先ずはこちらを読んで欲しい。

「きみに読む物語」をめぐる冒険 妄想編 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20050323.html

それでは、引き続き「老人デュークはノアではない」説を考察の上、検証していきたいと思う。
 
 
■「ノートブックが書かれた理由」
ノートブックを書いたのは、アリー(レイチェル・マクアダムス)であり、そのノートブックの裏表紙には「もし、あなた(ノア)がこれを読んでくれたなら、わたし(アリー)はすぐにあなたのそばに飛んで行く」と言う語意の前文が書かれている。

仮に、デューク(ジェームズ・ガーナー)がノア(ライアン・ゴズリング)であり、ノアがアリーと結婚し、幸せな生涯をおくったとしたら、果たしてアリーはこんな物語と前文を書き残すであろうか?
もし、ノアとデュークが同一人物だとしたら、一緒に住んでいる人の所にすぐ飛んで行く、と言う前文は、奇異な印象を与えている、といわざるを得ない。

このノートブックの前文から言えるのは、この物語が書かれる前提として、アリーとノアが何らかの理由で離別している事を示している、と言うことではないだろうか。

そして、このノートブックに記された物語(アリーが結局はノアを選んだところで終わっている物語)とその前文から読み取れる事は、「アリーとノアは一時は幸せな関係(おそらくは結婚した)になったが、なんらかの理由(前文の語意からはもしかしたらノアと死別したのかも知れない)で離別し、その後ノアを失った悲しみを乗り越え、将来デュークとなる男性と再婚し、結果的に多くの子供と家族をもうけ、幸せな生活をおくることになるが、実際のところ、アリーの心は永遠にノアのもとにあった」と言うことなのだ。

そして、これが正しいとすると、アリーの生涯はアリーの母親アン・ハミルトン(ジョーン・アレン)の生涯と見事に符合している事になるのだ。
 
 
■「アリーの母の恋」
アリーの母アンは、アリーと同年代の頃、シーブルックの街に避暑に訪れ、アリー同様採石所で働く男性と恋に落ち、両親の反対を押し切り、一時は駆け落ちするが、街を出る前に両親の手のものに捕まってしまう。
アリーの母アンは、その採石所で働く男を心の底で愛しながら、結局は両親が決めた縁談でジョン・ハミルトン(デヴィッド・ソーントン)と結婚し、幸せな生涯をおくることになる。
しかし、依然としてアンの心は採石所で働く男のもとにあったのだ。

アンはノアからアリーへの365通に及ぶ手紙を隠し、アリーに対し、自分と同じように、ノアではなく富と名声溢れる人物との結婚を望んでいた。

が、結果的にアンは、アリーにノアからの手紙をわたし、その上で自らのかつての恋を涙ながらに告白し、アリーにノアかロンかを選択させることにする訳なのだ。

何故このアリーの母アンの恋のプロットが脚本に入っているのか?

あまりにも良く似たアリーとアンの生き様から、製作者は何を言いたかったのか?

アンのような生き方を選ばなかったアリーを描こうとしたのか、それとも、アンのような生き方を嫌いながらも、結局は自分の母親と同じ選択をしてしまう運命を描きたかったのか?

それは観客に委ねられているのだ。

つづく・・・・

 
検証すべき点
「ダーリンと呼んだのは誰だったか」
「物語の結末」
「ノアとフィン」
「カルフーンと言う名前」
 
 
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コメント

nophoto
maki
2011年5月11日18:32

私もかなり同感です!
ただ、3回観て思ったのですが、デュークは、第3者ではないでしょうか?
ノアでもロンでもない、アリーの最終的に夫になった男性。
アルバムの写真はノアでもロンでもない、裕福な男性とアリーとの結婚生活が
見受けられました。
アリー自ら書き付けたノートの中の物語にだけ反応する妻に、
温かい夫が読み聞かせているように思えました。^^

nophoto
saki
2011年7月26日23:13

私はやっぱりデュークはノアだと思います。
このノートブックは、アリーが認知症になったと気づき、、
時々思い出すその合間になんとかアリーとノアが合作で書いたのではないでしょうか。
そうじゃないと、アリーを母親と呼ぶ子供たちのことが説明つかない。
前文はアリーがノアが読んだら思い出すように願いをこめて書いたのでしょう。

tkr
2011年8月5日19:37

いろいろと盛り上がってきましたね。
このようにいろいろ考える事が出来る作品と言うのは大変素晴らしいですね。
また観てみようかな、と思いました。
tkr

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