今日は開発技術の話。

今回の「携帯動画共有実験モニタープログラム」をはじめとした動画共有サイトの最大の問題点は、「映像を見なければその映像の内容がわからない」と言う点である。

そんなの当たり前だろ、と言われればそれまでなのだが、面白いのかどうかもわからない動画を見るために、ユーザーの貴重な時間とパケット代を費やす訳には行かない訳だ。

特に今回の「携帯動画共有実験モニタープログラム」は「YouTube」等と異なり、パソコンではなく携帯電話をインフラとして使用しているため、サイト上にあるその動画が面白いものか、つまらないものかを判断する材料のニーズは、YouTube等と比較して高いものだと類推することが容易である。

しかも通信速度は遅いし・・・・。

そこでNTTサイドが開発した技術は、

1.パーソナル映像インデクシング技術
2.モバイル映像ハンドリング技術

である。

さて、本題だが、今日のお話は「パーソナル映像インデクシング技術」のお話。

ところで、いきなり余談だが、先日参加したiMacのプレゼン
http://diarynote.jp/d/29346/20070814.html
の際に同時に実施されたiLife’08のプレゼンの中で興味深い内容があった。

それは、iLife’08に入っているiMovieと言う映像編集アプリケーションのプレゼンの内容による。

パソコン上で動画ファイルはどのように表示されるか、と言うと基本的にファイル名だけである。
場合によっては冒頭の画像のサムネイルがくっついていることもあるが、基本的には動画ファイル名が動画の内容を表す唯一の存在なのだろう。

そしてパソコン上の動画ファイルは、結局のところ、クリックしてみないと内容がわからない、と言う代物なのだ。

そこでアップル社は、iTunesやiPhotoと同様のオペレーションで動画を管理することをiMovieで行うことにし、次の機能を実装した。

1.iMovie上に表示される動画ファイルは、その動画ファイル中の静止画を数秒毎にサムネイルとして抽出し、動画ファイルをそのサムネイルの連なりとして表示することにした。
2.動画ファイルの表面をマウスのポンイタでなぞるとその動画の該当部分が簡易再生されるようにした。

因みに、サムネイルの連なりとして動画ファイルを表示する、と言う機能は、Adobe Premiereでも、Final Cut Studioでも実装されていない。(機能はあるかも知れないが、初期設定ではそのように表示されない)

また、iMovieのライバルとも言えるAdobe Premiere Elementsにもこの機能は実装されていない。
 
 
さて、話は「携帯動画共有実験モニタープログラム」に戻るが、アップル陣営が動画の内容を把握するために、動画ファイルを動画から数秒おきに抽出されたいくつかの静止画の連なりで表現したのに対し、NTT陣営は、もう少しすすんだ考え方(前述の「パーソナル映像インデクシング技術」)で動画を表現しようとしたのだ。

では、その「パーソナル映像インデクシング技術」とは何ぞや、と言う話なのだが、オフィシャル・サイトによると次の通りである。

「パーソナル映像インデクシング技術」
NTT研究所では、従来から主に編集済映像を対象としたインデクシング技術を開発してきましたが、映像品質によってはインデクシング精度が大幅に低下するという課題がありました。今回開発したパーソナル映像インデクシング技術は、明確なシーンの切り替わりがない未編集映像でも、その映像内容の変化に応じて分割した上でそれぞれの場面のサムネイル画像やパノラマ画像を生成します。また、ケータイで撮影した粗い映像からでも、パノラマ画像や被写体のクローズアップ画像を生成します。サムネイル画像を一定の時間間隔で生成する通常の手法とは異なり、映像の内容に応じた特徴的な画像を生成することができます。
(「携帯動画共有実験」/「開発技術」/「新技術」より引用)
http://labs.goo.ne.jp/mobi/technology.html

何を言ってるのかよくわからないと思うので簡単にまとめると、

1.カメラが移動している動画は、パノラマ画像の静止画としてサムネイルを生成する。
2.人の顔が動画の中にあったような場合は、その顔を静止画として抽出する。
3.変化の激しい動画の場合は、その変化毎に静止画を抽出し、それぞれを一つながりに連ねた複数の静止画をサムネイルとして生成する。

NTT陣営は、アップル陣営がiMovie上で生成するサムネイルより一歩すすんだ技術により、動画の内容を表現しようとしている訳だ。

「携帯動画共有実験モニタープログラム」をめぐる冒険 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20070807.html

「携帯動画共有実験モニタープログラム」をめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20070808.html

「携帯動画共有実験モニタープログラム」をめぐる冒険 その4
http://diarynote.jp/d/29346/20070820.html
につづく・・・・

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「携帯動画共有実験」
http://labs.goo.ne.jp/mobi/index.html

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