2010年7月10日 東京板橋「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」で「告白」を観た。
「告白」
監督:中島哲也
原作:湊かなえ『告白』(双葉社刊)
脚本:中島哲也
出演:松たか子(森口悠子)、木村佳乃(下村優子/直樹の母)、岡田将生(寺田良輝/ウェルテル)、西井幸人(渡辺修哉)、藤原薫(下村直樹)、橋本愛(北原美月)
ある中学校の終業日。
1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。
先ずは本作「告白」は大傑作だった。
湊かなえの原作「告白」の中に存在した、矛盾点や明示されない嘘、そして論理的な瑕疵、そして不自然なミスデレクションが、中島哲也により見事に読み込まれ、交通整理され、脚本上だが、全くと言って良い程問題がないすばらしい姿に昇華されていた。
おそらくだが、本作「告白」は、今年の映画賞レースのトップに躍り出てしまったのではないか、と思う。
物語は古くは黒澤明の「羅生門」をはじめとする、所謂「藪の中」スタイル。
語り手が次々と変わっていくことにより、物語がどんどん様変わりしていく様子が非常に楽しい。
物語自体は、前述のように、森口(松たか子)が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件に端を発する物語で、わたし的な観点から見ると所謂ピカレスク・ロマンのような印象を受ける。
森口悠子と言う悪漢が誕生するにいたった本作「告白」に心から拍手を送りたい。
さて、印象的だったのは、冒頭の森口の告白シークエンスの学級の崩壊振りである。
多分、これが現在の中学校をリアルに描いているのだと思うが、こりゃ先生方大変だ、と思わざるを得ないね。
キャストは先ずは松たか子だが、非常に良かった。
感情を押し殺した能面のような演技スタイルに非常に好感を持った。
松たか子の代表作になりましたね。
一方、木村佳乃も凄かった。
ダメな親を見事に演じている。
大衆の代弁者的な役柄を振られており、日本中のお母さん達のメタファーとして機能している。
ついでに、岡田将生だが、学園ドラマの熱い先生を悪趣味にカリカチュアライズられたキャラクターは非常に興味深い。
子役の皆さんは皆さんだ大変すばらしかったが、基本的にイケメンさんと、かわいいお嬢さんばっかりだったのは、ちといただけない。
もうちょっとキャスティングをきちんとした方が良かったかも。
とりあえず、本作「告白」は大傑作なので、是非劇場で見てください。
☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
「告白」
監督:中島哲也
原作:湊かなえ『告白』(双葉社刊)
脚本:中島哲也
出演:松たか子(森口悠子)、木村佳乃(下村優子/直樹の母)、岡田将生(寺田良輝/ウェルテル)、西井幸人(渡辺修哉)、藤原薫(下村直樹)、橋本愛(北原美月)
ある中学校の終業日。
1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。
先ずは本作「告白」は大傑作だった。
湊かなえの原作「告白」の中に存在した、矛盾点や明示されない嘘、そして論理的な瑕疵、そして不自然なミスデレクションが、中島哲也により見事に読み込まれ、交通整理され、脚本上だが、全くと言って良い程問題がないすばらしい姿に昇華されていた。
おそらくだが、本作「告白」は、今年の映画賞レースのトップに躍り出てしまったのではないか、と思う。
物語は古くは黒澤明の「羅生門」をはじめとする、所謂「藪の中」スタイル。
語り手が次々と変わっていくことにより、物語がどんどん様変わりしていく様子が非常に楽しい。
物語自体は、前述のように、森口(松たか子)が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件に端を発する物語で、わたし的な観点から見ると所謂ピカレスク・ロマンのような印象を受ける。
森口悠子と言う悪漢が誕生するにいたった本作「告白」に心から拍手を送りたい。
さて、印象的だったのは、冒頭の森口の告白シークエンスの学級の崩壊振りである。
多分、これが現在の中学校をリアルに描いているのだと思うが、こりゃ先生方大変だ、と思わざるを得ないね。
キャストは先ずは松たか子だが、非常に良かった。
感情を押し殺した能面のような演技スタイルに非常に好感を持った。
松たか子の代表作になりましたね。
一方、木村佳乃も凄かった。
ダメな親を見事に演じている。
大衆の代弁者的な役柄を振られており、日本中のお母さん達のメタファーとして機能している。
ついでに、岡田将生だが、学園ドラマの熱い先生を悪趣味にカリカチュアライズられたキャラクターは非常に興味深い。
子役の皆さんは皆さんだ大変すばらしかったが、基本的にイケメンさんと、かわいいお嬢さんばっかりだったのは、ちといただけない。
もうちょっとキャスティングをきちんとした方が良かったかも。
とりあえず、本作「告白」は大傑作なので、是非劇場で見てください。
☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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