昔から疑問に思っていることがある。

文芸雑誌を定期講読している人は、その雑誌に掲載されている全ての作品を読んでるいるのかな、と言う疑問である。

と言うのも、あんなにたくさんの小説やエッセイがみっしりと掲載されている雑誌を隅から隅まで読んだとしたら、1ケ月くらいかかるんじゃねーの。と言う事である。

つまり、文芸雑誌を1冊買って、全ての作品を読むと決意すると、その文芸雑誌の翌月号が出るまで、小説だの雑誌だの、一切の本を読むことが出来ないのではないか、と思えてならないのである。


そんなわたしだが、実は文芸雑誌をきちんと全部読んだことがある。
それは、中学生時代、角川書店の「野生時代」だった。

何が読みたくて買っていたのかは謎だが、わたしは「野生時代」をある時期、定期的に購入し、定期的に読んでいた。もちろん一部だけだが。

そんなある日の話。

何がきっかけでったか忘れてしまったが、その「野生時代」を最初から最後まで全部読んでみようと思い立ったわたしは、最初のページから、そう「野生時代」に掲載されている最初の作品から読み始めたのだ。

・・・・

やっぱり、1ケ月かかった。

文芸雑誌を全部読んだのは、それが唯一の経験である。

今でも文芸雑誌は、読みたい作家の読みたい作品が掲載されたり、特集に関心があったりすると買って読むのだが、実際のところ、その読みたかった作品くらいしか読まず、他の作品は残念ながらほとんど未読の状態でほっぽってしまう。

もちろん、わたしはご承知のように、映画が好きだし、読書も好きだし、テレビも見たり、ゲームをしたりもする。

そんな状況で、読みたい作家の読みたい作品が掲載された文芸雑誌、つまり逆に言うと、関心のない作品が結構たくさん掲載されている雑誌を全て読む、と言う時間が取れないのではないだろうか、と思えてならない。

時間は作るものだと思っているわたしでさえ、そんな状況である。

どうだろう、文芸雑誌を定期購読している人は、果たして掲載されている全ての作品を読んでいるのであろうか。


そのうちまた、文芸雑誌を全部読む、と言う挑戦をしてみようかな、と思っている。

もちろん、関心がない作家の関心がない作品にも面白い作品はたくさんあると思うから。

事故のようなすばらしい作品との出会いを期待するわたしだった。

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tkr

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