2006/03/24 東京板橋「ワーナーマイカルシネマズ板橋」で「クラッシュ」を観た。
冬、クリスマスも間近のロサンゼルス。信也のハイウェイでLAPD(ロサンゼルス市警察)の黒人刑事グラハム(ドン・チードル)と同僚でスペイン系の恋人のリア(ジェニファー・エスポジト)は、交通事故に巻き込まれた。車から降り立ったグラハムは、偶然事故現場で発見された、若い黒人男性の死体の捜査に引きつけられた・・・・。
その前日・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・原案・脚本:ポール・ハギス
脚本・製作:ボビー・モレスコ
編集:ヒューズ・ウィンボーン
出演:サンドラ・ブロック(ジーン)、ドン・チードル(グラハム)、マット・ディロン(ライアン巡査)、ジェニファー・エスポジト(リア)、ウィリアム・フィットナー(フラナガン)、ブレンダン・フレイザー(リック)、テレンス・ハワード(キャメロン)、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(アンソニー)、タンディ・ニュートン(クリスティン)、ライアン・フィリップ(ハンセン巡査)、ラレンツ・テイト(ピーター)、ノナ・ゲイ(カレン)、マイケル・ペーニャ(ダニエル)、ロレッタ・ディヴァイン(シャニクア)、ショーン・トーブ(ファハド)、ビヴァリー・トッド(グラハムの母)、キース・デヴィッド(ディクソン警部補)、バハー・スーメク(ドリ)、トニー・ダンザ(フレッド)
本作「クラッシュ」は、第78回アカデミー賞(作品賞、脚本賞、編集賞)受賞作品である。
下馬評では「ブロークバック・マウンテン」と本作「クラッシュ」との激戦が予想されていたが、監督賞はアン・リー(「ブロークバック・マウンテン」)、作品賞は本作「クラッシュ」と、賞を分け合う形になった。
両作を観て感じたのは、やはり作品賞は「クラッシュ」だったな、と言う事。
「ブロークバック・マウンテン」は文芸作品だと言えると思うのだが、本作「クラッシュ」は社会派作品の皮を被ったファンタジー作品だと言える。
そして「クラッシュ」の社会派的な側面とファンタジー的な側面のさじ加減が絶妙で、あえて例を挙げるならば「ワイルド・アット・ハート」(1990)をより洗練させたような印象を受けた。
冒頭の社会派的側面を前面に打ち出し、ステレオタイプ的な予断や謂れのない偏見による人種差別を描いた部分の描写は、非常に痛いものがあり、その根源的な怒りにわたし達観客は情感を揺り動かされてしまう。
そしていつしかその社会派的側面が、ファンタジー的側面に昇華され、わたし達は優しい気持ちで劇場を後にする事が出来る訳である。
その物語を構成するポール・ハギスとボビー・モレスコの脚本は運命的で圧倒的に美しく、明確な伏線が楽しめる。
そして特筆すべき点は、全てのキャラクターには二面性があるところである。ここで言うのは、キャラクターの構築に一貫性がない、と言うことではなく、人間には二面性があることを如実に表現している、と言うことである。
単純なキャラクターを好むハリウッド映画の中では、比較的珍しい事だと思う。
そんな中、本当に素晴らしいエピソードの目白押しなのだ。
キャストについては、全てのキャストが良い仕事をしている。
マット・ディロンはアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされてはいるが、個人的にはショーン・トーブや、マイケル・ペニャ、そしてクリス・“リュダクリス”・ブリッジス、テレンス・ハワード、タンディ・ニュートン(サンディ・ニュートン)あたりが良かったと思う。
勿論、製作に名を連ねているドン・チードルも良かったけどね。
とにかく、本作「クラッシュ」はこの時期絶対に外せない、映画ファン必見の作品なのだ。
構成も脚本も伏線も素晴らしいし、役者たちの演技合戦も非常に見ごたえがある、素晴らしい作品なのだ。
ポール・ハギスの次回作に、本気で期待してしまうのだ。
☆☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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冬、クリスマスも間近のロサンゼルス。信也のハイウェイでLAPD(ロサンゼルス市警察)の黒人刑事グラハム(ドン・チードル)と同僚でスペイン系の恋人のリア(ジェニファー・エスポジト)は、交通事故に巻き込まれた。車から降り立ったグラハムは、偶然事故現場で発見された、若い黒人男性の死体の捜査に引きつけられた・・・・。
その前日・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・原案・脚本:ポール・ハギス
脚本・製作:ボビー・モレスコ
編集:ヒューズ・ウィンボーン
出演:サンドラ・ブロック(ジーン)、ドン・チードル(グラハム)、マット・ディロン(ライアン巡査)、ジェニファー・エスポジト(リア)、ウィリアム・フィットナー(フラナガン)、ブレンダン・フレイザー(リック)、テレンス・ハワード(キャメロン)、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(アンソニー)、タンディ・ニュートン(クリスティン)、ライアン・フィリップ(ハンセン巡査)、ラレンツ・テイト(ピーター)、ノナ・ゲイ(カレン)、マイケル・ペーニャ(ダニエル)、ロレッタ・ディヴァイン(シャニクア)、ショーン・トーブ(ファハド)、ビヴァリー・トッド(グラハムの母)、キース・デヴィッド(ディクソン警部補)、バハー・スーメク(ドリ)、トニー・ダンザ(フレッド)
本作「クラッシュ」は、第78回アカデミー賞(作品賞、脚本賞、編集賞)受賞作品である。
下馬評では「ブロークバック・マウンテン」と本作「クラッシュ」との激戦が予想されていたが、監督賞はアン・リー(「ブロークバック・マウンテン」)、作品賞は本作「クラッシュ」と、賞を分け合う形になった。
両作を観て感じたのは、やはり作品賞は「クラッシュ」だったな、と言う事。
「ブロークバック・マウンテン」は文芸作品だと言えると思うのだが、本作「クラッシュ」は社会派作品の皮を被ったファンタジー作品だと言える。
そして「クラッシュ」の社会派的な側面とファンタジー的な側面のさじ加減が絶妙で、あえて例を挙げるならば「ワイルド・アット・ハート」(1990)をより洗練させたような印象を受けた。
冒頭の社会派的側面を前面に打ち出し、ステレオタイプ的な予断や謂れのない偏見による人種差別を描いた部分の描写は、非常に痛いものがあり、その根源的な怒りにわたし達観客は情感を揺り動かされてしまう。
そしていつしかその社会派的側面が、ファンタジー的側面に昇華され、わたし達は優しい気持ちで劇場を後にする事が出来る訳である。
その物語を構成するポール・ハギスとボビー・モレスコの脚本は運命的で圧倒的に美しく、明確な伏線が楽しめる。
そして特筆すべき点は、全てのキャラクターには二面性があるところである。ここで言うのは、キャラクターの構築に一貫性がない、と言うことではなく、人間には二面性があることを如実に表現している、と言うことである。
単純なキャラクターを好むハリウッド映画の中では、比較的珍しい事だと思う。
そんな中、本当に素晴らしいエピソードの目白押しなのだ。
キャストについては、全てのキャストが良い仕事をしている。
マット・ディロンはアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされてはいるが、個人的にはショーン・トーブや、マイケル・ペニャ、そしてクリス・“リュダクリス”・ブリッジス、テレンス・ハワード、タンディ・ニュートン(サンディ・ニュートン)あたりが良かったと思う。
勿論、製作に名を連ねているドン・チードルも良かったけどね。
とにかく、本作「クラッシュ」はこの時期絶対に外せない、映画ファン必見の作品なのだ。
構成も脚本も伏線も素晴らしいし、役者たちの演技合戦も非常に見ごたえがある、素晴らしい作品なのだ。
ポール・ハギスの次回作に、本気で期待してしまうのだ。
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コメント
私は各エピソードがあざと過ぎてダメでした。一気に観れたけどゲンナリ<「クラッシュ」