2005/12/01 東京池袋「シネ・リーブル池袋」で「探偵事務所5” 5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」を観た。
第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」
探偵591(成宮寛貴)は初出社の日、事務所会長の孫娘・宍戸瞳(貫地谷しほり)と出会う。彼女はタレントを目指す親友・美花(橋本真実)を探していると言う。二ヶ月前、「楽園へ行く・・・」というメールを残し失踪してしまったのだ。
591と瞳の合同捜査が始まった。591の勝手な行動を見た事務所幹部501(佐野史郎)は、探偵553(池内博之)を呼び、二人のサポートを指示する。二人は調査を進めるうちに、悪徳美容整形外科カインにぶつかる。そこには、美人執刀医・村山理沙子(田中美里)と顔を見せない謎の院長・安部(渡辺一志)が・・・・。
第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」
浮気調査専門の探偵522(宮迫博之)は、何故か仕事時間外にカイン美容整形外科を調べている。ある日、591に「カイン美容整形外科の調査はやめろ!カインの裏を暴くのは俺だ!」と言う。522のいい付けを守る591だが、瞳がカインに潜入してしまう。姿を見せない院長・安部の悪事の証拠をつかむ為に・・・・。瞳を救出する為に522は、内偵でカインに潜り込ませている探偵モリヤマ(永瀬正敏)を使おうとするが・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・企画・原作:林海象
脚本:天願大介、利重剛、林海象
出演:成宮寛貴(探偵591/小林芳雄)、宮迫博之(探偵522)、貫地谷しほり(宍戸瞳)、佐野史郎(探偵501/幹部)、上原歩(探偵517/受付)、渡辺一志(安部竜太郎)、橋本真実(早川美花)、矢島健一(鍵屋の錠)、SHOGO(探偵R571/175R)、池内博之(探偵553)、近藤芳正(探偵513)、田中美里(村山里沙子)永瀬正敏(内偵モリヤマ)
処女作「夢みるように眠りたい」(1986)で号泣したわたしは、以来林海象ファンを自負している。
その後、「ΦIDEA」(1988)はともかく、「二十世紀少年読本」(1989)で、更に号泣したわたしの林海象好きのスタンスは揺るぎのないものに見えたが、「ZIPANG ジパング」(1990)では、ふざけるなという気持ちでいっぱいだったのだが、降って湧いたかのような「我が人生最悪の時」(1994)に狂喜乱舞するわたしである。
思い起こせば林海象の探偵モノが好きだったわたしにとって、林海象が満を持して製作した探偵モノである「探偵事務所5” 5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」は林海象にとっての起死回生の期待の一本だったことは言うまでもないだろう。
さて本題だが、本作「探偵事務所5”」は構成上連続する2話(『第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」』と『第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」』)が連続上映され1本の作品になっており。
「探偵事務所5”」に属する探偵達が様々な事件に遭遇する様々な物語を(うわさでは約100本)描いていく予定らしい。
事実、WEB上では、「5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」が続々と公開されている。
このコンセプトは、もちろんテレビ・シリーズ「私立探偵 濱マイク」(2002)のそれの焼き直し的な印象を受けざるを得ないが、今後の物語の発展性を考えるとすばらしいコンセプトだと思う。
何しろ、100人近くの様々な俳優を探偵に配し、物語を紡ぐことが可能になってしまっているのだ。
ところで本編だが、まずは『第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」』なのだが、オープニング・アクションとも言えるシークエンスはともかく、その後しばらくの間は、ふざけるな、と思える描写が続く。
探偵591(成宮寛貴)と宍戸瞳(貫地谷しほり)のお子様素人探偵ごっこには大激怒である。
「夢みるように眠りたい」で探偵魚塚甚(佐野史郎)を、そして「我が人生最悪の時」で探偵濱マイク(永瀬正敏)を創出した男が一体何をやってんだよ!
と言うことである。
しかしながら『第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」』に進むにつれ、物語は激しく動き始める。
然るに、探偵591(成宮寛貴)はただの狂言回しに過ぎなかった、と言う訳だったのだ。
川崎の工業団地や電柱等、ロケーション効果を生かした世界観は特筆すべきであるし、ふざけた探偵道具にしろ、探偵達が使用する道具や自動車の凝り方にしろ、監督のビジョンを世界観として実現する美術デザイナー(林田裕至)、美術装飾(茂木豊)も良い仕事をしている。
感情移入できるかできないかすれすれのあやういライン上にある美術やプロップのコンセプトが絶妙のバランスだったような気がした。
キャストは、宮迫博之(探偵522)はやはり良かったし、永瀬正敏(モリヤマ)は、過去の林海像作品の映画的記憶を上手く使ったことを含めて非常に良かった。特に後半部分の演技は彼の新境地なのかも知れない。
ブリッジ・キャラクターとも言える池内博之(探偵553)も地味に良かった。今後の探偵553の活躍に期待である。
貫地谷しほり(宍戸瞳)は、なんだか「キューティーハニー」の世界から来たようなキャラクターに見えた。結構演技派だった。
せっかくだから及川光博にも出て欲しかった、と思う。
矢島健一(鍵屋の錠)は一体どう言うつもりなのかわからないが、強烈な印象を残している。
あともちろん田中美里(村山里沙子)がすばらしかった。
本作の成功は田中美里の怪演の賜かと思う。
作品としては、成宮寛貴(探偵591)で客を呼んで、宮迫博之(探偵522)、永瀬正敏(モリヤマ)、 田中美里(村山里沙子)で帰す、と言う戦略だろう。
今後の5ナンバーと呼ばれる探偵達の活躍に期待である。
☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」
探偵591(成宮寛貴)は初出社の日、事務所会長の孫娘・宍戸瞳(貫地谷しほり)と出会う。彼女はタレントを目指す親友・美花(橋本真実)を探していると言う。二ヶ月前、「楽園へ行く・・・」というメールを残し失踪してしまったのだ。
591と瞳の合同捜査が始まった。591の勝手な行動を見た事務所幹部501(佐野史郎)は、探偵553(池内博之)を呼び、二人のサポートを指示する。二人は調査を進めるうちに、悪徳美容整形外科カインにぶつかる。そこには、美人執刀医・村山理沙子(田中美里)と顔を見せない謎の院長・安部(渡辺一志)が・・・・。
第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」
浮気調査専門の探偵522(宮迫博之)は、何故か仕事時間外にカイン美容整形外科を調べている。ある日、591に「カイン美容整形外科の調査はやめろ!カインの裏を暴くのは俺だ!」と言う。522のいい付けを守る591だが、瞳がカインに潜入してしまう。姿を見せない院長・安部の悪事の証拠をつかむ為に・・・・。瞳を救出する為に522は、内偵でカインに潜り込ませている探偵モリヤマ(永瀬正敏)を使おうとするが・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督・製作・企画・原作:林海象
脚本:天願大介、利重剛、林海象
出演:成宮寛貴(探偵591/小林芳雄)、宮迫博之(探偵522)、貫地谷しほり(宍戸瞳)、佐野史郎(探偵501/幹部)、上原歩(探偵517/受付)、渡辺一志(安部竜太郎)、橋本真実(早川美花)、矢島健一(鍵屋の錠)、SHOGO(探偵R571/175R)、池内博之(探偵553)、近藤芳正(探偵513)、田中美里(村山里沙子)永瀬正敏(内偵モリヤマ)
処女作「夢みるように眠りたい」(1986)で号泣したわたしは、以来林海象ファンを自負している。
その後、「ΦIDEA」(1988)はともかく、「二十世紀少年読本」(1989)で、更に号泣したわたしの林海象好きのスタンスは揺るぎのないものに見えたが、「ZIPANG ジパング」(1990)では、ふざけるなという気持ちでいっぱいだったのだが、降って湧いたかのような「我が人生最悪の時」(1994)に狂喜乱舞するわたしである。
思い起こせば林海象の探偵モノが好きだったわたしにとって、林海象が満を持して製作した探偵モノである「探偵事務所5” 5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」は林海象にとっての起死回生の期待の一本だったことは言うまでもないだろう。
さて本題だが、本作「探偵事務所5”」は構成上連続する2話(『第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」』と『第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」』)が連続上映され1本の作品になっており。
「探偵事務所5”」に属する探偵達が様々な事件に遭遇する様々な物語を(うわさでは約100本)描いていく予定らしい。
事実、WEB上では、「5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」が続々と公開されている。
このコンセプトは、もちろんテレビ・シリーズ「私立探偵 濱マイク」(2002)のそれの焼き直し的な印象を受けざるを得ないが、今後の物語の発展性を考えるとすばらしいコンセプトだと思う。
何しろ、100人近くの様々な俳優を探偵に配し、物語を紡ぐことが可能になってしまっているのだ。
ところで本編だが、まずは『第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」』なのだが、オープニング・アクションとも言えるシークエンスはともかく、その後しばらくの間は、ふざけるな、と思える描写が続く。
探偵591(成宮寛貴)と宍戸瞳(貫地谷しほり)のお子様素人探偵ごっこには大激怒である。
「夢みるように眠りたい」で探偵魚塚甚(佐野史郎)を、そして「我が人生最悪の時」で探偵濱マイク(永瀬正敏)を創出した男が一体何をやってんだよ!
と言うことである。
しかしながら『第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」』に進むにつれ、物語は激しく動き始める。
然るに、探偵591(成宮寛貴)はただの狂言回しに過ぎなかった、と言う訳だったのだ。
川崎の工業団地や電柱等、ロケーション効果を生かした世界観は特筆すべきであるし、ふざけた探偵道具にしろ、探偵達が使用する道具や自動車の凝り方にしろ、監督のビジョンを世界観として実現する美術デザイナー(林田裕至)、美術装飾(茂木豊)も良い仕事をしている。
感情移入できるかできないかすれすれのあやういライン上にある美術やプロップのコンセプトが絶妙のバランスだったような気がした。
キャストは、宮迫博之(探偵522)はやはり良かったし、永瀬正敏(モリヤマ)は、過去の林海像作品の映画的記憶を上手く使ったことを含めて非常に良かった。特に後半部分の演技は彼の新境地なのかも知れない。
ブリッジ・キャラクターとも言える池内博之(探偵553)も地味に良かった。今後の探偵553の活躍に期待である。
貫地谷しほり(宍戸瞳)は、なんだか「キューティーハニー」の世界から来たようなキャラクターに見えた。結構演技派だった。
せっかくだから及川光博にも出て欲しかった、と思う。
矢島健一(鍵屋の錠)は一体どう言うつもりなのかわからないが、強烈な印象を残している。
あともちろん田中美里(村山里沙子)がすばらしかった。
本作の成功は田中美里の怪演の賜かと思う。
作品としては、成宮寛貴(探偵591)で客を呼んで、宮迫博之(探偵522)、永瀬正敏(モリヤマ)、 田中美里(村山里沙子)で帰す、と言う戦略だろう。
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