2008/06/08 CATVのVOD試写会で「西の魔女が死んだ」を観た。

「魔女が倒れた。もうダメみたい」中学3年になった少女まいに、突然の知らせが届く。おばあちゃんの家へ向かう車の中でママから聞かされたおばあちゃんの訃報。
"魔女"とはママのママ、英国人の祖母のこと。ママとまいだけの呼び名だ。まいは2年前の日々へ想いを馳せる。

中学校へ入学して間もないあの頃、学校へ行くのが苦痛になってしまったまいは、ママの提案で、西の魔女のもとで過ごすことになったが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:長崎俊一
原作:梨木香歩 「西の魔女が死んだ」(新潮文庫刊)
脚本:矢沢由美、長崎俊一
出演:サチ・パーカー(おばあちゃん)、高橋真悠(まい)、りょう(ママ)、大森南朋(パパ)、高橋克実(郵便屋さん)、木村祐一(ゲンジ)

本作「西の魔女が死んだ」は、素直に、良い作品に仕上がっていた。

「西の魔女が死んだ」と言うタイトルの小説があることは以前から知っていたのたが、そのタイトルの印象から、「オズの魔法使い」に関連する作品だと思っていた。

従って、「西の魔女」と言えば、誰しも思うように、「オズの魔法使い」や「ウィキッド」でおなじみの「西の悪い魔女」を描いた作品ではないか、と思っていたし、事実わたしは、「西の魔女が死んだ」は、西の悪い魔女を倒す話かと思っていた位である。

一方、本作の物語は、「オズの魔法使い」とはほとんど関連が無く、同年代の少女たちより一足先に大人への階段を上ってしまった少女が不登校になり、その結果、田舎暮らしの祖母としばらくの間一緒に暮らす、と言う物語である。

その祖母がイギリス人で、しかも魔女だ、と言う設定の物語である。

作品としては前述のように良い作品だと思うし、印象的なシーンやセリフはあるのだが、なんとなく、長編のダイジェストを見ているような印象を受けた。

作品の行間を読む事ができる観客は、作品で語られていない部分で、あんな事やこんな事があったのではないか、と想像する事が出来ると思うのだが、そうではない観客にとっては、エピソードの羅列で、また出来事に対する反応がにぶい(出来事による影響からの脱却が早い)ように思える。

つまり、本作「西の魔女が死んだ」は、映画としては良い作品ではあるが、作品のスタンスとしては、小説「西の魔女が死んだ」の予告編と言うかプロモーションとして機能するのではないか、と思った。

キャストは、おばあちゃん役を演じたサチ・パーカーが良かった。
スローモーなセリフ回しには賛否があると思うが、わたしは肯定的な立場を取らせていただく。

ゆっくり確実に、そして明確に語るおばあちゃんのセリフが素敵である。

あとは、多分誰もが指摘する事だと思うのだが、ゲンジ役の木村祐一も良かった。
登場人物の中で、一番一般の人々に近い一般大衆的なキャラクター設定になっているのが興味深い。

また、まい役の高橋真悠も頑張っている。
今後に期待の女優さんである。

とにかく本作「西の魔女が死んだ」は、非常に良い作品ではあるので、是非劇場で堪能していただきたい。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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