「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」
2009年3月17日 映画
2008/12/12 東京新宿「東京厚生年金会館」で「K-20 怪人二十面相・伝」の試写を観た。
「K-20 怪人二十面相・伝」
監督:佐藤嗣麻子
アクション監督:横山誠、小池達朗
原作:北村想 「完全版 怪人二十面相・伝」
脚本:佐藤嗣麻子
脚本協力:山崎貴
出演:金城武(遠藤平吉)、松たか子(羽柴葉子)、國村隼(源治)、高島礼子(菊子)、本郷奏多(小林芳雄)、益岡徹(浪越警部)、今井悠貴(シンスケ)、鹿賀丈史(謎の紳士)、仲村トオル(明智小五郎)
1949年、第二次世界大戦を回避した日本の都市、帝都。
そこは、19世紀から続く華族制度により極端な貧富の格差が生まれ、ごく一部の特権階級が富を独占する社会となっていた。
折しも巷では、そんな富裕層だけを狙い、鮮やかな手口で窃盗を繰り返す怪人二十面相、通称“K-20”が出現し世間を騒がせていた。
ある日、サーカス団に所属する天才曲芸師・遠藤平吉は、見知らぬ紳士から羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子と名探偵・明智小五郎の結納の儀を写真に撮ってほしいとの依頼を受ける。
しかし、それは二十面相の罠だった・・・・。
先ずは、「K-20 怪人二十面相・伝」は大変すばらしい娯楽作品に仕上がっていた。
オリジナリティがどうこうと言う点は置いておいて、曲がりなりにも所謂ハリウッドの娯楽大作と肩を並べるようなクオリティの作品を日本国内で製作出来るようになった事を素直に喜びたい。
そして、誰もが楽しめる純粋で単純な娯楽作品を作ろうとする製作者サイドの心意気に感涙ものである。
先ずは世界観だが、第二次世界大戦を回避した日本と言う世界観は大変すばらしく、日本人を見事に格好良く描いている。
この世界観の構築は「帝都物語」にも匹敵するもので、日本映画史に残るすばらしいビジョンを提供してくれている。
脚本は若干問題があると思うが、娯楽作品としては非常によく出来ていると思った。
冒頭からラストまで畳み掛けるような脚本が楽しめる。
キャストは皆さん頑張っていて好感が持てるのだが、ヒロイン役の松たか子がいただけない。
本作「K-20 怪人二十面相・伝」は、古今東西の様々な作品の影響を受けているのだが、特筆すべき点は、既にお気付きだと思うのだが「カリオストロの城」の影響を多く受けている。
前段部分の結納のビジュアルは「カリオストロの城」を髣髴とさせ、前述のように格好良い日本人を描いている。
つまり、松たか子にはクラリス役が振られている、と言うことなのだ。
このキャスティングの問題は多分、本作の監督が佐藤嗣麻子と言う女性監督であるが故の問題なのではないか、と思う。
本作の監督がもし男性の監督だったとしたら、ヒロイン役には決して松たか子をキャスティングしないと思う。
松たか子には悪いが、脚本ではヒロインにクラリスのようなお姫様を求めているのに、松たか子では酸いも甘いも知り尽くした感が否めない、と言わざるを得ない。
つまり、17~18歳位の世俗に疎いお姫様像には松たか子の年齢では厳しすぎる、と言う感じなのだ。
アクションは、直線的な動きが楽しめ、上下と奥行きが感じられる立体的な構成がおもしろい。
アクション自体もハリウッドのアクション大作に比肩すると言っても過言ではないだろう。
編集でのごまかしがない分、人間のアクションだけを比較すると、「慰めの報酬」を超えてるんじゃないか、と言うと言い過ぎだろうか。
まあ、とにかく本作「K-20 怪人二十面相・伝」は大変すばらしい娯楽大作である。
機会があれば是非見ていただきたい。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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「K-20 怪人二十面相・伝」
監督:佐藤嗣麻子
アクション監督:横山誠、小池達朗
原作:北村想 「完全版 怪人二十面相・伝」
脚本:佐藤嗣麻子
脚本協力:山崎貴
出演:金城武(遠藤平吉)、松たか子(羽柴葉子)、國村隼(源治)、高島礼子(菊子)、本郷奏多(小林芳雄)、益岡徹(浪越警部)、今井悠貴(シンスケ)、鹿賀丈史(謎の紳士)、仲村トオル(明智小五郎)
1949年、第二次世界大戦を回避した日本の都市、帝都。
そこは、19世紀から続く華族制度により極端な貧富の格差が生まれ、ごく一部の特権階級が富を独占する社会となっていた。
折しも巷では、そんな富裕層だけを狙い、鮮やかな手口で窃盗を繰り返す怪人二十面相、通称“K-20”が出現し世間を騒がせていた。
ある日、サーカス団に所属する天才曲芸師・遠藤平吉は、見知らぬ紳士から羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子と名探偵・明智小五郎の結納の儀を写真に撮ってほしいとの依頼を受ける。
しかし、それは二十面相の罠だった・・・・。
先ずは、「K-20 怪人二十面相・伝」は大変すばらしい娯楽作品に仕上がっていた。
オリジナリティがどうこうと言う点は置いておいて、曲がりなりにも所謂ハリウッドの娯楽大作と肩を並べるようなクオリティの作品を日本国内で製作出来るようになった事を素直に喜びたい。
そして、誰もが楽しめる純粋で単純な娯楽作品を作ろうとする製作者サイドの心意気に感涙ものである。
先ずは世界観だが、第二次世界大戦を回避した日本と言う世界観は大変すばらしく、日本人を見事に格好良く描いている。
この世界観の構築は「帝都物語」にも匹敵するもので、日本映画史に残るすばらしいビジョンを提供してくれている。
脚本は若干問題があると思うが、娯楽作品としては非常によく出来ていると思った。
冒頭からラストまで畳み掛けるような脚本が楽しめる。
キャストは皆さん頑張っていて好感が持てるのだが、ヒロイン役の松たか子がいただけない。
本作「K-20 怪人二十面相・伝」は、古今東西の様々な作品の影響を受けているのだが、特筆すべき点は、既にお気付きだと思うのだが「カリオストロの城」の影響を多く受けている。
前段部分の結納のビジュアルは「カリオストロの城」を髣髴とさせ、前述のように格好良い日本人を描いている。
つまり、松たか子にはクラリス役が振られている、と言うことなのだ。
このキャスティングの問題は多分、本作の監督が佐藤嗣麻子と言う女性監督であるが故の問題なのではないか、と思う。
本作の監督がもし男性の監督だったとしたら、ヒロイン役には決して松たか子をキャスティングしないと思う。
松たか子には悪いが、脚本ではヒロインにクラリスのようなお姫様を求めているのに、松たか子では酸いも甘いも知り尽くした感が否めない、と言わざるを得ない。
つまり、17~18歳位の世俗に疎いお姫様像には松たか子の年齢では厳しすぎる、と言う感じなのだ。
アクションは、直線的な動きが楽しめ、上下と奥行きが感じられる立体的な構成がおもしろい。
アクション自体もハリウッドのアクション大作に比肩すると言っても過言ではないだろう。
編集でのごまかしがない分、人間のアクションだけを比較すると、「慰めの報酬」を超えてるんじゃないか、と言うと言い過ぎだろうか。
まあ、とにかく本作「K-20 怪人二十面相・伝」は大変すばらしい娯楽大作である。
機会があれば是非見ていただきたい。
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