「ロンゲスト・ヤード」(2005)
2005/08/14 東京内幸町「イイノホール」で開催された「GTFトーキョーシネマショー」で「ロンゲスト・ヤード」の試写を観た。

八百長疑惑でNFLを追われた元トップ・プレイヤーのポール・クルー(アダム・サンドラー)。自堕落な生活を送るポールは、ある日、飲酒運転の上、警官とカーチェイスを繰り広げ、懲役3年の刑で刑務所へ。

そこで彼は、大のアメフトファンのヘイズン刑務所長(ジェームズ・クロムウェル)に、看守たちのアメフト・チームの当馬に、囚人たちのチーム結成を強要される。

チーム結成を渋々引き受けたポールのもとへ、看守に恨みを抱くネイト・スカボロー(バート・レイノルズ)、ケアテイカー(クリス・ロック)をはじめとして個性的な面々が集まってきた。

対抗戦が決定するが、だんだんと強くなっていく、囚人チームに不安をおぼえた刑務所長は、様々な嫌がらせを行う。

そして、ついにはポールに非情な指示を出す。
看守チームとの戦いにワザと負けるようにと・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ピーター・シーガル
原案:アルバート・S・ラディ
脚本:シェルダン・ターナー
オリジナル脚本:トレイシー・キーナン・ウィン
出演:アダム・サンドラー(ポール・クルー)、クリス・ロック(ケアテイカー)、バート・レイノルズ(ネイト・スカボロー)、ジェームズ・クロムウェル(ヘイズン刑務所長)、ネリー(メゲット)、ボブ・サップ(スウィトウスキ)

本作「ロンゲスト・ヤード」は、1974年版「ロンゲスト・ヤード」(監督:ロバート・アルドリッチ、主演:バート・レイノルズ)のリメイクである。
1974年版「ロンゲスト・ヤード」は傑作の呼び声も高く、2001年には「ミーン・マシーン」(監督:バリー・スコルニック、主演:ヴィニー・ジョーンズ)としてもリメイクされているが、今回、74年版のバート・レイノルズを向かえ、正統リメイクの運びとなった。

物語の基本プロットは、看守チームに負けるために結成された囚人チームが、数々の嫌がらせに耐え、対抗戦に臨む、と言うもの。
もちろんそのプロットに、かつてのNFLでのポールの八百長疑惑がからみ、それを知った囚人チームの中に、ポールへの信頼が揺らぐ、と言うお約束と言えばお約束のプロットが続く。

とは言うものの、そのベタな展開は、普遍的で予定調和的、そして運命的な盛り上がりを見せ、観客は知らず知らずのうちに、握りこぶしを作りながら、画面に食い入ってしまう、と言うタイプの作品に仕上がっている。

また、今回のリメイクには、74年版でポール・クルーを演じたバート・レイノルズが出演し、自らの映画的記憶を利用したすばらしい効果を作品に付与している。

これは作品の質はともかく「ドリヴン」(2001)で、車椅子で出演したバート・レイノルズの登場と同様の効果を作品に与えている。

キャストは、なんと言ってもバート・レイノルズが良かったのだが、主演のアダム・サンドラーは、従来のコメディで演じているキャラクターとは一線を画したリアルで人間的なキャラクターを見事に演じ、俳優としての今後の方向性において良い転機となるキャラクターだったのではないか、と思える。

今回のアダム・サンドラーの抑制された表情が、八百長に関して何を考えているかわからない、と言った効果を付与することに成功している。

また日本でおなじみのボブ・サップだが、「エレクトラ」(2005)と比較すると、役柄も設定もしっかりしているし、しっかりと演出され、非常に良い印象を受けた。

とにかく、本作「ロンゲスト・ヤード」(2005)は、1974年版の正統リメイク作品として、非常に好感が持てる楽しい作品に仕上がっている。

2006年8月23日(水)に国内版DVDがリリースされるので、これを機会に是非観ていただきたい作品である。

この作品から、アダム・サンドラーのコメディに入っていただくのも、面白いと思う。

ソニー・ピクチャーズの「ロンゲスト・ヤード」(2005)のページ
http://sonypictures.jp/movies/thelongestyard/index.html

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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コメント

nophoto
mitsuru1
2006年8月17日17:05

前作74年でしたか、もうそんなに経ったか
バートレイノルズ、いろいろとうわさの絶えない方ですが
しぶといね、

tkr
tkr
2006年8月18日10:36

1974年版「ロンゲスト・ヤード」を最初に見たのは多分小学生の頃、「日曜ロードショー」でだったと思います。

と言うのも、74年版の原題は"THE MEAN MACHINE"と言うのですが、そのタイトル名がわたしの頭の中に刷り込まれているからです。(「日曜ロードショー」では淀川長治の解説の際、バックに原題:オリジナル・ロゴやオリジナル・ポスターが配されていたため)

印象としては、ラストのシークエンスに強烈な印象を持っています。

バート・レイノルズは、わたしが子供の頃に大活躍していた俳優で、「トランザム7000」とか「グレート・スタントマン」とか「ストローカー・エース」とか、楽しいアクション・映画に沢山出てましたが、それらの映画的記憶を利用する形で最近も映画に出演し続けているのは、非常に嬉しいものです。
tkr

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