「空中庭園」をめぐる冒険
豊田利晃が覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された。

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2005/08/24
映画監督の豊田利晃容疑者(36)が東京都狛江市の自宅に覚せい剤を隠し持っていたとして、警視庁に覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されていたことがわかった。「自分で使うためだった」と容疑を認めており、警視庁は入手経路などを調べている。
(asahi.comより引用)
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「空中庭園」オフィシャル・サイト及び配給会社「アスミック・エース エンタテインメント」オフィシャル・サイトでは、次のようなステーテメントが公開されている。

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関係者一同、茫然とするとともに大変残念な思いでおります。製作委員会といたしましては、事件に対する社会的責任を深く感じつつも、本作品および、公開を楽しみにして頂いている皆様にとって最善の対処ができますよう、引き続き関係各社と協議中でございます。
(「アスミック・エース エンタテインメント」オフィシャル・サイトより引用)
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これを受けて「空中庭園」の上映を予定していた「テアトル新宿」の上映予定作品ラインナップから、「空中庭園」の表記が姿を消した。
一方「ユーロスペース」のサイトでは、今回の一件に関する情報は未だ公開されていない。

また、未確認情報だが、「テアトル新宿」サイドは、「空中庭園」の公開を無期延期したらしい。

更に、各方面で実施が予定されていた「空中庭園」の試写会の中止の情報が舞い込み始めている。

こういった状況下においてよく出てくる論評は「監督(今回の場合)が犯罪者だから映画がダメだ」と言う代物だ。

そしてその影響で犯罪者が関わった作品の公開が中止になったり、コンサートが中止になったり、犯罪者が収録に参加したテレビ・プログラムが放映中止になってしまうのだ。例えばNEWSの未成年メンバーの飲酒事件も記憶に新しい。

ここ「徒然雑草」では、旧角川映画のDVDから角川春樹事務所のクレジットがカットされている話(「どこからが映画なのか?」http://diarynote.jp/d/29346/20041028.html)でもお話しているのだが、仮にキャストやスタッフが犯罪者だとしても、(語弊はあるが)そんな事は作品の評価に全く影響を及ぼさないハズなのだ。

たとえ、キャストの私生活がグダグダでゲロゲロでもスクリーン上で輝いていればそれで良いのだ。

わたし達は決してキャストやスタッフの私生活を見たいのではない。
わたし達が見たいのは、仮に彼等が犯罪者だとしても、彼等の公の活動から産み落とされた最高の芸術形態である映画作品が見たいのである。

例えば、麻薬中毒で急逝したジョン・ベルーシがベロベロの状態で撮影した「ブルース・ブラザース」が二度と公開されないとしたら、どうだろう。

そして、たとえマコーレー・カルキンがベロベロの麻薬中毒者になったからと言って「ホーム・アローン」で彼がはなっていた輝きは永遠に失われない。

謎の死を遂げたジム・モリソンがアルコールとドラッグの依存症だったとしても「ザ・ドアーズ」の珠玉の名曲の数々の圧倒的な力は失われない。

仮に、「空中庭園」がお蔵入りしてしまったとしたら、−−勿論この時期(公開直前)に豊田利晃が覚せい剤不法所持をしてしまった事に対する議論は別にあるのだが−−、製作会社や配給会社が決定を下した事は、ひとつの素晴らしい芸術作品になるかも知れない原石を永久に葬った事になるのだ。

お前等にそんな権利があるのか!
われわれは、永遠の輝きを放つ宝石たる作品の誕生に立ち会えなかったかも知れないのだ!

『「空中庭園」をめぐる冒険 その2』につづく・・・・
http://diarynote.jp/d/29346/20050830.html

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