2005/03/04 東京九段下「千代田区公会堂」で「フライト・オブ・フェニックス」の試写を観た。

閉鎖された石油採掘所のスタッフと廃材を運ぶ運搬機が、巨大な砂嵐に遭遇し砂漠のど真ん中に不時着してしまう。

毎度お決まりの運搬仕事を無難にこなすつもりだった貨物機操縦士のフランク(デニス・クエイド)は、自分たちが置かれた状況が最悪なのを察し、捜索隊の到着を待つしかないと考える。

しかし、コスト削減のため採掘所を閉鎖した会社が、彼らのようなお荷物のために捜索隊を編成する予算など持っているわけがないことに気付き、彼らは絶望の淵に立たされる。

そんな最中、ドイツ人技師エリオット(ジョヴァンニ・リビシ)は、不時着した貨物機の破損していない部分を繋ぎ合わせ、新しい飛行機を造ることを提案するが・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督:ジョン・ムーア
出演:デニス・クエイド(フランク)、タイリース・ギブソン(A・J)、ジョヴァンニ・リビシ(エリオット)、ミランダ・オットー(ケリー)、トニー・カラン(ロドニー)、ヒュー・ローリー(イアン)

本作「フライト・オブ・フェニックス」は、ロバート・アルドリッチの傑作「飛べ!フェニックス(1965)」のリメイクである。

しかも舞台背景から脚本までが1965年の「飛べ!フェニックス」の完全リメイクと言う本作の基本コンセプトが果たして本当に必要だったのか、と言う大きな疑問があるものの、CGIや特撮技術の発達や画面がビスタからスコープになったことにより、砂漠の寂寥感や危機感が余計にピックアップされた、結構良いドラマに仕上がっている。

その物語は前述のようにほぼ前作と同じで、キャラクターの造形も前作とほぼ同様と言って良いだろう。ついでにドイツ人技師エリオット(ジョヴァンニ・リビシ)にいたってはルックスまで前作(ハーディ・クリューガー)とそっくりと言う念の入れようである。

とは言うものの、墜落した飛行機の部品を利用して新たに飛行機を作って脱出しようと言う物語の基本コンセプトは残念ながらリアリティに欠けると言わざるを得ないのだが、その他の部分、例えば砂漠の恐ろしさを描く描写はスコープの広い画面と相まって、リアリティ溢れる効果を観客に与えている。

しかし、墜落した飛行機の周辺を取巻く危機感が、キャストの危機感と一致しているかと言うと、若干齟齬があり、キャストの葛藤は、いまいち本来あるべき危機感に欠ける印象を受けてしまう。

まあ、そのあたりはファンタジーだと割り切ってしまうべきなのかも知れないが、1965年の作品を2004年にリメイクする以上は、時代が求めるリアルな構成を本編に盛り込むべきだと思う訳なのだ。
何のためにリメイクするのかが明確ではない印象を受けるのだ。

☆☆★ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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