塩田明彦をめぐる冒険
2005年9月20日 エッセイ/コラム
2005/09/20 東京霞ヶ関「イイノホール」で「この胸いっぱいの愛を」の試写を観た。
監督は「黄泉がえり」の塩田明彦。
「この胸いっぱいの愛を」を観ながら、わたしは、はらわたが煮えくり返った。
「何、ふざけた映画を撮ってるんだよ!」と。
一般の方々にとって塩田明彦と言えば、おそらく大ヒット作「黄泉がえり」の監督として有名なのだろうが、われわれ映画ファンにとっては「黄泉がえり」の監督と言うより、「月光の囁き」の、「ギプス」の、「害虫」の、そして「カナリア」の塩田明彦だと思うのだ。
そして、本作「この胸いっぱいの愛を」は「黄泉がえり」に続く二匹目のどじょうを狙うTBSが、梶尾真治の原作を押さえ、塩田明彦に監督をオファーし、次回作を自由にして良いから、と言う条件付きで、塩田明彦が嫌々ながらしぶしぶ引き受けた作品ではないか、と勘ぐってしまう。(当サイト推測)
原作は梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』(朝日ソノラマ刊)。
小説の映画化、マンガの映画化の次はなんとライトノベルの映画化と来たもんだ。日本映画の原作不足も来るところまで来たかな、と言うような印象を受ける。
尤も梶尾真治はSF作家として著名なのだが、いかんせん本作はライトノベルなのだ。
残念ながら原作は寡聞にして未読だが、SFファンとしては、恥ずかしげもなく「クロノス・ジョウンター」と言う言葉を使ってしまっているところにのけぞってしまう。
「クロノス」はともかく「ジョウント」だよ「ジョウント」。
これ、どうなんだろう、「ジョウント」と言う言葉に、ハードなSFファンは怒りすらおぼえてしまうのではないか、と余計な心配をしてしまう。
さて、本作だが、なんと言っても脚本が酷い。
頭の悪い人間か、頭の良いこどもが書いた脚本を映画化したような印象を受ける。
その気になる脚本には、鈴木謙一、渡辺千穂、塩田明彦の三人がクレジットされている。
三人寄れば何とやら、本作では、頭の悪いセリフと頭の悪い非常識な展開が頻出なのだ。
いくら次の映画は自由にして良いよと言われたから(当サイト推測)と言っても、この脚本は無いんじゃないの。
「カナリア」で、塩田明彦は自らが嗜好する世界の作品にやっと戻ってきたのかな、と思ったわたしが莫迦だった。
「月光の囁き」とか「ギプス」のような作品を撮って欲しいと心から思うのだ。
あぁぁ、塩田明彦よどこへ行く・・・・
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監督は「黄泉がえり」の塩田明彦。
「この胸いっぱいの愛を」を観ながら、わたしは、はらわたが煮えくり返った。
「何、ふざけた映画を撮ってるんだよ!」と。
一般の方々にとって塩田明彦と言えば、おそらく大ヒット作「黄泉がえり」の監督として有名なのだろうが、われわれ映画ファンにとっては「黄泉がえり」の監督と言うより、「月光の囁き」の、「ギプス」の、「害虫」の、そして「カナリア」の塩田明彦だと思うのだ。
そして、本作「この胸いっぱいの愛を」は「黄泉がえり」に続く二匹目のどじょうを狙うTBSが、梶尾真治の原作を押さえ、塩田明彦に監督をオファーし、次回作を自由にして良いから、と言う条件付きで、塩田明彦が嫌々ながらしぶしぶ引き受けた作品ではないか、と勘ぐってしまう。(当サイト推測)
原作は梶尾真治の『クロノス・ジョウンターの伝説』(朝日ソノラマ刊)。
小説の映画化、マンガの映画化の次はなんとライトノベルの映画化と来たもんだ。日本映画の原作不足も来るところまで来たかな、と言うような印象を受ける。
尤も梶尾真治はSF作家として著名なのだが、いかんせん本作はライトノベルなのだ。
残念ながら原作は寡聞にして未読だが、SFファンとしては、恥ずかしげもなく「クロノス・ジョウンター」と言う言葉を使ってしまっているところにのけぞってしまう。
「クロノス」はともかく「ジョウント」だよ「ジョウント」。
これ、どうなんだろう、「ジョウント」と言う言葉に、ハードなSFファンは怒りすらおぼえてしまうのではないか、と余計な心配をしてしまう。
さて、本作だが、なんと言っても脚本が酷い。
頭の悪い人間か、頭の良いこどもが書いた脚本を映画化したような印象を受ける。
その気になる脚本には、鈴木謙一、渡辺千穂、塩田明彦の三人がクレジットされている。
三人寄れば何とやら、本作では、頭の悪いセリフと頭の悪い非常識な展開が頻出なのだ。
いくら次の映画は自由にして良いよと言われたから(当サイト推測)と言っても、この脚本は無いんじゃないの。
「カナリア」で、塩田明彦は自らが嗜好する世界の作品にやっと戻ってきたのかな、と思ったわたしが莫迦だった。
「月光の囁き」とか「ギプス」のような作品を撮って欲しいと心から思うのだ。
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