2007/09/27 東京竹橋「イイノホール」で「キングダム/見えざる敵」の試写を観た。

サウジアラビア王国の首都リヤドの外国人居住区の昼下がりの幸せな風景が一転、突如鳴り響く爆発音。
自爆テロが勃発したのだ。

首謀者はアルカイダのメンバーのアブ・ハムザと目される中、サウジアラビアとアメリカの外交筋は穏やかな解決を望んでいたが、FBI捜査官ロナルド・フルーリーだけは違っていた。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ピーター・バーグ
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジェイミー・フォックス(ロナルド・フルーリー)、クリス・クーパー(グラント・サイクス)、ジェニファー・ガーナー(ジャネット・メイズ)、ジェイソン・ベイトマン(アダム・レビット)、アシュラフ・バルフム(アル・ガージー大佐)、アリ・スリマン(ハイサム軍曹)、ジェレミー・ピヴェン(デーモン・シュミット米大使館首席公使)、ダニー・ヒューストン(ギデオン・ヤング司法長官)、リチャード・ジェンキンス(ロバート・グレイスFBI長官)

先ず、本作「キングダム/見えざる敵」は、非常に面白い社会派サスペンス映画に仕上がっていた。

しかしながら、全編を貫く「絶対君主制国家サウジアラビア王国は、非常に治安が悪く、サウード家の独裁的な政治が行われており、警察機構も腐敗している」と言うスタンスはいかがなものかと思った。

また、FBI捜査官フルーリー(ジェイミー・フォックス)等に協力するサウジ警察のアル・ガージー大佐(アシュラフ・バルフム)の描き方も微妙で、フルーリーの「何故警察官になったのか?」と言う問に、「あるアメリカの文化の影響を受けた」と答えるあたりが、流石ハリウッド映画だと思った。

つまり、悪い警察官がたくさんいる腐敗したサウジ警察において、アル・ガージーはとあるアメリカの文化の影響を受け、結果的に良い警察官になった、と言う設定が読み取れるのだ。

なお、「あるアメリカ文化」については明言は避けておくので、劇場で確認して欲しい。

また絶対君主制国家サウジアラビアの描き方も、非常にハリウッド的で、サウジアラビアの政治は独裁制に近く、しかもサウード家の人々の恣意的な決定によって、政治や物事が決まっていく様を描いている。

だからと言って、本作がつまらないか、と言うとそうでもなく、感覚的に単純化すると本作の物語は、正義の心と小さな力しか持たない主人公たちが、巨大な力と自分達に対する悪意を持つ巨大な存在を上手くあしらいながら、目的を達する、と言う物語に昇華することが出来、圧倒的な力と気まぐれな決断力を持ったサウード家による障害や、はたまた恩恵の付与に対し、主人公たちが翻弄される様は非常に興味深い。

またテロ組織の描写も非常に的確で、非常に恐ろしい印象を受ける。

とりかく本作「キングダム/見えざる敵」はこの秋必見の傑作であることは間違いない。
是非劇場に足を運んでいただきたいと思うのだ。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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