「スパイダーマン3」
2007年7月11日 映画
2007/06/29 東京板橋「ワーナーマイカル・シネマズ板橋」で「スパイダーマン3」を観た。
ニューヨーク。
スパイダーマンは、いまやニューヨーク市民から絶大な信頼と賞賛を集めるヒーローとなり、恋人MJへのプロポーズも決意し、順風満帆のピーター・パーカーだったが、肝心のMJは出演したミュージカルが酷評され気分はどん底状態だった。
それに追い討ちをかけるように・・・・。
監督:サム・ライミ
原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ
脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ、アルヴィン・サージェント
音楽:クリストファー・ヤング
テーマ曲:ダニー・エルフマン
 
出演:トビー・マグワイア(ピーター・パーカー/スパイダーマン)、キルステン・ダンスト(メリー・ジェーン・ワトソン/MJ)、ジェームズ・フランコ(ハリー・オズボーン)、トーマス・ヘイデン・チャーチ(フリント・マルコ/サンドマン)、トファー・グレイス(エディ・ブロック/ヴェノム)、ブライス・ダラス・ハワード(グウェン・ステイシー)、ジェームズ・クロムウェル(ジョージ・ステイシー)、ローズマリー・ハリス(メイ・パーカー)、J・K・シモンズ(J・ジョナ・ジェイムソン)、ビル・ナン(ロビー・ロバートソン)、エリザベス・バンクス(ミス・ブラント)、ディラン・ベイカー(カート・コナーズ博士)、テレサ・ラッセル(エマ・マルコ)、クリフ・ロバートソン(ベン・パーカー)、ジョン・パクストン(執事バーナード)、テッド・ライミ(ホフマン)、ブルース・キャンベル(クラブのフロアマネージャー)、パーラ・ヘイニー=ジャーディン(ペニー・マルコ)、エリヤ・バスキン(ディトコヴィッチ氏)、マゲイナ・トーヴァ(ウルスラ)、ベッキー・アン・ベイカー(ステイシー夫人)、スタン・リー(タイムズ・スクエアの男)
先ず感じたのは、本作「スパイダーマン3」は世界中が待ちわび
、世界中が臨んだ作品に仕上がっていたのかどうか、と言う点である。
と言うのも、おそらく多くの観客が望んでいたであろうスパイダーマンの大活躍より、ピーターとMJのラブ・ストーリー部分に尺が取られているのだ。
本作では、サンドマン、ヴェノム、ニュー・ゴブリンと、スパイダーマンが戦う相手の質・量ともにに不足はないものの、139分と言う尺を考え、3キャラクターとの対決を考えた場合、消化し切れていない、といわざるを得ない。
一方、ピーター・パーカーとMJのラブ・ストーリー部分は十分な尺が取られている。
特にサンドマンを一度退けた後、新たな敵キャラクターが登場するまでの間、完全にピーターとMJのストーリーが描写され、サンドマンや他の敵キャラの状況は全く描写されていない。
これを観客は望んでいるのか?
と言うか、観客を無視して、お金をかけて、ピーター・パーカーとMJのラブ・ストーリーを描いちゃっているのか。サム・ライミは。
そして、その部分の中弛み感が著しい分、敵キャラクターの描きこみが足りない、と言うか、結果的に敵になったり見方になったりと言う、なんとも場当たり的なプロットが残念である。
そして、そのため、敵キャラクターの善・悪の一貫性が欠如している、と言う印象を禁じえないのだ。
もちろん、本作は、善・悪の一貫性に乏しい、勧善懲悪型ではない物語を採用しているのだが、それにしても、139分の間に、コロコロと善・悪が入れ替わる様は、なんとも釈然としない。
また、ベン・パーカーの死因についても、物語の構成上のためか、二転三転するプロットもいただけないのではないか、と思った。
特殊効果は、やはりそれをウリにするだけのことはあり、素晴らしい映像体験が楽しめる。
が、冒頭のクレーンのアクションと、クライマックスのタクシー宙吊りでのアクションが見せ場だと思うのだが、両アクションとも高所でのアクションであり、アクション・シークエンス的にバリエーションに乏しい印象を受ける。
また、シリーズの伝統とも言えるブルース・キャンベルの登場シークエンスは、シリーズ3作のうち、一番長く、セリフも多く、ウィットに富んでいるし、本作のプロットにも大きな関わりを持つシークエンスに仕上がっていた。
サム・ライミ的には、「スパイダーマン」シリーズなんか撮っていないで、ブルース・キャンベルと「死霊のはらわた」シリーズの新作を撮って欲しいと、切に望むところである。
あとは、結局サム・ライミは、オブラートに包みながら、いろんなモノにさらされて誕生したフリーキーなキャラクターたちの戦い、と言うことをやりたいのかな、と思った。
まあ「スパイダーマン3」と言う作品は、多くの観客が望むことをちょっとずつクリアしている秀作だとは思うのだが、前作と比較すると、まとまりのない、ただの娯楽アクション大作に過ぎない、と言うところだろうか。
余談だが、前作同様オープニング・クレジットが良かった。
☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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ニューヨーク。
スパイダーマンは、いまやニューヨーク市民から絶大な信頼と賞賛を集めるヒーローとなり、恋人MJへのプロポーズも決意し、順風満帆のピーター・パーカーだったが、肝心のMJは出演したミュージカルが酷評され気分はどん底状態だった。
それに追い討ちをかけるように・・・・。
監督:サム・ライミ
原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ
脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ、アルヴィン・サージェント
音楽:クリストファー・ヤング
テーマ曲:ダニー・エルフマン
 
出演:トビー・マグワイア(ピーター・パーカー/スパイダーマン)、キルステン・ダンスト(メリー・ジェーン・ワトソン/MJ)、ジェームズ・フランコ(ハリー・オズボーン)、トーマス・ヘイデン・チャーチ(フリント・マルコ/サンドマン)、トファー・グレイス(エディ・ブロック/ヴェノム)、ブライス・ダラス・ハワード(グウェン・ステイシー)、ジェームズ・クロムウェル(ジョージ・ステイシー)、ローズマリー・ハリス(メイ・パーカー)、J・K・シモンズ(J・ジョナ・ジェイムソン)、ビル・ナン(ロビー・ロバートソン)、エリザベス・バンクス(ミス・ブラント)、ディラン・ベイカー(カート・コナーズ博士)、テレサ・ラッセル(エマ・マルコ)、クリフ・ロバートソン(ベン・パーカー)、ジョン・パクストン(執事バーナード)、テッド・ライミ(ホフマン)、ブルース・キャンベル(クラブのフロアマネージャー)、パーラ・ヘイニー=ジャーディン(ペニー・マルコ)、エリヤ・バスキン(ディトコヴィッチ氏)、マゲイナ・トーヴァ(ウルスラ)、ベッキー・アン・ベイカー(ステイシー夫人)、スタン・リー(タイムズ・スクエアの男)
先ず感じたのは、本作「スパイダーマン3」は世界中が待ちわび
、世界中が臨んだ作品に仕上がっていたのかどうか、と言う点である。
と言うのも、おそらく多くの観客が望んでいたであろうスパイダーマンの大活躍より、ピーターとMJのラブ・ストーリー部分に尺が取られているのだ。
本作では、サンドマン、ヴェノム、ニュー・ゴブリンと、スパイダーマンが戦う相手の質・量ともにに不足はないものの、139分と言う尺を考え、3キャラクターとの対決を考えた場合、消化し切れていない、といわざるを得ない。
一方、ピーター・パーカーとMJのラブ・ストーリー部分は十分な尺が取られている。
特にサンドマンを一度退けた後、新たな敵キャラクターが登場するまでの間、完全にピーターとMJのストーリーが描写され、サンドマンや他の敵キャラの状況は全く描写されていない。
これを観客は望んでいるのか?
と言うか、観客を無視して、お金をかけて、ピーター・パーカーとMJのラブ・ストーリーを描いちゃっているのか。サム・ライミは。
そして、その部分の中弛み感が著しい分、敵キャラクターの描きこみが足りない、と言うか、結果的に敵になったり見方になったりと言う、なんとも場当たり的なプロットが残念である。
そして、そのため、敵キャラクターの善・悪の一貫性が欠如している、と言う印象を禁じえないのだ。
もちろん、本作は、善・悪の一貫性に乏しい、勧善懲悪型ではない物語を採用しているのだが、それにしても、139分の間に、コロコロと善・悪が入れ替わる様は、なんとも釈然としない。
また、ベン・パーカーの死因についても、物語の構成上のためか、二転三転するプロットもいただけないのではないか、と思った。
特殊効果は、やはりそれをウリにするだけのことはあり、素晴らしい映像体験が楽しめる。
が、冒頭のクレーンのアクションと、クライマックスのタクシー宙吊りでのアクションが見せ場だと思うのだが、両アクションとも高所でのアクションであり、アクション・シークエンス的にバリエーションに乏しい印象を受ける。
また、シリーズの伝統とも言えるブルース・キャンベルの登場シークエンスは、シリーズ3作のうち、一番長く、セリフも多く、ウィットに富んでいるし、本作のプロットにも大きな関わりを持つシークエンスに仕上がっていた。
サム・ライミ的には、「スパイダーマン」シリーズなんか撮っていないで、ブルース・キャンベルと「死霊のはらわた」シリーズの新作を撮って欲しいと、切に望むところである。
あとは、結局サム・ライミは、オブラートに包みながら、いろんなモノにさらされて誕生したフリーキーなキャラクターたちの戦い、と言うことをやりたいのかな、と思った。
まあ「スパイダーマン3」と言う作品は、多くの観客が望むことをちょっとずつクリアしている秀作だとは思うのだが、前作と比較すると、まとまりのない、ただの娯楽アクション大作に過ぎない、と言うところだろうか。
余談だが、前作同様オープニング・クレジットが良かった。
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