2011年1月23日 東京有楽町「丸の内ピカデリー1」で「ソーシャル・ネットワーク」を観た。

「ソーシャル・ネットワーク」
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作総指揮:ケヴィン・スペイシー
原作:ベン・メズリック
脚本:アーロン・ソーキン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ(マーク・ザッカーバーグ)、アンドリュー・ガーフィールド(エドゥアルド・サベリン)、ジャスティン・ティンバーレイク(ショーン・パーカー)、アーミー・ハマー(キェメロン&タイラー・ウィンクルボス)、マックス・ミンゲラ(ディビヤ・ナレンドラ)、ブレンダ・ソング(クリスティ・リン)、ルーニー・マーラ(エリカ)

先ずは、本作「ソーシャル・ネットワーク」は大変素晴らしい作品に仕上がっていた。

この2011年1月の時点でこんな素晴らしい作品に遭遇するとは・・・・。
今年の映画は全て、「ソーシャル・ネットワーク」と比較される運命を持ってしまった訳だ。

冒頭、ソニー・ピクチャーズのロゴが表示され、コロムビア映画のコロムビアレディのロゴが表示される。
コロムビアレディのバックにビートがきいた曲が流れ始める。
それは、ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)とエリカ(ルーニー・マーラ)のパブでのデート・シーンに繋がるブリッジとなるスコアである。

その曲がかかりはじめた時点で、わたしはこの映画の虜になっていた。
この映画は何か違うぞ、と。

そのファースト・シーン。
それは、ザッカーバーグとエリカのデート・シーン。
楽しいデートの会話から、別れを描くわずか数分のシーンである。

しかし、その数分で描かれているのは、映画にして2時間分もの情報量をぶち込んだ圧倒的な濃密さを感じさせている。

行間が読み放題なのだ。
マシンガントークの台詞の応酬に見え隠れする、エリカとザッカーバーグの過去。

そしてこの映画の本質が。
とっても重要なシーンが冒頭の数分間に隠れている。

特に、ザッカーバーグがもしかしてアスペルガー症候群じゃないの、と、ファーストシーンにて観客に思わせる手腕に驚きである。

そして、その濃密感は本作のラストまで維持されているのだ。

なんと濃密で芳醇な作品なんだろうか。
言わば数十時間分の物語を2時間にまで濃縮された作品だと感じられる。

そして、その濃密感あふれるシーンの連続は、それらのシーンそれぞれが独立した短編映画にも匹敵する完成度を持っている。

つまり、短編映画として金を取れる程のクオリティを持つシーンを贅沢に散りばめて製作したのが、本作「ソーシャル・ネットワーク」、と言う事なのだ。

何を言ってるかわからない人もいると思うのだが、ワンカットワンカットに力を入れるのは短編でも長編でも同じだと思うのだが、例えば短編やPV、CMと尺が短くなればなるほど、ワンカットへの執念と言うか作り込みの度合いは一般的に高まって行く、と言えるのではないだろうか。作品の予算的に考えても、例えば2時間の作品に20億かけるのと、30秒のCMに1億かけるのとは違うだろう。

別に長編は手を抜いている、と言う事ではないよ、念の為。

で、この「ソーシャル・ネットワーク」は、CMやPVのような秒単価、フレーム単価の仕事が、執念のこもった絵作りや演技、そして演出が行われているような印象を受けるのだ。

まるで、スタンリー・キューブリックがテイクを数十回も繰り返したかのように。

テイクを繰り返す事により、キャストは演技ではなく、素でキャラクターになりきってしまうのだ。

キャストはなんといっても、マーク・ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグだろう。

もう本作「ソーシャル・ネットワーク」 のザッカーバーグが登場するシーンは、ドキュメンタリーじゃないの、と思うほどに、キャラクターが自然と確立しており、正にザッカーバーグがそこに居たのである。

そして、リフレッシュ、リフレッシュ、リフレッシュ。

いやぁ、本当に良い映画でした。

☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

余談のチケット購入について。

皆さんご承知のように「丸の内ピカデリー1」は、「有楽町マリオン」の9Fにある、座席指定・定員入替制の劇場で、「ピカデリー1」で映画を観るためには、マリオンの1Fの劇場窓口で、当日入場券を購入したり、前売券を当日入場券に引き換える必要があります。

その目安として、1F劇場窓口には、残席の表示がされています。

その日の表示は二重丸(◎)だったので、残席が沢山あり、ゆったりと観られると思い、次の回の「ソーシャル・ネットワーク」を観る事に決定、前売券を近くのプレイガイドで購入し、再び窓口に舞い戻った。

列に並んでいる人は20人程度。
表示はまだ◎のまま。

しかしながら、窓口に到着したわたしは驚愕する。
実は残席は少なくなっていたのだ。表示は◎なのに。

窓口担当者によると、残席があとわずかにならないと◎の表示は変わらないとのこと。
どうやら同様の苦情が多い様子だった。

◎の表示を信じて列んだのに。

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tkr

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