日本映画界最大のイベント「第19回東京国際映画祭」が終了した。会期は2006/10/21-2006/10/29の9日間。会場は渋谷及び六本木。

今日のお話は「第19回東京国際映画祭」の個人的な総括。

■雑感

□オープニング/レッドカーペット
「第19回東京国際映画祭」のオープニングは渋谷オーチャードホール、レッドカーペットは六本木けやき坂で行われた。

そして、オープニング作品「父親たちの星条旗」の上映前にスクリーンでレッドカーペットの模様が生中継された。

以前は渋谷オーチャードホールにもレッドカーペットを敷設しオープニングを行い、数多くのゲストが会場に登場したこともあったのだが、メイン会場が六本木に移ってからは、六本木でレッドカーペットが行われているようだ。

わたしは渋谷に到着し、一応オーチャードホールの周辺を徘徊しレッドカーペットが敷設されていないかを確認の上、オーチャードホール入りした。

思ったとおり、六本木のレッドカーペットの模様を渋谷で生中継する、と言う趣向だった。

もちろん政治的な、または大人の事情もあると思うのだが、六本木で多くの作品を観る観客にとっては、渋谷でオープニングを行う意味は非常に薄いと思う。

渋谷でオープニングを行うならば、レッドカーペットも渋谷に敷設しろよ、それが出来ないのならば、六本木でオープニングを行えよ、と言うことである。

またレッドカーペットの中継も現場で会場アナウンスしているチームにはゲストの詳細の情報、−−例えば、現在レッドカーペットを歩き始めるのはどこの誰か、と言う情報−−、が伝わっていたようなのだが、生中継のチームにはゲストが誰だ、という情報が伝わっておらず、と言うかゲストの名前すら知らない人々が司会進行を行っていた、と言う状況だった。

従って、名前が明確にわかるのは日本人映画人だけで、しかも日本人監督の名前も知らない状況だった。
はっきり言って酷い司会だったと言わざるを得ない。

世界中の映画人がレッドカーペットを歩く映像に、この人は誰でどんな作品の関係者である、と言うコメントが圧倒的に少なく、また偏っていた。

さらにインタビューの担当も事前準備も皆無で、例えばある映画のキャストに隣りに居る人が誰か、とインタビュー中に聞く始末である。

現場の音から推測すると、六本木けやき坂で司会進行をつとめていたチームは充分な情報を得た上で、いまレッドカーペットを歩いている人は誰でどの作品の関係者で、その作品はどんな映画なのかをアナウンスしていたのと比較すると、やはり酷いと思った。

余談だが、以前の「東京国際映画祭」では、オープニング作品の観客にはドレスコードを指定している事もあった。
が、今年のオープニング作品「父親たちの星条旗」のチケットにはドレスコードの記載がなかった。

蛍風さんへ
今年のオープニング作品の上映にはドレスコードはありませんでした。
が、レッドカーペット、開会セレモニー、オープニング上映が同じ地域(六本木なら六本木)で行われる場合は、ドレスコードがある場合がありますし、開会セレモニーに参加した人々は当然「正装(または盛装)」でオープニングの会場に登場しますから、オープニング上映の劇場は非常に華やかな事も多々あります。

□特別上映作品

まずは華がない、と言う事と、日本映画が多すぎる、と言う事。

全22作品のうち日本映画が11本とは、一体どう言うことかと思ってしまう。本映画祭は「国際映画祭」だと言うのに日本映画を「特別招待作品」として上映してどうするんだ、と思ってしまう。

もっと日本の観客に観せるべき作品はたくさんあるんじゃねぇの、と思ってしまう。

また前述のように華と言うか目玉と言う作品が少ない。
ついでに華やかなゲストも来場しない、と言う始末である。
で、作品によっては、仕方なくなのか大人の事情なのか、訳わからんゲストが舞台挨拶とかしちゃったりしているのだ。

1,800円も払って、ちょっと早めに映画を観る、と言う有料試写会になってしまっているのではないか、と思える。

昨年の「春の雪」の上映の後、同作の監督w@3.行定勲が劇場の外で観客を見送りながらスタッフか誰かに「映画祭で1,800円もとってちゃダメだろ」と言っていたのを思い出す。

1,800円を取る以上、有料試写会以上の体験を観客にさせる必要がある、と言うことである。

映画祭の目的は金儲けではなく文化の醸成であるのだから。

□コンペティション/日本映画・ある視点

今年はコンペ作品、日本映画・ある視点は、一切観なかった。

と言うのも、わたしのチケット購入の優先順位は、「特別招待作品」→「アジアの風」→「日本映画・ある視点」→「コンペティション」と言う順序で、今年は「特別招待作品」と「アジアの風」のチケットが想像以上に取れてしまった、と言うこともあり「日本映画・ある視点」や「コンペティション」作品を観る時間が取れなかったと言うことである。

基本的に「東京国際映画祭」会期中で可能な日程は全て会場にいたのだが、前述のように「特別招待作品」と「アジアの風」のチケットが比較的簡単に取れ、過密鑑賞スケジュールのため、「コンペティション」や「日本映画・ある視点」を観る身体が空いていなかった、と言う状況であった。

□アジアの風

先ずはアジア映画は面白いのだ。
で、ついでに映画祭でなければ観られない作品も多いし、「東京国際映画祭」のスクリーンで上映されることを誇りに思っている映画人や、素直に日本の観客の反応を知りたがり映画人も多い。

上映後のティーチ・イン等では非常に有意義な時間を過ごせるし、会場のそこここで、アジアの映画人とフランクに映画についての話をする機会も持てるのだ。

このあたりは「コンペティション」に出品している映画人にもあてはまるのだが、「国際映画祭」では、世界中の映画人とフランクに映画について語ることが出来る非常に有意義な機会だと言える。
 
 
『「第19回東京国際映画祭」総括 その3』につづく・・・・かも。

『「第19回東京国際映画祭」総括 その1』
http://diarynote.jp/d/29346/20061102.html

『今日の「東京国際映画祭」2006/10/21』
http://diarynote.jp/d/29346/20061022.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/22』
http://diarynote.jp/d/29346/20061023.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/23』
http://diarynote.jp/d/29346/20061024.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/24』
http://diarynote.jp/d/29346/20061025.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/25』
http://diarynote.jp/d/29346/20061026.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/26』
http://diarynote.jp/d/29346/20061027.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/26』
http://diarynote.jp/d/29346/20061027.html
『今日の「東京国際映画祭」2006/10/27』
http://diarynote.jp/d/29346/20061028.html

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