「ブレードランナー」(1982)と言う作品は、ある意味神格化された作品で、SF映画の金字塔的な作品だと言われている。

個人的な印象でも、本作「ブレードランナー」は、リドリー・スコット、シド・ミード、ヴァンゲリス、ダグラス・トランブル等が織りなす、奇跡的な完成度を持った作品だと思う。

事実、わたしは1980年代以降、「ブレードランナー」のフィルムを追っかけ、かかる劇場の多くに足を運び、劇場公開版の「ブレードランナー」は、おそらく30回以上は劇場で観ていると思う。

その後、1980年代後期に、ヨーロッパでの公開バージョン、所謂ヴァイオレンス・バージョンと呼ばれるバージョンのビデオ・ソフトが国内でも発売になり、1992年には「ディレクターズ・カット」(最終版)が公開され、日本国内では合法的には3つのバージョンを観る事が出来た。

また公開前に試写が行われた所謂「ワークプリント」と呼ばれるバージョンは、日本国内でもたまにオークションにも出てくるのだが、その多くが劣悪な状態である。

更に、2007年には製作25周年を記念してリドリー・スコットが自ら再編集した「ファイナル・カット」バージョンが第64回ヴェネツィア国際映画祭で上映され、各地で限定公開されている。

そんな中、日本国内でも、特典満載の「ブレードランナー」のDVDが発売されることになった。

題して、
10,000セット限定生産『「ブレードランナー」製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション・プレミアム(5枚組)』
だ。
http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&;;;;num=6628&UserNum=&Pass=&AdminPass=&dp=

最早何を言っているのかわからんタイトルのDVDが出ると言うことである。

その気になる内容は、次の通りである。

【収録コンテンツ】

☆現存する本編5バージョン全てを収録!
(1)リドリー・スコットが製作25周年を記念して再編集。『ブレードランナー ファイナル・カット』(2007) 初ソフト化
(2)劇場公開前のリサーチ試写で使用された、オリジナル本編『ブレードランナー』ワークプリント(1982) 初ソフト化
(3)US劇場公開版『ブレードランナー』(1982) 初DVD化
(4)『ブレードランナー 完全版』(1982) 初DVD化
(5)音声・画質初リマスター『ディレクターズカット/ ブレードランナー 最終版』(1992)

☆長編ドキュメンタリーや豊富な映像特典が満載!
(1)新作長編ドキュメンタリー『デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー』
(2)初収録メイキング映像、フィリップ・K・ディックのインタビュー(音声)、ポストプロダクション映像 他

【商品形態】

☆ここでしか手に入らない!豪華オリジナルアイテムをブレードランナー仕様オリジナル・ブリーフケースに封入!!

封入アイテム:  
(1)オリジナル「スピナー」フィギュア
(2)オリジナル「ユニコーン」フィギュア
(3)オリジナル・チェンジング・レンティキュラー
(4)リドリー・スコットからの手紙
(5)オリジナルフォルダー入りシド・ミード 画コンテ集(8枚)
(6)ブックレット(20p)
(7)デジパック5枚組+アウターケース

とのことである。

しかし、このDVD国内版はなんと24,800円(Amazon.co.jpで18,600円)もするのだ。

北米版は$78.92(Amazon.comで$54.99)だぞ。
ブルー・レイでも$99.98(Amazon.comで$69.95)だぞ。

価格を比較すると、単純計算で、なんと$1=314円になってしまうのだ。

もちろん、日本語の字幕をつけたり、吹替えを入れたりする手間はかかると思うが、価格帯が圧倒的に違いすぎる。

常々思うことだが、国内版のDVDはなんでこんなに高いのか!

とりあえずわたしは、北米版の
"Blade Runner" (Five-Disc Ultimate Collector’s Edition)($78.92/実売$54.99)を購入することにしようと思う。

因みにわたしの友人は、北米版のブルー・レイ($99.98/実売$69.95)と国内版封入特典なしのディスクだけのバージョン(14,800円)を購入することにしたらしい。

両方足しても、22,914円($1=116円換算)で、冒頭に紹介したの24,800円より安い始末なのだ。

安いDVDはとことん安いが、高いDVDはとことん高いと言う状況はなんとかならんものか、と切実に思うね。

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コメント

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2007年9月8日0:14

ムカつきます。なんで高いんだろう…<日本版

以前「マスター・アンド・コマンダー」と「マイ・プライベート・アイダホ」それぞれのUS版を購入した際、お値段だけでなく、BOX仕様や愛蔵版DVDというものに対する米国と日本の考え方の違いを痛感させられました。

「この映画を愛する人はDVDに何を求めているか」ということを、販売元は本当に考えているなと。映像特典だけじゃなく、箱のデザインや中に入っているものが、ひとつひとつ素晴らしくムダがなかったんです。2作品とも特別仕様の日本版が出ましたが、天地の差。まったく違っていて、大ショックでした。

日本版特別仕様なんて、「あんまり役に立たないブックレット、しょーもないカード、いらんわフィギュア」ばっか。毎回ガッカリです。

tkr
tkr
2007年9月10日12:09

「ブレードランナー」のおまけは、基本的に日米同様のようですね。

仰るとおり、国内版DVDには無駄な特典も多いですね。

とりあえず、収録可能な映像特典は全部入れちゃえ、的な感じで、ダラダラ長いだけの特典が付いていたり、またその映像特典を見るため、スキップ不能の無駄なメニューがあったりとか、特典映像の翻訳が字幕ではなく、ブックレットに印刷されていたり、したりすることがありますね。

やはり販売元の関心は、良いものをつくる、ではなく、いかにして売るか、というところなのでしょうね。

利益を得るのが企業の本文ですが、良いものをつくる。と言うのも会社にとっては、良いことだとおもいますけどね。
tkr

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