どこからが映画なのか?
2004年10月28日 エッセイ/コラム2000年1月頃の話だったと記憶しているが、2000年3月末で「2001年宇宙の旅」のMGM(Metro-Goldwyn-Mayer)における権利が切れ、4月1日からはワーナー・ブラザース映画(Warner Bros.)が同作品の権利を継承する、という情報に接し、多くのスタンリー・キューブリック ファンや「2001年宇宙の旅」ファンが、眠れない夜をおくっていた。
と言うのも、わたし達は「2001年宇宙の旅」冒頭のMGMのクレジット(ロゴ)がどうなるのかを心配していたのである。
※クレジット
わたしは寡聞にして正式な名称は知らないのだが、映画の冒頭に挿入される「配給会社」や「製作会社」のタイトル・カードの事を、ここでは単にクレジットと仮称することにする。
MGMのクレジットは皆さんご存知のように「オメガ(Ω)の文字のような形のリボン越しにライオンが吼える」ものだが、「2001年宇宙の旅」に挿入されているMGMのクレジットは、「吼えるライオンを極端に図案化したロゴマーク状のもの」なのだ。
※余談だが、MGM作品「トム&ジェリー(短編)」のオープニングで、トム(TOM)が「O」から顔を出してニャーニャー啼いているのは、MGMのクレジットへのセルフ・オマージュである。
その「2001年宇宙の旅」の冒頭に挿入されている、芸術的とも言える、その美しいMGMのロゴマーマが、権利がMGMからワーナーに移ることにより、もしかしたら外されてしまうのではないか、と、わたし達は心配していたのだ。
しかし、わたし達の心配は杞憂に過ぎなかった。
わたしの記憶によると、東京では2000年の秋と大晦日に2度「渋谷パンテオン」でワーナー配給版「2001年宇宙の旅」が企画上映されたが、MGMのロゴマークは健在で、そのバージョンでは、G指定の表記や、前奏、休憩、後奏付きの完全な上映(勿論シネラマではないが)であった。
そして、現在観る事が出来る「2001年宇宙の旅<新世紀特別版>」のプリントには、配給会社ワーナーのクレジットがついたものの、MGMのロゴマークは従来どおり、本編の冒頭に鎮座ましましているのだ。
偉いぞ!ワーナー!!
ぼくらはそんなワーナーが大好きだ!!
ところで、最近わたしは(旧)角川春樹事務所が制作した、ある角川映画をCATVで観る機会があった。
驚いた事に、その作品の冒頭には配給会社や製作会社のクレジットが一切表示されていなかったのである。
つまり、その作品はいきなり本編から始まっていたのである。
おいおい、手塚治虫の「火の鳥」に似た、角川春樹事務所の「鳳凰」はどこまで飛んで行っちまったんだよ!
案の定わたしは激怒した。
わたしは最近続々とリリースされている角川映画のDVDのクレジットがどうなっているのかは知らない。
しかし、全ての角川映画作品から角川春樹事務所のクレジットが抹消されているのだとしたら、これは大問題である。
角川春樹が何をしたとか、角川書店の社長を解任されたとか、角川春樹と上手くいっていないとか、そんな事は関係ない。
おまえたちがやっている事は、映画への冒涜であり改竄であり、芸術作品の破壊そのものなのだ。
ちょっと質問コーナーだか、お前たちは、
レオナルド・ダ・ヴィンチが犯罪者だったからといって「モナリザ」を切り刻むことができるのか?
ベートーヴェンが役員を解任させられたからといって『交響曲第五番「運命」』の最初のあのモチーフを割愛することができるのか?
ミケランジェロと上手くいかないからといって「ダビデ像」を破壊することができるのか?
おまえたちのやっていることは、そういうことなのだ。
映画というものは、だ、配給会社や製作会社のクレジットを含めてはじめて映画であり、決して本編だけが映画ではないのだ。
例えば、だ、
20世紀FOXのファンファーレが無い「スター・ウォーズ」など最早「スター・ウォーズ」ではないのだ。
コロムビア映画のクレジットがなければ「チャーリーズ・エンジェル」のジェット機は一体どこを飛べば良いのだ。
「シザーハンズ」の20世紀FOXのクレジットがなかったら、一体オレはどこで泣けば良いんだよ。
確かに、弱小販売会社から出ている国内版DVDには、配給会社や製作会社のクレジットが削除され本編からスタートしている作品はある。
しかしだ。
日本映画界の一時代を築き、現在の日本映画の基盤を作った角川春樹事務所の功績をなかったことにするとは何事だ!
大人の事情があることはわかるが、それにしてもやっていることが酷すぎる。
先人が成し遂げた偉業をなかった事にするとは、同じ映画人として恥ずかしくないのか?
しかもだ。
東京国際映画祭のゼネラルプロデューサーを務めている人物が、それをやっている企業のトップに就任しているとは、一体どういうことなのだ!
一映画ファンとして、悲しくて悲しくて涙が出ちゃうぜ!
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
きたないことばをつかってごめんなさい。
もしかしたら「鳳凰」は角川書店のクレジットだったかも知れません。
現在発売中の角川映画のDVDの冒頭の制作会社・配給会社のクレジットの有無の情報等をお教えいただければ幸いです。
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と言うのも、わたし達は「2001年宇宙の旅」冒頭のMGMのクレジット(ロゴ)がどうなるのかを心配していたのである。
※クレジット
わたしは寡聞にして正式な名称は知らないのだが、映画の冒頭に挿入される「配給会社」や「製作会社」のタイトル・カードの事を、ここでは単にクレジットと仮称することにする。
MGMのクレジットは皆さんご存知のように「オメガ(Ω)の文字のような形のリボン越しにライオンが吼える」ものだが、「2001年宇宙の旅」に挿入されているMGMのクレジットは、「吼えるライオンを極端に図案化したロゴマーク状のもの」なのだ。
※余談だが、MGM作品「トム&ジェリー(短編)」のオープニングで、トム(TOM)が「O」から顔を出してニャーニャー啼いているのは、MGMのクレジットへのセルフ・オマージュである。
その「2001年宇宙の旅」の冒頭に挿入されている、芸術的とも言える、その美しいMGMのロゴマーマが、権利がMGMからワーナーに移ることにより、もしかしたら外されてしまうのではないか、と、わたし達は心配していたのだ。
しかし、わたし達の心配は杞憂に過ぎなかった。
わたしの記憶によると、東京では2000年の秋と大晦日に2度「渋谷パンテオン」でワーナー配給版「2001年宇宙の旅」が企画上映されたが、MGMのロゴマークは健在で、そのバージョンでは、G指定の表記や、前奏、休憩、後奏付きの完全な上映(勿論シネラマではないが)であった。
そして、現在観る事が出来る「2001年宇宙の旅<新世紀特別版>」のプリントには、配給会社ワーナーのクレジットがついたものの、MGMのロゴマークは従来どおり、本編の冒頭に鎮座ましましているのだ。
偉いぞ!ワーナー!!
ぼくらはそんなワーナーが大好きだ!!
ところで、最近わたしは(旧)角川春樹事務所が制作した、ある角川映画をCATVで観る機会があった。
驚いた事に、その作品の冒頭には配給会社や製作会社のクレジットが一切表示されていなかったのである。
つまり、その作品はいきなり本編から始まっていたのである。
おいおい、手塚治虫の「火の鳥」に似た、角川春樹事務所の「鳳凰」はどこまで飛んで行っちまったんだよ!
案の定わたしは激怒した。
わたしは最近続々とリリースされている角川映画のDVDのクレジットがどうなっているのかは知らない。
しかし、全ての角川映画作品から角川春樹事務所のクレジットが抹消されているのだとしたら、これは大問題である。
角川春樹が何をしたとか、角川書店の社長を解任されたとか、角川春樹と上手くいっていないとか、そんな事は関係ない。
おまえたちがやっている事は、映画への冒涜であり改竄であり、芸術作品の破壊そのものなのだ。
ちょっと質問コーナーだか、お前たちは、
レオナルド・ダ・ヴィンチが犯罪者だったからといって「モナリザ」を切り刻むことができるのか?
ベートーヴェンが役員を解任させられたからといって『交響曲第五番「運命」』の最初のあのモチーフを割愛することができるのか?
ミケランジェロと上手くいかないからといって「ダビデ像」を破壊することができるのか?
おまえたちのやっていることは、そういうことなのだ。
映画というものは、だ、配給会社や製作会社のクレジットを含めてはじめて映画であり、決して本編だけが映画ではないのだ。
例えば、だ、
20世紀FOXのファンファーレが無い「スター・ウォーズ」など最早「スター・ウォーズ」ではないのだ。
コロムビア映画のクレジットがなければ「チャーリーズ・エンジェル」のジェット機は一体どこを飛べば良いのだ。
「シザーハンズ」の20世紀FOXのクレジットがなかったら、一体オレはどこで泣けば良いんだよ。
確かに、弱小販売会社から出ている国内版DVDには、配給会社や製作会社のクレジットが削除され本編からスタートしている作品はある。
しかしだ。
日本映画界の一時代を築き、現在の日本映画の基盤を作った角川春樹事務所の功績をなかったことにするとは何事だ!
大人の事情があることはわかるが、それにしてもやっていることが酷すぎる。
先人が成し遂げた偉業をなかった事にするとは、同じ映画人として恥ずかしくないのか?
しかもだ。
東京国際映画祭のゼネラルプロデューサーを務めている人物が、それをやっている企業のトップに就任しているとは、一体どういうことなのだ!
一映画ファンとして、悲しくて悲しくて涙が出ちゃうぜ!
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きたないことばをつかってごめんなさい。
もしかしたら「鳳凰」は角川書店のクレジットだったかも知れません。
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