「インファナル・アフェア」
2004年1月15日 映画わたしの見逃した映画の最後の砦的劇場である池袋「新文芸坐」で、「インファナル・アフェア」と「HERO/英雄」の二本立てを観ました。
「HERO/英雄」は既に観ていたのですが、「インファナル・アフェア」は11月1日の映画の日に観る予定だったのですが、時間の関係で他の映画を観てしまったため見逃していたものです。
「インファナル・アフェア」は各方面で高い評価を受けている作品であり、またブラッド・ピットを主役に据えてハリウッドでリメイク(史上最高額のリメイク権)が決定している作品としても有名な映画です。
一言で言うならば、「大変うらやましい映画」でした。
残念な部分が無いわけではありませんが、脚本、俳優、撮影、編集、音楽等どれをとっても勢いがあり、映画に対する真摯な態度が感じられます。
日本映画界の現状や、ハリウッドの娯楽映画の状況を考えると、こういった素晴らしいオリジナル映画を作ることが出来る香港に羨望を禁じえません。
物語は、マフィア組員のラウは、香港警察へ入隊し、内部情報を流す潜入員となる。同じ頃、警察学校に通うヤンは、マフィアの潜入捜査官となるため、警察学校を去る。
10年後、ラウは内部調査課長に昇進し、恋人との結婚を控えていた。
一方ヤンは、長年の潜入捜査に疲れきっている。ある夜、大きな麻薬取引の際、組織と警察は互いに情報漏れに気付き、警察はラウに、組織はヤンに、それぞれ内通者を探すよう命じる。やがて2人の距離
は、少しづつ縮まっていく・・・・。
それでは、最も残念な点を紹介しておくと・・・・、
1時間42分と本編の時間が短いためか、前半部分と比較して後半部分が駆け足で、急転直下的結末である。
これにより、本来描かれるべき、二人の心の動きや葛藤が比較的単純なものになってしまっている。
ともすれば、二人の主人公はケビン・コスナーの「追いつめられて」のように、「保身」のみをはかっているような印象を受ける。
例えば、ヤンとサムとの心温まるエピソードや、ラウとウォン警視との心温まるエピソードがひとつずつでもあれば、彼らの心の葛藤が深みを増し、脚本の深みが増すのではないか、と思いました。
二人の行方がどっちに転ぶかわからない状況をもう少し増やして欲しかったのである。
とは言うものの、本作は大変素晴らしい映画である。繰り返しになるが、「羨望の映画」なのである。
俳優は4人の男たちが素晴らしい。
4人はそれぞれ素晴らしいのだが、サム・ホンやアンソニー・ウォンと言った熟年層の男たちが格好良いのだ。
サム・ホンは「ジェネックス・コップ」のコメディ・リリーフ的印象が強かったのだが、冒頭のシークエンスから、悪人を憎々しげに演じている。
アンソニー・ウォンは「風雲 ストームライダース」の後久しぶりにみたが、黒社会的な警視といういい役である。
主人公2人は役柄的にトニー・レオンに共感的人気が集まっているが、アンディ・ラウも自らの厳しい状況を見事に演じている。特にアンディ・ラウには婚約者との兼ね合いもあり、より厳しい状況だったのではないかと思うのだ。
一方トニー・レオンについては、かつての恋人とのシークエンスが憂いがあってよろしいのだ。
脚本は一進一退が繰り返され、ともすればやりすぎの感が否定できないが、これは仕方が無いことだと思うし、そこが面白い点でもあるのは否定できない事実なのだ。
余談ですが、原題の「無間道」は無間地獄を指し、これはスティーヴン・キングの「グリーン・マイル」そのものにもにも通じているのだ。
☆☆☆☆ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
「インファナル・アフェア 無間序曲」
http://diarynote.jp/d/29346/20041007.html
「インファナル・アフェアIII/終極無間」
http://diarynote.jp/d/29346/20050407.html
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「HERO/英雄」は既に観ていたのですが、「インファナル・アフェア」は11月1日の映画の日に観る予定だったのですが、時間の関係で他の映画を観てしまったため見逃していたものです。
「インファナル・アフェア」は各方面で高い評価を受けている作品であり、またブラッド・ピットを主役に据えてハリウッドでリメイク(史上最高額のリメイク権)が決定している作品としても有名な映画です。
一言で言うならば、「大変うらやましい映画」でした。
残念な部分が無いわけではありませんが、脚本、俳優、撮影、編集、音楽等どれをとっても勢いがあり、映画に対する真摯な態度が感じられます。
日本映画界の現状や、ハリウッドの娯楽映画の状況を考えると、こういった素晴らしいオリジナル映画を作ることが出来る香港に羨望を禁じえません。
物語は、マフィア組員のラウは、香港警察へ入隊し、内部情報を流す潜入員となる。同じ頃、警察学校に通うヤンは、マフィアの潜入捜査官となるため、警察学校を去る。
10年後、ラウは内部調査課長に昇進し、恋人との結婚を控えていた。
一方ヤンは、長年の潜入捜査に疲れきっている。ある夜、大きな麻薬取引の際、組織と警察は互いに情報漏れに気付き、警察はラウに、組織はヤンに、それぞれ内通者を探すよう命じる。やがて2人の距離
は、少しづつ縮まっていく・・・・。
それでは、最も残念な点を紹介しておくと・・・・、
1時間42分と本編の時間が短いためか、前半部分と比較して後半部分が駆け足で、急転直下的結末である。
これにより、本来描かれるべき、二人の心の動きや葛藤が比較的単純なものになってしまっている。
ともすれば、二人の主人公はケビン・コスナーの「追いつめられて」のように、「保身」のみをはかっているような印象を受ける。
例えば、ヤンとサムとの心温まるエピソードや、ラウとウォン警視との心温まるエピソードがひとつずつでもあれば、彼らの心の葛藤が深みを増し、脚本の深みが増すのではないか、と思いました。
二人の行方がどっちに転ぶかわからない状況をもう少し増やして欲しかったのである。
とは言うものの、本作は大変素晴らしい映画である。繰り返しになるが、「羨望の映画」なのである。
俳優は4人の男たちが素晴らしい。
4人はそれぞれ素晴らしいのだが、サム・ホンやアンソニー・ウォンと言った熟年層の男たちが格好良いのだ。
サム・ホンは「ジェネックス・コップ」のコメディ・リリーフ的印象が強かったのだが、冒頭のシークエンスから、悪人を憎々しげに演じている。
アンソニー・ウォンは「風雲 ストームライダース」の後久しぶりにみたが、黒社会的な警視といういい役である。
主人公2人は役柄的にトニー・レオンに共感的人気が集まっているが、アンディ・ラウも自らの厳しい状況を見事に演じている。特にアンディ・ラウには婚約者との兼ね合いもあり、より厳しい状況だったのではないかと思うのだ。
一方トニー・レオンについては、かつての恋人とのシークエンスが憂いがあってよろしいのだ。
脚本は一進一退が繰り返され、ともすればやりすぎの感が否定できないが、これは仕方が無いことだと思うし、そこが面白い点でもあるのは否定できない事実なのだ。
余談ですが、原題の「無間道」は無間地獄を指し、これはスティーヴン・キングの「グリーン・マイル」そのものにもにも通じているのだ。
☆☆☆☆ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
「インファナル・アフェア 無間序曲」
http://diarynote.jp/d/29346/20041007.html
「インファナル・アフェアIII/終極無間」
http://diarynote.jp/d/29346/20050407.html
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