カート・ヴォネガット・ジュニアの「タイタンの妖女」の新装版が出ていたので読んでみた。

多分最初に「タイタンの妖女」("The Sirens of Titan")を読んだのは中学生くらいだったと思うのだが、今回再読してみて、年をとってからの再読は、非常に有意義だったと思う。

いきなり余談で恐縮だが、今回の新装版は爆笑問題の太田光が「タイタンの妖女」が大好きで大好きで仕方がないところから始まっているようで、帯はもちろん、あとがきは太田光の手によるものである。

更に爆笑問題が所属する芸能プロダクション「タイタン」の名称も当然ながら「タイタンの妖女」から取られている訳だから、「タイタン」の女社長太田光代こそが、「タイタンの妖女」に他ならない、と言うことになる。

つまり、セイレーンたる太田光代が爆笑問題をはじめとしたタレントたちを操っている訳である。

「タイタンの妖女」で件の妖女(セイレーン/サイレン)が登場人物にどのような影響を与え、どのように登場するかは、本書を読んでいただくとして、「タイタンの妖女」はどんな物語かをないように触れずに考えて行きたいと思う。

と言うか、本書「タイタンの妖女」は読者にどのような影響を与えるのか、を考えてみたい。

本書の根本にあるのは、自分の人生は他が運命付けたものである、と言うことと、自らの選択や行動が他に大きな影響を与えている、と言う背反するモノである。

一方では、個人や種の運命は他の存在が自分勝手に決めたもので、抗うことが出来ない、いわば予定調和的な存在であると言いながら、他方では、個人の選択や行動、何かをする、またはしないという選択や行動によって、他に大きな影響を与えている、と言うことを描いている。

物語の中で起きている大きな出来事、つまり基本プロットは、あきれるほどに無常で運命的で予定調和的なのだが、逆説的に、自分が何かをすることで何かが出来る、何かを変えることができる、自分の運命どころか、国や世界を変えることができる、と言う事を表現しているように思える。

理想を現実に変える力を感じてしまうのだ。

「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」なんかを見ていると、太田光の理想家振りを垣間みる事が出来る。
これこそ「タイタンの妖女」の影響なのではないか、と思えてならない。

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