2005/08/13 東京霞ヶ関「イイノホール」で「青空のゆくえ」の試写を観た。
東京・三軒茶屋、早朝。
新聞でいっぱいになった自転車を走らせる一人の少年。
西原中学3年の高橋正樹(中山卓也)だ。
正樹は、2年間もの間、不登校になっている幼馴染み、矢島信二(橋爪遼)の家の新聞受けに新聞と信二あての手紙を入れると、朝練のため誰よりも早くバスケットコートを目指す。
そんな、1学期も残りわずかなある日。
担任の口から、今学期限りで正樹がアメリカに転校することが告げられた。
「今まで有難うございました。アメリカに行ってもバスケやります。NBAで10年後に活躍する僕の姿を楽しみにしていてください! 日本でやり残していることは・・・・ひとつだけかな?」
「やり残したこと」・・・・突然の転校発表もさることながら、この正樹の意味深な発言にクラス全員が騒然となる中、複雑な表情を見せる面々がいた。
女子バスケ部キャプテンの速見有美(森田彩華)、親友でバスケ部副キャプテンの杉原雄太(佐々木和徳)、学級委員長の高橋亜里沙(黒川芽以)、幼馴染みの河原春奈(多部未華子)、帰国子女で無口な市田尚子(西原亜紀)、そして正樹が何かと面倒を見ている鈴木貴子(悠城早矢)である。
その日を境に、なんとなく繋がっていた彼らの関係が、少しずつ動き始める。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督:長澤雅彦
出演:中山卓也(高橋正樹)、森田彩華(速見有美)、黒川芽以(高橋亜里沙)、佐々木和徳(杉原雄大)、多部未華子(河原春奈)、三船力也(山下勝也)、悠城早矢(鈴木貴子)、橋爪遼(矢島信二)、西原亜希(市田尚子)
余命幾許もない主人公がいかに良く生きるか。
永遠の命題であり、またそのテーマで多くの物語が語られている。
本作「青空のゆくえ」は、中学生と言う世代にとってのアメリカへの転校を、限りなく死に近いものへの暗喩として捉え、いかに良く生きるか、いかに良く死んでいくか(転校していくか)を描いた秀作である。
とは言うものの、描かれている物語は中学3年生を主人公に据えているとは言え、前時代的な恋愛、いわば既に大人になってしまった人々の心の琴線に触れるノスタルジックでピュアな恋愛模様が展開する。
その未成熟な感情は、残念ながら現在の中学3年生にアピールするようなものではなく、と言うより鼻で笑われるようなエピソードが続き、ともすると本作は例えば30歳代以上の観客をターゲットにしているような印象すら受ける。
キャストは、1986〜1989年生まれのキャストを集め、ある種同窓会的な印象を受ける。
5人のヒロインたちはそれぞれ可愛く、魅力的に描かれており、将来が楽しみな印象を受ける。
個人的には、悠城早矢を演じた鈴木貴子が良かったと思う。
男と言うものは莫迦なもので、いくつになっても少年時代の恋愛に感じ入ってしまうもので、本作の5人それぞれのヒロインのバラエティに富んだキャラクター設定が、自らの少年時代の恋愛物語に思いを馳せさせる触媒としても機能する構成が心憎い。
と考えるとやはり、男と言うものは、かつての初恋を大人になっても引きずり続けているのかも知れない。
物語は、アメリカへ転校する高橋正樹(中山卓也)を取巻く5人の女性の物語を縦糸に、正樹と正樹らが原因となって不登校になってしまった矢島信二(橋爪遼)との物語を横糸に織り成す、ノスタルジックで感傷的な物語が描かれている。
脚本は、大人たちが自分達が少年少女だった時代の出来事を微妙なリアリティと微妙に美化された記憶とともに描いており、ある意味心が洗われるような印象すら受ける。
脚本はまあ良いのだが、アメリカへ転校する正樹があまりにももて過ぎなのがちょっとひっかかる。
まあ、ファンタジーならファンタジーとして昇華すべき問題だと思うので、その辺は不問にしたいと思う。
とにかく本作「青空のゆくえ」は中学3年生の恋愛模様を描いてはいるのだが、中学生と言うよりは、大人の皆さんに是非観ていただきたい作品に仕上がっているような気がする。
打倒「NANA」かもね。
☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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東京・三軒茶屋、早朝。
新聞でいっぱいになった自転車を走らせる一人の少年。
西原中学3年の高橋正樹(中山卓也)だ。
正樹は、2年間もの間、不登校になっている幼馴染み、矢島信二(橋爪遼)の家の新聞受けに新聞と信二あての手紙を入れると、朝練のため誰よりも早くバスケットコートを目指す。
そんな、1学期も残りわずかなある日。
担任の口から、今学期限りで正樹がアメリカに転校することが告げられた。
「今まで有難うございました。アメリカに行ってもバスケやります。NBAで10年後に活躍する僕の姿を楽しみにしていてください! 日本でやり残していることは・・・・ひとつだけかな?」
「やり残したこと」・・・・突然の転校発表もさることながら、この正樹の意味深な発言にクラス全員が騒然となる中、複雑な表情を見せる面々がいた。
女子バスケ部キャプテンの速見有美(森田彩華)、親友でバスケ部副キャプテンの杉原雄太(佐々木和徳)、学級委員長の高橋亜里沙(黒川芽以)、幼馴染みの河原春奈(多部未華子)、帰国子女で無口な市田尚子(西原亜紀)、そして正樹が何かと面倒を見ている鈴木貴子(悠城早矢)である。
その日を境に、なんとなく繋がっていた彼らの関係が、少しずつ動き始める。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
監督:長澤雅彦
出演:中山卓也(高橋正樹)、森田彩華(速見有美)、黒川芽以(高橋亜里沙)、佐々木和徳(杉原雄大)、多部未華子(河原春奈)、三船力也(山下勝也)、悠城早矢(鈴木貴子)、橋爪遼(矢島信二)、西原亜希(市田尚子)
余命幾許もない主人公がいかに良く生きるか。
永遠の命題であり、またそのテーマで多くの物語が語られている。
本作「青空のゆくえ」は、中学生と言う世代にとってのアメリカへの転校を、限りなく死に近いものへの暗喩として捉え、いかに良く生きるか、いかに良く死んでいくか(転校していくか)を描いた秀作である。
とは言うものの、描かれている物語は中学3年生を主人公に据えているとは言え、前時代的な恋愛、いわば既に大人になってしまった人々の心の琴線に触れるノスタルジックでピュアな恋愛模様が展開する。
その未成熟な感情は、残念ながら現在の中学3年生にアピールするようなものではなく、と言うより鼻で笑われるようなエピソードが続き、ともすると本作は例えば30歳代以上の観客をターゲットにしているような印象すら受ける。
キャストは、1986〜1989年生まれのキャストを集め、ある種同窓会的な印象を受ける。
5人のヒロインたちはそれぞれ可愛く、魅力的に描かれており、将来が楽しみな印象を受ける。
個人的には、悠城早矢を演じた鈴木貴子が良かったと思う。
男と言うものは莫迦なもので、いくつになっても少年時代の恋愛に感じ入ってしまうもので、本作の5人それぞれのヒロインのバラエティに富んだキャラクター設定が、自らの少年時代の恋愛物語に思いを馳せさせる触媒としても機能する構成が心憎い。
と考えるとやはり、男と言うものは、かつての初恋を大人になっても引きずり続けているのかも知れない。
物語は、アメリカへ転校する高橋正樹(中山卓也)を取巻く5人の女性の物語を縦糸に、正樹と正樹らが原因となって不登校になってしまった矢島信二(橋爪遼)との物語を横糸に織り成す、ノスタルジックで感傷的な物語が描かれている。
脚本は、大人たちが自分達が少年少女だった時代の出来事を微妙なリアリティと微妙に美化された記憶とともに描いており、ある意味心が洗われるような印象すら受ける。
脚本はまあ良いのだが、アメリカへ転校する正樹があまりにももて過ぎなのがちょっとひっかかる。
まあ、ファンタジーならファンタジーとして昇華すべき問題だと思うので、その辺は不問にしたいと思う。
とにかく本作「青空のゆくえ」は中学3年生の恋愛模様を描いてはいるのだが、中学生と言うよりは、大人の皆さんに是非観ていただきたい作品に仕上がっているような気がする。
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