「007/カジノ・ロワイヤル」
2006年12月13日 映画
2006/11/23 東京新宿「新宿ミラノ1」で開催されていた「東京国際シネシティフェスティバル2006」のオープニング作品「007/カジノ・ロワイヤル」を観た。
殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を取得するため、昇格最後の条件である2件の殺害を実行したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は見事ダブル・オーの称号を得る。
そして最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の資金を絶つことだったが・・・・。
監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング 「007/カジノ・ロワイヤル」(東京創元社刊)
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)、エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)、マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)、ジュディ・デンチ(M)、ジェフリー・ライト(フェリックス・レイター)、ジャンカルロ・ジャンニーニ(マティス)、サイモン・アブカリアン(アレックス・ディミトリオス)、カテリーナ・ムリーノ(ソランジュ)、イワナ・ミルセヴィッチ(ヴァレンカ)、セバスチャン・フォーカン(モロカ)、イェスパー・クリステンセン(ミスター・ホワイト)、クラウディオ・サンタマリア(カルロス)、イザック・ド・バンコレ(スティーヴン・オバーノ)
正直、非常に面白かった。
近年稀に見るすばらしい「007」ムービーだったと思う。
所謂スパイ映画には大きく2種類あって、ひとつは従来の(特にロジャー・ムーア時代の)「007」ムービーのように荒唐無稽でリアリティに乏しい娯楽作品。
もうひとつは、最近では「ナイロビの蜂」(2005/原作:ジョン・ル・カレ)や「スパイ・ゲーム」(2001)に代表されるような地味で骨太のポリティカル・サスペンスのような系統である。
わたしは基本的に後者の系統が好きなのだが、アクション好きでもあるので、前者の荒唐無稽なスパイ・アクション映画もよく見ている。
今回の「007」は、後者と前者の中間に位置する、と言うか、「007」ムービーが、荒唐無稽なリアリティが欠如した、いわばファンタジーとも言えるスパイ・アクションからの脱却をはかり、本来の意味でのスパイ映画を目指したのではないか、と思えてならない。
さて、本作「007/カジノ・ロワイヤル」についてだが、先ずは冒頭のモノクロームのシークエンスに驚かされる。
なんだよ、今度の「007」はオープニング・アクションなしかよ!
この冒頭のモノクロのシークエンスは、予告編でもおなじみであった。
ガッカリするのも束の間、オープニング・クレジットは、従来の「007」ムービーの定番のタイトル・デザインのテイストを感じさせながらも、奥行きのある空間的広がりを持たせた、また非常に綺麗なクレジットが楽しめる。
「ハートの7」のカードが銃撃され、「007」になるところには爆笑させていただいた。
またスート(ハートとかクラブだとかのトランプのマークのこと)から構成されているキャラクターの動きが非常にリアルな点にも関心を覚えた。(スート1枚を多角形として、キャラクターがポリゴンで処理されているように見える。)
で、建設現場、クレーン上のアクションである。
おそらく従来の「007」だったら、ここの建設現場のアクションをオープニング・アクションに持ってきたのではないか、と思った。
事実、わたしも、なんでこのアクションがオープニング・アクションじゃないのよ!
と思ったものである。
爆弾男の身体能力の高さが、若干気になるが、アクション・シークエンスとしては非常に楽しめる。
ただ、アクションの中には、どう考えてもタイのアクション映画に対する目配せだろ、と思えるアクションがあったのが興味深かった。
また、前編に貫かれるように、今回のボンド(ダニエル・クレイグ)は、従来のボンドと一味違い、痛がるし、血は出るし、失敗する、と言うコンセプトがここで顔を出している。
等身大の、リアリティ溢れるキャラクターの造形に感動すらしてしまう。
またヴェスパー(エヴァ・グリーン)との最初のシークエンスでは、ウィットに富んだ、と言うか非常にシニカルとも言えるセリフの応酬が楽しい。
つづく・・・・
一時保存です。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を取得するため、昇格最後の条件である2件の殺害を実行したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は見事ダブル・オーの称号を得る。
そして最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の資金を絶つことだったが・・・・。
監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング 「007/カジノ・ロワイヤル」(東京創元社刊)
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)、エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)、マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)、ジュディ・デンチ(M)、ジェフリー・ライト(フェリックス・レイター)、ジャンカルロ・ジャンニーニ(マティス)、サイモン・アブカリアン(アレックス・ディミトリオス)、カテリーナ・ムリーノ(ソランジュ)、イワナ・ミルセヴィッチ(ヴァレンカ)、セバスチャン・フォーカン(モロカ)、イェスパー・クリステンセン(ミスター・ホワイト)、クラウディオ・サンタマリア(カルロス)、イザック・ド・バンコレ(スティーヴン・オバーノ)
正直、非常に面白かった。
近年稀に見るすばらしい「007」ムービーだったと思う。
所謂スパイ映画には大きく2種類あって、ひとつは従来の(特にロジャー・ムーア時代の)「007」ムービーのように荒唐無稽でリアリティに乏しい娯楽作品。
もうひとつは、最近では「ナイロビの蜂」(2005/原作:ジョン・ル・カレ)や「スパイ・ゲーム」(2001)に代表されるような地味で骨太のポリティカル・サスペンスのような系統である。
わたしは基本的に後者の系統が好きなのだが、アクション好きでもあるので、前者の荒唐無稽なスパイ・アクション映画もよく見ている。
今回の「007」は、後者と前者の中間に位置する、と言うか、「007」ムービーが、荒唐無稽なリアリティが欠如した、いわばファンタジーとも言えるスパイ・アクションからの脱却をはかり、本来の意味でのスパイ映画を目指したのではないか、と思えてならない。
さて、本作「007/カジノ・ロワイヤル」についてだが、先ずは冒頭のモノクロームのシークエンスに驚かされる。
なんだよ、今度の「007」はオープニング・アクションなしかよ!
この冒頭のモノクロのシークエンスは、予告編でもおなじみであった。
ガッカリするのも束の間、オープニング・クレジットは、従来の「007」ムービーの定番のタイトル・デザインのテイストを感じさせながらも、奥行きのある空間的広がりを持たせた、また非常に綺麗なクレジットが楽しめる。
「ハートの7」のカードが銃撃され、「007」になるところには爆笑させていただいた。
またスート(ハートとかクラブだとかのトランプのマークのこと)から構成されているキャラクターの動きが非常にリアルな点にも関心を覚えた。(スート1枚を多角形として、キャラクターがポリゴンで処理されているように見える。)
で、建設現場、クレーン上のアクションである。
おそらく従来の「007」だったら、ここの建設現場のアクションをオープニング・アクションに持ってきたのではないか、と思った。
事実、わたしも、なんでこのアクションがオープニング・アクションじゃないのよ!
と思ったものである。
爆弾男の身体能力の高さが、若干気になるが、アクション・シークエンスとしては非常に楽しめる。
ただ、アクションの中には、どう考えてもタイのアクション映画に対する目配せだろ、と思えるアクションがあったのが興味深かった。
また、前編に貫かれるように、今回のボンド(ダニエル・クレイグ)は、従来のボンドと一味違い、痛がるし、血は出るし、失敗する、と言うコンセプトがここで顔を出している。
等身大の、リアリティ溢れるキャラクターの造形に感動すらしてしまう。
またヴェスパー(エヴァ・グリーン)との最初のシークエンスでは、ウィットに富んだ、と言うか非常にシニカルとも言えるセリフの応酬が楽しい。
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