「釣りキチ三平」で釣りを覚えた世代のわたし達の標語は勿論「キャッチ・アンド・リリース」であった。

釣った魚は、三平三平や一平じいちゃん、魚紳さんの教えの通り、手の温みをとってから魚をやさしく掴み、流れに返していた。

しかし、外来魚が日本固有の魚(在来魚)を駆逐していく中、多くの湖で「キャッチ・アンド・キル」と言う標語が生まれた。

これらに対しては様々な意見や様々な議論があるのだが、今日のお話は「キャッチ・アンド・イート」であるから、その辺のお話は割愛する。
 
 
わたしの友人に釣りが大好きな男がいる。
その男が何故釣りをするかと言うと、それは食べるためである。
そんな彼には所謂スポーツ・フィッシングと言う分野には全く興味がなく、その魚を食いたいから釣るのである。

彼にとっての「釣り」とは、人類にとっての根源的な「釣り」そのものなのである。

ところで、先日、複数台のminiDVカメラが必要だったため、その男の家にカメラを借りに行くことになった。

携帯電話に連絡を入れてみると、なんだか騒音がうるさい。
聞いてみると、今平塚沖にいるということであった。

つまり、その男はその日、釣りに行っていたのだ。
因みに、その日の釣りの目的は「カツオ」と「マグロ」と言うことであった。

わたしが彼の家に着いた時点で、カツオは刺身とタタキに、マグロは刺身に、外道のサバはシメサバになっていた。
キッチンにはカツオとマグロの頭が鎮座し、翌日の兜焼きを待ち兼ねていた。

充分に日焼けし、皮膚が厚くなり、海の男の風格が出てきたその男のもうひとつの趣味は料理であり、彼の奥さんは余談だがなんと栄養士である。
彼は大型のカツオだろうがマグロだろうが、小型のサバやアジのように平気でさばいてしまうのだ。彼の包丁の切味にも驚いてしまう。

そんなわたしは、彼の奥さんが甘い酒があまり好きではなく、辛い酒が好きなので、少しは甘い酒も美味しく飲んで欲しい、という考えでアイス・ワインを持って行った。
前回の大漁祭りには貴腐ワインを持って行っていたので、今回は別系統の甘い酒(系統は同じなのだが)アイス・ワインにした訳である。

さて、本題の刺身だが、マグロは非常にねっとりとしたマグロで、カツオのタタキは激旨、シメサバも最高だった。
カツオの薬味の茗荷やネギも良かったのだが、ニンニクが凄かった。サイズと形状から類推すると、おそらくホワイト六片だったのではないか、と思った。
ついでにシメサバには飾り包丁まで入っていた。

日本で庶民が食べるマグロはやはり冷凍物が多く、近海物の生の本マグロの刺身など、なかなか食べられないと思うのだが、今回の「キャッチ・アンド・イート」大漁祭りで、わたしは件のマグロもサバもそしてカツオも堪能させていただいた訳だ。

正に「キャッチ・アンド・イート」たる所以なのだ。

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