2001/10/10 東京銀座「ヤマハホール」で「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」の試写を観た。

 スーパー・ナチュラルな事件が起きればどこへでも、サイケなペイントを施したスペシャル・バン“ミステリー・マシーン”に乗ってかけつけ、アッという間にナゾを解決、モンスターを退治する、今や向かうところ敵なしの全米中のスーパー・アイドルになってしまった“ミステリー社”の4人と1匹。

 ところが、“ミステリー社”が今まで退治したさまざまなモンスターの衣装を展示し、パトリック・ワイズリー(セス・グリーン)が館長を務めるクールソニアン犯罪博物館のオープニング・セレモニー中に仮面の男が率いるモンスターが現れセレモニーは大混乱、“ミステリー社”の人気も地に落ちてしまう。

 TVレポーター、へザー・ジャスパー=ハウ(アリシア・シルバーストーン)は“ミステリー社”を激しく攻撃し、クールズヴィル市民はモンスターの恐怖に怯えていた。

 そして・・・・。

監督は前作同様ラージャ・ゴスネル
出演は、フィレディー・プリンズ,Jr(フレッド/ミステリー社)、サラ・ミシェル・ゲラー(ダフネ/ミステリー社)、マシュー・リラード(シャギー/ミステリー社)、リンダ・カーデリーニ(ヴェルマ/ミステリー社)、セス・グリーン(パトリック・ワイズリー)、ピーター・ボイル(ジェレマイア・ウィックルス)、アリシア・シルバーストーン(へザー・ジャスパー=ハウ)

 本作「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」は、1969年から91年まで22年間に渡って放映されたアメリカの人気テレビアニメ「スクービー・ドゥー」の実写版第二弾である。

 一言で言えば、本作「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」は往年のアニメーション作品「スクービー・ドゥー」のイメージを完全に踏襲した楽しいファミリー・ムービーである。

 特筆すべき点としては、CGIで表現されているスクービーはともかく、ミステリー社の4人のキャラクターの動きは、アニメーション特有の動きを完全に模倣している。
 従って本作「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」はアニメーション作品「スクービー・ドゥー」のイメージを最大限に生かし、ファンのイメージを壊さず、アニメーション作品の実写化作品としては素晴らしい出来に仕上がっている。
 特にキャラクターのそっくりさ加減は賞賛に値する。

 とは言うものの、アニメーションで描かれていた(と記憶している)完璧な能天気さは、実写化により幾分薄められ、4人のキャラクターは、それぞれ悩めるキャラクターとして描かれている。
 そのあたりのさじ加減は絶妙で、本作はキャラクターの成長物語としても機能する作品に仕上がっている。

 しかしながら本作の物語はお約束でベタでチープな展開の目白押しだが、その辺りが本作を家族で安心して楽しめるファミリー・ムービーにしている所以なのだろう。

 キャストは、やはりなんと言ってもタイトル・ロールであるスクービーと、スクービーに絡むマシュー・リラード(シャギー)だろう。
 マシュー・リラードの演技と言うか、アニメ的な動きは大変素晴らしく、CGIで表現されているスクービーと見事に融和し、見事なコンビ振りを発揮している。

 また、アニメ的キャラクターとして忘れてはならないのはセス・グリーン(パトリック・ワイズリー)であろう。彼の身長の低さと髪型を含めた頭の大きさは、他の俳優と比較して等身が低く、アニメ的な印象を観客に与えている。
 また彼の「オースティン・パワーズ」シリーズで演じたキャラクターの映画的記憶を利用した脚本により、素晴らしいキャラクターに描かれているのではないだろうか。
個人的には、今後のキャリアが非常に楽しみな俳優の一人である。

 女優陣は、サラ・ミシェル・ゲラー(ダフネ)は、キュートでセクシーな魅力爆発だし、リンダ・カーデリーニ(ヴェルマ)は知的キャラだが、とあるシーンではセクシーさをアピールし、多面性のあるおもしろいキャラクターを演じている。
 また、アリシア・シルバーストーン(へザー・ジャスパー=ハウ)は憎々しげなTVリポーターを楽しげに演じている。

 VFXは何と言ってもスクービーだが、本作ではCGIと着ぐるみ等の従来の手法を使用し、CGIと従来の手法の融和に成功しているのではないだろうか。
 スクービーらの上っ面だけではなく、重量が感じられるCGIに好意的な印象を受けた。

 あとは、サイケでヒップでキュートでセクシーな世界観が素晴らしい。特に“ミステリー社”の事務所が素晴らしい。

 本作「スクービー・ドゥー 2 モンスターパニック」、大人でも、素直な少年の心で見ることができれば、大変楽しい作品である、と言えるし、楽しい仕上がりを見せた素敵なファミリー・ムービーと言えるだろう。

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 アニメーション作品の実写化と言えば、最近の邦画では「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」があるが、スクービー同様に、忍者犬獅子丸や忍者猫影千代はCGIで映像化して欲しかったと思うのだ。

「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」
http://diarynote.jp/d/29346/20040815.html

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