2005/06/05 東京竹橋「科学技術館サイエンスホール」で「マイ・リトル・ブライド」の試写を観た。

世の中の女はすべて自分の女だと思っているような浮気者の大学生のサンミン(キム・レウォン)と、友達とおしゃべりすることが大好きで夢見がちな女子高生ボウン(ムン・グニョン)は、幼い頃から兄妹のように育ってきた幼なじみ。

ある日ふたりは、両家に絶対的な権力を持つボウンのおじいさん(キム・インムン)から「いますぐ結婚をして欲しい」という無茶な命令を下される。「亡くなったサンミンのおじいさんとは親友だった。若い頃に自分たちの子供を結婚させようと約束したが、お互いに授かったのは息子。だからお前たち(孫)が約束を果たして欲しい」というのだ。

まだまだ女遊びをしたいサンミンも学校に憧れの男の子がいるボウンも抵抗するが、普段からふたりの結婚を願っていたおじいさんが危篤状態に陥る。その姿を見てうろたえたボウンは「私、結婚するから目を開けて!」と叫んでしまうが・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:キム・ホジュン
出演:キム・レウォン(パク・サンミン)、ムン・グニョン(ソ・ボウン)、パク・ジヌ(ジョンウ先輩)、キム・インムン(ボウンの祖父)、ソン・ギユン(ボウンの父)、ソヌ・ウンソク(ボウンの母)、ハン・ジニ(サンミンの父)、キム・ヘオク(サンミンの母)、アン・ソニョン(キム先生)、シン・セギョン(ヘウォン)、キム・ボギョン(ハン・ジス)

こんな映画にだまされちゃいけないと思いつつ、気がつくと、ニヤニヤしながら映画を眺めている自分を発見、周りを見渡し思わず赤面してしまう。
本作「マイ・リトル・ブライド」はそんな感じの楽しいロマンティック・コメディに仕上がっているのだ。

尤も、物語のプロットは、大学生サンミン(キム・レウォン)と女子高生ボウン(ムン・グニョン)がおじいちゃん(キム・インムン)の危篤状態の願い(命令)で、自分たちの意思に関わらず結婚させられてしまう事から端を発するドタバタ・コメディを描いており、当然の事ながらふたりが結婚してしまっている事実を周りに隠し通すため、巻き起こるいろいろな騒動を描いている。

そんなプロット自体は決して新しいものではなく、日本でも古くは「おくさまは18歳」(1970)等でお馴染みのものである。
ただひとつ違っているのは、「おくさまは18歳」系の作品では、主人公たちは、周りの反対を押し切ってお互いが好き合って結婚しているのに対し、本作の主人公たちはでは好きでもないのに無理やり結婚させられてしまっている、という点だろう。

さらに興味深いのは、結婚に持ち込むプロットの根底にあるのが、日本ではすでに廃れてしまっている家長制度が韓国では現存している、と言う点だろう。

そしてその家長制度は、ボウンの祖父(キム・インムン)をピラミッドの頂点とし、ボウンの父(ソン・ギユン)、ボウンの母(ソヌ・ウンソク)、サンミンの父(ハン・ジニ)、サンミンの母(キム・ヘオク)までが見事なピラミッド構造を保っている。とは言うものの実際のところは、父母の代では女性の、つまり母方の権力が父方の権力より強いような印象を観客に与えている。
この辺は韓国が現在直面している家長制度の衰退をもしかしたら描写しているのかも知れない。

キャストはなんと言っても、キュートなムン・グニョン(ソ・ボウン)の魅力爆発、と言ったところだろう。
本作のアート・ワークはムン・グニョンをいかに幼く見せるかに腐心しているようで、本編中の比較的大人っぽいムン・グニョンとアート・ワークの幼いムン・グニョンの対比が興味深い。

また女優陣としては、サンミンの憧れの先輩ハン・ジスを演じたキム・ボギョンも非常に魅力的だし、ボウンのライバルで意地悪な女の子を演じた女優さん(名前わかりません)も、あぁ男って奴はこんな女の子にいつもだまされるんだよな、と言う感を見事に体現していた。

あとは教育実習生になるサンミンに惚れるボウンの担任のキム先生(アン・ソニョン)も非常に印象的だった。

男性陣としては、サンミンの悪友達が良かったです。
良い友達に恵まれたサンミンの学生生活は楽しそうなのだ。

脚本はベタでお約束な展開の連続なのだが、なんとも面白いのだ。こんな映画にだまされちゃいけないと思いながらも、だまされる快感を感じてしまうのだ。

おそらく、本作「マイ・リトル・ブライド」は、観客を選ぶ作品だと思うのだが、機会があれば是非観ていただきたい楽しいコメディなのだ。

☆☆☆(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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