捨てられたホワイトバンド
2005年9月6日 エッセイ/コラム コメント (3)
2005/09/05 都内某所。
駅構内にホワイトバンドが捨ててあった。
そのホワイトバンドは、昨夜からの雨による水溜りの中を漂っていた。道行く人々は足を止めず、ホワイトバンドに目を留める人もいなかった。
もしかしたら、そのホワイトバンドは、ホワイトバンドの主旨に賛同した人の手首から滑り落ちたのかも知れないが、わたしには捨てられてしまったホワイトバンドが水溜りの中を漂っているように見えたのである。
大規模な詐欺行為ではないか、とも言われ、各方面からの批判が高まる日本版ホワイトバンドだが、オフィシャル・サイトで公開されていた「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」が、誤解を避けることを目的として2005/09/05に改訂された。
従来のバージョンの「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」では、税抜価格286円の10%が、
【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】
・政策研究・調査
・アドボカシー活動
・市民社会組織のネットワーク構築
・貧困の解消に向けた取り組みに関する啓発活動
(地球市民教育・開発教育を含む)
に使われることになっていた。
使われることになっていた、と言うのは未だ使われていないからで、その用途は具体的には、次の通りである。
【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】について
ホワイトバンドの売上の1割は、NGOなど市民社会組織やネットワークが貧困問題の解決にむけた政策変更を促すために行う活動に使われます。具体的には、貧困に関わる諸問題の調査・分析、日本政府その他の機構に具体的な政策変更を求めるロビイング活動、ロビイング活動を支援する世論を構築するような啓発活動(キャンペーン活動)、そしてそのような世論を構成する行動的な市民層を育てる地球市民教育や開発教育活動などです。
「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンは、NGOによる途上国での支援活動に対する寄付金を集めるためのキャンペーンではなく、「貧困をなくそう」というみなさんの声を集めるキャンペーンです。ですから、このキャンペーンの一環であるホワイトバンドの売上も、現地での支援活動に使うよりも、途上国から先進国に富が流れてしまうような構造や、貧困からの脱却のために努力する人々やNGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済の仕組みを変えることを目的に使われるべきと考えました。
この部分の資金管理方法や運営母体について、具体的に決まっていくのは2005年秋以降になります。上のような目的のために実際にお金が使われはじめるのは、2006年になってからになる予定です。
なんとも釈然としないし、言っていること自体が玉虫色で、詭弁ですらあるような印象を受ける。
確かに寄付や募金が、本来必要なところにいかないことはあるかも知れないし、実際ある、と言う報道も多々ある。
それが「NGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済」の責任だから、それを糺すためにお金を「ロビー活動」に使おう、と言う考え方は間違ってはいないはずだ。
しかしながらロビー活動のための資金源として、善意の集まりのようなホワイトバンドを利用するのはいかがなものか、と思ってしまう。
何しろ一般人の多くは、300円で購入したうちの大半の金額が飢餓で苦しむ国や地域に送られていると大きな誤解をしているのだから。
彼等の善意の300円が、ロビー活動と言う名の政治資金になっているとしたら、泣くに泣けないだろう。
「ホワイトバンドの問題点」
http://www.wikihouse.com/whiteband/
ちなみに余談だが、「24時間テレビ」に団体として募金協力するためには、次の条件が義務付けられている。
1.募金より経費を差し引かないこと。
2.「24時間テレビ」の主旨・テーマを良く浸透させること。
3.商業主義に利用しないこと。
4.責任者が必ず活動報告をすること。
なかなかやるじゃないか「日本テレビ」さんよ!
ホワイトバンドをめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20050909.html
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駅構内にホワイトバンドが捨ててあった。
そのホワイトバンドは、昨夜からの雨による水溜りの中を漂っていた。道行く人々は足を止めず、ホワイトバンドに目を留める人もいなかった。
もしかしたら、そのホワイトバンドは、ホワイトバンドの主旨に賛同した人の手首から滑り落ちたのかも知れないが、わたしには捨てられてしまったホワイトバンドが水溜りの中を漂っているように見えたのである。
大規模な詐欺行為ではないか、とも言われ、各方面からの批判が高まる日本版ホワイトバンドだが、オフィシャル・サイトで公開されていた「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」が、誤解を避けることを目的として2005/09/05に改訂された。
従来のバージョンの「*** ホワイトバンド¥300(税込)の内訳目安と使途」では、税抜価格286円の10%が、
【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】
・政策研究・調査
・アドボカシー活動
・市民社会組織のネットワーク構築
・貧困の解消に向けた取り組みに関する啓発活動
(地球市民教育・開発教育を含む)
に使われることになっていた。
使われることになっていた、と言うのは未だ使われていないからで、その用途は具体的には、次の通りである。
【貧困問題の解決に資する政策変更のための活動】について
ホワイトバンドの売上の1割は、NGOなど市民社会組織やネットワークが貧困問題の解決にむけた政策変更を促すために行う活動に使われます。具体的には、貧困に関わる諸問題の調査・分析、日本政府その他の機構に具体的な政策変更を求めるロビイング活動、ロビイング活動を支援する世論を構築するような啓発活動(キャンペーン活動)、そしてそのような世論を構成する行動的な市民層を育てる地球市民教育や開発教育活動などです。
「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンは、NGOによる途上国での支援活動に対する寄付金を集めるためのキャンペーンではなく、「貧困をなくそう」というみなさんの声を集めるキャンペーンです。ですから、このキャンペーンの一環であるホワイトバンドの売上も、現地での支援活動に使うよりも、途上国から先進国に富が流れてしまうような構造や、貧困からの脱却のために努力する人々やNGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済の仕組みを変えることを目的に使われるべきと考えました。
この部分の資金管理方法や運営母体について、具体的に決まっていくのは2005年秋以降になります。上のような目的のために実際にお金が使われはじめるのは、2006年になってからになる予定です。
なんとも釈然としないし、言っていること自体が玉虫色で、詭弁ですらあるような印象を受ける。
確かに寄付や募金が、本来必要なところにいかないことはあるかも知れないし、実際ある、と言う報道も多々ある。
それが「NGOの活動を台無しにしてしまうような政治や経済」の責任だから、それを糺すためにお金を「ロビー活動」に使おう、と言う考え方は間違ってはいないはずだ。
しかしながらロビー活動のための資金源として、善意の集まりのようなホワイトバンドを利用するのはいかがなものか、と思ってしまう。
何しろ一般人の多くは、300円で購入したうちの大半の金額が飢餓で苦しむ国や地域に送られていると大きな誤解をしているのだから。
彼等の善意の300円が、ロビー活動と言う名の政治資金になっているとしたら、泣くに泣けないだろう。
「ホワイトバンドの問題点」
http://www.wikihouse.com/whiteband/
ちなみに余談だが、「24時間テレビ」に団体として募金協力するためには、次の条件が義務付けられている。
1.募金より経費を差し引かないこと。
2.「24時間テレビ」の主旨・テーマを良く浸透させること。
3.商業主義に利用しないこと。
4.責任者が必ず活動報告をすること。
なかなかやるじゃないか「日本テレビ」さんよ!
ホワイトバンドをめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20050909.html
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コメント
確かにホワイトバンドは、買った側は「やられた」という感じですね。僕は、この政策を行った側はかなり良いところに
目をつけたなって感じです。人間の余計というか思ってもいないというか偽善心を利用し、物として他者にも「私は飢餓に貢献している」と身につけることでアピールできる。これほど世界を知らない日本人の倫理をついている商品はないでしょう。売ったもん勝ちですよ。ってワケで今日系アメリカ人についてのレポートを作ってます。
仰るとおり、日本人にピッタリの商品だったようですね。
ホワイトバンドをめぐる冒険
http://diarynote.jp/d/29346/20050909.html
ホワイトバンドをめぐる冒険 その2
http://diarynote.jp/d/29346/20051108.html
こちらもご参照ください。
しかしこの手のNPO法人、NGO法人は自分たちの目的を掲げて賛同する会員に対して集金事業を行っています。
これらの法人は収益事業で利益が出なければ税金を支払う必要がなく、職員の給与を支払えるという不思議なシステム(もちろん給与は源泉徴収されますが)があります。しかも給与規定は定款に定める必要がなく、当然、給与規定では定めますが認可省庁の変更認可を受ける必要がありません。
つまり・・・・・・儲けを給与や役員手当てにいくらでも当てられるシステムです。
そして直接、間接を問わずの補助金や助成金を受けてるところがあります。
まぁ、これもシステムを作ってしまった役人がすべて悪いのですが。
話は戻りますが、発展途上国ODAや円借款について、何に使われてるかという話を聞いたことはないでしょうか?ODAは基本的には日本企業の入札できる事業にしか当てられません。円借款は輸入製品を日本に有利な条件で仕入れさせるための種です。
では、寄付金はどうでしょうか?
お分かりかと思いますが赤十字でさえ現地に物資を運ぶのに一苦労しています。さらに怖いのは現地役人や軍人からのリベート要求。果ては現地住人の補給物資の換金など困った事態が起こるのは関の山です。
たちが悪いのは反グローバリゼーションを掲げるグ○ンピースなどの団体。寄付金目当てで何でもします。いや、団体すべての人が悪いといっているではなく一部の先導している人間が悪いのです。
乗せられてしまっている人たちは、これに懲りて気づけば価値はありますが、洗脳されてしまっては無価値です。
昔の人が上手いことを言ってますが「人を騙すな、騙されるな」これらをもっと実践する必要がありそうです。