2005/04/01 東京竹橋「科学技術館サイエンスホール」で「スパイダー・フォレスト/懺悔」の試写を観た。

テレビプロデューサーのカン・ミン(カム・ウソン)は、森で不可解な交通事故に遭い、意識不明の重体で発見された。
脳の手術を受けたカン・ミンは、14日後に昏睡状態から目を覚ますが、強いショック状態で記憶を失っていた。
唯一の記憶は、森の中に遺棄されていた男女の死体の記憶だった。

カン・ミンの友人チェ刑事(チャン・ヒョンソン)は現場に急行し、カン・ミンの言葉どおり森の中の別荘で男女の死体を発見する。その男女の死体は、カン・ミンの上司と婚約者ファン・スヨン(カン・ギョンホン)だった。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ソン・イルゴン
出演:カム・ウソン(カン・ミン)、ソ・ジョン(ウナ/ミン・スイン)、チャン・ヒョンソン(チェ刑事)、カン・ギョンホン(ファン・スヨン)

はっきり言って、驚いた。
本作「スパイダー・フォレスト/懺悔」は、ついに韓国映画も、こんなところまで来たのか、と思わせるような素晴らしい作品に仕上がっていたのだ。

先ずはデヴィッド・リンチの作品を髣髴とさせる脚本が面白い。
メインとなるプロットは、それ自体さして斬新なものではないのだが、そのプロットを結末に持っていく語り口が素晴らしいのだ。

かつてベイダー卿が「宿命の輪が閉じる。("The circle is now complete.")」というセリフを吐いてますが、本作の失われた輪が完成する様は、身悶えするほど素晴らしいのだ。

多分、素人さんは本作を観て「こんなネタ、最初からわかってたよ」とか言ったりするのだろうが、本作がやっているのは、物語の先が読めるとか読めないとかをどうのこうのと言う事ではなく、先がわかっていても、そうならざるを得ない、と言うような運命的で予定調和的なプロットを身悶えしながら楽しむ、と言う傾向を持つ作品なのだ。

またその脚本は、本編鑑賞中に観客に対し、アダムとイブが蛇に誘惑されるパントマイムや、ふたりのマフラーの色、鍵と錠前の色、脱げたスリッパの理由、写真屋の鍵、写真の謎、現実と精神世界の冒険等々、脳がオーバーヒートし、脳ミソが沸騰するほどのリアルタイム解釈を要求するのだ。

とにかく本作「スパイダー・フォレスト/懺悔」は、「マルホランド・ドライブ」のような一連のデヴィッド・リンチの作品的スタイルを持つ映画が好きな人には、至福の時をお約束できる素晴らしい作品だと言えるのだ。

しかし都内の公開劇場が「銀座シネパトス」と「池袋シネマ・ロサ」と言うのが惜しい。渋谷のミニ・シアターやなんかでやれば、結構ヒットするんじゃないかな、とわたしは思うのだ。

☆☆☆★ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

■人気blogランキング
当blog「徒然雑草」は「人気blogランキング」に登録しています。
参考になったらクリック!
http://blog.with2.net/link.php/29604

コメント

tkr

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索