2005/04/15 東京九段下「九段会館」で「コンスタンティン」の試写を観た。

人間界に属さない存在を見る事が出来る男ジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)。彼はその能力を使い、人間界に紛れ込もうとする悪魔を次々と地獄へと送り返していた。

一方、ロサンジェルス市警察の刑事アンジェラ・ドドソン(レイチェル・ワイズ)は、敬虔なカトリックでもある、双子の妹イザベル・ドドソン(レイチェル・ワイズ/二役)が教理に背き自殺を遂げた事実を受け入れられず、真相究明のため独自の調査を開始した。

イザベルが飛び降り自殺をはかったビルの屋上監視用のカメラに残された映像からアンジェラはやがてコンスタンティンに接触を図るが・・・・。

監督:フランシス・ローレンス
出演:キアヌ・リーヴス(ジョン・コンスタンティン)、レイチェル・ワイズ(アンジェラ・ドッドソン/イザベル・ドッドソン)、シア・ラブーフ(チャズ)、ジャイモン・フンスー(パパ・ミッドナイト)、マックス・ベイカー(ビーマン)、プルイット・テイラー・ヴィンス(ヘネシー神父)、ティルダ・スウィントン(天使ガブリエル[ハーフ・ブリード])、ギャヴィン・ロズデイル(バルサザール[ハーフ・ブリード])、ピーター・ストーメア(サタン[ルシファー])

本作「コンスタンティン」は、わたしにとっては長くて退屈な作品であった。
物語の基本プロットは「ゴーストバスターズ2」や、その辺に転がっているような最早手垢がついたRPGゲームのそれである。
尤も本作の原作はコミックである、と言う事であるから、その辺の基本プロットの落度は不問にしたいと思うし、実際のところ本作は、物語をどうこう言う作品ではなく、コンスタンティンのキャラクターがどうとか、CGIがどうしたとかこうしたとかを見るべきなのだろうと思う。

また、本作は、一見神秘的で壮大な背景があるように見えるが、実はそれほど奥が深いわけではなく、キャラクターのちょっとした仕草を意味ありげに演出してはいるが、そうでもなく、独自の世界観を醸し出しながらも実のところオレ様ルールが多すぎる脚本を、最新のCGI技術の研究発表でも行っているような映像でお化粧した、所謂「張子の虎」のような作品なのだ。
系統としては昨年の「ヴァン・ヘルシング」系の作品だろう。

実際、本作でコンスタンティンが使用している悪魔を退治する武器の造形は、奇妙な程「ヴァン・ヘルシング」のそれと酷似している。

武器で思い出したが、時代の要請なのかどうかは知らないが、−−勿論「ヴァン・ヘルシング」もそうなんだが−−、悪魔と戦う時、武器使ってどうするんだよ。
まあ、聖水や十字架も広義の意味で武器だと言えるけど、なんで武器を使うんだよ! なんでお前は銃を乱射してるんだよ!
エクソシストだったらなぁ「己の信仰心で戦え!」とことだよ。

その辺を考えると、アンジェラをはらからに利用して人間界に生れ落ちようとしていた悪魔の子に対し、万策尽き果て呆然とするコンスタンティンを尻目に、アンジェラの手を握り一心不乱に祈り始めるチャズ(シア・ラブーフ)が素晴らしい。
本作最高のシークエンスは、チャズの祈りのシークエンスなのだ。

「チャズよ、あんた、最高に格好良いぜ!」

オレ達が見たい人間と悪魔の戦いは、武器やなんかを使ったただの勢力争いなんかじゃないんだ。一番脆弱で、それでいて一番堅牢な壁「信仰心」を使った戦いなのだ!

本作「コンスタンティン」は、普段劇場で映画を観ない人、大作娯楽大作が好きな人、雰囲気的に奥が深そうに見える作品が好きな人、CGIアクションが好きな人にオススメの作品なのだ。

☆☆ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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