2005/12/08 東京有楽町「有楽町朝日ホール」で「レジェンド・オブ・ゾロ」を観た。

時は1850年、カリフォルニアはアメリカ合衆国の31番目の州になろうとしていた。横暴な領主たちの支配から解放され、自由で平和な暮らしを手に入れるという人々の夢が、とうとう叶おうとしているのだ。最終的な結論はカリフォルニア全域で行われる投票で決定する。サンマテオでの投票では、暴力で富を手に入れようとする悪名高いジェイコブ・マクギブンス(ニック・チンランド)が手下を引き連れて妨害に現れた。

しかし、この地には悪を滅ぼすことに命をかける男、ゾロ(アントニオ・バンデラス)がいた!黒いマスクの下に素顔を隠し、今日も助けを求める協会の鐘の音が鳴り響けば、愛馬トルネードに跨り、どこからともなく現れる。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:マーティン・キャンベル
出演:アントニオ・バンデラス(ゾロ/アレハンドロ・デ・ラ・ベガ)、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(エレナ・デ・ラ・ベガ)、ルーファス・シーウェル(アルマン伯爵)、ニック・チンランド(ジェイコブ・マクギブンス)、アドリアン・アロンソ(ホアキン・デ・ラ・ベガ)

本作「レジェンド・オブ・ゾロ」は前作「マスク・オブ・ゾロ」の正当な続編であり、また非常に楽しい娯楽作品に仕上がっている。

と言うのも、監督(マーティン・キャンベル)や撮影(フィル・メヒュー)、音楽(ジェームズ・ホーナー)、脚本( テッド・エリオット、テリー・ロッシオ)や、主演二人(アントニオ・バンデラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)が両作に関っていることもあり、前作のイメージそのままに安心して観ていられる、続編としては大変すばらしい作品だと思う。

更に、本作の構成は、前作の構成を踏襲し、オープニング・アクションの部分だけで、前作のワクワク・ドキドキ感が舞い戻り、いきなりトップ・ギアで物語が楽しめる、と言う構成が見事である。

特に前作のオープニングで、アンソニー・ホプキンス演じるゾロを助ける少年たち(後のバンデラス)とのシークエンスが、本作でのアドリアン・アロンソのシークエンスに置き換えられている部分が最高にすばらしく、更に本作の伏線としても良質である。

物語の視点は、前述のアドリアン・アロンソ(ホアキン・デ・ラ・ベガ)のそれであり、観客の多くはおそらくホアキン(アドリアン・アロンソ)に感情移入し、作品を眺める構造になっているのだが、その構成もすばらしく、その点からも多くの年代に受け入れられる作品に仕上がっていると言えよう。

アントニオ・バンデラスと少年の視点と言うとロバート・ロドリゲスの「スパイ・キッズ」シリーズが思い出されるが、本作は「スパイ・キッズ」シリーズとは異なり、音なの鑑賞に堪えうるぎりぎりのところで踏みとどまっている。
尤も「スパイ・キッズ」とはターゲットが異なるのは当然なのだが・・・・。

キャストはなんと言ってもアドリアン・アロンソ(ホアキン・デ・ラ・ベガ)である。
ちょっと小太りなルックスが最高にキュートで、彼が動く様はコミカルな方向のサモ・ハン・キンポーを髣髴とさせる。
動きもすばらしいし表情もすばらしい。例えばゾロの正体を知る部分の表情などは最高の瞬間を観客に提供している。

脚本は前作と比較すると、若干飛躍し過ぎで、リアリティの欠如感は否めない。現代人の感性で1850年代を舞台に書き上げたような印象を受けてしまう。

まあ本作は誰にでもオススメできる非常に楽しい娯楽作品だと言えるが、アドリアン・アロンソの発掘と言う意義はあるものの、それ以上の作品だとは思えない。
そんな楽しい娯楽作品の一本である。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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