「テイキングライブス」
2004年8月27日 映画
2004/08/27 東京新橋ヤクルトホールで「テイキング・ライブス」の試写を観た。
1983年、カナダ。
マーティン・アッシャーという1人の少年が家を出た。
数日後、母親(ジーナ・ローランズ)の元に彼が交通事故で死亡した、という知らせが届く。
そして、現在。
絞殺の上、両腕を切断され白骨化が進んだ死体が工事現場で発見される。
広域猟奇殺人の可能性を疑ったモントリオール警察のレクレア警部(チェッキー・カリョ)は、FBIに捜査協力を要請、派遣された特別捜査官イリアナ・スコット(アンジェリーナ・ジョリー)は、限られた情報から犯人像を分析するプロファイルの天才だった。
イリアナは到着早々プロファイルを開始し、捜査は少しずつ進展をみせ始めるが、そんな矢先、新たな殺人事件が起きる。
しかし今度の事件には犯人と直面した目撃者コスタ(イーサン・ホーク)がいたのだが・・・・。
監督はD・J・カルーソー
出演はアンジェリーナ・ジョリー、イーサン・ホーク、キーファー・サザーランド、ジーナ・ローランズ、オリヴィエ・マルティネス、チェッキー・カリョ、ジャン=ユーグ・アングラード、ポール・ダノ他
本作はトマス・ハリスの「羊たちの沈黙」に代表されるサイコキラーとプロファイラーが活躍する物語である。
しかし、「羊たちの沈黙」以来多くのサイコキラーもの、プロファイルものの作品が製作され、現在ではサイコキラーにしろプロファイラーにしろ、最早手垢のついた感のある題材である、と言わざるを得ない。
そして、こういった作品に付き物である「意外性がある犯人」と言っても、現代の観客は余程の事が無い限り、余程の意外性が無い限り、驚かないような状態になっている、と言えるのだ。
そんな中、本作「テイキングライブス」は、最早手垢がついた題材であるサイコキラーとプロファイラーを題材とし、意外な犯人探しが楽しめる作品として製作された訳なのだ。
言うならば、四面楚歌的な状況の中で製作された作品、と言うことなのである。
そして、その天才プロファイラーを演じるのはアンジェリーナ・ジョリー、従来は比較的アクション指数の高い娯楽作品のヒロインを得意としていたのだが、本作では今までに無い知的な役柄を演じている。
おそらく女優としての新たな一面の模索図ったものだと思うし、場合によっては、女性天才プロファイラーを主人公としたシリーズ化の構想もあったかも知れない。
そのアンジェリーナ・ジョリーが演じた特別捜査官イリアナ・スコットの役柄は、ハンニバル・レクター博士より落ちるが、頭が良く、クラリス・スターリングくらいに美しく、ララ・クロフトくらいに強い、という際立ったキャラクターとして描かれている。
そして本作「テイキングライブス」のサイコキラーは、誰かを殺し、相手の人生そのものを乗っ取り(=テイキング・ライブス)、そして、その相手の人生に飽きたら次の獲物を探し殺し乗っ取り、それを現在まで十年以上も続けている訳なのである。
さて、本作「テイキングライブス」だが、可も無い不可も無い、水準通りの普通のサイコキラー&プロファイラーものだと言えよう。
残念ながら取り立てて、ここが凄いとか、どこが凄い、と言ったところは無いのだが、主要キャラクターが脚本上きちんと立っており好感が持てた。
特にアンジェリーナ・ジョリーとイーサン・ホークが良かった。
シリーズ構成を考えると脚本的に問題は無い訳ではないが、アンジェリーナ・ジョリーが演じる特別捜査官イリアナ・スコットの成長物語とか、特別捜査官イリアナ・スコット登場編としては大変面白い作品に仕上がっているのではないだろうか。
また、脇を固める警察陣を演じたチェッキー・カリョ(レクレア警部)、オリヴィエ・マルティネス(パーケット刑事)、ジャン=ユーグ・アングラード(デュバル刑事)もそれぞれ良い味を出している。
直情的な刑事と理性的な刑事のコンビだとか、物分りは良いが部下に厳しい上司だとか、若干ステレオタイプ的な感が強いが、存在感は充分であった。
また、キーファー・サザーランドだが、おそらく多くの観客も予想していると思うのだが、比較的上手い使い方をされていた。
結果的に本作は、決して娯楽大作では無いが、小粒でピリリと辛い、こ小気味いい作品に仕上がっている。
強い女性、恐い女性を見たければ是非オススメの一本なのだ。
観客に対する目配せ的伏線も多々あるので、謎解きファンにもオススメの一本だと言えよう。
しかし、わかりやすい伏線が多く、謎解きも比較的簡単なので、コアな謎解きファンにはすすめられないかも知れない。
もしかすると本作は、謎解きより、サイコキラーのステレオタイプ的な室内や、初心者向けのプロファイルの過程、アクションやショック描写を本来は楽しむ作品なのかも知れない。
☆☆☆ (☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)
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1983年、カナダ。
マーティン・アッシャーという1人の少年が家を出た。
数日後、母親(ジーナ・ローランズ)の元に彼が交通事故で死亡した、という知らせが届く。
そして、現在。
絞殺の上、両腕を切断され白骨化が進んだ死体が工事現場で発見される。
広域猟奇殺人の可能性を疑ったモントリオール警察のレクレア警部(チェッキー・カリョ)は、FBIに捜査協力を要請、派遣された特別捜査官イリアナ・スコット(アンジェリーナ・ジョリー)は、限られた情報から犯人像を分析するプロファイルの天才だった。
イリアナは到着早々プロファイルを開始し、捜査は少しずつ進展をみせ始めるが、そんな矢先、新たな殺人事件が起きる。
しかし今度の事件には犯人と直面した目撃者コスタ(イーサン・ホーク)がいたのだが・・・・。
監督はD・J・カルーソー
出演はアンジェリーナ・ジョリー、イーサン・ホーク、キーファー・サザーランド、ジーナ・ローランズ、オリヴィエ・マルティネス、チェッキー・カリョ、ジャン=ユーグ・アングラード、ポール・ダノ他
本作はトマス・ハリスの「羊たちの沈黙」に代表されるサイコキラーとプロファイラーが活躍する物語である。
しかし、「羊たちの沈黙」以来多くのサイコキラーもの、プロファイルものの作品が製作され、現在ではサイコキラーにしろプロファイラーにしろ、最早手垢のついた感のある題材である、と言わざるを得ない。
そして、こういった作品に付き物である「意外性がある犯人」と言っても、現代の観客は余程の事が無い限り、余程の意外性が無い限り、驚かないような状態になっている、と言えるのだ。
そんな中、本作「テイキングライブス」は、最早手垢がついた題材であるサイコキラーとプロファイラーを題材とし、意外な犯人探しが楽しめる作品として製作された訳なのだ。
言うならば、四面楚歌的な状況の中で製作された作品、と言うことなのである。
そして、その天才プロファイラーを演じるのはアンジェリーナ・ジョリー、従来は比較的アクション指数の高い娯楽作品のヒロインを得意としていたのだが、本作では今までに無い知的な役柄を演じている。
おそらく女優としての新たな一面の模索図ったものだと思うし、場合によっては、女性天才プロファイラーを主人公としたシリーズ化の構想もあったかも知れない。
そのアンジェリーナ・ジョリーが演じた特別捜査官イリアナ・スコットの役柄は、ハンニバル・レクター博士より落ちるが、頭が良く、クラリス・スターリングくらいに美しく、ララ・クロフトくらいに強い、という際立ったキャラクターとして描かれている。
そして本作「テイキングライブス」のサイコキラーは、誰かを殺し、相手の人生そのものを乗っ取り(=テイキング・ライブス)、そして、その相手の人生に飽きたら次の獲物を探し殺し乗っ取り、それを現在まで十年以上も続けている訳なのである。
さて、本作「テイキングライブス」だが、可も無い不可も無い、水準通りの普通のサイコキラー&プロファイラーものだと言えよう。
残念ながら取り立てて、ここが凄いとか、どこが凄い、と言ったところは無いのだが、主要キャラクターが脚本上きちんと立っており好感が持てた。
特にアンジェリーナ・ジョリーとイーサン・ホークが良かった。
シリーズ構成を考えると脚本的に問題は無い訳ではないが、アンジェリーナ・ジョリーが演じる特別捜査官イリアナ・スコットの成長物語とか、特別捜査官イリアナ・スコット登場編としては大変面白い作品に仕上がっているのではないだろうか。
また、脇を固める警察陣を演じたチェッキー・カリョ(レクレア警部)、オリヴィエ・マルティネス(パーケット刑事)、ジャン=ユーグ・アングラード(デュバル刑事)もそれぞれ良い味を出している。
直情的な刑事と理性的な刑事のコンビだとか、物分りは良いが部下に厳しい上司だとか、若干ステレオタイプ的な感が強いが、存在感は充分であった。
また、キーファー・サザーランドだが、おそらく多くの観客も予想していると思うのだが、比較的上手い使い方をされていた。
結果的に本作は、決して娯楽大作では無いが、小粒でピリリと辛い、こ小気味いい作品に仕上がっている。
強い女性、恐い女性を見たければ是非オススメの一本なのだ。
観客に対する目配せ的伏線も多々あるので、謎解きファンにもオススメの一本だと言えよう。
しかし、わかりやすい伏線が多く、謎解きも比較的簡単なので、コアな謎解きファンにはすすめられないかも知れない。
もしかすると本作は、謎解きより、サイコキラーのステレオタイプ的な室内や、初心者向けのプロファイルの過程、アクションやショック描写を本来は楽しむ作品なのかも知れない。
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