「プラネット・テラーinグラインドハウス」
2007年8月17日 映画
2007/08/14 東京神保町「一ツ橋ホール」で「プラネット・テラーinグラインドハウス」の試写を観た。
併映はダニー・トレホ主演のフィイク予告編「マチェーテ」。
テキサスの田舎町。
米軍基地のマルドゥーン(ブルース・ウィリス)は科学者のアビー(ナヴィーン・アンドリュース)を相手に、恐怖の生物化学兵器の取引をしていた。しかし、アビーが予備の試薬を隠し持っていることを知り、彼を追う。追いつめられたアビーは実験装置を射撃。そこから噴き出した恐怖のガスが人々を溶かし、恐ろしく凶暴なゾンビ状態の”シッコ(感染者)”に変えてしまった!
その頃ゴーゴーダンサーのチェリー(ローズ・マッゴーワン)は、2週間前に別れた恋人のレイ(フレディ・ロドリゲス)と再会するが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン(チェリー)、ブルース・ウィリス(マルドゥーン)、フレディ・ロドリゲス(レイ)、ジョシュ・ブローリン(ブロック医師)、マーリー・シェルトン(ダコタ)、ジェフ・フェイヒー(JT)、ステイシー・ファーガソン(タミー)、ナヴィーン・アンドリュース(アビー)、マイケル・ビーン(ヘイグ保安官)、レベル・ロドリゲス(トニー)、ジュリオ・オスカー・メチョソ(ロミー)、ニッキー・カット(ジョー)、エレクトラ・アメリア・アヴェラン(双子のベビーシッター#1)、エレクトラ・イザベル・アヴェラン(双子のベビーシッター#2)、トム・サヴィーニ(トロ)、カルロス・ガラルドー(カルロス)、クエンティン・タランティーノ(レイピスト)
先ずは本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」は大変すばらしい作品に仕上がっていた。
と言うのも、タイトルにも含まれている「グラインドハウス」と言う上映形態の持つ、古き良き1970年代のB級映画のインチキ臭さや、血沸き肉踊るドキドキワクワク感、エロチックでスプラッタでグロテスクでタブーな雰囲気、技術ではなくパワーで作品が製作されていた時代に対するなんとも言えない郷愁と少年達の下半身を直撃するリビドー溢れる作品に仕上がっているのだ。
ところで本作のオリジナル版は、北米ではクエンティン・タランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」と本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」、そして「マチェーテ」(ロバート・ロドリゲス)、「ナチ親衛隊の狼女」(ロブ・ゾンビ)、「Don’t/ドント」(エドガー・ライト)、「感謝祭」(イーライ・ロス)のフェイク予告編4本をトータル191分の作品として公開しているのだが、日本国内では一部の例外(東京・大阪で8日間だけ、191分の北米オリジナルバージョンでの公開が行われる)を除いて、原則的に2本の作品として、再編集版が公開されるようである。
フェイク予告編のタイトルを聞いただけでドキドキしてしまうのはわたしだけか?
さて、本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」についてだが、先ずは、1970年代の所謂B級映画を愛する映画ファンにとっては、なにしろノスタルジックで、感涙溢れるテイストがすばらしい。
これは、場末の洋画2本立て興行や、土曜の昼間のマチネ的ロードショーテレビ番組で映画を観て育った人々には堪らないテイストだと言える。
例を挙げるならば、多分昭和30年代を知っている人々が「ALWAYS三丁目の夕日」(2005)で咽び泣く、と言った感覚に近いかもしれない。
そのための無駄な努力と言うか、雰囲気の再現と言うか、製作者の意向により、フィルムに傷が沢山付けてある点にも恐れ入った。
ついでに巻が変わる部分(パンチの両端/リールの最後の部分とリールの最初の部分)の傷が爆発的に増えるところにも芸の細かさを感じる。
物語は、謎のガスによりゾンビ化してしまう人々と、感染していない人々の争いを縦軸に、愛(恋人/兄弟/家族)をちりばめ、そこにこれだもか、と言うようなグロスアウトをぶち込んだプロットである。
グロスアウトと言えば、本作は、近年稀に見るほど「血のり」が多い作品だと思うぞ、ついでにゾンビ映画お約束の食べたり、ちぎったり、と言うのがきちんと(フィルムは汚いが)描かれているのも良いと思うぞ。
また脚本は非常に粋で、ところどころのセリフに滂沱の涙状態である。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」(1996)並に格好良いセリフが出てくるのだ。
本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」は、監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽を担当したロバート・ロドリゲスの映画に対する愛情が詰まった映画ファン必見、と言うか最早義務と言っても良いほどの作品だと思う。
噂では、「シン・シティ」(2005)の際に、アメリカの監督協会と、フランク・ミラーとの共同監督の一件でもめ、監督協会を脱会し、アメリカ国内では映画が二度と撮れないと言われているロバート・ロドリゲスの作品を是非劇場で観て欲しいと思う。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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併映はダニー・トレホ主演のフィイク予告編「マチェーテ」。
テキサスの田舎町。
米軍基地のマルドゥーン(ブルース・ウィリス)は科学者のアビー(ナヴィーン・アンドリュース)を相手に、恐怖の生物化学兵器の取引をしていた。しかし、アビーが予備の試薬を隠し持っていることを知り、彼を追う。追いつめられたアビーは実験装置を射撃。そこから噴き出した恐怖のガスが人々を溶かし、恐ろしく凶暴なゾンビ状態の”シッコ(感染者)”に変えてしまった!
その頃ゴーゴーダンサーのチェリー(ローズ・マッゴーワン)は、2週間前に別れた恋人のレイ(フレディ・ロドリゲス)と再会するが・・・・。(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン(チェリー)、ブルース・ウィリス(マルドゥーン)、フレディ・ロドリゲス(レイ)、ジョシュ・ブローリン(ブロック医師)、マーリー・シェルトン(ダコタ)、ジェフ・フェイヒー(JT)、ステイシー・ファーガソン(タミー)、ナヴィーン・アンドリュース(アビー)、マイケル・ビーン(ヘイグ保安官)、レベル・ロドリゲス(トニー)、ジュリオ・オスカー・メチョソ(ロミー)、ニッキー・カット(ジョー)、エレクトラ・アメリア・アヴェラン(双子のベビーシッター#1)、エレクトラ・イザベル・アヴェラン(双子のベビーシッター#2)、トム・サヴィーニ(トロ)、カルロス・ガラルドー(カルロス)、クエンティン・タランティーノ(レイピスト)
先ずは本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」は大変すばらしい作品に仕上がっていた。
と言うのも、タイトルにも含まれている「グラインドハウス」と言う上映形態の持つ、古き良き1970年代のB級映画のインチキ臭さや、血沸き肉踊るドキドキワクワク感、エロチックでスプラッタでグロテスクでタブーな雰囲気、技術ではなくパワーで作品が製作されていた時代に対するなんとも言えない郷愁と少年達の下半身を直撃するリビドー溢れる作品に仕上がっているのだ。
ところで本作のオリジナル版は、北米ではクエンティン・タランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」と本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」、そして「マチェーテ」(ロバート・ロドリゲス)、「ナチ親衛隊の狼女」(ロブ・ゾンビ)、「Don’t/ドント」(エドガー・ライト)、「感謝祭」(イーライ・ロス)のフェイク予告編4本をトータル191分の作品として公開しているのだが、日本国内では一部の例外(東京・大阪で8日間だけ、191分の北米オリジナルバージョンでの公開が行われる)を除いて、原則的に2本の作品として、再編集版が公開されるようである。
フェイク予告編のタイトルを聞いただけでドキドキしてしまうのはわたしだけか?
さて、本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」についてだが、先ずは、1970年代の所謂B級映画を愛する映画ファンにとっては、なにしろノスタルジックで、感涙溢れるテイストがすばらしい。
これは、場末の洋画2本立て興行や、土曜の昼間のマチネ的ロードショーテレビ番組で映画を観て育った人々には堪らないテイストだと言える。
例を挙げるならば、多分昭和30年代を知っている人々が「ALWAYS三丁目の夕日」(2005)で咽び泣く、と言った感覚に近いかもしれない。
そのための無駄な努力と言うか、雰囲気の再現と言うか、製作者の意向により、フィルムに傷が沢山付けてある点にも恐れ入った。
ついでに巻が変わる部分(パンチの両端/リールの最後の部分とリールの最初の部分)の傷が爆発的に増えるところにも芸の細かさを感じる。
物語は、謎のガスによりゾンビ化してしまう人々と、感染していない人々の争いを縦軸に、愛(恋人/兄弟/家族)をちりばめ、そこにこれだもか、と言うようなグロスアウトをぶち込んだプロットである。
グロスアウトと言えば、本作は、近年稀に見るほど「血のり」が多い作品だと思うぞ、ついでにゾンビ映画お約束の食べたり、ちぎったり、と言うのがきちんと(フィルムは汚いが)描かれているのも良いと思うぞ。
また脚本は非常に粋で、ところどころのセリフに滂沱の涙状態である。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」(1996)並に格好良いセリフが出てくるのだ。
本作「プラネット・テラーinグラインドハウス」は、監督・製作・脚本・撮影・編集・音楽を担当したロバート・ロドリゲスの映画に対する愛情が詰まった映画ファン必見、と言うか最早義務と言っても良いほどの作品だと思う。
噂では、「シン・シティ」(2005)の際に、アメリカの監督協会と、フランク・ミラーとの共同監督の一件でもめ、監督協会を脱会し、アメリカ国内では映画が二度と撮れないと言われているロバート・ロドリゲスの作品を是非劇場で観て欲しいと思う。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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