ホワイトバンドをめぐる冒険
2005年9月9日 エッセイ/コラム
2005/09/09-10 ホワイトバンドデーと銘うって、各地で様々なイベントが行われるらしい。
9.10 WHITEBAND DAY
WHITEBAND on TOKYO TOWER 9/9,9/10@東京タワー
WHITEBAND 映画祭 9/9@六本木ヒルズ
WHITEBAND SWITCH ON 9/10@芝公園
WHITEBAND IN JAPAN 9/10@日本全国
そのホワイトバンドデーを直前にして、ホワイトバンドプロジェクトについて、いろいろ考えることがあったので、付記しておこうと思う。
先ずは先日のエントリーをご参照願いたい。
「捨てられたホワイトバンド」
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html
■詐欺ではない
このホワイトバンドプロジェクトは法的に見て、詐欺行為にはおそらく当たらない。
なぜなら、ホワイトバンドはチャリティではなく、その金銭の目的は、調査・分析、啓蒙やキャンペーン、そしてロビー活動を行うため、とホワイトバンドプロジェクトは明言しているからだ。
従って、チャリティや寄付だと思ってホワイトバンドを購入するのは、購入する方がただ単に、「ホワイトバンドはチャリティである」と誤解をしているのに過ぎないのだ。
■「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。」
これは、ホワイトバンドのキャンペーンのキャッチコピーの冒頭の一部である。
3秒に1人の子どもが死んでいるとすると、
1分で20人、
1時間で1,200人
1日で28,800人
1週間で201,600人
1ケ月で6,048,000人
半年で36,288,000人
1年で72,576,000人の子どもが死んでいる、と言う事である。
これは普通に考えると切実な問題である。
世の中にたくさんあるチャリティ(募金や寄付)は切実な問題、つまり「今死に行く子どもたちを救おう」と言う観点から活動が行われている。
しかし、ホワイトバンドプロジェクトは、数ケ月後か半年後かわからないが、--具体的な活動が始まるのは、2006年だとホワイトバンドプロジェクトは明言している−−、「今死に行く子どもたちではなく、将来死に行く子どもたちを救おう」と言うコンセプトで活動を行っている。
つまり、その活動が1ケ月遅れるだけで、6,048,000人の子どもたちが死んで行くことになる訳だ。
■ロビー活動とは何か
ホワイトバンドプロジェクトのひとつの目的でもある「ロビー活動」とは一体どんな活動だろう。
政治的決定に影響を及ぼそうとして,議員・官僚・政党などにはたらきかける院外活動。特にアメリカのものをいい,世論の形成・動員までも含める。(三省堂「デイリー 新語辞典」による)
特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ、政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい、議会のロビーにおける議員との面会だけでなく、世論の形成・動員までも含める。ロビイング。(三省堂「大辞林 第二版」)
わかりやすく言うと、ロビー活動とは、業界団体や、企業、強力な個人等が、自分たちに都合が良いように、自分たちに利益がもたらされるように、政治を動かすこと、なのである。
つまりホワイトバンドプロジェクトは、ホワイトバンドの収益を使って、政治家を動かそうとしているのだ。
つまり単純に考えると、ホワイトバンドの収益は、回りまわって政治資金になる、と言う事である。
■既に100万本売れ、100万人が予約待ち
GQ JAPANによると、8月中旬の時点で、日本版ホワイトバンドは100万本以上売れ、更に100万人が予約待ちをしている、と言う話である。
また、ホワイトバンドプロジェクトによると8月末で200万本出荷した、と言うことである。
つまり、税込みで6億円の収益があった(ある)と言うことである。
6億円と言えば、日本テレビの『24時間テレビ28「愛は地球を救う」』の募金の2倍位だ。(2005/08/28現在の「24時間テレビ」の募金総額は293,693,400円、昨年の募金総額は719,045,124円、おそらく今年は昨年の募金額を上回るのではないか、と言われている)
だからどうだ、と言う話ではないのだが「24時間テレビ」はいろいろ効果を出しているな、と思った。
※ 赤い羽根共同募金の総額は233億円(2004年度)
※ G8サミットにおいて、2010年までにG8全体で500億ドル(日本円で5兆5000万円)の援助増額をすることにより、500万人の子どもの命を救える可能性があるのだが、実際のところ、5000万人の子どもは命を失い続ける見込みらしい。
■何故ホワイトバンドを買わなければならないのか
ホワイトバンドプロジェクトは、「白いバンド」であればよい
と言っている。海外のプロジェクトでは、「白いものならなんでも良い」とさえ言っている。
しかし、日本版ホワイトバンドプロジェクトでは、第一にホワイトバンドを購入する事を奨励している。
オフィシャル・サイトの構成上の導線も、ホワイトバンドの購入に張られている。
なにしろ、本音と建前は日本の伝統的美点なのであるから。
■何故送料がかかるのか
現在、ホワイトバンドのオフィシャルなオンライン販売は「@ぴあ」が行っている。
「@ぴあ」でホワイトバンドは、2個セット以上で販売されている。
2個セットで600円、送料は420円、代引き手数料は315円である。
近くでホワイトバンドが売っていない地方に住んでいる、クレジットカードをもたない子どもたちは、2個セットのホワイトバンドを手に入れるために1,335円もかかってしまうのだ。友達と二人で買っても1個667円にもなってしまう。
ホワイトバンドプロジェクトは、オークション等によるホワイトバンドの営利目的の転売については、
オークションなどによる営利目的の転売は本意とするところではなく、本当に残念なことです。ご購入いただく際には、売上の使途に注意を払ってのご購入をお願いします。
とのことである。
オークションはNGで、送料や代引き手数料はOKだ、と言う訳だ。
つづく・・・・
ホワイトバンドをめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20051108.html
捨てられたホワイトバンド
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html
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9.10 WHITEBAND DAY
WHITEBAND on TOKYO TOWER 9/9,9/10@東京タワー
WHITEBAND 映画祭 9/9@六本木ヒルズ
WHITEBAND SWITCH ON 9/10@芝公園
WHITEBAND IN JAPAN 9/10@日本全国
そのホワイトバンドデーを直前にして、ホワイトバンドプロジェクトについて、いろいろ考えることがあったので、付記しておこうと思う。
先ずは先日のエントリーをご参照願いたい。
「捨てられたホワイトバンド」
http://diarynote.jp/d/29346/20050906.html
■詐欺ではない
このホワイトバンドプロジェクトは法的に見て、詐欺行為にはおそらく当たらない。
なぜなら、ホワイトバンドはチャリティではなく、その金銭の目的は、調査・分析、啓蒙やキャンペーン、そしてロビー活動を行うため、とホワイトバンドプロジェクトは明言しているからだ。
従って、チャリティや寄付だと思ってホワイトバンドを購入するのは、購入する方がただ単に、「ホワイトバンドはチャリティである」と誤解をしているのに過ぎないのだ。
■「3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。」
これは、ホワイトバンドのキャンペーンのキャッチコピーの冒頭の一部である。
3秒に1人の子どもが死んでいるとすると、
1分で20人、
1時間で1,200人
1日で28,800人
1週間で201,600人
1ケ月で6,048,000人
半年で36,288,000人
1年で72,576,000人の子どもが死んでいる、と言う事である。
これは普通に考えると切実な問題である。
世の中にたくさんあるチャリティ(募金や寄付)は切実な問題、つまり「今死に行く子どもたちを救おう」と言う観点から活動が行われている。
しかし、ホワイトバンドプロジェクトは、数ケ月後か半年後かわからないが、--具体的な活動が始まるのは、2006年だとホワイトバンドプロジェクトは明言している−−、「今死に行く子どもたちではなく、将来死に行く子どもたちを救おう」と言うコンセプトで活動を行っている。
つまり、その活動が1ケ月遅れるだけで、6,048,000人の子どもたちが死んで行くことになる訳だ。
■ロビー活動とは何か
ホワイトバンドプロジェクトのひとつの目的でもある「ロビー活動」とは一体どんな活動だろう。
政治的決定に影響を及ぼそうとして,議員・官僚・政党などにはたらきかける院外活動。特にアメリカのものをいい,世論の形成・動員までも含める。(三省堂「デイリー 新語辞典」による)
特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ、政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい、議会のロビーにおける議員との面会だけでなく、世論の形成・動員までも含める。ロビイング。(三省堂「大辞林 第二版」)
わかりやすく言うと、ロビー活動とは、業界団体や、企業、強力な個人等が、自分たちに都合が良いように、自分たちに利益がもたらされるように、政治を動かすこと、なのである。
つまりホワイトバンドプロジェクトは、ホワイトバンドの収益を使って、政治家を動かそうとしているのだ。
つまり単純に考えると、ホワイトバンドの収益は、回りまわって政治資金になる、と言う事である。
■既に100万本売れ、100万人が予約待ち
GQ JAPANによると、8月中旬の時点で、日本版ホワイトバンドは100万本以上売れ、更に100万人が予約待ちをしている、と言う話である。
また、ホワイトバンドプロジェクトによると8月末で200万本出荷した、と言うことである。
つまり、税込みで6億円の収益があった(ある)と言うことである。
6億円と言えば、日本テレビの『24時間テレビ28「愛は地球を救う」』の募金の2倍位だ。(2005/08/28現在の「24時間テレビ」の募金総額は293,693,400円、昨年の募金総額は719,045,124円、おそらく今年は昨年の募金額を上回るのではないか、と言われている)
だからどうだ、と言う話ではないのだが「24時間テレビ」はいろいろ効果を出しているな、と思った。
※ 赤い羽根共同募金の総額は233億円(2004年度)
※ G8サミットにおいて、2010年までにG8全体で500億ドル(日本円で5兆5000万円)の援助増額をすることにより、500万人の子どもの命を救える可能性があるのだが、実際のところ、5000万人の子どもは命を失い続ける見込みらしい。
■何故ホワイトバンドを買わなければならないのか
ホワイトバンドプロジェクトは、「白いバンド」であればよい
と言っている。海外のプロジェクトでは、「白いものならなんでも良い」とさえ言っている。
しかし、日本版ホワイトバンドプロジェクトでは、第一にホワイトバンドを購入する事を奨励している。
オフィシャル・サイトの構成上の導線も、ホワイトバンドの購入に張られている。
なにしろ、本音と建前は日本の伝統的美点なのであるから。
■何故送料がかかるのか
現在、ホワイトバンドのオフィシャルなオンライン販売は「@ぴあ」が行っている。
「@ぴあ」でホワイトバンドは、2個セット以上で販売されている。
2個セットで600円、送料は420円、代引き手数料は315円である。
近くでホワイトバンドが売っていない地方に住んでいる、クレジットカードをもたない子どもたちは、2個セットのホワイトバンドを手に入れるために1,335円もかかってしまうのだ。友達と二人で買っても1個667円にもなってしまう。
ホワイトバンドプロジェクトは、オークション等によるホワイトバンドの営利目的の転売については、
オークションなどによる営利目的の転売は本意とするところではなく、本当に残念なことです。ご購入いただく際には、売上の使途に注意を払ってのご購入をお願いします。
とのことである。
オークションはNGで、送料や代引き手数料はOKだ、と言う訳だ。
つづく・・・・
ホワイトバンドをめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20051108.html
捨てられたホワイトバンド
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