「料理人」

2009年7月30日 読書
例によって入院中。

お見舞いに来た人の強い奨めでハリー・クレッシングの「料理人」を読んだ。

いわく「NV11」とのこと。
つまり、1972年に出版が開始されたハヤカワ文庫のNVの11番目の作品ながら、現在まで絶版にならず版を重ねている、多くの世代に読み継がれている作品である、と言うこと。

物語は、どこに連れていかれるのか不安になるような不思議なもの。

わたしの個人的な感覚としては、黒澤明の「用心棒」に似た印象を受けた。

流れ者の凄腕料理人が、街と、街の二つの一家を手玉に取る、と言う観点で。

そんなに大騒ぎする作品だとは言わないが、風変わりで、奇妙な、そしてなにか不思議な魅力を持つ作品である。

本作品をわたしに奨めた人は、その少女時代に、文庫本の出版リストの読んだ作品に鉛筆で印をつける程の乱読家である。

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tkr

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