上がっていたと思う。

キャストは何と言っても阿部サダヲ(鬼塚公彦役)に尽きる。
悪く言うと、本作「舞妓Haaaan!!!」は阿部サダヲの力量におんぶにだっこ状態のような印象すら受けてしまう。
それほど凄いキャラクターを見事に演じている。

また阿部サダヲは舞台俳優、と言うこともあり、動きのキレと言うか、キメと言うか、一連の動作の中で、ポイントを決めるのが非常に上手いと思った。

あとは不自然な格好での動きがすばらしく、変な格好で動くと言う、筋力的には非常に辛い動きを嬉々として演じる様にも驚かされる。

堤真一(内藤貴一郎役)は、阿部サダヲと同様すばらしく、モデルとなっている野球選手同様、破天荒な生き様を見せてくれている。

柴咲コウ(大沢富士子/駒富士)は、「世界の中心で、愛をさけぶ」 (2004)、「日本沈没」(2006)に続き、例によって、物語にいらないキャラクターを演じているような印象を受けた。
柴咲コウのキャラクターを完全に落として脚本を作ったほうが良かったのではないか、と思えた。

非常に印象的だったのは、小出早織(駒子役)の好演である。
彼女のキャリアは、テレビドラマでのキャリアがほとんどだが、映画への進出を含め、今後が期待の女優さんだと思った。

また、生瀬勝久(先崎部長役)は要所要所を締める、美味しい役柄を楽しげに演じていた。

ところで、水田伸生、宮藤官九郎、阿部サダヲと言えば、テレビドラマ「ぼくの魔法使い」(2003)つながりかと思えるが、宮藤官九郎脚本作品の多くに阿部サダヲがクレジットされているのも興味深い。

前述の柴咲コウのキャラクターは不要だ、と言う話だが、本作「舞妓Haaaan!!!」の脚本のキモは、鬼塚と内藤のエスカレーションギャグと、駒子との係わりであり、富士子の扱いは非常に小さいもので良いハズである。

それなのに、柴咲コウがクレジットされたばかりに、大人の事情で柴咲コウの役柄がクローズアップされてしまっているような印象を受ける。

また本作のプロモーション的には、物語のプロットから考えると端役に過ぎない富士子のシークエンスをメインのプロットのように扱った戦略的なプロモーションが行われているような印象を受ける。

これは、柴咲コウで客を呼んで、小出早織で客を帰す(柴咲コウの人気で客を呼んで、小出早織の演技を堪能させ、客を満足させるの意)、と言う戦略だったのだろうか。

だとすると、「世界の中心で、愛をさけぶ」 (2004)、「日本沈没」(2006)に続き、客寄せパンダのように扱われる柴咲コウと言う女優が不憫でならない。

確かに本作「舞妓Haaaan!!!」と言う作品は客を呼ぶ要素に乏しい。
阿部サダヲや堤真一、宮藤官九郎の脚本だけではなかなか多くの客を呼ぶことは難しいだろう。
そんな中、柴咲コウで客を呼ぼうと考えるのは理解できるのだが、脚本上メインのプロットたり得ない、狂言回し的なキャラクターを振られてしまうのはどうかと思える。

物語の構成を考えた場合、柴咲コウを使うのであれば、小出早織が演じた駒子クラスの役を振るべきだと思う。

それが出来ない、と言うことは柴咲コウの女優としての力量に問題がある、と言うことなのだと思う。

柴咲コウに関する余談が長かったが、本作「舞妓Haaaan!!!」は非常に良質なコメディ作品に仕上がっている。
ラストの取扱いに釈然としない(蛇足的な)部分があるが、あとは手放しでオススメ出来る楽しい作品である。

阿部サダヲの怪演に酔っていただきたい。
是非劇場へ!

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2007/06/07 東京大崎「イマジカ第2試写室」で「夕凪の街桜の国」の試写を観た。

原爆投下から十三年が経過した広島の街。
そこに暮らす平野皆実(麻生久美子)は、会社の同僚・打越(吉沢悠)から愛を告白される。
しかし彼女には家族の命を奪い、自分が生き残った被爆体験が深い心の傷になっていた。
その彼女の想いを打越は優しく包み込むが、やがて皆実には原爆症の症状が現れ始める・・・・(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:佐々部清
原作:こうの史代「夕凪の街 桜の国」(双葉社刊)
脚本:国井桂、佐々部清
出演:田中麗奈(石川七波)、麻生久美子(平野皆実)、吉沢悠(打越豊)、中越典子(利根東子)、伊崎充則(石川旭/青年時代)、金井勇太(石川凪生)、藤村志保(平野フジミ)、堺正章(石川旭)

新たな涙腺破壊兵器の誕生である。

ところで、本作「夕凪の街桜の国」は、こうの史代の漫画の映画化作品である。

わたしは常日頃から漫画の映画化には否定的な立場を取っている。
と言うのも、わたしは、映画化する題材が、漫画にしろ小説にしろ、人気のある原作の映画化ではなく、オリジナルの脚本で勝負して欲しいと思うからである。
人気のある作品を映画化する、と言うことをやっていくと、オリジナル脚本には出資されず、映像作家の才能が枯渇してしまう、と言う危惧を感じるからである。

また、個人的な好き嫌いの話だが、わたしは第二次世界大戦を背景にした日本映画はあまり好きではない。
と言うか興味が沸かないのである。
年間に300本以上の映画を観るわたしだが、第二次世界大戦を背景にした日本映画はほとんど観ていない、と思う。

そういった状況の中、わたしは本作「夕凪の街桜の国」を観た訳だ。
前述の理由から考えると当然のことだが、わたしは本作に全く期待をしていなかった。
と言うか、どうせつまらない作品だろう、と高を括っていたのだ。
 
 
さて、本作「夕凪の街桜の国」についてだが、先ず驚いたのは、冒頭のタイトル部分である。

本作のタイトルはご承知のように「夕凪の街桜の国」なのだが、なんと、本作の冒頭では「夕凪の街」としかタイトルが出ないのである。

短編の二本立てか?
1本の作品に仕上がっていないのか?
わたしの作品に対する危惧は膨らんだ。

しかしながら、本作の前半部分にあたる「夕凪の街」のパートは大変すばらしかった。

先ずは、平野皆実(麻生久美子)の存在感と彼女が醸し出す空気感に圧倒された。
もちろん、それは広島弁のスローモーな語り口がそうさせているのかもしれないのだが、その達観したような空気感を持つ彼女のひとつひとつのセリフが強烈な印象をもって心に突き刺さる。

と言うのも、この皆実のキャラクター設定が非常に秀逸で、彼女の原爆に対する考え方、例えば、原爆を落とした米兵の「日本人なんか死んでしまえ」と言う感情に対する彼女の、ある意味偏執狂的な考え方や、原爆は広島に落ちたのではなく、目的を持って広島に落とされたのである、と言う考え方に愕然とさせられる。

これらは、当たり前と言えば当たり前の考え方なのだが、言葉にすることにより、観客に与える効果は絶大である。

また、彼女の独自の世界観を持った、ある種独善的な行動、例えば靴を脱いで歩く理由、そして笹の葉を集める理由、と言ったこれらも言わば偏執狂的な考えの下に行われている行動とも取れるのだが、これにより、彼女の精神の状態があまり良い状態ではないことが、暗に仄めかされている。

つまり、彼女のキャラクターは、過去のある事件の影響で、自我が崩壊する寸前の状況を偏執的な性格によって踏みとどまっている、と思えるのだ。

麻生久美子の儚げなルックスと相まって、観客が生涯忘れえぬ皆実と言うキャラクターが誕生している。

更に、皆実を取り巻くキャラクターの性格や考え方も、見落としがちな些細なシークエンスから明確に描写され、従来の佐々部清の作品からは想像できないほどの良質な背景を持った作品に仕上がっているような印象を受けた。

また、美術や衣装もすばらしく、また照明が良い仕事をしているせいか、当時の広島の再現性が高く、リアリティを持ったすばらしい世界観の構築に成功している。

一方本作の後半部分「桜の国」のシークエンスは、平板で奥行きに乏しく、テレビドラマのような薄っぺらさを感じてしまう。

もしかすると、過去と現在のギャップを明確にするための確信犯的な作風なのかもしれないが、過去のシークエンスにあった世界観や空気感が、崩壊しているような印象を受けた。

特に冒頭のシークエンス、マンションの一室でのシーンの照明が作り物じみており、リアリティのない絵空事のような印象を受けてしまう。

「桜の国」のシークエンスのキャストは、田中麗奈(石川七波)にしろ、中越典子(利根東子)にしろ、堺正章(石川旭)にしろ、良い仕事をしているのだが、あまりにも顔を見知った俳優(テレビ番組やCMにばかばか出てくるような俳優の意)であるため、釈然としないものを感じた。

「夕凪の街」のシークエンスのように、顔をあまり知られていない俳優を使うべきだったのではないか、と思った。

物語は、「桜の国」のシークエンスに入ると、物語は現在と過去を行き来しだし、「夕凪の街」で描かれなかった、いわば「謎」を解明するための旅が始まる。

「桜の国」のシークエンスも決してつまらない訳ではなく、非常に良質なクオリティを持っているのだが、「夕凪の街」のクオリティには到底及ばない。

わたしたち観客の脳裏には、平野皆実(麻生久美子)、打越豊(吉沢悠)、石川旭(伊崎充則)、平野フジミ(藤村志保)が織りなす物語に圧倒されているのだ。

とにかく、本作「夕凪の街桜の国」は、最近ありがちのアイドル女優が難病で死んでしまうような、難病モノとは一線を画したすばらしい作品に仕上がっている。

このような良質な作品は、きちんとプロモーションをして確実にヒットさせなければならないと思う。

是非劇場に足を運んでいただきたいと思う。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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週刊「映画レビュー・インデックス」2007/06/16号(通巻138号)
をお届けします。
 
 
■「映画レビュー・インデックス」
http://homepage3.nifty.com/~tkr/ture/openindex.htm
(Last updated:2006/08/18) 
 
■公開中
2007/06/16公開
「舞妓Haaan!!!」
http://diarynote.jp/d/29346/20070614.html
「ゾディアック」
http://diarynote.jp/d/29346/20070613.html
2007/06/09公開
「プレステージ」
http://diarynote.jp/d/29346/20070529.html
「300/スリーハンドレッド」
http://diarynote.jp/d/29346/20070531.html
2007/06/01公開
「ザ・シューター/極大射程」
http://diarynote.jp/d/29346/20070524.html
「大日本人」
http://diarynote.jp/d/29346/20070606.html
2007/05/12公開
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
未レビュー
2007/05/05公開
「The 焼肉ムービー プルコギ」
未レビュー
2007/04/28公開
「バペル」
http://diarynote.jp/d/29346/20070513.html
「恋愛睡眠のすすめ」
http://diarynote.jp/d/29346/20070523.html
2007/04/21公開
「明日、君がいない」
http://diarynote.jp/d/29346/20070423.html
「リンガー!替え玉★選手権」
http://diarynote.jp/d/29346/20070429.html
2007/04/07公開
「ブラッド・ダイヤモンド」
未レビュー
2007/03/24公開
「蟲師」
未レビュー
「ブラックブック」
http://diarynote.jp/d/29346/20070503.html
2007/03/17公開
「口裂け女」
http://diarynote.jp/d/29346/20070318.html
 
 
■近日公開
2007/06/23公開
「憑神」
未レビュー
2007/06/30公開
「シュレック3」
未レビュー
 
 
■週末興収ベストテン
2007/06/09-10 興収ベストテン
1.「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(ブエナビスタ)
2.「300/スリーハンドレッド」(ワーナー)
3.「大日本人」(松竹)
4.「スパイダーマン3」(ソニー)
5.「プレステージ」(ギャガ)
6.「そのときは彼によろしく」(東宝)
7.「ザ・シューター/極大射程」(UIP)
8.「眉山」(東宝)
9.「俺は、君のためにこそ死にいく」(東映)
10.「ゲゲゲの鬼太郎」(松竹)
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「シュレック3」、「憑神」です。
正に困った状況です。
 
 
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「シュレック3」

2007年6月19日 映画
2007/06/10 東京神保町「一ツ橋ホール」で「シュレック3」の試写を観た。

互いへの愛を確認し、幸せな生活を送っていたシュレック(マイク・マイヤーズ)とフィオナ姫(キャメロン・ディアス)。
ところが、ハロルド国王(ジョン・クリーズ)の容態が悪化し、シュレックは次の王様になるハメに。
公務もロクにこなせないシュレックは、王様なんてなりたくない。
そこで、シュレックはもうひとりの後継者だというアーサー(ジャスティン・ティンバーレイク)を探しに、ドンキー(エディ・マーフィ)と長ぐつをはいた猫(アントニオ・バンデラス)と旅に出ることに・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:クリス・ミラー
原作:ウィリアム・スタイグ     
原案:アンドリュー・アダムソン     
脚本:ピーター・S・シーマン、ジェフリー・プライス、クリス・ミラー、アーロン・ワーナー
声の出演:マイク・マイヤーズ(シュレック)、キャメロン・ディアス(フィオナ姫)、エディ・マーフィ(ドンキー)、アントニオ・バンデラス(長ぐつをはいた猫)、ジュリー・アンドリュース(リリアン王妃)、ジョン・クリーズ(ハロルド国王)、ルパート・エヴェレット(チャーミング王子)、ジャスティン・ティンバーレイク(アーサー)、エリック・アイドル(マーリン)、エイミー・ポーラー(白雪姫)、マーヤ・ルドルフ(髪長姫)、チェリ・オテリ(眠れる森の美女)、エイミー・セダリス(シンデレラ)、ジョン・クラシンスキー(ランスロット)、イアン・マクシェーン(フック船長)、ラリー・キング(ドリス)、レジス・フィルビン(メイベル)
 
 
いきなり余談で恐縮だが、先ずはこちらをご参照願いたい。

「シュレック2」のヒットを憂慮する
http://diarynote.jp/d/29346/20041110.html

さて本作「シュレック3」だが、作品の背景には、前述のエントリーのように釈然としない部分が多々あるが、作品自体をみた場合、楽しい作品に仕上がっていた。

ところで、「シュレック」(2001)、「シュレック2」(2004)、「シュレック3」(2007)と眺めてみると、ちょっと気になったのは、アーノルド・シュワルツェネッガーが人気者になってしまったため、悪役に徹することが出来なくなり、知らない間にヒーローものになってしまった「ターミネーター」(1984)、「ターミネーター2」(1991)、「ターミネーター3」(2003)と同じような印象を受ける。

若い映画ファンは、「ターミネーター」一作目で、シュワルツェネッガーが悪役だったことを知らないかも知れないが、シュワネツェネッガーは「ターミネーター」では悪の権化を演じていたのだが、「ターミネーター2」の時点でシュワルツェネッガー本人は大人気俳優になってしまい、そのイメージを壊すことが興行的に難しく、所謂大人の事情で悪役が出来ない状況に陥っていた訳である。

尤も「ターミネーター2」の冒頭部分の「ターミネーター」を観た事がある観客に対するジェームス・キャメロンが仕掛けたミス・デレクションは大変素晴らしい効果を与えているのは事実だが、多くの「ターミネーター」を楽しんだ映画ファンは、悪役のシュワルツェネッガーが見たかったのだ。

さて、話は「シュレック」に戻るが、一作目のシュレックは嫌われ者で恐怖の存在だったのだが、「シュレック2」、「シュレック3」と進むにつれ、シュレック自身は愛すべきキャラクターになってしまい、その愛すべきキャラクター振りは、観客だけではなく、物語の中の多くの国民たちの敬愛を集めてしまっているのだ。

これで良いのか?
毒気を抜かれた、万人に愛される怪物シュレックで本当に良いのか?
個人的には大きな疑問を感じてしまう。

シュレックのキャラクターは、「シュレック」、「シュレック2」の大ヒットを受け、キャラクター設定にも変更が加えられ、「シュレック3」においてのシュレックのキャラクターは、既に怪物ではなく、ヒーローになってしまっている。

もうそろそろ作品としての限界も見えてきているような印象を受けた。

実際「シュレック3」のシュレックは、王様になんかなるより、自分の沼に帰って、静かな怪物ライフを送りたい旨の発言をしているのだが、それをそうさせないのがドリームワークスと言う会社、と言うことなのであろうか。
 
 
さて、話は本作「シュレック3」に再度戻るが、脚本は、王国の王位継承問題と言う、ちょっと難しいテーマを導入、その王位継承者のひとりがアーサーで、アーサーを指導するマーリンと言う魔法使いが登場。ドリームワークス(カッツェンバーグ)の反ディズニー路線としては今回は「王様の剣」(1963)と言う比較的マイナーな作品まで俎上に載せている。

しかし、脚本自体は特に面白いわけでもなく、単純明快なドタバタ冒険アクションに、数々の映画のパロディが盛り込まれている。

アニメーションのクオリティは、前作からまたまた進化し、特に印象的だったのは、ラスト近辺のプリンス・チャーミングの舞台にアーサーが登場するシークエンスでは、アーサーの動きや舞台照明の感じがすばらしく、人間じゃねぇの、と見紛うばかりであった。

前作ではドンキーやシュレックのルックスが変貌する魔法が物語りのスパイスとして効いていたのだが、今回のドンキーと長猫の中身が入れ替わる、と言うプロットは今ひとつだった。

まあ、本作「シュレック3」は楽しい作品に仕上がっているのは仕上がっているのだが、やはり気になるのは、例えば「シュレック」シリーズを観た子供たちが、ディズニーのクラシック作品を観た場合、「シュレック」シリーズにおいて、パロディのモトネタとしての印象しか受けないのではないか、と言う点である。

つまり、「シュレック」好きの子供が「ピノキオ」(1940)や「白雪姫」(1937)を観て、素直に感動できるのか、と言うことである。

やはり、パロディ映画はオリジナル作品よりヒットしたり、表舞台に出てはいけないな、と思った。

例えば、「スター・ウォーズ」(1977)より「スペース・ボール」(1987)が、「鳥」(1963)や「サイコ」(1960)より「新サイコ」(1977)がヒットしたらどう思います?

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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「憑神」

2007年6月20日 映画
2007/06/11 東京丸の内「東商ホール」で「憑神」の試写を観た。

時は幕末。
別所彦四郎(妻夫木聡)は下級武士とはいえ、代々将軍の影武者をつとめてきた由緒ある家柄の出。
幼いころより文武に優れ、秀才の誉れ高かった彦四郎だが、婿養子に行った先の家からある事件をきっかけに離縁されてしまう。
そんなある晩、彦四郎は昌平坂学問所でライバル同士だった榎本武揚と蕎麦屋で再開する。聞けば軍艦頭取にまで出世を果たしているという。
落ち込む彦四郎に蕎麦屋の親父・甚平(香川照之)は、榎本が出世した本当の理由は、向島の「三囲(みめぐり)稲荷」にお参りしたからであると、彦四郎にも行くことを勧めるが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:降旗康男
原作:浅田次郎「憑神」(新潮社刊)
脚本:降旗康男、小久保利己、土屋保文
美術:松宮敏之
照明:杉本崇
出演:妻夫木聡(別所彦四郎)、夏木マリ(別所イト)、佐々木蔵之介(別所左兵衛)、鈴木砂羽(別所千代)、森迫永依(おつや/死神)、笛木優子(井上八重)、佐藤隆太(小文吾)、赤井英和(九頭龍/疫病神)、香川照之(甚平)、西田敏行(伊勢屋/貧乏神)、江口洋介(勝海舟)

本作「憑神」は、正直なところあまり面白くなかった。

物語は、酔った挙句、出世が叶う「三囲稲荷」のつもりで「三巡稲荷」を参ってしまった彦四郎(妻夫木聡)の元へ、貧乏神(西田敏行)、疫病神(赤井英和)、死神(森迫永依)が次々とやってくる、と言うメイン・プロットに、下級武士のしがない生活や生き様を絡めた、江戸人情喜劇とも言うべきもので、言わば落語のような物語であった。

美術や衣装は、よい仕事をしていると思うし、照明もきっちりしていたので、違和感のない江戸末期幕末の世界観の構築に成功している。

しかし脚本がいただけない。

ただ単に彦四郎等が右往左往するドタバタ振りをなぞっているだけのような印象を受ける。
コメディなんだから、それで十分だ、と思うむきもあると思うが、折角なんだから、ちょっと付加価値をつけて欲しかったと思う。

もちろん、ラストに向けて、シリアスなプロットもあるにはあるのだが、その決着のつけ方にも釈然としないものを感じる。

更に、ラストに登場する人物が物語への感情移入を著しく阻害する結果に終わっている。

キャストだが、多方面で評価されている森迫永依(おつや/死神)は、本作では生意気なガキ振りを見事に発揮しているのだが、姿は子供でも数百年は生きている、と言う設定が生かされておらず、残念な印象を受けた。

これはおそらく、おつやのキャラクター設定に対し、安易な言葉使い(子供のような喋り方)をさせている脚本と演出の問題だと思う。

また、西田敏行(伊勢屋/貧乏神)はくどい上にピーキーなオーバーアクト振りを発揮し、やりすぎ感が多々あった。

良かったのは、佐々木蔵之介(別所左兵衛)で、ある意味論理的なダメ当主を楽しげに演じている。

妻夫木聡(別所彦四郎)は想像通りである。
凛々しい姿もあるのだが、その姿と、普段の彦四郎とのギャップが甚だしい。

ところで、キャスト全体を見渡して感じるのは無駄に豪華である、と言うこと。

果たしてこれだけの俳優が、本当に俳優として必要なのか、顔が知られているからキャスティングされているのか、ちょっと疑問を感じてしまう。

と言うのも脚本がつまらないのだ。

豪華なキャストを宣伝材料にするのは構わないが、如何せん物語がイマイチなのは非常に残念である。

作品の方向性としては、キャストに惹かれて劇場に足を運んだ観客が、物語の内容で満足して帰る、と言う方向を目指して欲しいと思うのだが、残念ながら本作「憑神」は、妻夫木聡と豪華なキャスト以外、取り立てて見るべきものがないような気がする。

言うならば、本作「憑神」は、妻夫木聡と豪華なキャストが客寄せパンダとして使われていると言う、大変残念な作品だと言わざるを得ない。

ついでに、浅田次郎も客寄せパンダとして使われているのだ。

本作「憑神」は、美術や衣装、撮影や照明により、すばらしい世界観を構築しているのにも関わらず、物語はイマイチだが、キャストは無駄に豪華な作品、と言うところであろうか。

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2007/06/22 東京新宿「東京厚生年金会館」で「ダイ・ハード4.0」の試写を観た。

独立記念日の前夜。
ワシントンDCのFBI本部に設置されたサイバー犯罪部に異変が起こった。交通、通信、原子力、水道などのあらゆる全米のインフラを監視するシステムに、何者かがハッキングを仕掛けてきたのだ。
この部署を指揮するボウマン部長は事態を重く見て、FBIのブラックリストに載っているハッカーたちの一斉捜査を部下に命じる。

その頃、ニューヨーク市警統合テロ対策班のジョン・マクレーン警部補は、管轄外であるニュージャージー州の大学に立ち寄っていた。
しばらく連絡を取っていない別れた妻との娘ルーシーと会うためだったが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:レン・ワイズマン    
脚本:マーク・ボンバック
出演:ブルース・ウィリス(ジョン・マクレーン)、ジャスティン・ロング(マット・ファレル)、ティモシー・オリファント(トーマス・ガブリエル)、クリフ・カーティス(ボウマン)、マギー・Q(マイ・リン)、シリル・ラファエリ(ランド)、メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ルーシー・マクレーン)、ケヴィン・スミス(ワーロック)、ジョナサン・サドウスキー(トレイ)

本作「ダイ・ハード4.0」は、はっきり言って面白かった。

ジョン・マクティアナンが創出した「ダイ・ハード」(1988)シリーズだが、その後、レニー・ハーリンが「ダイ・ハード2」(1990)でシリーズを引継ぎ、シリーズのパターン(閉鎖された空間でのアクション、テロ集団の真意、舞台はクリスマス、バイオレンスな妻、"Let it snow"・・・・)を確立するが、「ダイ・ハード3」(1995)ではジョン・マクティアナン本人が再びメガホンを取り、シリーズのお約束をぶち壊し、そのシリーズのパターンを取っ払った流れを、本作「ダイ・ハード4.0」が踏襲する、と言った感じの構成であった。

余談だが、1988年の「ダイ・ハード」シリーズ1作目から、「ダイ・ハード4.0」までかれこれ20年が経つことを考えると、一作目から付き合っている映画ファンとしては、感慨も一入(ひとしお)と言うところである。

そんな一作目は、ハリウッドでの大ヒット作品として、鳴り物入りで日本公開され、日系企業が入っていたナカトミ・ビルを破壊しつくしたジョン・マクティアナンとブルース・ウィリスは、一気に時代の寵児となり、続く二作目ではレニー・ハーリンがまたもやヒット・メイカーの仲間入りをした「ダイ・ハード」シリーズだったが、ジョン・マクティアナンが再びメガホンをとった差三作目の「ダイ・ハード3」では、若干の迷走は否定できないが、その迷走を帳消しにするように本作「ダイ・ハード4.0」は大変すばらしい娯楽アクション作品に仕上がっていた。

余談だが、作品全体の感じがなんとなくジェームズ・キャメロンの「トゥルー・ライズ」(1994)に似ているような印象を受けた。
ラストへのアクションの流れがそんな気にさせるのだろうか。

脚本は釈然としない部分が若干あるが、アクション大作だと割り切ってしまえば、概ねOKだと思える。

ただ、ここで何かが起きて、次にあそこへ行って、今度はこんなことが起きる、と言った場当たり的な脚本の作り方が、まるでゲームのような印象を受けた。

もう少し、サイバー犯罪部を活躍させ、多重構造的な脚本にできなかったのだろうか、と思える。

キャストはなんと言っても、ジャスティン・ロング(マット・ファレル役)とマギー・Q(マイ・リン役)だろう。

先ずはマギー・Qだが、彼女のアクションもこなせ、かつ知性派と言うスタンスは、非常にポイントを押さえていると思う。
冒頭から中盤にかけて、彼女の見せ場が非常に楽しい。

また、コメディ畑のジャスティン・ロングだが、コミカルな部分は残しつつ、ブルース・ウィリスの相棒役として、今回の役所は非常に美味しく、またすばらしい。
今後の多方面での活躍に期待が高まる。

また、マクレーンの娘ルーシーを演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、流石ホリー・ジェネロ・マクレーンの娘と言うキャラクターに仕上がっていた。








つづく・・・・
一時保存です。

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「吉祥天女」
未レビュー
「ボルベール〈帰郷〉」
未レビュー

 
 
■週末興収ベストテン
2007/06/16-17 興収ベストテン
1.「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(ブエナビスタ)
2.「舞妓Haaaan!!!」(東宝)
3.「300/スリーハンドレッド」(ワーナー)
4.「スパイダーマン3」(ソニー)
5.「大日本人」(松竹)
6.「ゾディアック」(ワーナー)
7.「プレステージ」(ギャガ)
8.「ラストラブ」(松竹)
9.「アポカリプト」(東宝東和)
10.「そのときは彼によろしく」(東宝)
 
 
Wii話ですが、最近「バイオハザード4」をやっています。
Wiiリモコンとヌンチャクを利用したコントロール系を含めて非常に面白いゲームに仕上がっています。

強いて言えば、銃を構えた状態で動けるともっと自由度があがって楽しいと思いますが・・・・。
コントロール系で比較すると「ゼルダの伝説/トワイライト・プリンセス」の方が上だと思います。まあ、「ゼルダの伝説」は任天堂のゲームですしね。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「吉祥天女」、「ボルベール〈帰郷〉」です。
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「吉祥天女」

2007年6月26日 映画
2007/06/20 東京新橋「ヤクルトホール」で「吉祥天女」の試写を観た。

当日は、監督:及川中、キャスト:鈴木杏、本仮屋ユイカ、勝地涼の舞台挨拶が行われた。

昭和45年春、金沢。

春日高校「能楽クラブ」に所属する、快活な女子高生、麻井由似子(本仮屋ユイカ)のクラスに、不思議な魅力を持つ転校生がやってくる。その少女の名は、叶小夜子(鈴木杏)。
5歳の頃に親戚の家に預けられて以来、この地を離れて暮らしていたが、12年ぶりに実家に戻ってきたのだ。

監督・脚本:及川中
原作:吉田秋生
撮影:柳田裕男
美術:中川理仁
編集:阿部亙英
照明:松隈信一
出演:鈴木杏(叶小夜子)、本仮屋ユイカ(麻井由似子)、勝地涼(遠野涼)、市川実日子(麻井鷹子)、深水元基(遠野暁)、津田寛治(小川雪政)、三谷昇(三木)、小倉一郎(叶和憲)、青山知可子(叶鈴子)、国分佐智子(叶浮子)、嶋田久作(遠野一郎)、江波杏子(叶あき)

わたしは吉田秋生の「吉祥天女」をリアルタイムで読んでいたくちであり、おそらく実家には現在でも「吉祥天女」が全巻初版で残っているはずだ。
とは言うものの、最初にお断りしたいのは、吉田秋生の原作がどうで、映画化された作品とここが違うとか、ここがおかしいとか言うつもりはあまりない。

漫画を原作とする映画、特に熱心なファンが多い漫画の映画化作品には、原作と違うとか、キャラクターのイメージが違う、と言った批判が出てくるのが当然だ。

そんなわたしは、原作と映画化作品の相違点をあげつらい批判することは、全くくだらないことだと思うし、映画と言うものは、原作とは一線を画し、単体の作品として評価すべきものだと思うのだ。

さて、本作「吉祥天女」についてだが、先ずは本作が、所謂アイドル映画のような方向性を持った作品ではなくく、俳優たちがきちんと演技をして作品について真摯に取り組んだ作品に仕上がっていることに喜びを感じた。

言ってるそばから原作との比較になってしまうが、鈴木杏が叶小夜子を演じる時点で、これはヤバイんじゃないの感が多々あったのだが、原作の小夜子のイメージとのギャップはともかく、鈴木杏による新たな叶小夜子というキャラクターの創出がされていた。

あとちょっとした余談だが、キャラクターの外見で興味深かったのは、勝地涼のルックスが、吉田秋生が描く遠野涼のルックスに酷似している点である。これは良いキャスティングをしたと思った。
監督の及川中は舞台挨拶の中で、遠野涼役として勝地涼のキャスティングが決まった際、「ラッキー!」とガッツポーズをしたとか言う話をしていたが、その辺は、原作と映画の小夜子のキャラクターの相違を帳消にするほど、遠野涼と勝地涼のルックスが似ていた、と言うことなのではないか、と思った。

キャストとしては、先ずは雪政を演じた津田寛治が最高だった。

津田寛治と言えば、最近では「模倣犯」(2002)での中居正広の相棒を演じた際の印象が強いため、「小さき勇者たち 〜ガメラ〜」(2006)で主人公の少年の父親を演っている津田寛治が、良い父親に見えるが、きっと悪い父親に違いない、と思わせる雰囲気が楽しかった。

今回の雪政役は、小夜子の腹黒い下僕と言う感じで、一応は叶家の書生と言う設定なのだが、小夜子の崇拝者と言うか、ボディガードと言うか、これまた圧倒的にすばらしいキャラクター設定がされていた。
悪いお姫様に仕える腹黒い騎士と言う感じだろうか。
または「犬神家の一族」(1976/2006)の珠世に対する猿蔵と言う感じ。

また、叶あきを演じた江波杏子がすばらしかった。
江波杏子は、東京電力・TEPCOの「オール電化」シリーズのCF(CM)で、鈴木京香の義母役で大人気だが、病弱なあき(小夜子の祖母)を見事に演じていた。

特に、病弱なあきのメイクがある意味尋常ではなく、女優とは思えぬ程、老い、やせ細ったスッピン振りが大変すばらしかった。
このメイクを見ても、本作「吉祥天女」のスタッフの真摯な態度が見えてくるし、江波杏子の役者魂が感じられる大変すばらしいシークエンスだった。

主演の鈴木杏は、丸々とした顔の健康そうな新たな小夜子像を創り上げている。
丸々とした顔は、おそらく能面のメタファーとして機能していると思うのだが、いかがだろうか。

また、前半部分の鈴木杏のアクション・シークエンスは良かったと思う。
髪振り乱しのアクションは、若干ハリウッド・テイストのカットでごまかす感じのアクションだったが、非常に楽しかった。

また、本仮屋ユイカ(麻井由似子役)が搭乗するシークエンスでは、作品のトーンが明らかに異なっている。
深刻で暗い物語の息抜きとして、またはコメディ・リリーフとしての役柄を担っているのだろう。

そして、由似子の姉・鷹子を演じた市川実日子は、物語の構成上は、探偵役を振られ、金田一耕助同様、蔵や図書館で、古文書や文献、新聞記事等を調べ、いろいろ推理したりしているのが非常に楽しかった。
小夜子との対決シークエンスでは、若干セリフ回しに問題を感じたが、個人的には市川実日子好きなので、非常に楽しめた。
 
 
ところで、元来「吉祥天女」と言う物語は一体何をしたかった物語だったのか、と言うと、おそらく少女漫画における昭和40年代を舞台とした横溝正史だったのではないか、と思える。

と言うのも、「吉祥天女」の物語は、昭和40年代の石川県金沢市を舞台に、二つの家(叶家と遠野家)の古くからの言い伝えや因習に満ちた、金と欲をめぐる愛憎劇なのだ。

と言う事もあり、本作「吉祥天女」は、市川崑の金田一耕助シリーズっぽい楽しみ方も出来る訳だ。
猿蔵(雪政)もいるしね。

そんな中、監督の及川中の演出は正統で、美術や背景から醸し出される世界観と、俳優達の頑張りに相まって、非常に良質の作品のような印象を観客に与えることに成功している。

事実、娯楽作品としては、わたしは大変楽しい時間を過ごすことが出来た。

しかしながら、「吉祥天女」と言うか、小夜子の行動の根底にある部分が希薄であり、若干の消化不良を感じてしまった。

とにかく「吉祥天女」は、所謂アイドル映画の枠を超えた、昭和40年代を舞台とした金田一耕助シリーズのようなテイストの作品である。

若干踏み込みが弱い気がするが、娯楽作品としては及第点をあげられる作品に仕上がっている。

関心があれば、是非劇場へ、と言う感じである。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談だが、小夜子役に栗山千明と言う選択肢はなかったのだろうか、と思った。

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2007/06/30公開
「シュレック3」
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「吉祥天女」
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「ボルベール〈帰郷〉」
未レビュー
2007/06/29公開
「ダイ・ハード4.0」
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2007/06/23公開
「憑神」
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2007/06/16公開
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「ゾディアック」
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「大日本人」
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2007/05/12公開
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
未レビュー
2007/05/05公開
「The 焼肉ムービー プルコギ」
未レビュー
2007/05/01公開
「スパイダーマン3」
未レビュー
2007/04/28公開
「バペル」
http://diarynote.jp/d/29346/20070513.html
「恋愛睡眠のすすめ」
http://diarynote.jp/d/29346/20070523.html

■近日公開
2007/07/14公開
「ファウンテン 永遠に続く愛」
未レビュー
2007/07/28公開
「レミーのおいしいレストラン」
未レビュー
「夕凪の街桜の国」
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■週末興収ベストテン
2007/06/23-24 興収ベストテン
1.「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(ブエナビスタ)
2.「舞妓Haaaan!!!」(東宝)
3.「憑神」(東映)
4.「300/スリーハンドレッド」(ワーナー)
5.「スパイダーマン3」(ソニー)
6.「大日本人」(松竹)
7.「ゾディアック」(ワーナー)
8.「プレステージ」(ギャガ)
9.「ラストラブ」(松竹)
10.「そのときは彼によろしく」(東宝)
 
 
近所のシネコンの駐車場に知り合いの車らしい車があったので、電話をかけてみたら、映画を観にシネコンに来ていた、とのこと。

わたしは「アポカリプト」を観に行ったのだが、知り合いは「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」を観に来ていた。

そんなこともあるもんですね。
 
 
因みに、現在の未レビュー作品は、「フォーガットン」(途中)、「ダニー・ザ・ドッグ」、「HINOKIO/ヒノキオ」、「スター・ウォーズ/エピソード III/シスの復讐」、「大変な結婚」、「キングダム・オブ・ヘブン」、「ライフ・アクアティック」、「疾走」、「シンデレラマン」、「カーテンコール」、「鳶がクルリと」、「自由戀愛」、「ルパン」、「SHINOBI / HEART UNDER BLADE」、「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(途中)、「この胸いっぱいの愛を」、「ナイト・ウオッチ」(途中)、「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ジョニの約束」、「真昼ノ星空」、「NOEL(ノエル)」、「ウォーク・ザ・ライン(仮)」、「イン・ハー・シューズ」、「ドラゴン・プロジェクト/精武家庭」、「同じ月を見ている」、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」、「親切なクムジャさん」、「復讐者に憐れみを」、「スリー・タイムズ(仮題)」、「SPL<殺破狼>(原題)」、「バッシング」、「マジシャンズ」、「落ちる人」、「やわらかい生活」、「サグァ」、「サウンド・バリア」、「無窮動」、「結果」、「フリー・ゾーン」、「セックスと哲学」、「フル・オア・エンプティ」、「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」、「キング・コング」、「RENT/レント」、「名探偵コナン/探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」、「ハウス・オブ・D」、「グッドナイト&グッドラック」、「スーパーマンリターンズ」、「寝ずの番」、「マーダーボール」、「グエムル/漢江の怪物」、「カポーティ」、「パプリカ」、「父親たちの星条旗」、「ファウンテン」、「世界最速のインディアン」、「バイト・オブ・ラブ(原題)」、「エクソダス 魔法の王国」、「虹の女神 Rainbow Song」、「多細胞少女」、「鉄コン筋クリート」、「グッバイ・ボーイズ」、「不都合な真実」、「プラダを着た悪魔」、「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、「アリスの鏡」、「パフューム」、「八月的故事」、「叫」、「エレクション」、「エレクション2」、「殺しのはらわた」、「ディパーテッド」、「ラッキーナンバー7」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、「2番目のキス」、「僕のニューヨークライフ」、「幸せのかたち」、「DOA デッド・オア・アライブ」、「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」、「それでもボクはやってない」、「マリー・アントワネット」、「蟲師」、「プルコギ」、「ゆれる」、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」、「ボルベール〈帰郷〉」、「スパイダーマン3」、です。
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