「東京国際映画祭」をめぐる冒険 その1
2007年11月12日 映画今年も「東京国際映画祭」の季節が終わった。
毎年毎年「東京国際映画祭」に通っているわたしが言うのもなんだが「東京国際映画祭」は年々つまらなくなっている。
と言うか、どんどんダメな「国際映画祭」になっている、と思えてならないのだ。
今日は、何故「東京国際映画祭」がダメな「国際映画祭」になってしまっているのかを考えてみたい。
今日のわたしのお話は、「国際映画祭」の各部門の概要を知っていないとわからない部分があると思われるので、先ずは前提として「国際映画祭」における一般的な部門の説明をします。
■「国際映画祭」の部門
□「コンペティション」
世界中から集められた作品の中から優秀な作品を10〜20本程度上映し、その中から最優秀作品等の賞を決定し、賞を授与する部門。
□「特別招待作品」
公開前の話題の作品を上映する部門。多彩なゲストの舞台挨拶や、トークショー等のイベントが実施される。
□その他
その他の特集上映を行う部門。
「東京国際映画祭」では「アジアの風」、「日本映画・ある視点」等、様々な部門の特集上映が行われている。
さて、ここからは、「東京国際映画祭」の問題点を考えてみたいと思う。
■1.「国際映画祭」の使命
「国際映画祭」の使命はなんと言っても、優秀な作品を世界に発信する、と言う事だと思う。
そして、優秀な作品を世界に発信する、と言う事は、必然的に、その「国際映画祭」に権威が必要だと言える。
つまり「国際映画祭」の華は、何と言っても「コンペティション」部門なのだ。
例えば、「カンヌ国際映画祭」でなんとか言う映画がパルム・ドールを取ったとか、「ヴェネツィア国際映画祭」でなんとか言う作品が金獅子賞をとったとか言う話をよく聞くと思う。
つまり、「国際映画祭」と賞の名前がセットで世界中に発信される訳だが、「カンヌ」と「パルム・ドール」、「ヴェネツィア」と「金獅子」と言う名称はご存知だと思うのだが、「東京国際映画祭」の最高賞の名称を知っている人はどれくらいいるだろう。
因みに「東京国際映画祭」の「コンペティション」部門の最高賞の名称は「東京サクラ・グランプリ」と言うのだが、多くの日本人は日本に住んでいながら「東京サクラ・グランプリ」と言う賞の名称より、「パルム・ドール」とか「金獅子」等の名称の方が馴染みがあるのではないか、と思う。
もちろんここには、メディアの問題が介在する。
「東京国際映画祭」における日本国内のメディアの関心事は、どこの国の誰の作品が「東京サクラ・グランプリ」と受賞したか、と言う事より、誰が日本の作品の上映の際に舞台挨拶をしたか、とか、イベントを行ったか、と言う事なのだ。
また、「国際映画祭」の賞については、どこの国の誰の作品が「東京サクラ・グランプリ」と受賞したか、と言う事より、日本人が関係するどの作品が、どこどこの「国際映画祭」で賞を受賞したのか、に関心を持っているのだ。
つまり、国内のメディアが伝えるのは、どの作品が「東京サクラ・グランプリ」を受賞したのか、と言う事より、例えば「ミッドナイト・イーグル」や「恋空」、「クローズZERO」の舞台挨拶やイベントにどんなゲストが来たのか、と言う事なのだ。
メディアの問題はともかく、ここで言いたいのは、「東京国際映画祭」に権威がない、と言う事である。
「ニューズウィーク日本版」2007/06/27号に「東京国際映画祭がカンヌになれない理由」と言うフランス人が書いた記事が掲載されている。
掲載時に立ち読みしただけなので、詳細な記憶はないのだが、その記事によると、海外メディアは、「東京国際映画祭」は韓国の「釜山国際映画祭」より格下だと評価しているらしい。
記事の趣旨は、わたしの記憶によると、「東京国際映画祭」は良質な作品を世界に発信する、と言う事よりは、日本国内のマーケットに対する商業主義で運営されているのではないか、と言うことだったと思う。
事実、その通りだと思う。
(立ち読みで得た知識で、「ニューズウィーク日本版」2007/06/27号を所有していないので、間違った情報の可能性があります。
間違った情報の場合はご指摘いただければ、幸いです。)
■2.「東京国際映画祭」の華は?
一般的に考えて、「国際映画祭」の華は「コンペティション」部門だと言うお話をさせていただいたが、「東京国際映画祭」の華は何だろう。
わたしが感じた印象としては、「東京国際映画祭」サイドは、どうやら「特別招待作品」を「国際映画祭」の華だと考えて「国際映画祭」を運営しているように思える。
また、誰のために「国際映画祭」を運営しているか、と言うと「
世界の映画ファン」のために運営しているのではなく、どうやら「日本のミーハーな人々」のために運営しているのではないか、と思えてならない。
と言うのも、今年の「東京国際映画祭」で話題になった作品は日本映画で、しかもアイドル的な俳優や女優が主演している作品ばかりなのである。
ついでに、すぐ一般公開される作品ばかりである。
映画ファンではなく、主演俳優や主演女優のファンを動員する事を目的とした作品選定とゲストへのオファーが行われているような印象を受ける。
この辺の話については、次回以降にお話ししたいと思う。
次回以降の予定はこんな感じだろうか。
■3.何故日本映画ばかり上映するのか?
■4.何故角川映画ばかり上映するのか?
■5.ハリウッドスターが来日しない「国際映画祭」
■6.「東京国際映画祭」チケットのオークション状況
「東京国際映画祭」をめぐる冒険 その2 ヘつづく・・・・
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毎年毎年「東京国際映画祭」に通っているわたしが言うのもなんだが「東京国際映画祭」は年々つまらなくなっている。
と言うか、どんどんダメな「国際映画祭」になっている、と思えてならないのだ。
今日は、何故「東京国際映画祭」がダメな「国際映画祭」になってしまっているのかを考えてみたい。
今日のわたしのお話は、「国際映画祭」の各部門の概要を知っていないとわからない部分があると思われるので、先ずは前提として「国際映画祭」における一般的な部門の説明をします。
■「国際映画祭」の部門
□「コンペティション」
世界中から集められた作品の中から優秀な作品を10〜20本程度上映し、その中から最優秀作品等の賞を決定し、賞を授与する部門。
□「特別招待作品」
公開前の話題の作品を上映する部門。多彩なゲストの舞台挨拶や、トークショー等のイベントが実施される。
□その他
その他の特集上映を行う部門。
「東京国際映画祭」では「アジアの風」、「日本映画・ある視点」等、様々な部門の特集上映が行われている。
さて、ここからは、「東京国際映画祭」の問題点を考えてみたいと思う。
■1.「国際映画祭」の使命
「国際映画祭」の使命はなんと言っても、優秀な作品を世界に発信する、と言う事だと思う。
そして、優秀な作品を世界に発信する、と言う事は、必然的に、その「国際映画祭」に権威が必要だと言える。
つまり「国際映画祭」の華は、何と言っても「コンペティション」部門なのだ。
例えば、「カンヌ国際映画祭」でなんとか言う映画がパルム・ドールを取ったとか、「ヴェネツィア国際映画祭」でなんとか言う作品が金獅子賞をとったとか言う話をよく聞くと思う。
つまり、「国際映画祭」と賞の名前がセットで世界中に発信される訳だが、「カンヌ」と「パルム・ドール」、「ヴェネツィア」と「金獅子」と言う名称はご存知だと思うのだが、「東京国際映画祭」の最高賞の名称を知っている人はどれくらいいるだろう。
因みに「東京国際映画祭」の「コンペティション」部門の最高賞の名称は「東京サクラ・グランプリ」と言うのだが、多くの日本人は日本に住んでいながら「東京サクラ・グランプリ」と言う賞の名称より、「パルム・ドール」とか「金獅子」等の名称の方が馴染みがあるのではないか、と思う。
もちろんここには、メディアの問題が介在する。
「東京国際映画祭」における日本国内のメディアの関心事は、どこの国の誰の作品が「東京サクラ・グランプリ」と受賞したか、と言う事より、誰が日本の作品の上映の際に舞台挨拶をしたか、とか、イベントを行ったか、と言う事なのだ。
また、「国際映画祭」の賞については、どこの国の誰の作品が「東京サクラ・グランプリ」と受賞したか、と言う事より、日本人が関係するどの作品が、どこどこの「国際映画祭」で賞を受賞したのか、に関心を持っているのだ。
つまり、国内のメディアが伝えるのは、どの作品が「東京サクラ・グランプリ」を受賞したのか、と言う事より、例えば「ミッドナイト・イーグル」や「恋空」、「クローズZERO」の舞台挨拶やイベントにどんなゲストが来たのか、と言う事なのだ。
メディアの問題はともかく、ここで言いたいのは、「東京国際映画祭」に権威がない、と言う事である。
「ニューズウィーク日本版」2007/06/27号に「東京国際映画祭がカンヌになれない理由」と言うフランス人が書いた記事が掲載されている。
掲載時に立ち読みしただけなので、詳細な記憶はないのだが、その記事によると、海外メディアは、「東京国際映画祭」は韓国の「釜山国際映画祭」より格下だと評価しているらしい。
記事の趣旨は、わたしの記憶によると、「東京国際映画祭」は良質な作品を世界に発信する、と言う事よりは、日本国内のマーケットに対する商業主義で運営されているのではないか、と言うことだったと思う。
事実、その通りだと思う。
(立ち読みで得た知識で、「ニューズウィーク日本版」2007/06/27号を所有していないので、間違った情報の可能性があります。
間違った情報の場合はご指摘いただければ、幸いです。)
■2.「東京国際映画祭」の華は?
一般的に考えて、「国際映画祭」の華は「コンペティション」部門だと言うお話をさせていただいたが、「東京国際映画祭」の華は何だろう。
わたしが感じた印象としては、「東京国際映画祭」サイドは、どうやら「特別招待作品」を「国際映画祭」の華だと考えて「国際映画祭」を運営しているように思える。
また、誰のために「国際映画祭」を運営しているか、と言うと「
世界の映画ファン」のために運営しているのではなく、どうやら「日本のミーハーな人々」のために運営しているのではないか、と思えてならない。
と言うのも、今年の「東京国際映画祭」で話題になった作品は日本映画で、しかもアイドル的な俳優や女優が主演している作品ばかりなのである。
ついでに、すぐ一般公開される作品ばかりである。
映画ファンではなく、主演俳優や主演女優のファンを動員する事を目的とした作品選定とゲストへのオファーが行われているような印象を受ける。
この辺の話については、次回以降にお話ししたいと思う。
次回以降の予定はこんな感じだろうか。
■3.何故日本映画ばかり上映するのか?
■4.何故角川映画ばかり上映するのか?
■5.ハリウッドスターが来日しない「国際映画祭」
■6.「東京国際映画祭」チケットのオークション状況
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