「力道山」

2006年2月20日 映画
2006/02/20 東京有楽町「よみうりホール」で「力道山」の試写を観た。

監督:ソン・ヘソン
撮影:キム・ヒョング
美術:稲垣尚夫
出演:ソル・ギョング(力道山)、中谷美紀(綾)、藤竜也(菅野武雄)、萩原聖人(吉町譲)、鈴木砂羽(沖浜子)、山本太郎(葛西紘一)、船木誠勝(井村昌彦)、パク・チョルミン(キム・ミョンギル)、ノ・ジュノ(キム・イル/大木金太郎)、秋山準(遠藤)、橋本真也(東浪)、武藤敬司(ハロルド坂田)、マイク・バートン(ベン・シャープ)、ジム・スティール(マイク・シャープ)、リック・スタイナー(アトミック)、梶原しげる(実況アナウンサー)、マギー(ニューハバナクラブの司会者)
 
 
2006年公開予定である(と言っても既に国内版DVDはリリースされている)「風のファイター」(http://diarynote.jp/d/29346/20041108.html)にしろ本作「力道山」にしろ、ここに来て、日本人のかつてのヒーローであった大山倍達や力道山が実は在日朝鮮人だったことを明確に打ち出した韓国映画が次々と製作・公開されている。

勿論こんな映画が続々と製作されている韓国映画界における日本という国に対する政治的な暗喩もあると思うのだが、その辺りを含めて非常に興味深いと思う。

さて、本作「力道山」についてだが、本編はなんと149分と言う長尺なのだが、尺がほとんど気にならない程の大変面白い作品だった。
1940年代から1960年代の日本を再現する美術や衣装は素晴らしいし、その世界観で遊ぶキャストの皆さんも見ごたえがある。
「風のファイター」にしろ「力道山」にしろ、日本映画以上の日本らしさを醸し出す美術に舌を巻く思いである。

また色彩設計も素晴らしく、力道山の心象風景にダブらせているのか、年代ごとに色彩(彩度)が異なり、非常に効果的な印象を受ける。
特に力道山がアメリカから帰る頃の色彩には驚かされた。

キャストはなんと言っても藤竜也が良かった。
演技プランなのか演出なのかわからないが、藤竜也が演じた硬軟織り交ぜたキャラクターが大変素晴らしい。藤竜也ファンとしては彼の演技プランだと信じたいところである。

また、中谷美紀はこの作品次第では、ワールド・ワイドな活躍に期待できるかも・・・・、と思った。
何しろ、あのエピローグには見事に泣かされてしまった。

萩原聖人もまあまあ良かったと思うのだが、一部吹替えだったのではないか、と個人的には思えた。

ところで、レスラーの皆さんは皆さん大変良かった。

ボクシング映画は比較的多いので、大きなスクリーンでボクシングの試合を観る機会は多く、逆にプロレスリングを劇場で見る機会は少ないと思うのだが、プロレスって凄いな、やはりプロレスは必要なものなのだな、と言う印象を受けた。

つまり、昨今の打撃系格闘技や、関節系格闘技も良いのは良いのだが、やはりエンタテインメントとしてのプロレスにも存在意義は充分あると感じた。

とにかく本作は、時代を駆け抜けた一人の男の生き様と、それを見守る男たちと女たちを見事に描いた力作だと思うし、当時の日本の風物を見事に再現した美術も見応えがある素晴らしい作品である。
機会があれば、是非観ていただきたい作品である。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

■人気blogランキング
当blog「徒然雑草」は「人気blogランキング」に登録しています。

参考になったら、クリック!(現在のランキングがわかります)
http://blog.with2.net/link.php?29604

コメント

tkr

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索