「新宿インシデント」
2009年5月7日 映画2009/05/01 東京六本木「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」で「新宿インシデント」を観た。封切初日。
「新宿インシデント」
中国東北部の寒村でトラック整備士として働いていた鉄頭。実直な彼にはシュシュという幼馴染みの恋人がいたが、彼女は10年以上前に叔母を頼って日本へ留学し、その叔母が亡くなった後、音信不通になってしまった。そこで、鉄頭はシュシュを探し出すため日本へ向かい、密航船での上陸を果たす。そして、さしあたり新宿の歌舞伎町へ辿り着いたのち、同郷の阿傑ら密入国者がアジトにしている大久保のアパートで暮らし始めるのだったが・・・・。
監督:イー・トンシン
脚本:イー・トンシン、チュン・ティンナム
出演:ジャッキー・チェン(鉄頭)、竹中直人(北野)、ダニエル・ウー(阿傑)、シュー・ジンレイ(シュシュ/江口結子)、加藤雅也(江口利成)、ファン・ビンビン(リリー)、峰岸徹(村西弘一)
本作「新宿インシデント」は大変面白い作品に仕上がっていた。
驚くべき事に、期待を大きく上回っていた。
個人的な印象では、ジャッキー・チェン史上最高の作品なのかも知れない。
本作「新宿インシデント」の基本プロットの縦軸は、日本に不法入国して来た男が、日本のヤクザに匹敵する犯罪組織を構成するに至る物語だと言える。
移民がマフィアを立ち上げる物語だとすると、ともすれば「ゴッドファーザーPART II」(1974)や、チャイニーズ・マフィアの台頭を描いた作品と言えば「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(1985)にも匹敵する作品だと言えるし、外国人が日本を舞台に選んだ作品として考えると、リドリー・スコットの「ブラック・レイン」(1989)とも比肩する世界感を描いた素晴らしい作品だと思える。
日本、特に新宿や大久保の描き方は非常に好感が持てる。
日本人が描く新宿や大久保の街並みと比較して、圧倒的に格好良い世界感を醸し出している。
キャストはジャッキー・チェンを評価せねばならないのだと思うのだが、ジャッキーファンを完全に裏切った素晴らしいキャラクターを演じきっている。
個人的な印象としては中盤以降にもっとダークな感じになって欲しいと思ったのだが、若干良い人振りが出て来てしまっているのが残念だった。
一方鬼気迫るダニエル・ウーには驚かされた。
中盤以降の変貌振りには大拍手である。
また笑いを廃した竹中直人にも驚かされた。
「ブラック・レイン」で言うところの高倉健的な役回りを見事に演じていた。
ところで、本作「新宿インシデント」は峰岸徹の遺作でしょうか。
公には大林宣彦の「その日のまえに」(2008)が遺作、と言う事になっているようだが、公開順からすると本作が遺作、と言う事になるだろう。
実際には本作の撮影は2007年らしいので、撮影順としては「その日のまえに」が遺作にあたるのだと思うが。
本作「新宿インシデント」の峰岸徹は圧倒的に輝いていた。
ところで、本作「新宿インシデント」で描かているチャイニーズ・マフィアの犯罪は、偽造テレホンカードからヤクザとの抗争と、東京に住む人たちにとって、なんともリアリティに溢れ、よくもまあ中国人をこんな風に描いたな、と思った。
まあ、大久保と言えば中国人ではなく韓国人の街であり、一説によると日本最大のコリアタウンと言う事で、現在でも道ばたでテレホンカードを売っている。
多分実際に中国人が多く、中国人がテレホンカードを売っているのは池袋だと思うのだが、「新宿インシデント」では新宿と大久保がチャイニーズ・マフィアの拠点として描かれている訳だ。
とにかく、本作「新宿インシデント」はジャッキー・チェンファンならもちろん、ファン以外でも最高に楽しめる素晴らしい作品に仕上がっている。
バイオレンス描写が多く、R-15指定がついたが、是非劇場に足を運び、見た事のないジャッキー・チェンを堪能していただきたい。
☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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「新宿インシデント」
中国東北部の寒村でトラック整備士として働いていた鉄頭。実直な彼にはシュシュという幼馴染みの恋人がいたが、彼女は10年以上前に叔母を頼って日本へ留学し、その叔母が亡くなった後、音信不通になってしまった。そこで、鉄頭はシュシュを探し出すため日本へ向かい、密航船での上陸を果たす。そして、さしあたり新宿の歌舞伎町へ辿り着いたのち、同郷の阿傑ら密入国者がアジトにしている大久保のアパートで暮らし始めるのだったが・・・・。
監督:イー・トンシン
脚本:イー・トンシン、チュン・ティンナム
出演:ジャッキー・チェン(鉄頭)、竹中直人(北野)、ダニエル・ウー(阿傑)、シュー・ジンレイ(シュシュ/江口結子)、加藤雅也(江口利成)、ファン・ビンビン(リリー)、峰岸徹(村西弘一)
本作「新宿インシデント」は大変面白い作品に仕上がっていた。
驚くべき事に、期待を大きく上回っていた。
個人的な印象では、ジャッキー・チェン史上最高の作品なのかも知れない。
本作「新宿インシデント」の基本プロットの縦軸は、日本に不法入国して来た男が、日本のヤクザに匹敵する犯罪組織を構成するに至る物語だと言える。
移民がマフィアを立ち上げる物語だとすると、ともすれば「ゴッドファーザーPART II」(1974)や、チャイニーズ・マフィアの台頭を描いた作品と言えば「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(1985)にも匹敵する作品だと言えるし、外国人が日本を舞台に選んだ作品として考えると、リドリー・スコットの「ブラック・レイン」(1989)とも比肩する世界感を描いた素晴らしい作品だと思える。
日本、特に新宿や大久保の描き方は非常に好感が持てる。
日本人が描く新宿や大久保の街並みと比較して、圧倒的に格好良い世界感を醸し出している。
キャストはジャッキー・チェンを評価せねばならないのだと思うのだが、ジャッキーファンを完全に裏切った素晴らしいキャラクターを演じきっている。
個人的な印象としては中盤以降にもっとダークな感じになって欲しいと思ったのだが、若干良い人振りが出て来てしまっているのが残念だった。
一方鬼気迫るダニエル・ウーには驚かされた。
中盤以降の変貌振りには大拍手である。
また笑いを廃した竹中直人にも驚かされた。
「ブラック・レイン」で言うところの高倉健的な役回りを見事に演じていた。
ところで、本作「新宿インシデント」は峰岸徹の遺作でしょうか。
公には大林宣彦の「その日のまえに」(2008)が遺作、と言う事になっているようだが、公開順からすると本作が遺作、と言う事になるだろう。
実際には本作の撮影は2007年らしいので、撮影順としては「その日のまえに」が遺作にあたるのだと思うが。
本作「新宿インシデント」の峰岸徹は圧倒的に輝いていた。
ところで、本作「新宿インシデント」で描かているチャイニーズ・マフィアの犯罪は、偽造テレホンカードからヤクザとの抗争と、東京に住む人たちにとって、なんともリアリティに溢れ、よくもまあ中国人をこんな風に描いたな、と思った。
まあ、大久保と言えば中国人ではなく韓国人の街であり、一説によると日本最大のコリアタウンと言う事で、現在でも道ばたでテレホンカードを売っている。
多分実際に中国人が多く、中国人がテレホンカードを売っているのは池袋だと思うのだが、「新宿インシデント」では新宿と大久保がチャイニーズ・マフィアの拠点として描かれている訳だ。
とにかく、本作「新宿インシデント」はジャッキー・チェンファンならもちろん、ファン以外でも最高に楽しめる素晴らしい作品に仕上がっている。
バイオレンス描写が多く、R-15指定がついたが、是非劇場に足を運び、見た事のないジャッキー・チェンを堪能していただきたい。
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