「THE 有頂天ホテル」
2006年3月21日 映画
2006/03/17 東京板橋「ワーナーマイカル・シネマズ板橋」で「THE 有頂天ホテル」を観た。
ホテルの責任者である副支配人新堂平吉(役所広司)の使命は、この大晦日を無事に終えること。しかしそんな彼をあざ笑うかのように、矢継ぎ早にトラブルが発生する。
コールガールのヨーコ(篠原涼子)はホテル内をうろつき回り、表には汚職国会議員・武藤田勝利(佐藤浩市)逮捕の瞬間を狙って報道陣が押しかけている。大物演歌歌手・徳川膳武(西田敏行)は部屋でごねているし、人に襲い掛かる凶暴なアヒル・タブダブ(声/山寺宏一)も出没しているらしいし、総支配人(伊東四郎)は行方不明になっている。
そんな中、別れた妻・由美(原田美枝子)が夫・堀田(角野卓造)と共にホテルに滞在していたのだが・・・・
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・脚本:三谷幸喜
製作:亀山千広、島谷能成
撮影:山本英夫
美術:種田陽平
出演:役所広司(副支配人[宿泊部長]・新堂平吉)、松たか子(客室係・竹本ハナ)、佐藤浩市(国会議員・武藤田勝利)、香取慎吾(ベルボーイ・只野憲二)、篠原涼子(コールガール・ヨーコ)、戸田恵子(アシスタントマネージャー・矢部登紀子)、生瀬勝久(副支配人[料飲部長]・瀬尾高志)、麻生久美子(憲二の幼馴染・小原なおみ)、YOU(シンガー・桜チェリー)、オダギリジョー(筆耕係・右近)、角野卓造(堀田衛)、寺島進(スパニッシュマジシャン・ホセ河内)、浅野和之(武藤田の秘書・神保保)、近藤芳正(板東の息子・板東直正)、川平慈英(ウェイター・丹下)、堀内敬子(客室係・野間睦子)、梶原善 (徳川の付き人・尾藤)、石井正則(ホテル探偵・蔵人)、榎木兵衛(腹話術師・坂田万之丞)、奈良崎まどか(ホセのアシスタント・ボニータ)、田中直樹(飯島直介)、八木亜希子(飯島民子)、原田美枝子(堀田由美)、唐沢寿明(芸能プロ社長・赤丸寿一)、津川雅彦(会社社長・板東健治)、伊東四朗(総支配人)、西田敏行(大物演歌歌手・徳川膳武)、山寺宏一(ダブダブの声)
「THE 有頂天ホテル」の脚本は期待通り面白いし、役者の演技合戦も楽しい。
しかしながら撮影がよろしくない。
作品として、ワンシーン・ワンカットへのこだわりは評価できるのだが、何度も何度もリハーサルを重ねた役者をところどころ画面から外してしまったり、映画的なカタルシスを観客に与えるべき重要なカットの画面サイズが中途半端であったり、撮影には残念な点が多い。
そしてワンカット・ワンシーンの宿命として長回しを余儀なくされる訳なのだが、三谷幸喜は役者たちから良い演技を引き出すことに腐心するあまり、撮影された画面の構図等には手が行き届かなかったようである。
例えば後半部分の、YOUのステージのシークエンスでは、ワンシーン・ワンカットの手法ではなく、きちんと画面設計がされた本来の映画的手法で撮影されたならば、中途半端な画面サイズで撮影された本作よりも強烈な感動を観客に与えたに違いない、とわたしは思う。
さらに、動き回りながらセリフを言う役者をカメラが追いきれておらず、画面の外から比較的重要なセリフが聞こえてくるのはいかがなものかと思った。
また演出についてだが、例えば話す人が立ち上がる、前に出る、声を張る、と言った舞台的な演出が若干鼻についた。
そう考えた場合、本作「THE 有頂天ホテル」は舞台劇としてはすばらしい作品だとと思うのだが、映画としては、いささか問題点が残る作品だと思う。
とは言うものの、最近の日本映画では見かけることが少ない「グランド・ホテル形式」を文字通りホテルで実現したコンセプトは面白いし、複数の物語を並行した語る手法は十分評価に値するものだと思った。
ただ、せっかくの面白いコンセプトなのだが、幼稚な発想から生まれたと思われる幼児性の拘りが感じられる脚本が、ちょっと残念な印象を受ける。
ワールド・ワイドな戦略を考えた場合、大人の鑑賞に堪えうる作品として評価できるかどうか、微妙な位置に本作はあるのではないか、と思った。
つづく・・・・
一時保存です。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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ホテルの責任者である副支配人新堂平吉(役所広司)の使命は、この大晦日を無事に終えること。しかしそんな彼をあざ笑うかのように、矢継ぎ早にトラブルが発生する。
コールガールのヨーコ(篠原涼子)はホテル内をうろつき回り、表には汚職国会議員・武藤田勝利(佐藤浩市)逮捕の瞬間を狙って報道陣が押しかけている。大物演歌歌手・徳川膳武(西田敏行)は部屋でごねているし、人に襲い掛かる凶暴なアヒル・タブダブ(声/山寺宏一)も出没しているらしいし、総支配人(伊東四郎)は行方不明になっている。
そんな中、別れた妻・由美(原田美枝子)が夫・堀田(角野卓造)と共にホテルに滞在していたのだが・・・・
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・脚本:三谷幸喜
製作:亀山千広、島谷能成
撮影:山本英夫
美術:種田陽平
出演:役所広司(副支配人[宿泊部長]・新堂平吉)、松たか子(客室係・竹本ハナ)、佐藤浩市(国会議員・武藤田勝利)、香取慎吾(ベルボーイ・只野憲二)、篠原涼子(コールガール・ヨーコ)、戸田恵子(アシスタントマネージャー・矢部登紀子)、生瀬勝久(副支配人[料飲部長]・瀬尾高志)、麻生久美子(憲二の幼馴染・小原なおみ)、YOU(シンガー・桜チェリー)、オダギリジョー(筆耕係・右近)、角野卓造(堀田衛)、寺島進(スパニッシュマジシャン・ホセ河内)、浅野和之(武藤田の秘書・神保保)、近藤芳正(板東の息子・板東直正)、川平慈英(ウェイター・丹下)、堀内敬子(客室係・野間睦子)、梶原善 (徳川の付き人・尾藤)、石井正則(ホテル探偵・蔵人)、榎木兵衛(腹話術師・坂田万之丞)、奈良崎まどか(ホセのアシスタント・ボニータ)、田中直樹(飯島直介)、八木亜希子(飯島民子)、原田美枝子(堀田由美)、唐沢寿明(芸能プロ社長・赤丸寿一)、津川雅彦(会社社長・板東健治)、伊東四朗(総支配人)、西田敏行(大物演歌歌手・徳川膳武)、山寺宏一(ダブダブの声)
「THE 有頂天ホテル」の脚本は期待通り面白いし、役者の演技合戦も楽しい。
しかしながら撮影がよろしくない。
作品として、ワンシーン・ワンカットへのこだわりは評価できるのだが、何度も何度もリハーサルを重ねた役者をところどころ画面から外してしまったり、映画的なカタルシスを観客に与えるべき重要なカットの画面サイズが中途半端であったり、撮影には残念な点が多い。
そしてワンカット・ワンシーンの宿命として長回しを余儀なくされる訳なのだが、三谷幸喜は役者たちから良い演技を引き出すことに腐心するあまり、撮影された画面の構図等には手が行き届かなかったようである。
例えば後半部分の、YOUのステージのシークエンスでは、ワンシーン・ワンカットの手法ではなく、きちんと画面設計がされた本来の映画的手法で撮影されたならば、中途半端な画面サイズで撮影された本作よりも強烈な感動を観客に与えたに違いない、とわたしは思う。
さらに、動き回りながらセリフを言う役者をカメラが追いきれておらず、画面の外から比較的重要なセリフが聞こえてくるのはいかがなものかと思った。
また演出についてだが、例えば話す人が立ち上がる、前に出る、声を張る、と言った舞台的な演出が若干鼻についた。
そう考えた場合、本作「THE 有頂天ホテル」は舞台劇としてはすばらしい作品だとと思うのだが、映画としては、いささか問題点が残る作品だと思う。
とは言うものの、最近の日本映画では見かけることが少ない「グランド・ホテル形式」を文字通りホテルで実現したコンセプトは面白いし、複数の物語を並行した語る手法は十分評価に値するものだと思った。
ただ、せっかくの面白いコンセプトなのだが、幼稚な発想から生まれたと思われる幼児性の拘りが感じられる脚本が、ちょっと残念な印象を受ける。
ワールド・ワイドな戦略を考えた場合、大人の鑑賞に堪えうる作品として評価できるかどうか、微妙な位置に本作はあるのではないか、と思った。
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