「爆裂都市」

2004年11月7日 映画
2004/11/01 東京九段下「サイエンスホール」で「爆裂都市」の完成披露試写を観た。
舞台挨拶は、しらたひさこ。ゲストは高山善廣。
 
 
香港国際空港で行政長官狙撃事件が勃発。激しい銃撃戦の末、容疑者の女(しらたひさこ)が逮捕されるが逃走の際、頭にキズを負い記憶を失ってしまう。
取調べによりその女はジェイドという名前を持ち「オトウサン」と呼ばれる男(千葉真一)が率いる国際テロ組織の一員ということが判明。香港警察のチョン管理官(サイモン・ヤム)と担当刑事ミン(アレックス・フォン)は、彼女を囮に組織の壊滅を計画する。
しかし、そんな計画をあざ笑うかのように国際テロ組織は先手を打ち、ミンの妻を殺害。さらに息子を人質にしてジェイドを殺すように命令するのだった。息子の命を守るため、警察とテロリストに追われることになったミン。ジェイドを連れて逃避行を続けるなか、香港全土を巻き込んだ恐るべきテロ計画が実行されようとしていた。(ちらしよりほぼ引用)
 
 
監督:サム・レオン
出演:サイモン・ヤム、アレックス・フォカ、千葉真一、しらたひさこ、エドウィン・シュウ、サミュエル・パン、クリスタル・クォック、ラム・シュー
 
 
パブリシティ用のスチール写真等を見ると、「インファナル・アフェア」に続く、おじさん達が大活躍する陰謀渦巻く香港ノワール的ポリス・アクション映画を期待してしまう。
しかし、日本が資本を出しているせいなのか、日本人キャストやスタッフが多いせいなのか、サム・レオンの演出がいけないのか、千葉真一の間が長いのか、映画全体を通して考えると、残念ながら退屈な作品の印象を否めない。何だが日本の2時間ドラマを見ているような気がするのだ。

キャストについては、サイモン・ヤムにしてもアレックス・フォンにしろ、緊迫感溢れる素晴らしい仕事をしているし、格好良い大人を見せてくれているのだが、肝心の千葉真一が登場するシークエンスでは、千葉真一の間が、著しく物語のテンポを落としている。千葉真一の、まるでナレーションのような演技はまずいだろう。と思う訳だ。

また、ヒロインとして抜擢された、しらたひさこについては、アクションにしろ演技にしろ頑張っているのだと思うのだが、日本語のシーンは自分で声を出しているのだが、あとは吹替というステイルには、驚かされた。何しろ「おとうさん」と言うイントネーションが異なっているのだ。
勿論、香港映画は伝統的に吹替が一般的なのだが、その伝統を垣間見たような印象を受けた。

脚本的には、「ブラインド・ホランズン」にしろ「ボーン・アイデンティティー」にしろ、最近良く聞くプロットなのだが、記憶を無くした登場人物が失われた記憶を探りつつ、悪事を暴いたりするものなのだが、本作「爆裂都市」のしらたひさこは、残念ながら都合が良い記憶ばかりを思い出す印象を受け、都合の良い脚本に思えてしまう。

しかし、かつての香港映画に通じるような、シーン毎の脈絡は無いのだが、シーンだけを見るとおもしろい、というスタイルもおもしろいのかも知れないし、千葉真一の間がある演技については、一般映画として考えると問題だと思うが、お笑い的には充分だし、都合の良い脚本も含めて考えると、もしかしたら「映画秘宝」系の楽しみに満ちた作品だと言えるかも知れない。クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」あたりを大喜びで観ている観客には、本作「爆裂都市」はオオウケの作品なのかもしれない。

また、千葉真一(おとうさん)が、組織する国際テロ組織の設定も無理が多く、その辺も「映画秘宝」的には突っ込み所が満載で、楽しい映画に仕上がっているのかも知れないのだ。
ついでに、カーチェイスのシークエンスでは、地面にカーチェイスを練習した跡が残っているしね。

本作「爆裂都市」は、全ての観客にオススメ出来る作品ではないが、「映画秘宝」系の人、かつての「香港ノワール」系作品が好きな人には結構オススメの作品だと言えるのだ。

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舞台挨拶は、しらたひさこに高山善廣に、モデルガンのメーカー「東京マルイ」の担当者を含めた銃器談義や銃器の構え方のレクチャー等があり、映画を観る楽しみが増えたような気がした。

現在日本のドラマや映画のほとんどが「東京マルイ」製のモデルガンが使用されている、ということでした。
かつての香港ノワール作品も日本のモデルガンが使用されていたのも有名な話ですね。

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tkr

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