2005/04/13 東京九段下「九段会館」で「ドッジボール」の試写を観た。

ピーター・ラ・フルール(ヴィンス・ヴォーン)が経営する地域密着型零細スポーツジム「アベレージ・ジョー」は、最新設備を擁するフィットネスジム「グロボ・ジム」に客を奪われ経営難に陥っていた。

グロボ・ジムの強欲経営者ホワイト・グッドマン(ベン・スティラー)は、そこにつけ込み「アベレージ・ジョー」の買収に乗り出し、弁護士ケイト(クリスティーン・テイラー)をアベレージ・ジョーに送り込む。そしてついに、30日以内に滞納している5万ドルを支払わないとアベレージ・ジョーは潰され、グロボの駐車場に姿を変えてしまうことになってしまう。

途方に暮れるピーターは、ラスヴェガスで開催されるドッジボール大会の優勝賞金5万ドルに最後の望みを託し、冴えないジムの仲間たちとドッジボール・チームを結成、謎のカリスマ・コーチのパッチーズ・オフリーハン(リップ・トーン)指導の下、優勝目指して特訓を開始するが・・・・。

監督:ローソン・マーシャル・サーバー
製作:スチュアート・コーンフェルド、ベン・スティラー
出演:ヴィンス・ヴォーン(ピーター)、クリスティーン・テイラー(ケイト)、ベン・スティラー(ホワイト)、リップ・トーン(パッチーズ)、ジャスティン・ロング(ジャスティン)、スティーヴン・ルート(ゴードン)、ジョエル・デヴィッド・ムーア(オーウェン)、クリス・ウィリアムズ(ドゥワイト)、アラン・テュディック(スティーブ・ザ・パイレーツ)、ミッシー・パイル(フラン)、ゲイリー・コール(コットン・マックナイト/実況アナウンサー)、ジェイソン・ベイトマン(ペッパー・ブルックス/解説者)、ハンク・アザリア(パッチーズ/若い頃)、ランス・アームストロング(バーの男)、チャック・ノリス(審判員)、デヴィッド・ハッセルホフ(ドイツ・コーチ)、ウィリアム・シャトナー(大会委員長)、ジュリー・ゴンザロ(アンバー)、エイミー・スティラー(ウェイトレス)
 
 
全米No.1と言うのは伊達ではなく、本作「ドッジボール」は、はっきり言って最高に面白い。

先ずは、何につけてもプロデューサーをもつとめたベン・スティーラー(ホワイト)の怪演が凄すぎる。やりたい放題なのだが、それが全てツボにはまった怪演で、観客の期待を見事に受け止めている。
冒頭のCF(CM)から始まり、ラスト(クレジット後)の驚愕のカットまで、全く素晴らしい。

そして、達観し、飄々とした、ある意味得体の知れない役柄であるピーターを演じたヴィンス・ヴォーンとの対比が大変素晴らしい効果をあげている。

本作は、ベン・スティーラー製作作品なのだから、ホワイトとピーターの役柄を入れ替える手もあったと思うのだが、やはりこのキャスティングが良い効果をあげている。

ヴィンス・ヴォーンの得体の知れないキャラクターは、クライマックス直前の賄賂関連のシークエンスに顕著であろう。

しかし、そんなお莫迦なベン・スティーラーの奥さんが、本作でキュートなヒロインを演じたクリスティーン・テイラーだと言うのが、なんだか釈然としないのだ。

クリスティーン・テイラーについては、全編キュートな魅力全開なのだが、冒頭付近のホワイトとケイトのセクハラまがいのシークエンスも夫婦の演技だと考えると、また違った印象をも受けてしまう。

また、ホワイト・チームのロシア女性フランを演じたミッシー・パイルも良い味を出している。彼女は「ギャラクシー・クエスト」でも印象深いサーミアン人を演じており、濃いキャラクターが少しばかり多いような気がするのだが、本作のキャラクターははまり役だろう。

更に、アベレージ・ジョーのチームのメンバーは、ゴードン(スティーヴン・ルート)にしろスティーブ(アラン・テュディック)にしろ、オーウェン(ジョエル・デヴィッド・ムーア)にしろ、ドゥワイト(クリス・ウィリアムズ)にしろお約束どおりの濃いキャラクター設定が楽しいし、ジャスティン(ジャスティン・ロング)にいたっては、最早別の青春映画のような印象すら感じてしまう。

また、リップ・トーン(パッチーズ)の起用が嬉しいし、ベス・スティーラーに負けず劣らずの怪演が楽しい。

脚本はお約束通りの、観客の期待通りのものなのだが、クライマックス直前からの展開は所謂ハリウッド映画へのアンチテーゼ的なベクトルを持っているのが評価できる。

また、ウィリアム・シャトナーにしろ、チャック・ノリスにしろ、ランス・アームストロングにしろ素晴らしいカメオが楽しめる。特に自転車乗りとしてはランス・アームストロングの登場に驚愕なのだ。

とにかく、本作「ドッジボール」はコメディの王道的な作品であり、また所謂ハリウッド映画に対する反骨精神にも富んだ素晴らしい作品に仕上がっている。
この時期、是非劇場で観ていただきたい作品なのだ。

☆☆☆★ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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コメント

nophoto
えいだ
2006年10月8日0:49

はじめまして
同じ映画を観て記事を書いたので、勝手ながらリンク&TBさせていただきました。
この映画、ばかばかしくて面白いですよね。
デビッド・ハッセルホフが写真を叩き割られるのはいいのかなー、とか思っちゃいましたが。
tkrさんは俳優さんのことに詳しいですねぇ。僕は結構むとんちゃくなので、メインキャストの人たちはベン・スティラー以外は知りませんでしたよ。
役者さんのことを知ってるとより楽しめるのかもしれませんね。

tkr
tkr
2006年10月8日22:37

えいださま、コメントありがとうございます。

俳優のことについてですが、一本の映画を観る場合、普通だとその映画で描かれている事だけで、充分に映画は楽しめるのだと思いますが、俳優の過去の作品だとか、監督が暗に仄めかしている事だとかを考えながら観ると、より一層楽しめるのではないか、と思っています。

これからもよろしくお願いします。
tkr

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