今日の「東京国際映画祭」2005/10/24
2005年10月24日 映画 コメント (241)
2005/10/24 東京六本木「VIRGIN TOHO CIMENAS 六本木ヒルズ」で開催されている「第18回東京国際映画祭」に行ってきた。
■「春の雪」(特別招待作品)
行定勲の「春の雪」を観た。
行定勲は、比較的好きな監督ではあるのだが、「東京国際映画祭」での「春の雪」は、元々わたしの鑑賞予定には入っていなかった。
しかし、当日0:00から発売になる、余りチケット(当日券)が、たまたま取れたので、それでは、と言うわけで突発的に観にいくことにした作品だ。
はっきり言って驚くほど面白かった。
前作「北の零年」以上に面白かった。
おそらく行定勲の代表作になってしまうのではないか、と思えるほどの作品に仕上がっていた。
まずは美術と撮影が凄い。
こんなきれいな日本映画は久しぶりのような気がした。
物語は勿論、運命的で悲劇的なラブ・ストーリーの体裁を取っているのだが、わたしには見事なクライム・サスペンスに見て取れてしまった。
そんなわたしの目には本作「春の雪」は、ふたりの男女が恋愛と言う完全犯罪をもくろみ、一時は成功しかけるが、ほんの些細な瑕からその完全犯罪が崩壊していく様を描いているように見えたのだ。
前述のように大正時代を再現する美術やセット、そして衣装も素晴らしいし、そこから見事に構築された世界観も凄い。
そしてその世界の中、俳優達が繰り広げる、時代がかった芝居が本当に楽しい。
尤も冒頭からしばらくの中(うち)は、時代がかった文語調にも似たセリフに違和感とユーモアを感じるが、そのうちに観客は、そんな事も気にしなくなり、その世界に没頭してしまうのだ。
役者は役者でみんな良かった。
個人的には特に岸田今日子と大楠道代が素晴らしかった。
また存在感から言うと及川光博も素晴らしかった。
及川光博がこの時代に存在する事に、多くの映画人は感謝しなければならないと本気で思ってしまう。
余談だが市川崑が「本陣殺人事件」を撮る、といううわさが出ているが、本作「春の雪」を見て、是非岸田今日子をキャスティングして欲しいと思った。ついでに、金田一耕助はやはり石坂浩二に演って欲しいと本気で思う。
いやぁ、本当に市川崑の凄い新作が観たいと、切に思うね。
ところで、今回の上映は日本で観客を入れてのはじめての上映と言うことでもあり、本作「春の雪」上映前に監督の行定勲とキャストの妻夫木聡、高岡蒼佑の舞台挨拶があった。
妻夫木聡はやはり華があるな、と思った。
高岡蒼佑は舞台挨拶ではパっとしなかったが、演技は良かった。
行定勲は珍しく、スーツっぽい格好をしていた。
余談だが、今年の1月に「東映試写室」で「北の零年」のティーチ・イン試写を見た際もそうだったのだが、行定勲は映画の上映後、観客がいなくなるまで、観客を見送るのだが、今回も2Fのロビーの隅で観客を見送っていた。
頭が下がる思いがする。
客席には宇多田ヒカルも来ていたのだが、エンディング・クレジットでかかる宇多田の楽曲は、ついさっきまで観ていた映画の感動の全てをぶち壊しにしてしまっていた。
エンド・クレジットは、ストリングスでテーマを3〜5分位流し、余韻に浸らせてから、歌ものへのオーバー・ラップが良かったのではないかと思う。
勿論、大人の事情をわかった上で、だ。
■今後の予定
10/25「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」(特別招待作品)
10/25「ジョニの約束」(アジアの風/新作パノラマ)
10/26「NOEL(ノエル)」(特別招待作品)
10/26「ウォーク・ザ・ライン」(特別招待作品)
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■「春の雪」(特別招待作品)
行定勲の「春の雪」を観た。
行定勲は、比較的好きな監督ではあるのだが、「東京国際映画祭」での「春の雪」は、元々わたしの鑑賞予定には入っていなかった。
しかし、当日0:00から発売になる、余りチケット(当日券)が、たまたま取れたので、それでは、と言うわけで突発的に観にいくことにした作品だ。
はっきり言って驚くほど面白かった。
前作「北の零年」以上に面白かった。
おそらく行定勲の代表作になってしまうのではないか、と思えるほどの作品に仕上がっていた。
まずは美術と撮影が凄い。
こんなきれいな日本映画は久しぶりのような気がした。
物語は勿論、運命的で悲劇的なラブ・ストーリーの体裁を取っているのだが、わたしには見事なクライム・サスペンスに見て取れてしまった。
そんなわたしの目には本作「春の雪」は、ふたりの男女が恋愛と言う完全犯罪をもくろみ、一時は成功しかけるが、ほんの些細な瑕からその完全犯罪が崩壊していく様を描いているように見えたのだ。
前述のように大正時代を再現する美術やセット、そして衣装も素晴らしいし、そこから見事に構築された世界観も凄い。
そしてその世界の中、俳優達が繰り広げる、時代がかった芝居が本当に楽しい。
尤も冒頭からしばらくの中(うち)は、時代がかった文語調にも似たセリフに違和感とユーモアを感じるが、そのうちに観客は、そんな事も気にしなくなり、その世界に没頭してしまうのだ。
役者は役者でみんな良かった。
個人的には特に岸田今日子と大楠道代が素晴らしかった。
また存在感から言うと及川光博も素晴らしかった。
及川光博がこの時代に存在する事に、多くの映画人は感謝しなければならないと本気で思ってしまう。
余談だが市川崑が「本陣殺人事件」を撮る、といううわさが出ているが、本作「春の雪」を見て、是非岸田今日子をキャスティングして欲しいと思った。ついでに、金田一耕助はやはり石坂浩二に演って欲しいと本気で思う。
いやぁ、本当に市川崑の凄い新作が観たいと、切に思うね。
ところで、今回の上映は日本で観客を入れてのはじめての上映と言うことでもあり、本作「春の雪」上映前に監督の行定勲とキャストの妻夫木聡、高岡蒼佑の舞台挨拶があった。
妻夫木聡はやはり華があるな、と思った。
高岡蒼佑は舞台挨拶ではパっとしなかったが、演技は良かった。
行定勲は珍しく、スーツっぽい格好をしていた。
余談だが、今年の1月に「東映試写室」で「北の零年」のティーチ・イン試写を見た際もそうだったのだが、行定勲は映画の上映後、観客がいなくなるまで、観客を見送るのだが、今回も2Fのロビーの隅で観客を見送っていた。
頭が下がる思いがする。
客席には宇多田ヒカルも来ていたのだが、エンディング・クレジットでかかる宇多田の楽曲は、ついさっきまで観ていた映画の感動の全てをぶち壊しにしてしまっていた。
エンド・クレジットは、ストリングスでテーマを3〜5分位流し、余韻に浸らせてから、歌ものへのオーバー・ラップが良かったのではないかと思う。
勿論、大人の事情をわかった上で、だ。
■今後の予定
10/25「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(原題)」(特別招待作品)
10/25「ジョニの約束」(アジアの風/新作パノラマ)
10/26「NOEL(ノエル)」(特別招待作品)
10/26「ウォーク・ザ・ライン」(特別招待作品)
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